DoS攻撃から一夜明けて管理人殿の尽力あって投稿できたことを誠にありがとうございます。
では続きをどうぞ。
ウルク=ハイ
トールキンが創造したオークに連なる種族で、陽の光に耐性があり、強靭な肉体と不眠不休で行軍を行えるタフネスを揃えた暗黒の軍団となる。
指輪物語では常に滅びの山へ力の指輪を捨てる主人公達と敵対し、その旅を邪魔するべく力を振るっていた悪役でもある。
通商でやって来ていたアース人はこう語る。
「奴らは野蛮かつ暴力的で開拓の邪魔になって来た存在です」
故に、ストライダー達もウルク=ハイの討伐は日常的なものらしい。
縛られ、運ばれた先はウルク=ハイが作ったとされる集落の一部。
過去、この惑星が大破壊によって崩壊した文明の残滓らしく、かつてのコンクリートジャングルの中へと入っていく。
周りは既に夜に差し掛かっているが、夜目の効くウルク=ハイにとってはあまり気にならないのか足取りは規律正しく歩いていた。
(……一体どこに連れてかれるんだ?)
最初は驚いてしまうも、だんだんと落ち着きを取り戻して冷静に判断出来るようになると。
(…苔むし方が深いなぁ…大分森に侵食されてるみたいだ…)
と周りを観察しながら状況理解をしていく。
暴れまわった所で逃げれるとは思えず、土地勘のない自分では大人しくした方がまだマシだと思っている。
(もう少し情報を集めておこう。そうすれば逃げる際でも何か役に立つ物があるかも知れないし…)
とはいえ、限られた情報の中でというのも中々難しい。
今は静観の時と暫く大人しくしていると。
『フゴッ!!』
『ゴァッ!ゴゴッ!!ガァッ!!』
『ゴアッ!』
廃墟のビルの中へと入っていく。
中は意外と綺麗に保たれており、もしかするとウルク=ハイが手入れでもしているのかも知れない。
(というより、ビルだと判断したけどこの建物本当に何なんだろうか?)
そうこうしている内に、建物の下部分へ歩が進む。
地下に向かっているのか、階段を降りて10分ほど経つと。
此処だけ真新しく、鉄格子に囲まれた部屋が幾つも見えた。
どうやら、牢獄と言うものみたいだ。
中を一瞥すると。
その様子から察し、ウルク=ハイにも性欲と言うものがある事を理解させられた。
自分其処まで背は大きくは無いけれど、まさか女性と勘違いされているのかなチクショウ。
『ブゴッ!ブギュゥゥ!!』
『ブゴゴッ?ブゴァァ!!』
一応向こうは意思疎通出来ているのか、会話らしい発音はなされている。
でも自分には分からないので全く意味がないのだが。
そうこうしている内に入る予定の牢屋の前に着いたらしく、鍵を開け、僕はそのまま放り込まれた。
「あでっ!?」
両手が縛られている為に受け身を取ることは出来ず、顔が冷たい床にぶち当たり、芋虫じみた格好でその場を踞ってしまう。
『ブギャァッ!!ブブブッ!!』
『ゴァッ!ゴギュゥゥ!!』
どんな状態になろうとも関係ないのか一瞥しただけでウルク=ハイ達は鍵を閉めて去っていった。
(……いてて…、とりあえずこの状態はキツイから…)
と言うことで身体を転がし、鉄格子を背にする。
次に上体だけでも起こし、何とか座ることが出来た。
(………これからどうなるのだろうか)
此処に入れられる前に持っていた装備は外すことの出来ないガントレット以外全て奪われてしまった。
外へ出るにも取り返さねばならない。
(だけど、今日明日で殺す予定ならこんな所に入れるわけ無いしな…)
期間は分からないが、少なくとも今慌てふためいて暴れまわっても体力の消耗に繋がるだけだろう。
とりあえず動きがあるまで一旦は静観を決める事とする。
冷たい床に転がってから幾日経ったか忘れてしまった頃、誰かが新しく入った様子が見える。
誰かは分からない。
男であったら首を切断されて、腐り切るまで外に放置されるから男では無いらしい。
ああ、私と同じく哀れな被害者が来たと言うことで、私はどうなってしまうのだろう。
(………アッ…)
叫び散らした喉も声に成らず、枯れ果てた草のような音しか出せない。
何度放出した精液を飲まされたのだろうか?そのせいで奥の鼻腔から生臭い呼気で一杯になっている。
汚されれば身体の周りだけはバケツの水でぶち撒けられ、中途半端な覚醒と共に挿入を行われる。
孕むことは無かったのが幸いなのか、其れ共不幸だったのか、私はこのままうち棄てられる事となるかも知れない。
『ゴフッ!!ゴブブッ!!』
またやって来た。
数十人単位でだが何となく覚えているもので、このウルクだけは妙にねちっこく愛撫してきてから挿入を行ってくる。
個体差という物もあるのだろう…たぶん。
そう思っていると、その巨体で私を覆い。
『ブゴッ』
胸を手で掴み始める。
…………
「ぁあ゛っ゛…!?お゛っ゛っ!?」
太く大きなイチモツが膣内に入ると、腰を振って前後に動かされる。
その摩擦と肉の圧迫感で頭が痺れるような感覚になるも、既に出来上がってしまった為か、最初の頃の痛みはもう感じられない。
「もっ…駄目っ…イッでっ…!?るぅぅ゛…」
何度繰り返されたか分からないやり取りは、相手にとって反応を愉しむスパイス程度にしかならない。
無理矢理組み伏せられ、身体を蹂躙され、最後には。
『ゴァァァア゛ア゛ア゛!!!』
限界を示す様に胎内へと白濁液が放出された。
「いっ…やぁぁ……」
また射精された。
何度も何度も孕ませる目的で出され続けて幾日。
いくら孕まないとはいえ、こうも続けば身体に支障が出てしまう。
もう諦めてしまおう。
此処で遅かれ早かれ死ぬのだとそう思いながら。
過度の疲労で、目を閉じる。
疲労困憊が積み重なってしまったせいで完全に寝落ちしていた。
殆ど気絶とも言うべき状態であるけれども、一応自身で覚醒出来たのは上々と思おう。
《おはよう御座いますユーザー。現在時刻は未明4時と推定されます》
「意外と寝てたな…」
何もすることは無いので早寝したら早起き出来た。
これで三文の得かも知れないが…。
「三文分の良いこと起きてほしい」
いや、せめて安全に生活出来る場所まで良い事が起きててください。
そろそろ覚悟決める精神にヒビが入りそうで怖い。
「…さて…問題はこの鍵だな…」
両手を縛っていた縄は壁に擦り付けて切断出来たので自由はきくものの、問題はこの鉄格子である。
糸鋸みたいなのがあれば良いけれど其れが出来たら此処には居ない。
であれば別の手段を講じるしか方法は無い訳だが。
「どーするかな…」
切断出来れば良いのだがと思うと。
《予備のバッテリー液を鍵穴に掛けることで、切断が出来ます》
「バッテリー液で?」
《はい。格子に使われている物質とバッテリー液の化学反応で融解する事が分かりました》
「つまり、鍵を壊せるわけね」
とりあえず開ければ問題はない。
周りを見渡し、見張りがいるかどうかを探ってみるけれど。
「………居ないな」
《レーダーに反応なし。少なくとも周りには確認出来ません》
姿を隠せるのか?と考えたけれど、動体センサーであるこのレーダーから騙すことなど出来そうにはない。
であれば、大分ガバガバなセキュリティだこと。
まぁ今なら都合が良さそうだ。
先ずガントレットの予備バッテリーを取り出し、ネジ回し式の蓋を取る。
中には青紫色の粘性を帯びた液体が入っており、触れれば直ぐに爛れるとカリキュラムに載っていたことを思い出す。
「……さて」
もう一度見回す。
ウルク=ハイの姿は確認されず、ある程度動く事も出来そうだ。
意を決し、反対側の鍵穴にバッテリー液を流し込む。
ドロリと粘性のあるバッテリー液が鍵穴の中を伝い、ある程度入った事を確認してから流すのを止め、一旦蓋をする。
それから直ぐ、ブスブスと音を立てては煙も上がり、鍵が開いた。
「よっしゃっ…」
まさかバッテリー液で鍵を開けるとは考えられなかったが、まぁいい。
抜き足差し足忍び足と、爪先で音を立てぬように歩きつつ、牢獄のフロアから脱出を図る。
幾つか牢屋を通り過ぎて見ると、何人かの女性が衣類の1つもまともに着ておらず、据えた臭いで何なのかを示唆している。
このまま放置をするつもりはないが、助けようにも何も持っていない以上、救出など出来はしない。
ならば有限の時間を駆使して捜索に入る。
武器になりそうな物、出来れば拳銃よりは強いのが望ましい。
そう思って、壁を背にし、周りを見ながら進む。
…………
牢獄から過ぎると今度は扉が幾つも続く長い廊下が出てくる。
此処も恐らく牢屋の類であろうか?
中を除く窓が扉に2つ、上と下にあるのを確認する。
先ず聞き耳を立てて見ると。
『ブゴォォ〜…ブゴォォ〜…』
ウルク=ハイの寝息が聴こえてきた。
なるほど、此処はどうやら寝床の様だ。
(……閉じ込められるかな?)
もし此処が監獄の類ならば何処かに扉のロックを一斉に閉める制御室的なものがあるのでは?と思う。
其れがあれば、大多数のウルク=ハイ達を閉じ込められ、煮るなり焼くなりでどうにか出来る。
と思っていたが。
(…そう安々とは行かないよね…)
のぞき窓から見るとまた1人と性処理に置かれた女性の姿を確認する。
閉じ込める作戦は保留。
武器を見つけてやっつける方針で行くしかない。
(とはいえ、武器になるのって何処にある?)
少なくとも此れだけの人間?が居るならば持っていた物を何処かに仕舞っていてもおかしくはない。
ただ、闇雲に探していても見つかるものでも無いので、ある程度当たりは付けねばならないが。
と、先をよく見ると一際大きな扉がある。
両開き式の其れは、自分が両腕をいっぱいに広げたとしても届かない広さを誇っており、頻繁に出入りされてるであろう擦れた床を見て、何かがあると確信する。
「……開かないか…」
《この扉にはバッテリー液による融解は使えません》
「そうかぁ…」
そう上手くいく訳でもない以上、何か別の策を考えねばならない。
(ウルク=ハイ達が出入り出来るなら誰かが鍵でも持っているのかも?)
と言うことで目標はこの扉の鍵を探す。
一体誰が持っているのか?
そう考えて居ると。
《ウルク=ハイの首領は独特の化粧が施されています》
「…つまり、何か塗ってるとか?」
《ハイ。恐らく屠殺した動物の血等を使っていると思われますし、首領は別の部屋にいる可能性があります》
「そうか。分けるよね確かに」
格の違いを見せる為、別の大きな部屋に居ること。
まぁまぁこういった形態の生活スタイルをしているとある種の面子を重視する。
主に舐められない様にと首領になることへの憧れ的なものだろうか?
まぁそんな生態とかを考えるのは後にしとくとして。
「居そうなのは上か?」
《老朽化やその他問題を考慮し、其処まで上には居ないと思われます》
「分かった…」
と言うことで、上へと向かってみる。
…………
階段を上がり、老朽化を考えて三階を当たってみる。
「……あの部屋か?」
都合よく見つかるわけが無いかも知れないが、ウルク=ハイには独特の体臭が確認されている。
臭いの正体は恐らく硫化アリルみたいな物質。
そこら辺に転がっていた長ネギみたいな植物の残骸からみて、ウルク=ハイはネギ類を常食する傾向があるようだ。
そんな臭いが集中的に起こるところと考えれば…。
(………居た…!?)
部屋の真ん中、狩られたらしい獣類の毛皮の敷かれている所にずんぐりむっくりの大きな体躯のウルクを見つけた。
顔に描かれている泥と石粉で練られた部族長の証たる化粧を見ると、間違いなく首領のソレと考える。
(ってかめっちゃ寝てる…まぁ、今の時間は未明である以上一番深い眠りについているんだけどね)
こうなるとちょっとやそっとでは起きることは無いが、一応静かに忍んで入ろう。
『ブッ…グギュュュ…グゴォォォ…』
仰向けに寝ていると舌が下がって呼吸器官を閉鎖させてしまうのでイビキをかくそうな。
と言うことはウルク=ハイの連中は睡眠時無呼吸症候群に当たると素人目線であるけどそう診断する。
となれば起き上がる事はもうない。
部屋の中腹まで辿り着くと、首領の周りには3人…いや、4人の女性が散らすように寝転がっている。
うん、お楽しみに後に寝落ちしたと考えられる。
(武器は……あれか?)
若干暗がりの中から、壁に立てかけられた鎧と剣らしき鉈っぽい武器を見つける。
その隣に、首輪に付けられた鍵も見つけた。
(この鍵か?)
《形状一致。間違いありません》
倉庫?の鍵を手に入れた。
此れで何かを得られるだろう…多分。
と言うことで、ウルク=ハイの剣を持って、下へと戻ろう。
とした時。
「…………」
「…えっ?」
目の前に少女が立っている。
薄暗さで分からないけれど、黒褐色の少女はその素肌を隠さず、が僕の目と目が合う。
不味い。
これは大声で叫ばれて不味いことになりかねないやつだ。
と言うことで。
「はっ…ハロー…」
手を振って自分は無害だとアピールをする。
そもそも剣を持ってアレしてる奴が何なのか?と思われるかも知れないが。
「………[ガッ!!]」
「へっ?」
突然に少女が持っていた剣の柄を握りしめ、僕から奪い取る。
流石にそちらを想定してなかったせいで、尻餅をついてしまうが、彼女はそのまま剣を振り上げ。
『…ブモッ?』
「………!![ザシュッ!!]」
『グギャァァァァア゛ア゛ア゛!!!?』
首領の頸へ一刀両断を決めた。
「……『仇を取ったよ…御父様』」
やった。
やっちゃったよ…。
《………反応多数。ウルク=ハイと思われる個体が続々と此方へ向かっています》
「ですよね畜生!!?」
「???」
切った本人は全く理由の分からない顔をしている。
実はウルク=ハイは首領を決める際、決闘で生き残った方がなる場合と、首領をぶち殺した奴を殺した者がなる2つのケースがある。
ちなみに後者の場合は、首領の臭いがべっとりと着いている者を狙う方式とか。
「……ああっ…!畜生…!!」
このままでは彼女も殺されかねない。
迷う暇など無く、ドクドクと流れ続けている首領の血を手に付けて顔に塗り、服にも手形のように貼ってうつす。
「君は絶対に此処にいろよ!?変に逃げたりしたら駄目だからな!?」
「…??」
《『此処に居て下さい。貴方の命を尊重する為に』》
「……!『わかった』」
彼女に通じていなかったのかガントレットの方から翻訳してくれた。
どういう原理なのか伝えたい相手には伝えられる機能もあるらしい。
兎に角、剣を手にして急ぎ逃げなければならない。
何処へ?と言われたら何とも言えないけれど、走るしか無い。
先ず部屋から出て廊下を走っていると。
『ブモォォ!!!』
『『『『グガァァァア゛!!!』』』』
昇ってきたウルク=ハイの集団に前を塞がれた。
直ぐ、方向転換で後ろを見るも。
『『『『ゴァァァアアア!!!』』』』
同じ様にやって来ている。
不味い囲まれた。
どうするべきか考えて周りを見渡すと。
「っ!?エレベーター!?」
貨物用の昇降機があった。
扉はなく、中には箱は確認出来ないが、登ることは何とかなりそうだ。
「ってことでおりゃぁああ!!」
と言うことでシャフト内の鉄骨やら何やらの出っ張りに捕まり、ロッククライミングを始めた。
ちなみにやった事は中1のレクレーションの時である。
『ガァァァアアア!!?』
流石に狭い入口を無理矢理入ろうとするが、綺麗に嵌ってしまい、抜け出すのは多分難しいだろう。
勝手に詰まってくれたので助かるが、それで諦めてくれるとは到底思えず、危険を犯してでも四階以上へ昇り、捕まえようとするだろう。
その前に出来る限り昇って扉の隙間から見ながら。
『ブギャァア゛ア゛ア゛!!?』
来たことを確認し、また更に昇る。
ウルク=ハイ達は其処から追いかけて五階六階と僕を追いかけ続けるのを確認。
『ギャギャギャッ!!』
もう昇れないと思い込んでいるのかケタケタと笑い声を上げて扉の前へ迫ってくる。
だがこれが僕の狙いである。
「……ではバイナラ!」
壁の出っ張りから吊られているワイヤーへと飛びつき、厚手に巻いた両手で瞬時に
「わっわわわぁぁぁあ゛あ゛あ゛!!?」
厚手に寄せておいた摩擦に強い服の袖でも熱を帯びてメタクソに火傷しそうになるも、我慢しながら降りて直ぐ。
『ブギャッ!?』
「あっ、御免遊ばせ?」
『ギャッブッ!?』
ゴギッ!?っと脊椎を折った音が響く。
そりゃ身体のダメージとかは少しでも抑えときたいし、ウルク=ハイの頭を蹴飛ばすのも脱出には必要な行為と言える。
終点の地下二階に落ちていた箱の上と着地。
火傷しそうになった掌は赤く腫れ上がっているがそうも言ってられないので直ぐシャフトから出る。
流石に追いかけ切れてないからか、姿は見えない。
《反応は四階で留まっている様子です》
「じゃあすぐに行かないと!」
武器があれば良いが、無かったらもうどうしようもない。
もう此処まで来たら突っ走るしか無い以上、進んで中を見るしかない。
と思いながら、再度倉庫の前へと辿り着く。
「……えっ…開けゴマ」
鍵を差し込み、回す。
直ぐに鍵が開き、両開きの扉を開くと。
「………わぁ…」
何時からなのか、よくは分からない。
しかし、壁や机等に置かれている
周りを見渡せば銃器の殆どは見たことのある物ばかり。
米国製
がっ…。
「………嘘だろ?」
機関銃に利用する弾帯(ベルトリンク)が確認出来ず、辺りを見回しても銃弾らしい物は無かった。
他の部屋か?
だが、其れを探す暇など今の自分には無い。
『『『『グォォォオオ゛オ゛オ゛!!!』』』』
遠くから響く声には流石にビビる。
これは不味いと肝を冷やし、急いで出なければならない。
だが、何も持たないのも格好がつかないので動くか分からない未来銃を手に取り、服のベルトで固定。
直ぐに部屋から飛び出して逃走。
《ユーザー。前方から複数反応確認》
「つまり!?」
《挟まれます》
「畜生…!?」
世の中には百合の間と化け物の間には挟まれたくない。
いや、他にもあると思うけど今は思い浮かばないわけだ。
兎に角、足元の非常灯らしき光のお陰で他にも道がある事が分かる。
これが非常口の誘導灯であったらいいが、如何せん昔の人達がどの様な目的で作ったかまでは理解し難い。
とはいえ、今は信じて走るしか無い。
が。
『ブギァッ!!?』
相手の姿が見えた。
こりゃ追いつかれそう。
確かに相手の方が身体能力高い事分かってたもん。
コッチ158cmしかねぇし、歩幅サイズ的に負けるもんマジでさ。
相手の一歩は僕の二歩半だからな畜生。
と愚痴っぽく思っていたら続々と合流する通路から大勢やって来たよ。
『『『『『ゴァァァア゛ア゛ア゛!!!』』』』』
「まだ死にたくないぞちくしょーーー!!」
女の子とまともに付き合ったことが無いのに死んだら末代までの恥だ!
っと言うよりそうなったら末代僕だけども!?
《ユーザー、跳躍行動を指示します。どうか準備を》
「えっ!?何!?」
《5、4、3…》
「ねぇ!?ホント何!?怖いよ!!?」
薄暗い通路を走り続けていきなりカウントダウンを始める。
普通此処は止まるとかそんな感じでは?と思いつつ、ジャンプを指示するという事は。
《2、1…》
「ちくしょー!!!?」
何度目のチクショウか、コウメな太夫のネタみたいな事言いすぎてどういう意図なのか分からぬまま、僕は。
「I can fly!!!!」
https://youtu.be/IeSm4tL6kEk?si=uKNUAjezXAQSY3Ma
飛べと言われた以上飛んだ。
その先に吊り下がっていたとされるワイヤーなのかロープなのか切れて使い物にならない電線だったかは分からないけれど。
『グゴォッ?』
『『『『『???』』』』』
追ってきていたウルク=ハイ達も分からぬまま、突然消失した床に足を踏み入れ、止まることも出来ずに。
『『『『『ギャァァア゛ア゛ア゛ア゛!!?』』』』』
奈落の底へと落ちていった事を最後に見るのだった。