※この作品はR-18です。

崩壊系異世界でお人好しが生き延びるには   作:グリーヴ

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第五話 暫しの休息

 

 

ツールショップ【フォーチュン】

 

 

所狭しと機能性に優れた軍放出品の装備や上下服がWORKMANめいた空間によって支配されている。

 

同時にテキサスとかインディアナみたいな所のミリタリーショップを思わせる辺り、共通する部分はあるみたいだ。

 

そんな店内で。

 

『……悪くないな』

《良い仕事だと言っています》

「そうかい。ドワーフ製の片刃剣は愛用者も多くてね?」

 

彼女、〔シグルーン〕は老輩の店主から手にしたシミター(もしくはシャムシール)を軽く振って見せる。

 

淀み無く、流れるように振られた偃月の刀身は僕の身体であれば膾切りにされるだろうと正直な感想が出る。

 

【神官】という職務上、儀式や日常生活での作法を含め、武術は一通り習得し、常日頃武具の取り扱いもしていた為、手足の如く使いこなしているとか。

 

少なくとも僕よりは強いと断言できるわけです。

 

『どうしたのだあ(・)る(・)じ(・)殿(・)?少し複雑そうな顔をしているが?』

《『年頃の男性は単純そうで複雑な心境を持っています故に』》

『そう…』

 

流石に全文分からないけどニュアンスとか表情で僕の事だとは判明する。

 

黒褐色の肌と実戦的に鍛えられた靭やかさを持つ肢体。

新しくこの店で買った服に袖を通すとその美貌も神官という職務から選び抜かれた存在を表している。

 

シグルーン。

 

勝利のルーンを表す名は神官となった時に襲名したもので、ダークエルフ達にとっては栄誉ある称号でもあるそうな。

 

そんな彼女が、何故?と思うが。

 

『ん?弓もあるのか?』

《アチラの弓矢は購入可能ですか?》

「ああ、ライフル買う奴等には不人気だが、矢に工夫すれば色んな種類のがある。威力も保証するぞ?」

《『矢尻は交換すれば様々な種類があり、複合素材で重ねられていますので威力は十分です』》

『そうか。では買おう』

 

シグルーンが和弓よりは少し短いけれど短弓よりは長めのコンポジットボウを手にし、弦を引いて確かめ始める。

前に弓道部のある学校に見学してた際、4本矢が見事的のど真ん中を射抜き、皆中と拍手喝采されていた光景を思い出す。

 

その手慣れた感も恐らく何百回も訓練を積んだものだろう。

 

『使い心地を確かめたいが何処か良い場所はあるか?』

《試射場を使いたいとのことです》

「じゃあ、向こうにピットがあるから使わせて貰いなさい」

《『試射場が向かい側にあります。そちらを』》

『分かった。行くぞ?』

「へっ?あっ…ぁあ〜!!?」

 

有無も言わさず僕は引っ張られていく。

 

 

 

おおよそ半日前。

 

 

 

『さぁ来い。手前勝手実践はしていない故に申し訳ないとは思うが我が身を自由にして良い』

《バッチコイレッツゴーとの事です》

「何ゆえに!?」

 

ガープさんから貰った鍵のキーホルダーに記載されていた部屋番号に入ると、何故かネグリジェ姿の彼女がいた。

 

ガープさん曰く、ダークエルフという種族で、光の差さない深淵の森と呼ぶ領域に住む。

基本的にエルフと変わらないそうだが、傭兵的なポジションになりやすく、各地で起こる戦争に外征するケースがよくあるそうな。

 

尚、同じ出身同士では戦わない事としており、同族との戦いも稀なケース以外は行われないそうだ。

 

そんな彼女だが。

 

「あ、あの…どういうことでこれは?」

《ダークエルフはエルフと違い、貞操的な考え方はおおらかで、伴侶と決めた男性に対してアピールする事は必要だと考えています》

「伴侶?えっ?」

 

どうにも僕に対して愛情表現的な行為をしているわけです。

 

何だかさっぱりだけれど。

 

『………もう少し胸あたりを強調してみるか』

《『流石に性知識の薄いティーンエイジャーにそれは高度な嗜好だと断定しますが?』》

『うむ…中々難しいな…』

 

僕には全く通じない言語で話し合われると結構困るんだよね。

 

ちなみに説明が遅くなったけどガントレット内にはストライダーをサポートするAIが搭載されており、ダークエルフの彼女と通訳してくれたりと様々な機能があるそうだ。

 

そんな高性能な人工知能さんの名前は…。

 

《『申し遅れました。ユーザーのサポートを行います〔Ellen〕です。以後お見知りおきを』》

『〔エレン〕?なるほど…』

 

聖人名で輝くものという意味になるらしい。

お陰で暗い中でも道しるべになってくれたと思う。

 

『しかしエレン。ではどうしたら良いか?』

《『そもそも恋愛経験皆無ではこの状況は察する事が難しいと判断します』》

『…………』

 

とりあえず服着て欲しい。

 

『肝心な事を聞くべきだったな…』

《『トライアンドエラーは大事です。それとなくユーザーにも伝えますので頑張りましょう』》

『……ソナタも良き忠臣であるじ殿も誉れ高いな』

 

僕抜きで楽しく談笑し合うのはちょっと悲しい。

 

彼女の言語を話せるようになりたいな。

 

 

で、彼女がどうしてこうなったか、話を聞くと。

 

『神託の御子。其れが我らが護る神の化身で、我が一族の崇拝対象であった。しかし謎の勢力によって御子と他の神官…そして我が父が憂い目に遭い、私はその者達に囚えられた』

 

つまり、自分達の住んでいた地で略奪にあい、家族や仲間が殺されたと言うことだ。

 

異世界事情は其処まで詳しくないけれど、中々殺伐としている事だけは理解できた。

 

『父を殺したのはその勢力の一部族、つまりウルク=ハイの首領であった。だから仇討ちが出来た事には感謝したい』

 

エレンを通じて感謝されるけど、そのつもりで助けてわけじゃないから何とも言い難い。

 

とはいえ。

 

「それでも伴侶ってのは段階飛ばし過ぎでは?」

《『物事には順所があり、ユーザーを含めた彼等は先ず友人から始めるのがマナーの一つであります』》

『どうもじれったい風習だ』

《『お見合いという顔を合わせて結婚した後に愛を育むパターンもありますが?』》

『そもそも我等はピンと来るなら直ぐにが我等の作法だ』

《出会って数秒が命との事です》

「多分違うよねソレ?」

 

アメリカ映画みたいにバーで会った行きずりの人と一夜明かすみたいなノリは流石に出来るほど恋愛平均値とか貞操概念的に低くはないのだ。

 

『……ではあるじ殿の作法に習い、こういった格好でのアピールは少し先にしておこう』

《ネグリジェについてはもう少し後々にしておきますとの事です》

「あっ、いいえ。そのネグリジェは可愛いんで着てて下さいお願いします」

『……なんだ?』

《『男性の浪漫的なものです。とてもお似合いですよ?』》

『………///』

 

セクシー寄りのランジェリーネグリジェ姿は精神衛生上永続的回復装備なのだ。

少なくとも僕の為に着てくれたならば嬉しくないわけ無い!

 

《『今後は徐々にセクシー路線を維持しつつ、信頼関係を築く事を作戦に入れましょう』》

『ああ。了解した』

 

と言うことで彼女、〔シグルーン〕と僕は互いに自己紹介をした後に、一緒のベッドで寝ることとなった。

 

何故?そりゃまだ未定とはいえ、伴侶ですから。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

と言うことで新しい服とその他諸々を買った後に試射場へと訪れる。

 

ちなみに試射場の店主はツールショップの孫娘さんとのこと。

 

試射場の入口である市営鉄砲店には銃火器は様々、拳銃から散弾銃に短機関銃やら自動小銃に軽機関銃などなど、あらゆる銃器が壁に立てかけられている。

 

この都市では最も取扱数に誇るが、基本的に無難な商品ばかりと言うらしく、ニッチな商品が欲しい場合は地下のマーケットへとも言われた。

 

とは言うものの。

 

「其処まで銃とかに拘り無いからなぁ」

 

そもそも講習で教わった程度かつ拳銃しか撃ったことが無い日本人にそんな大層な考えがあるはずもなく、唯一査定してもらう予定でいた近未来的なライフルだけは背負ってきた。

 

「いらっしゃい。欲しい銃ある?それとも試射場を使うかい?」

 

店のカウンターに1人、小柄ながらガッチリとした身体つきの女性から声をかけられる。

この人が孫娘さんなのだろう。

 

「僕はこのライフルを見てもらおうと思いまして…後彼女は試射場を使いたいとの事です」

「そうかい。おーい其処のお嬢さん」

『…私か?』

「そうそう。ってか通じない方か…」

 

弓の試射をしたいシグルーンを呼ぶも、彼女の言葉は店主も分からず少し困惑した表情を取ると。

 

《コチラで翻訳致しますのでそのままでどうぞ》

「ふ〜ん?何だ、ストライダーだったのか?」

「あっ、ハイ」

「まぁいいさ。それじゃ先に試射場案内するから此方来な」

《『案内しますとの事です』》

『そうか、分かった』

 

店主の案内の下、僕らは試射場の中へと向かう。

 

試射場は屋外に2種類、紙にターゲットが描かれた物を的とする実弾射撃と"キルハウス"と呼ぶ実戦を模した射撃訓練施設がある。

 

特にキルハウスは所定のスタートラインからターゲットとなる人物を撃ち、走り、民間人には当てず、ゴールを目指してその経過時間と撃破数を競う物で、シグルーンはこのキルハウスを選んだ。

 

「本当は銃を使うタイプだけど良いのかい?」

《『銃器を使用する前提の施設ですが?』》

『構わん。ナイフ等は?』

《『有りです』》

『では始める』

 

背負った矢筒にはターゲット分の15本の矢が入れられており、一本一殺の考えで挑むつもりだ。

雰囲気からして多分手慣れているのだろう、弦の引き加減を見てはシミターの下げ位置を確認して直ぐ抜けるように動作を取る。

 

「カウントダウンは3つだ」

『……分かった』

 

店主が人差し指中指薬指で3本見せ、シグルーンが頷く。

 

これくらいのジェスチャーは分かるみたいだ。

 

「…3」

 

薬指を折り。

 

「…2」

 

シグルーンはスタートラインで弓を構える。

 

「1…」

 

手元のストップウォッチのスタートが押され。

 

「スタート!!」

 

一瞬でシグルーンが黒い影と化し、最初のターゲットの頭部を矢が射抜かれる。

 

次に現れた自動小銃持ちのターゲット3つが綺麗に眉間へ射られ、すぐ後ろから現れたターゲットにはシミターによる斬撃が走る。

 

次は屋内。

 

中は窓から差し込む陽光しか明かりはなく、陰になった部分が暗く際立たせている為、目の明暗調節がし辛くなる仕様だ。

 

それでも、工夫次第では陰から出てくるターゲットを的確に倒す事も出来るとか。

 

「すげぇ、4つのターゲット瞬く間に射抜きやがった」

 

シグルーンは本当の意味で戦士なのだろう。

 

突然現れたターゲットにも手にしている矢で喉笛部分を刺して倒している辺り、実体験から得た攻撃行動も行けるみたいだ。

 

後はゴールまで全力疾走。

 

其れをまるで突風の如く走り抜けば、キルハウスのタイムアタックが終わった。

 

「………アンタ、ウチの新記録更新しやがったな」

『……何を言ってる?』

《『おめでとうございます。此処の最新記録保持者に認定されました』》

『ほう。慣らし程度のつもりだったが…』

《次も挑戦したいとのことですが?》

「嘘だろ?」

 

あれだけのスピードで息一つ切らしてない様子で僕も乾いた笑いしか出ない。

伴侶と呼ばれているけどこんなに負けっぱなしで良いのだろうか?

 

「あんたもやるかい?」

「……自信無いので止めときます」

「まっ、こんな記録見せられちゃ萎縮しちゃうわな」

 

店主さんも察してくれて何だか悲しい気持ちではある。

 

今度は僕も挑戦しないとねと思いつつ。

 

「じゃあ次はその銃の査定だね?」

「はい。お願いします」

 

満足そうに弓をしまうシグルーンを連れてまた店内へと戻る。

 

 

 

…………

 

 

 

『これは何だ?』

《『マグプル製のMASADAライフルと思われます。暴走機械制圧用に.300blackout弾仕様になっている様子です』》

『分からんな』

 

使わないけれど、興味はあるらしい。

教官が拳銃に対する熱い講義をしてくれた時を思い出しつつ。

 

「……何処で見つけたの?」

「遺構の中にあった武器貯蔵庫です。ただウルク=ハイ達が集めたのか何なのか、経緯は分からないですね」

「そうか…まぁそのへんは良いとして…」

 

ライフルの査定中、店主のしかめた顔で不安がよぎる中、使えようとも使えずとも仕方がないと思い、心を静めていると。

 

「……使う事は出来る」

 

ボソリと口を開いては。

 

「だが分からん」

 

と後付に答える。

 

「えっと…それって…」

「種別は自動小銃だが、こんな箱型な長銃は初めて見た。多分"旧世界"製の兵器だとは思う」

 

旧世界。

 

この開拓都市の外にある遺構が正常に稼働していた時代を表している用語で、この遺構を復活させるのがストライダーの仕事と言っても過言ではない。

 

その旧世界の遺物であるこのライフル?はどうにも一応使えるらしいけれど。

 

「弾倉は見当たらず、あるのはトリガーと銃口らしき穴とスコープらしいオプションと肩付けのストックっぽいの……明らかに戦争してた頃の遺物って事になる」

「はぁ……?」

 

ただこれが何を発射するのか分からない。

 

シュワちゃん映画のEM-1レールガンみたいな兵器だったらヤバいとは思う。

 

「撃つ時は荒野で周囲に人が居ない事を要確認だな。そもそも起動方法も分からないけど」

「そこなんですよね…」

 

スイッチらしい部分は無く、トリガーも勿論ロックされているので撃つことは出来ない。

つまりはただの重り程度の役割しか今の所はない。

 

「……中央の研究施設ならどうにか判明するかも?」

「中央?」

「この大陸で12ある開拓都市の真ん中に位置してるアース人の宇宙船がある首都だ。彼処のストライダーオフィス本部と併設されてる旧世界研究所なら分かるかも?って話」

 

中央と聞いて思い出す。

 

おおよそ百年前にテラフォーミング目的で着陸したアース人開拓コミュニティの宇宙船から都市圏を形成。

 

原住民に特殊な施術を行うことである程度の知恵や知識を習得させ、現在の開拓都市等を建造させたとカリキュラム内の歴史項目に記載されていた。

 

「つまりそこでこの銃を調べてもらえば?」

「……だが…うーん…」

 

またも悩み始める。

 

もしかしてこれって中々に厄ネタなのか?

 

旧世界の遺物には其れなりに厄介な兵器があるとか聞いたことはあるけれど、本当にソレって訳となると…。

 

「無闇に見せないほうが良い。命惜しければな?」

「分かりました」

 

店主の言葉に従い、この銃は独自に調べつつ隠しておくのがセオリーと言うことだ。

 

では、どうするか?

 

「初心者向けのヤツを見繕っておくけど?」

「ありがとうございます」

 

店主チョイスで銃を選んでもらう事にする。

 

ちなみにコッチのライフル…もとい長銃は同じ位の大きさが入るライフルバッグに入れて貰う事にした。

防刃素材で少し値が張るみたいだけど僕には其れなりにお金は持っているわけなので此処である程度使う事にする。

 

「突撃銃より短機関銃と自動小銃(マークスマン)がオススメ。このSMG-45とM14-EBRが良い思うけど?」

「うわっ…高っ…!?」

「そりゃ耐腐食仕様に樹脂加工されてるからね。でも素直な子たちだからルーキーなアンタでも頼りになるよ?」

 

値札にある0が3つと4の数字。

つまり4,000ガルズ(1ガルズ120円前後)の価格で中々飛び出る品々だが。

 

「………買います」

「ついでに拳銃は?」

「お願いします」

 

幸いな事に、貰った無記名債券の範囲で買うことが出来た。

 

「拳銃のオススメはSTIの.45ACPだね。射撃も安定してるし弾も12発入る」

「45口径かぁ…」

「9㎜パラじゃあ良くてラプターが限度。45口径なら1発で仕留められるよ?其れにSMGと同じ共用弾だから便利だし」

「そうかぁ…」

 

予算的にも確かにと思う。

 

カウンターに出された各銃器を手に取り、肩に付けたりして構えてみる。

 

うん。

確かに僕の身体にフィットして撃ちやすいかも知れない。

 

「分解清掃はマニュアルあるからオイルとブラシはオマケしとくよ」

「何から何までありがとうございます…!」

「それなら今度からも太客になってくれるように頑張んな」

「はい!」

 

とても良い人だ。

 

後は7.62x51mmNATO弾と.45ACP弾を持てるだけ購入し。

 

「………重い…」

『持つか?』

「……ありがとう…」

 

大量の荷物を持つ事となる。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

その日からルーキーである僕に様々な課題をこなす日々が始まる。

 

例えば戦闘訓練。

 

『ふっ…!!』

「ぐわっ!?」

 

訓練用の木剣ではあるけど、容赦無い連撃には勝てず9度目の死亡認定がなされる。

 

『脇が甘い。視野が狭くなるから気を付けること』

《というわけです》

「………はい」

 

シグルーンの剣に翻弄されては何度も首や腿に赤い跡が残される結果となる。

此処を切られれば如何なる治療でも死の淵に立たされると豪語される。

 

太刀筋はギリギリ視えるけれど、いきなり斬撃が蛇行したり防御しても滑らせられて弾かれるので全く意味がない。

 

"バインド"という西洋剣術の技法によく似たダークエルフ式の剣技は実戦を交えて創り上げたと言っても過言ではない。

 

だから幅広な片刃の剣を選んだ訳か。

 

『剣は使わずともあらゆる武術で応用が出来る。基礎を学ぶ事こそ生存に繋がる』

《と言うことでもう一回行います》

「…ヒェッ」

 

その後、左胸に酷い跡が出来たりと過酷さを物語る。

 

 

次には、言語習得。

これはシグルーンの言葉を理解したいという希望もあったので正直嬉しく思う。

 

「……『アイウエオ?』」

『そうだ、グッド』

 

古いルーン文字を利用した言語は古ノルド語とも言うらしく、かつてヴァイキング等も言語としていた事は僕らの地球でも同じだ。

 

但し、コチラの世界ではノルド語が統一言語だったらしく、アース人を除く原住民達はこの言葉を話す者も少なくはない。

 

彼女の場合は信仰している宗派的に他の言語は喋らない誓いが立てられているが、破っても特に罰はないらしい。

 

ので。

 

「……シンノスケ」

『…「シン…ノスケ?」』

「『オッケー!オッケー!』」

 

こうやって互いの言語で話し合って覚える事で習得も早まると考えた。

 

ちなみにルーン文字は元々ナイフなどで切って文字にした事から切り文字とも言われていたりする。

 

これを覚えるとちょっとした魔術が使えるそうだ。

 

えっ?魔術あるの?

それを聞くとシグルーン曰く。

 

『身体能力を向上させるルーンを使っている。翻訳等のルーンもあるのだが、不得手で全く使いこなせんかった』

 

と言うことで僕も使えるのかな?と思って覚え始めている。

 

結構ストライダーでも魔術師とか居るそうなので使いこなせればと練習しています。

 

 

後は色々と。

 

「抱ケ!"ショジョ"奪エ!!」

「どうしてそう言うの覚えるの!?『ダメ!ゼッタイ!!』」

『まさか男色なのか!?』

《『流石にソチラは想定していませんでした』》

「ねぇ!?何か勘違いしてないかな!?」

 

という感じに理性が働いて彼女のアプローチから一旦制止させる。

 

言っておくけど本当に理性が爆発しないように我慢しているだけでいつ決壊してもおかしくないのである。

 

「…キライ…カ?」

「………///」

 

そう言うの卑怯ですよ。

 

一応1段階進んでいいよね?

 

と言うことで。

 

「……キスとハグまでなら…!!」

『……良しっ…!!(ガッツポー)』

 

何やら嬉しそうな顔しているのは何ででしょう?

 

そう思いながら。

 

「……ギュー…トスル?」

「……ハイ」

 

先ずはハグ。

 

ベッドの上で待つシグルーンに僕は腕を広げて彼女の脇から手を回す。

鍛えられているが女性の持つ柔らかさもあるので抱き心地は凄く良い。

後、コロン等の香水みたいなのも使うのかいい匂いがした。

 

(ムフゥ〜♡)

 

とりあえずこれでと思っていると。

 

「ツギ、キス」

「………ハイ…(白目)」

 

今度は目を閉じ、唇を前へと突き出し始める。

 

どうするのこれ?

流石にこの段階まで登ったことは多分無い。

 

いや、一度幼稚園の時に誰かとキスした記憶はあるけど…誰だっけ?

 

「…マダカ?」

「あっ、ヘアッ!?」

 

光の巨人みたいな声出てしまったがもうやるしか無い。

 

「……ンッ♡」

「……ンンンッ…」

 

徐々に迫り、近づいて行くと。

 

彼(・)女(・)の(・)額(・)に(・)触(・)れ(・)た(・)。

 

「………ヘタレ」

「どうしてそう言うの覚えるの!?そんなふうに育てたことありません!!」

 

一応親愛の証なのだと説得しつつ、夜は更けていく。

 

 

 

to be continued…

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