※この作品はR-18です。

モンスターパーク2アフター 異種姦を望む乙女   作:二木ユキト

13 / 13
聖都地下での異種姦を愉しむため、スカーレットは根回しを忘れません。
議員たちの前での蟲姦ショーから、世継ぎの出産まで。
多忙でありながら悦楽の日々を送っており……?

Skebにてご依頼いただき、執筆いたしました。
リクエストありがとうございました!


評議長閣下のお勤め

 修聖教会の幼き法皇、マリィの私室では茶会が開かれていた。元老院評議長のスカーレットと、彼女の部下であるクロエとカリン。この四人が出席者である。

 彼女らの共通点はひとつ。異種姦と異種出産に魅入られているということだ。

 しかしここに銀髪の忠臣はいない。マリィはその理由を皆に説明した。

 

「婚活、ですか……」

「わぁ! 素敵ですっ!」

 リアン不在の理由を聞き、カリンとクロエは目を輝かせる。パートナーを得ることへの憧れは彼女らもあるようで、おしゃべりにさらに花が咲く。

 スカーレットは時計に視線を送ったのは、そんな時だった。

 

「あら……。そろそろ時間ね」

「む。もうそんなに経っていたか」

 すっくと立ちあがる彼女を見て、マリィは頷いた。

 

「外出ですか? なら、私もお供いたします!」

 カリンは真っ先に名乗りをあげた。クロエもうんうんと頷く。しかしスカーレットは微笑みつつ首を振った。

 

「いえ。今日は、随行は必要ないわ。マリィ様をよろしくね」

 そう言われればカリンは再び座るしかない。麗人はスカートを翻すと、私室からひとり去っていった。

 

「マリィ様……。スカーレット様のご用事とは、なんなのでしょうか?」

「外部の隠蔽役との調整じゃ」

 幼き法皇はすぐに教えてくれた。しかしそれがなにを指すのかはわからない。ティーカップを置くと、マリィは解説を続ける。

 

「わらわたちが森へ遊びに行くのも、色々と段取りが必要じゃろ?」

「はい」

 ふたりは頷く。

 スカーレットもマリィも立場ある身である。騎士階級に属するカリンもクロエも同様だ。ゆえに大っぴらに聖都地下へ赴くことはできない。

 

 そこで彼女らは愉しみの前に口裏を合わせ、互いが互いのアリバイを証言する。異種姦と異種出産を愛する女たちの秘密はこうして守られている。

 しかしこれは騎士団や教会の者しかごまかせない。より多くの人間と接するスカーレットは、さらに大規模な根回しを講じる必要がある。

 

「な、なるほど!」

「それなら、私たちもお手伝いした方が……」

 カリンは頷くが、クロエは眉根を寄せる。必須の仕事をスカーレットだけに任せていいものだろうか。

 そんな懸念をマリィは笑いとばした。

 

「大丈夫じゃ。スカーレットも愉しんどるようじゃしのぅ。それより、おかわりが欲しいぞ!」

 ふたりは慌てて立ちあがると、マリィのティーカップに紅茶を注ぐ。なにせ今はリアンがいないのだ。幼き法皇の世話は大変極まる。

 スカーレットは仕事を愉しんでいる。女騎士たちは給仕をしながらも、その言葉の意味を考える。しかし当然、答えは出ないのだった。

 

 ◇

 

 夜もすっかり更けた。聖都郊外に建つ邸宅には、元老院の議員たちが集まっている。

 ここは元々、アグファスが所有していた屋敷である。そして今、彼が存命だった時さながらの淫宴が開かれていた。

 

 ずちゅっ! ぼちゅっ! ずちゅっ!

 広いバンケットルームに設置されたステージ。その中央から水音が奏でられる。性交の音だ。

 舞台の主役は言うまでもない。スカーレットである。紅瞳の美女は床に掌と膝を着き、尻を掲げている。

 

「はぁ……はぁぁンッ!」

 細首を反らすと、派手な嬌声を響かせた。輝金のロングヘアと飛びちる汗がきらきらと煌めく。

 高々と晒された淫裂を犯すのは、古代クロオニアリだった。

 

 ずちゅっ! ずぢゅっ! どちゅっ!

 人間の身の丈に迫る巨大昆虫は、まさにモンスターといった風貌だ。黒い甲殻は白い裸身を覆いつくしている。そのコントラストがギャラリーの目を否応なしに引いた。

 

「ふぅっ、うぅぅう……!」

 蟲根の抽送を受けるスカーレットは、苦し気に唸る。

 古代クロオニアリのペニス。弾力のある表面には肉疣がいくつも生え、膣壁をごりごりと掻きまわす。長さも子宮口を苛むに充分だ。

 そしてなにより。蟲種らしい機械的な抽送が、体奥から悦を引きだしてくれる。

 

「あぁっ! あぁぁッ!」

 艶叫とともにスカーレットは達した。その様はもちろん観衆にもしっかりと伝わった。

 ルビーのごとき紅瞳がひっくり返る。常はきりりと引きむすばれている桃唇はだらしくなく開き、端から涎を垂れながしていた。

 

「おぉ……」

 無様なイキ姿を目の当たりにした議員たちは息を呑む。

 美女はステージの上から、彼らの興奮をしっかりと観察していた。

 

 スカーレットは強大な力を持っている。元老院の評議長という地位や、ソードダンサーと称えられるほどの剣技だけではない。彼女はドラゴンさえ味方につけているのだ。そのことは誰もが知っていた。

 

 力だけを頼りにした組織など長続きしない。利益を示してやる必要がある。それがこの、異種姦ショーであった。

 女とモンスターが交わる様を見せつける。アグファスが存命だった時から、この演目は変態趣味の議員たちから大好評だった。

 

「はぁっ、あぁっ、あぁぁんっ!」

 若く美しく、なにより力を備える。そんな女が進んで見世物になるのだ。彼らも満足しきりだった。

 そして自ら見世物となることで、スカーレットもより昂っていく。モンスターの森で興じる愉しみとは異なる。衆目に晒される恥辱もまた、美女の悦となっていた。

 

「うぅ……!」

「も、もう我慢できん!」

 スカーレットは再び、絶頂に向かって駆けあがりだした。鑑賞する議員たちも欲望をあからさまにする。絹製のズボンから陰茎を取りだすと、一心不乱にしごきだした。

 

 議員たちは皆、目元だけを覆ったマスクを着けている。もちろん、そんなもので正体を隠蔽できるわけはない。

 これは契約なのだ。この仮面を被っている間は互いが互いを見て見ぬふりをし、体験と秘密だけを共有する。それが結束を強くしていくと、スカーレットは知っていた。

 

 がちゃんっ!

 金属質な音が舞台袖から響いた。ショーに演者が追加された。古代クロオニアリが二匹、檻から解き放たれた。

 黒群蟲は蜜香の元……すなわちスカーレットの身体へ真っ直ぐに向かう。

 

 ぶちゅっ! ぐちゅっ! ずちゅんっ!

 そしてすぐさま、空いた体孔に牡性器を突きたてた。

 先ほどまでの交尾により、牝のフェロモンは多量に振りまかれている。彼奴らの昂奮は最初から最高潮だ。

 

「むぅっ、うお……おぉぉお゛……!」

 ペニスの疣が菊縁を擦りたてる。排泄穴の終端は敏感だ。穢悦が背筋を這い、毛先までぶるりと震える。

 鈴口からはすでに先走りの汁が漏れていた。イラマチオにより口腔粘膜になすりつけられる。唇内の隅々にまで、蟲液の臭いと味が染みこみそうだ。

 

「むぉっ、お゛! おぉぉっ……!」

 三穴を責められるスカーレットは満足に息もできない。それでも嬌声をあげ続ける。ゲストのためという考えはもはやなかった。紅瞳の麗人はただ己の悦びを表現するためだけに、涙と涎と喘ぎを流す。

 

 どくんっ! どくっ! どくんっ!

 古代クロオニアリどもも限界を迎えた。三本の牡性器が拍動し、白濁液が叩きこまれる。

 むっとする青臭いにおいがバンケットルームに広がった。しかし眉を顰める者はいない。これすらも淫宴の余興に過ぎなかった。

 

 甲殻と蟲脚の震えが止まった。射精の終わりを確認すると、舞台袖から黒衣が現れる。どんな技術を用いたのか。彼の誘導により、黒群蟲どもは女体から素直に離れる。そして自ら檻へ戻っていった。

 

「はぁっ、はぁ……」

 古代クロオニアリどもは退場した。しかしスカーレットはいまだ、舞台の中央で白濁ままみれの尻を掲げている。

 豊満な肢体がのろのろと動きだした。双つの巨房を揺らしつつ、体勢を座位に変えた。

 

(あ……あぁ……っ)

 ステージから前方へ顔を向ける。幾人もの男が立っていた。彼らの視線はひとつの例外もなく、己に向けられている。

 森では決して味わえぬ、じっとりとした欲望の視線。饗されているという実感が、脳に新たな快楽神経回路を繋いでいく。

 

「ん……」

 スカーレットは背を反らす。はち切れんばかりの乳房が強調された。同時に両脚を開いた。蟲液で汚された内腿と、蟲胤を垂らす淫裂を露わにする。

 女体の円さ、柔らかさ、深さ。その全てを晒す格好である。男ならそれぞれ好みがあるだろう。しかし彼らの視線は一点に注がれていた。

 

「おぉ……」

「いつ見ても、これは……」

 その先は美女の薄腹だった。へこんだそこがみるみる内に膨らむ。ヘソさえも出っ張りだした。

 

 金髪紅瞳の麗人、スカーレット。彼女は異種姦と異種出産に魅入られている。それらを経験した数など、もう覚えてはいない。

 しかし彼女の美肢体はそれらを余すところなく記憶している。その証拠がこれだ。彼女の胎は宿した異種を、異常に早く育ててしまうようになっていた。

 

「おぉっ!」

 間もなく、臨月の妊婦さながらに大きくなった。理外の光景である。ゆえにギャラリーは瞬きすら忘れて見入り、感嘆の声を漏らす。

 

「ふぅ……う、うぅっ……!」

 しかし当事者であるスカーレットは、苦悩の息を吐いていた。

 彼女の子宮はモンスターの繁殖専用に仕上げられている。だからといって悦だけを受けとれるわけではない。

 拡げられた内壁と、張りつめる白肌。急激な変化に晒されたそれらから、痺れるような痛みが発生する。美女の呼吸は荒い。滴る汗が、朱の浮く美貌を光らせた。

 

「はっ、あ、あぁっ!」

 悦と苦はだんだんと平衡を失う。すなわち、スカーレットは快楽を覚えはじめていた。

 重量を増した子宮を、骨盤底筋は支えきれない。膣腔と菊孔を圧迫しだした。悦がじりじりと沈みこみ、愛蜜が淫裂から溢れだす。

 快楽は上質な麻酔そのものだ。スカーレットはゲストたちを観察する余裕を取りもどす。

 

(ふふっ……すごい目をしてる……)

 紅瞳が男たちの興奮をしかと見届ける。女の腹に怪物の仔が宿されている。この実感が彼らの琴線に触れることを、スカーレットはよく知っている。

 美女は己の両手を乳房に向かわせた。

 

 びゅるっ! びゅるるっ!

「はんっ! あぁぁあ!」

 細い五指が白い膨らみを掴んだ途端、桃色に肥厚した乳首からミルクが飛びでた。放物線を描いてステージに跡を残す。甘い匂いがふんわりと漂いだした。

 

「出るっ……おっぱい……アリの赤ちゃんに、飲ませるおっぱい……」

 スカーレットは興奮を煽る言葉を選びながら、なおも胸乳を揉みこむ。ギャラリーたちはごくりと生唾を飲みこんだ。

 彼女の双房も、その全てが性感帯となっている。五指が食いこむ柔肉も、ミルクを通す乳首も、淫熱を全身に伝えてきた。

 

 どくんっ! どくんっ!

「! あぁぁッ!」

 間もなく、媚態を計算することもできなくなった。腹奥から強い震えが生じる。

 アリの幼虫が体内で蠢く。異種の胎動は外部からも窺えた。ぼて腹の表面に疣のごとき膨らみが現れては消える。

 膣口からは乳白色の羊水が溢れ、尿口からは勢いよく潮が噴きだした。

 

「おぉっ!」

 派手な痴態にギャラリーたちも湧きたつ。熱気に煽られるように、スカーレットの産気もさらに進んだ。腹が割れるほどの痛苦と……それ以上の悦楽が脳天にまで届く。

 首ががくんと跳ねあがった、次の瞬間。バンケットルームに大きな水音が響いた。

 

 ずちゅっ!

「あぁぁあっ!」

 縦割れの淫裂を押しひらき、古代クロオニアリの幼虫が現れる。脚が六本ということを除いても、その姿は実に奇怪だ。体色は成虫とは真逆の純白で、腹部は異様なほど膨らんでいる。

 

「やはり……これはすごい!」

 スカーレットは見目麗しいばかりではない。その心も気高く、美しい。

 そんな存在が醜怪極まる蟲の赤仔を産みおとすのだ。相反する要素がより淫靡さを生みだす。ギャラリーたちは汗ばみながら歓声をあげた。

 

 しかし淫宴はこれで終わりではない。

 古代クロオニアリの精液には、母体が妊娠していても強制的に排卵させる成分が含まれている。ゆえにスカーレットの腹にはまだ、黒群蟲の幼虫がうずくまっているはずだ。

 

「…………」

 産劇はまだ続く。それを知っているギャラリーたちは一瞬も見逃すまいと、目を大きく開いた。

 

「ふぅっ、うぅぅ……? あぁぁあ?!」

 突如、美女はけたたましい悲鳴をあげた。火照っていた頬が青ざめていく。演技ではないと彼らもわかった。

 

「ま、まってっ! それは……!」

 スカーレットはなにかを訴える。彼女の瞳は自身の腹に向いていた。

 なにが起こっているのか。なにが起ころうとしているのか。ギャラリーたちは身を乗りだす。そして彼らは間もなく、その意を悟ることとなる。

 

 ぶちゅっ! ぢゅちゅっ! ぶぢゅぅうっ!

「あ゛……、っ、あ、あぁぁぁあ゛ーーッ!」

 控えめに姿を見せる小陰唇。薄桃色のそこがひくついたかと思うと、数匹のアリが一気に飛びだした。

 彼女が艶叫を発した理由。それは複数の幼虫が一斉に産道を進んだからだった。

 

「はぁっ、あぁっ! あ゛ぁぁっ!」

 子宮口を拡げられ、膣壁を何本もの脚で引っ掻かれ。スカーレットは蟲悦の極みを味わう。

 膣腔はめくり上げられんばかりだ。羊水と愛蜜のブレンドが議員たちの顔にも飛ぶ。しかし彼らは眉をしかめるどころか、まばたきすらしない。

 

「おぉ……おぉぉッ!」

 ショーのクライマックスに相応しい、盛大な産劇。それを特等席で見届けたのだ。ギャラリーたちは大いに湧きあがる。

 しかし歓声はあれど拍手はなかった。彼らの手は己のペニスを擦るのに忙しい。撒きちらされた白濁液が、ステージに汚濁の花を沿えた。

 

「はぁっ、はぁっ……! ひぅうっ!」

 放心しきったスカーレットはその後も、奇態の白色アリをひり出しつづける。下腹と内腿の痙攣は治まらない。同時に、絶頂から下りてこられぬほどの快楽が、美女の体内で渦を巻きつづけていた。

 

 ◇

 

 今回の淫宴も盛況の内に幕を下ろした。議員たちはより一層の団結と忠誠を誓い、各々の家路に着く。

 

「ふぅ……」

 スカーレットはひとり、屋敷の湯殿で己と蟲の体液を洗いながしていた。

 かつて権勢を意のままにしたアグファスの別宅である。浴室の内装も実に豪華だった。足を伸ばせるバスタブで、美女はゆっくりと疲れを癒す。

 

「あら」

 バスタオル一枚だけを身体に巻きつけ、スカーレットは部屋に戻る。モンスターの世話係をはじめ、使用人は全て退勤させたはずだった。

 しかし彼女を待っている人物がいた。

 

「お疲れさまでした。評議長閣下」

「アースキン議員」

 元老院の議員、リック・アースキンだった。

 

 柔和な顔貌をした中年男である。丁寧に撫でつけられた髪にはわずかに白いものが混じる。たっぷりと脂肪を蓄えた腹は、上品な仕立ての衣服に包まれていた。恰幅の良い紳士を絵に描けば、きっと彼の姿になるだろう。

 中年男は労いの言葉とともに、よく冷えたジュースを差しだしてくれる。

 

「ありがとうございます。いただきますね」

 グラスを受けとったスカーレットは口をつけると、一息に飲みほした。

 

 リックはこの屋敷の、現在の所有者でもある。それだけでない。モンスター牧場などの資産も彼が受けついでいる。

 その理由は簡単だ。彼は元々、アグファス子飼いの議員だったからだ。かつての立場だけ見れば、スカーレットの敵対者ともいえる。

 しかし。

 

「私はあなたに、永遠の忠誠を誓います。ルンベルク評議長閣下」

 リックは新たな評議長に対し、真っ先に恭順を示した。そしてその宣言に偽りもなかった。彼は陰日向なく働き、スカーレットの地盤固めに協力してくれた。

 年若い彼女が恙なく職務を全うできるのも、彼の働きと影響力が大きい。

 

(そういえば、以前も……)

 聖騎士から失脚した美女は、まさにこの屋敷でアグファスに嬲られた。しかしその時もリックは壁際に立ちつくすのみで、スカーレットを積極的に害そうとはしなかった。

 

 そして今も、黒群蟲に犯され孕まされたばかりだというのに。彼の目には確かに親愛の情が宿っていた。

 それを認めた美女の脚は、ひとりでに動いていた。巻いたバスタオルがはらりと落ちた。

 

「なっ……!」

 戸惑う男の声が聞こえた。スカーレットは自身すら気づかぬまま、リックを抱きしめていたのだ。

 張りだした腹は意外にも硬い。男性らしい筋肉は健在のようだった。それが女の本能をくすぐってくる。今度は桃唇が勝手に開いた。

 

「アースキン議員。あなたの目……気づいていますよ」

「!」

 衣服越しでもわかる。彼の心拍が早鐘のように高鳴りだした。血流が増したことで、さらなる変化も実感できる。

 ズボンの真ん中がこんもりと膨らみだした。衣服越しにもかかわらず、スカーレットの腹をぐいぐいと押しこんでくる。

 

「そういえば私も、そろそろ考えないといけません」

「なにを……ですか?」

「世継ぎです。モンスターではなく、人間の」

「お、お戯れを」

 

 スカーレットの言葉も行動も率直だ。リックにも意は伝わっているだろう。

 それなのに中年男は理性的な態度を貫こうとする。つい先ほどまで淫宴が開かれ、彼も参加していたというのに。

 

「…………」

 紅の瞳で男の顔を見上げる。彼を顔を背けなかった。リックの目には困惑と緊張と、なにより欲情がしっかりと窺える。

 下手すれば、親子ほども年齢が離れた二人である。それが中年男を踏みとどめているのだろうか。ならば、戦法を変えてみるのみだ。

 

「やはり……幾度となくモンスターを宿したこの身体は、不気味なのでしょうか?」

 言いながら、スカーレットは自ら距離を取った。そして両腕で己の身体を抱きしめる。

 豊かな乳房がむにゅりと潰れた。黒群蟲に孕まされたばかりである。薄桃色の先端からミルクが微かに溢れでた。

 

 腰をわずかに捻って、男の視線から逃げるような体勢を取る。しかし女の意はまるで逆だった。

 子をしっかりと支える豊尻、きゅっとくびれた蜂腰。そして……繁殖の悦びを否応なく予感させる、深い淫裂。その全てを見せつけるポーズだった。

 

「そ……そんなことはない!」

 たまらぬとばかりに、リックは声をあげた。言葉だけでなく行動でも示す。今度は自らスカーレットを抱きよせた。

 柔らかな媚脂の下には、しっかりした筋肉と骨格がある。孕ませ甲斐のある女体に触れた彼の昂りは、一気に頂点を迎えたようだ。

 

 どすんっ!

「あぁっ!」

 背骨を折るように体重をかけると、スカーレットを床へ押したおした。

 このような状況になることは望んでいた。しかしリックらしからぬ性急な行動である。美女は少し戸惑った。

 もはや中年男は誰の目も気にしない。衣服を解きはなち、欲望の形を露わにする。

 

(……まぁ!)

 その大きさに、スカーレットの紅瞳が引きつけられた。

 リックがズボンの下に隠していたモノ。それは小型モンスター以上の太さと長さを誇る、立派な逸物だった。

 

 高々と掲げた亀頭は握り拳のようで、大きな段差を成している。幹竿にはごつごつとした血管が浮く。海綿体に巡る熱気が鼻先にまで漂ってきそうだ。

 子宮口を無理やり開かせ、膣壁を掻きこわす。牝を屈服させるような性交が、否が応でも頭に浮かんだ。

 

「!」

 スカーレットの驚愕は続く。中年男は前戯どころかキスすらしなかった。己の切っ先を淫裂へ宛がうと、そのまま腰を前進させる。

 

 ずぶぶぶっ!

「あんっ!」

 先ほどのショーで、彼は自慰もしていなかったのだろうか。肉棒はぱんぱんに張りつめ、熱とともに膣腔を押しひろげてくる。

 分身から伝わる淫焔そのまま、リックは激しい抽送を繰りだした。

 

 ぶちゅっ! ずちゅっ! どちゅっ!

「はぁっ、あぁっ! ……あぁんっ!」

 突きこみとともに中年腹が恥骨を叩く。重い性感は菊孔にまで達した。勢いよく腰を引くと、広がった肉傘が力強く膣ヒダを掻く。

 往路も復路も、大きな快楽が下腹部に生じる。スカーレットの見立ては正しかった。

 

「うっ、むぅっ……!」

 リックは短く呻いた。彼は欲望を溜めこんでいた。ゆえに早々に達してしまう。

 しかしスカーレットに不満はない。彼の射精もまた、荒々しさと逞しさに溢れていたからだ。

 

 どくんっ! どくんっ! どくんっ!

「あぁ……あぁぁあっ……!」

 同種の精液が注ぎこまれていく。異種のそれとはやはり感覚が違う。胎内を爛れさせる熱さも、いつまでもへばりつく粘りもない。

 だがもちろん、メスを孕ませようとする意志に変わりはなかった。中年男から伝わるその執念は、モンスター以上と感じられる。

 

「あ……」

 欲液の圧力が減じたからだろうか。リックの瞳に理性の光が戻っていた。慌てて立ちあがろうとする。

 逃がさないとばかりに、下から腰を抑える。リックは肥満腹の持ち主である。スカーレットの美脚を以てしても、足先でロックをかけるのにぎりぎりだった。

 

「か、閣下……!」

 胎内に埋められたままの肉棒が再び熱を持った。そのままむくむくと隆起する。下腹に満ちる圧迫感が、スカーレットの口を開かせた。

 

「おねがい。私を……孕ませてください……」

 そして男の耳に囁きを打ちこむ。彼はすぐさま叶えてくれた。ぴたりと密着したまま、腰だけを動かしはじめる。

 抽送と中年男の体重が骨盤に食いこむ。ずっしりとした性動を受ける美女はますます、妊娠への期待を高めていくのだった。

 

 ◇

 

 中年議員のリックから胤を受けとり、妊娠する。スカーレットはそのため、アースキンの屋敷に逗留することとなった。

 

「閣下……。本当に良いのですか?」

「えぇ。あの言葉に、偽りはありません」

 世継ぎを授けてほしいという願いに、リックはいまだ戸惑っているようだった。美女は紳士に微笑みかける。

 

「あなたの働きに対する、ご褒美と思ってくれれば」

 これもまた、スカーレットの本心だった。

 どん底に落ちた時も、権勢の高みに至った時も。彼はその時にできる、最大限の助けを施してくれた。孕むのなら、こんな男の胤がいい。

 

(みんなには、ちょっと悪いけど……)

 カリン、クロエ、そしてマリィの顔が脳裏に浮かぶ。

 今はリアンが不在だ。地下の森へ遊びに行く際の隠蔽は難しくなっているだろう。そんな中で自分も抜けてしまったのだ。負担をかけて申し訳なく思う。

 

 そしてスカーレットが心苦しさを向ける相手は、異種姦仲間だけでなかった。

 彼女にはすでにパートナーがいる。今は孤島で暮らす、ドラゴンだ。それなのに他の男に種付けを乞い、出産まで確約するのは……不貞といって差し支えあるまい。

 しかしその状況に昂りを覚えるのも、事実だった。

 

 アースキン家は裕福な商家だ。広大な敷地と立派な邸宅を所有している。

 しかしここに彼の妻子はいない。紳士の鑑ともいえるリックだが、結婚歴がないのだ。滞在するのに面倒がないのは助かるが、同時に不思議にも思った。

 彼が独り身である理由は、彼と褥を共にするとすぐわかった。

 

「ん……んあ、ぷちゅ……」

 夜。美女は屋敷の主人の寝室で、肉棒を舐撫していた。膣内射精を見舞ってくれた返礼だ。

 小さな舌をカリ首の段差にも這わせて、粘液の汚れを丹念に取りさっていく。

 

「んっ、んん、んぅ……」

 次は桃唇を大きく開く。口内へ牡性器を招きいれると、尿口から残汁を吸いだした。

 リックのペニスはいまだ硬さと重さを保っている。熱烈な後戯を受けるとすぐさま反応した。完全に復活した勃起がスカーレットの口腔を占拠する。

 次の瞬間のことだった。

 

 ぐいっ!

「んごっ……!」

 鼻先から無様な息が漏れた。同時にツンとした痛みが駆けぬける。リックの手がスカーレットの頭を掴み、下腹に押しつけたのだ。

 男は肥満腹をいきらせる。美女の桃唇を秘唇に見立て、ピストン運動を開始した。

 

「お、おごっ! おぅっ!」

 口も鼻も、喉奥さえ棒肉で塞がれた。息をすることができない。スカーレットは反射的に身を退こうとする。

 しかし中年男に髪の毛を握られている。逃げることなどできない。彼はさらに強く腰を押しつけ、分身を美女の口内へねじ込む。

 

 乱暴なイラマチオだ。自身の快楽にしか関心がないとわかる。スカーレットは抗議もできず、ただ涙を流すしかない。

 幸いなことに、終わりは間もなく訪れた。

 

 どくっ! どく、どくんっ!

「! お、ぅお゛……っ」

 美女の唇を己の腹に着けたまま、リックは射精した。

 舌の上でペニスが跳ねる。熱迸が喉に直撃した。スカーレットの意思を問うことなく、中年男の脂っぽい胤汁が胃の腑へ落ちていく。

 欲液を全て吐きだしきった後。リックはようやく手を離した。

 

「! も、申し訳ない、閣下……」

 解放されたスカーレットは激しく咳きこむ。鼻孔から白濁汁を逆流させた。リックはベッドから飛びおり屈みこむと、彼女の背を優しく擦った。

 紳士的な対応である。先ほどの荒々しさは完全に鳴りを潜めていた。その目にもはっきりと、謝意が宿っている。

 

 彼が結婚できなかった理由。それはこの、多大な性欲にあった。

 一度タガが外れたらもう抑えが効かない。だからリックは常に、過剰なまでに分厚い理性の仮面を被っていたのだ。

 

「私の身体なら大丈夫ですよ。それに……」

 スカーレットは言いかけて、やめた。リックも首を傾げる。しかし美女が床上で四つん這いとなり、尻を向けると、疑問もなにもかも吹きとんだようだ。

 

 ずぶぅっ!

「あんっ!」

 リックは襲いかかるようにして、濡れひかる淫裂に牡性器を挿しこんだ。彼の昂りそのままに、分身は熱く膨らんでいる。

 

 ぱんっ、ぱゅっ! どちゅっ!

 後背位のまま抽送を始める。肥った腹に尻球を叩かれる。肌が弾ける乾いた音と、粘膜が擦れる湿った音が同時に鳴りだした。

 美女の腰は男の手でがっしりと掴まれている。痕が残りそうだ。優しく慰撫した彼とは思えぬ性動である。

 

(モンスターみたいだからイイ……なんて、言っちゃいけないわよね)

 清潔な寝台から降りて、獣の体位で種付けを行う。性交というより、交尾と呼んだ方が適切だろう。

 しかしスカーレットはそんな粗暴なまぐわいにこそ心惹かれる。そして自分の選択は正しかったと、再認識するのだった。

 

 ◇

 

 スカーレットがリックの屋敷に逗留をはじめ、しばらく経った。

 この日は久々に元老院に登院した。若く美しい評議長の下、一致団結した議員たちである。仕事ぶりには何の文句も問題もない。簡単な確認だけで、早々に下院することができた。

 

「全て順調で、っ、あ……安心しました……はぁっ」

「う、うむ……」

 同じ屋敷に帰るのだ。ふたりは同じ箱馬車に乗っていた。富裕な商家が所有するものである。キャビンは広く、ゆったりとした造りだ。

 

「は……あぁぁっ……!」

 だから充分に交歓を愉しむことができる。

 下院の最中にも美女は胤汁を乞うていた。リックの膝上に脚を広げて座り、棒肉を咥えこむ。彼女の代名詞ともいえる紅の衣装は、はしたなくずり上がっていた。

 太い亀頭に陰唇を拡げられ、スカーレットは痺悦を覚える。

 

「うぅっ!?」

 リックが呻き声をあげた。美女の快感が内腔にも反映されたのだ。中年男のペニスをきゅうきゅうと締めつけだす。

 ふたりが動く必要はなかった。走行の振動により、異肉の結び目を揺らされるからだ。予想外の強撃が子宮口を押すと、輝金の髪がびくんと跳ねた。

 

「ふぅ、ふぅっ!」

 花貌を滑る汗と、淫裂から滴る愛蜜。密室の中で女のフェロモンが充満していく。こうなったら男も正気を保っていられない。リックの鼻息がだんだんと荒くなっていく。

 

 ぐちっ!

「あ……っ!」

 衣装越しに細腰を掴まれた。そう思った瞬間、中年男が力強く突きあげる。膣底を大振りな亀頭で叩かれ、スカーレットの呼吸が止まる。

 

 ぐちっ、ぐちゅっ! どちゅっ!

「はっ、はぁあ……っ、あぁっ!」

 リックは自ら抽送を開始した。悪路でもないのにスプリングが軋みあげて、キャビンが跳ねあがる。周りから見れば奇妙に映っただろう。

 しかし興奮の中年男は当然、そんなことは気にしない。放胤まで一気に駆けあがる。

 

 どくんっ! どくんっ!

「はぁ……はぁぁあっ……!」

 胎内へ熱い迸りがぶつけられる。子宮を満たされる感覚がスカーレットにも法悦をもたらした。

 しかし淫欲に火が付いたリックは止まらない。ポルチオをくじるような動きで、二回戦が始まった。

 

 屋敷に到着し、御者が扉を開くギリギリまで。ふたりは交合を続けるのだった。

 

 ◇

 

 スカーレットがリックの屋敷に逗留し、三か月ほどが過ぎた。

 ふたりの目的はすでに達された。すなわち、金髪紅瞳の美女は人の子を妊娠した。

 

「リック、ありがとう。私を孕ませてくれて……」

「私の方こそ礼を言うよ、スカーレット。私にも子どもが出来るなんて、感激だ!」

 ふたりの呼び方はすっかり、親し気なものに変わっている。

 妊娠を祝して、リックはスカーレットにプレゼントを用意していた。背中まで届く純白のヴェールだ。練絹には精緻な刺繍が施され、輝金の髪にも引けを取らぬ豪奢さだった。

 

(いけないことだけど……嬉しいわ)

 孤島にパートナーを残しているのに、穢れのない花嫁装飾を身につける。不貞の実感に麗人の腹奥が疼く。

 ベールを除いて裸身の彼女は、下腹部も晒している。そしてそこには妊娠の証もはっきりとあった。

 

「はぁ……はぁぁ……っ」

 美女の腹は大きく張りつめている。肺腑も圧迫され、吐く息は苦し気だ。医者でなくても臨月と判断できるだろう。

 不可解である。彼女がリックと初めて交わった時からでも、十月十日は経っていない。胎児の成長の早さは明らかに異常だ。

 

 しかし原因を追求する気などなかった。それよりも優先されることがあるからだ。

 

「はぁっ、はぁっ、あぁっ!」

 リックの寝室、ベッドの上でふたりは激しいまぐわいを演じていた。スカーレットの腹は前にせり出している。背面座位での性交だった。

 子宮口を叩いて柔らかく仕上げ、膣腔を強靭なカリで耕す。赤子を迎える準備だというが……。それは交合を盛りあげるための、口実に過ぎない。

 

 ばちゅっ、ばちゅんっ!

「あ、あ……! あぁぁあッ!」

 力強いピストンに合わせ、ぼて腹と巨房が大きく跳ねる。女体は産正期に至っている。揺すりたてられるだけで母乳が飛びちった。寝室にミルクの甘い匂いが広がりだす。

 結合部からも乳白色の液体が漏れる。破水が始まったのだ。しかし快楽に灼かれるスカーレットは、性交をやめようとしない。

 

「はぁっ、あぁっ!」

 数か月もの間、昼も夜もなくリックと交わっていた。スカーレットの胎内は中年男の性器の形が刻みこまれている。

 亀頭が達する位置に子宮口は降り、カリ首と竿幹には膣ヒダがぴたりと沿う。ひと突きひと掻きごとに、目も眩むような悦楽が走る。

 

「スカーレット……! 出すぞっ!」

 特注の快感を味わうのは、男も変わりなかった。ゆえに絶頂のタイミングも同じだった。リックの宣言のすぐ後。美女の下腹もぶるりと震える。視界の中央に白い星が瞬きだした。それは絶頂の前兆に他ならない。

 

 どくんっ! どくんっ! どくんっ!

「ふぅう……! うぅぅうっ!」

 ペニスの拍動に合わせて、膣腔は弛緩と収縮をくり返す。

 赤子を守り支えるという使命を、子宮はすっかり忘れていた。一滴でも多くの精液を受けとるため、波打ちながら広がりだす。

 

「はぁっ、あぁぁっ!」

 法悦に震える身体に、リックのそれも流れこむ。ふたりの快感は混ざりあい、より色彩を濃くしていく。いつまでも褪せない絶頂を愉しむスカーレットだが、異常に気がついた。

 

 どくンッ!

「!!」

 外部からではない。己の内から拍動が生じた。手足が落ちるような強震だった。幾度とない経験から、スカーレットはそれが陣痛だと悟る。

 

「う、うまれる……!」

 その言葉を聞いたリックは、慌ててペニスを引きぬいた。彼の逸物はまだ勃起を維持している。張りだしたカリ首が膣ヒダを弾く。不意打ちの快楽を受け、淫口が大きく開いた。注ぎこまれたばかりの精液が勢いよく零れおちる。

 

 ぐ、ぐぐ……。

「はぁ……はぁっ!」

 さんざんに揺らされた肉籃から、胎児は這いでようとしていた。余韻に喘ぐスカーレットにさらなる悦感が叩きこまれる。

 子宮と膣腔をつなぐ肉輪。そこにもう何度、モンスターの仔を潜りぬけさせただろう。しかし人の子が通るのは初めてのことだ。

 

「ふ、ふぅっ! うぅぅ!」

 胎児の進みは極めて鈍重だった。それが産悦を長引かせていく。度重なる出産で敏感になったポルチオは、赤ん坊の頭の大きさと硬さを余すところなく母に教えてくれる。

 

「あぁ! あ、あぁっ!」

 艶叫とともに、スカーレットは再び天上の世界を覗く。

 絶頂により窄口はわずかに緩んだ。その隙に胎児は子宮を這いでる。産道に降りたことがわかった。

 我が子はそのまま、陰唇に向かって進みだした。

 

 ず、ずず、ずずず……!

「はぁっ……はぁっ、はぁっ!」

 幹竿は太く、亀頭は力強く張りだす。そんなリックの逸物で肉路を均されたのだ。胎児は実にスムーズに膣腔を下る。

 その進行にはもちろん、快楽が付きまとっている。

 

「はぁっ、あぁっ、あぁあ゛!」

 性粘膜をごりごりと擦りたてられ、子宮口からは余韻の悦痺が響く。出産の快感は蟲も、獣も、人も変わらないようだ。

 

「スカーレット……頑張れ! 頑張るんだ!」

 しかし違うものもあった。それは後ろから支えてくれる者がいることだ。

 重ねられた手を握りかえす。すると心に暖かな火が灯る。幾度となく情交したこの男の赤子を、なんとしてでも産んであげたくなる。

 

 ぶちゅんっ!

「あ……あぁぁあ゛!」

 ついに、大きな水音が室内に転がった。同時に大きな快感と、解放感がスカーレットの身体を突き抜ける。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

 両の紅瞳には汗が入り、涙で滲んでいる。しかしどういう理由か。シーツの上の我が子の姿には、はっきりとピントが合った。

 

 股間に陰茎はない。女の子のようだ。羊水と精液でべったりと濡れた頭に、金糸の髪が張りつく。嬰児は薄っすらと目を開いていた。鮮やかな赤色が見てとれる。

 この子は間違いなく、スカーレットの血縁である。それが一目でわかる容貌だった。

 

「おぎゃ……おぎゃあっ! おぎゃあっ!」

 赤子は大きな産声をあげた。スカーレットの背がびくりと跳ねる。モンスターの仔は誕生しても泣き叫ぶことなどしないからだ。 

 嬰児のそんな様子に、弱々しさすら覚えた。我が子に対して抱いた思いはみるみる内に変化していく。

 

(この子が……私の……)

 夫竜との間に設けたドラコも、実の仔といって差し支えない存在だ。しかしヒトの子の母となった実感は、胸が温かくなるような……。愛しさと庇護欲が溢れでるようだった。

 この上なく人間らしい心情だ。しかしスカーレットはそんなものに、長く浸ることはできなかった。

 

 ぶちっ!

「ぎゃんっ!」

 体内深くにまで響く衝撃に、美女の声と脚が跳ねあがった。

 子宮から伸ばされ、今も赤子につながるヘソの緒。それをリックが引きちぎったのだ。首だけを振りむかせ、スカーレットは中年男の様子を窺う。

 

「……!」

 彼の目は再び、淫欲に支配されていた。考えてみれば当然だった。美女の産悦を特等席で眺め、撒きちらしたフェロモンをたっぷり吸ったのだから。

 ペニスは再び怒張している。空いた胎に向けて、思いきりねじ込まれた。

 

 ずぶぶっ!

「あ……あぁぁあ!」

 棒肉は一気に体奥を叩く。出産を終えたばかりだ。陰唇も膣壁も子宮頸部も充血し、過敏となっている。電撃のような悦感が全身へ届けられた。

 紅瞳はかっと見開かれ、赤舌が飛びでる。美貌が小刻みに震えだした。

 

 ずぶっ! ずぶっ! ずぢゅっ!

「お、お゛っ! ほ、おぉぉっ……!」

 下から突きあげるピストン運動が、すぐさま開始された。唇はOの字型となり、間の抜けた嬌声が通りぬける。

 

(こ、この子は……!)

 快楽に押しながされる前に、スカーレットはなんとか我が子を抱きあげた。いまだ産声をあげるその口を、己の乳首へ持っていく

 赤子はすぐさま吸いついた。勢いよくミルクを啜りあげる。

 

「お゛っ、おぅっ! おぉっ!」

 背後からのピストンは激しい。美女の全身ががくがくと揺さぶられる。赤ん坊を抱えるのが精いっぱいだった。

 しかしリックは気にしない。待望の我が子を無視し、繁殖欲を滾らせ、出産したばかりの女を犯す。その様子はまるで……。

 

(モンスターみたい……)

 自分を孕ませた男に対し、そんな思いを抱く。そしてその実感はスカーレットをも昂らせていく。

 

 どちゅっ! どぢゅっ!

「はぁっ、はぁっ! はははは……!」

 桃唇が開いた。快楽の喘ぎではない。美女は笑い声を響かせだす。そして胸元の我が子に紅瞳を向けた。

 モンスターに惹かれる女と、性欲を暴走させる男。このふたりから産まれた彼女もまた、雄に狂う生き方をするに違いない。

 

 獣のようなリックの息遣いと、スカーレットの哄笑。豪奢な寝室にそれらが響きだす。それでも産まれたばかりの娘はただひたすら、母の乳房からミルクを啜りつづけていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

【R18】【悲報】異世界風俗、嬢の平均年齢が500歳を超えている(作者:フレキシブルコーギー)(オリジナル:ファンタジー/日常)

異世界に召喚された元日本人・タクミは、もらったスキルが【体力+1】のみ。魔王もおらず、世界はすでに平和。王宮からは丁重に戦力外を言い渡され、支度金だけで放り出された。▼失意のうちに彷徨い込んだのは、多種族が共存する王都の風俗街。▼そこでとある店の前で足が止まる。▼パネルには美少女たち……。▼ゴブリンやオークの「ここの嬢は全員ババアだ」という警告を無視し、人間…


総合評価:13166/評価:9.07/連載:57話/更新日時:2026年10月13日(火) 18:01 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>