モンスターパーク2アフター 異種姦を望む乙女 作:二木ユキト
時系列としてはトロルとの異種姦を愉しんだ次のお話となります。
前回のバイコーン姦と分岐したことになるのかな?
巣の中で輪姦され、多頭出産を味わい……。
「個」ではない、「集」の強さを表現できていれば幸いです!
スカーレットは最後の書類に判を押すと、待機していた職員に手渡した。
「はい、どうぞ」
「お疲れ様です、評議長!」
彼は最敬礼で応じる。あまりに大仰な態度だ。しかしスカーレットも、そんな対応に少しずつだが慣れつつあった。
元老院による、修聖教会へのクーデター。法皇の座すら掌中に収めようとした男の企みは、スカーレットたちにより見事に打ち砕かれた。
マルックをはじめ、主だった評議員たちは失脚した。その後は民衆からの支持もあり、今はスカーレットが評議長を務めている。
とはいえ彼女は少女の面影すら残る若年だ。業務のプレッシャーは計りしれない。心身を癒すため、満たされた時間が必要だった。
「あっ。明日から評議長は休暇でしたよね」
日報の日付に目をやった職員は、思いだしたように言った。スカーレットはにこやかに応じる。
「えぇ。長く取っちゃったから、あなたたちには迷惑をかけるけど……」
「いえいえ! そんなことありません。どうかゆっくりなさってください!」
彼は笑顔と敬礼を返してから、すみやかに評議長室を辞していった。ゆえにスカーレットは己の表情を見られずに済んだ。
「えぇ。とても……楽しみ」
彼女はその美貌に、淫靡な笑みをはっきりと浮かべていたのだ。
◇
スカーレットが申請した休暇は二週間だった。バカンスの日数としては少々、物足りない。しかし充分だ。彼女はこの日にちを全て、地下の庭園で過ごすと決めていた。
聖都の地下には広大な空間が広がっている。地中を掘りすすめただけのものではない。光が差し、木が茂り、生が息づいている。
つまりそこには……。モンスターたちが、飼いならされることなく闊歩しているのだ。彼女はそんな場所へ赴こうとしている。
(痛くて気持ち悪くて……いやなだけ、だったのに)
先のクーデター未遂において、聖騎士だったスカーレットも陰謀に巻きこまれた。その過程で異種姦の快楽をたっぷりと叩きこまれることとなった。モンスターの仔さえ産まされた。しかし彼女は、ヒトならざるものとの性交に魅了されてしまったのだ。
同じような試練を課されたマリィは、その邪悦を再び味わえる場所を覚えていた。それこそが聖都地下の庭園だった。
今夜はマリィの私室で、最後の打ちあわせを行う。
「それではマリィ様。ドラコをよろしくお願いいたします」
「うむ。任せておれ!」
「クルルルゥ!」
胸を張る幼き法皇の頭上を、小竜はくるくると飛びまわっている。
どうやら彼らはウマが合うようだ。安心して我が仔を任せることができそうだった。
「ドラコ。マリィ様をあんまり困らせちゃダメよ」
それでもきちんと釘をさす。竜種の幼仔は高い声でひとつ鳴いた。
「リアンは、私の迎えをお願いしたいの。……どうなるかわからないから」
「かしこまりました。スカーレット様の休暇が終わる日に、お迎えにあがります」
銀髪のメイドは慇懃にお辞儀をした。彼女もまた、モンスターに犯される禁忌に心奪われた者である。スカーレットにとっては同志ともいえた。
これで安心だ。モンスターに犯されぬかれて正体を失くしていても、リアンなら間違いなく救助してくれるだろう。存分に快楽の海で溺れることができる。
準備をすっかり整えたスカーレットは、翌日を楽しみにするのだった。
◇
次の日。スカーレットは朝一番に、地下の庭園へ足を踏みいれた。木々が繁茂する森へ向かう。
(改めて、すごいところね)
草を踏む感触も頭上から振りそそぐ陽光も。地上にいるのと全く変わらない。しかし明らかに違うものもあった。それは密度だ。
木々の隙間を縫って、モンスターたちの視線が注がれている。その数は地上の森とは比べものにならない。熱がこもったそれらは、白肌をじりじりと焦がすようだ。
(なにが来るのかしら……)
高鳴る胸を抑え、スカーレットはできるだけ平常心を保とうとする。
彼女が身につけているものは、トレードマークともいえる赤い装束だけ。愛剣はおろか短刀すら帯ていない。モンスターが躍りかかってきては、ひとたまりもないだろう。
スカーレットは丸腰だ。いつ襲われてもおかしくない。しかし美女が無防備でいるという異常な状態が、捕食者たちにも影響を与えていた。
この極上のメスを、誰が犯し孕ませるのか。異種たちは視線で空中戦を行う。無言の牽制がぶつかりあう中、スカーレットは一匹のモンスターと遭遇した。
「!?」
モンスターは人間を襲う。男は殺して食うばかりだが、女はそれ以外にも用途がある。スカーレットと鉢合わせしたそれも、一も二もなく飛びかかってくると思われた。
しかし。
「ヂヂ……」
遭遇したもの……ラットマンは、スカーレットをじぃっと見つめるばかりだった。彼奴は及び腰の姿勢で固まってしまっている。
ラットマンはその名のとおり、二足歩行するネズミといった風情のモンスターである。その身体は細く、女性であるスカーレットよりも背が低い。
「ヂ、ィィ……」
木陰からはなおもモンスターの視線が注がれている。その中には強豪も混ざっているだろう。貧相な風体をした彼奴はとても居心地が悪そうだ。
今すぐ逃げ去りたいが、自分から動きだすのも憚られる……。背を丸め、きょろきょろと辺りを窺う様から、そんな心情がありありと読みとれた。
肉体も精神も脆弱なモンスターだ。無刀のスカーレットでも容易に撃退できるだろう。
だからだろうか。
「……っ」
スカーレットの脳裏に閃くものは、被虐の悦びだった。
彼女はかつて、このモンスターたちに襲われたことがある。マルックの手に落ち、地下牢に幽閉された際。身動きがとれないまま、彼奴らに嬲りつくされたのだ。
群れを作り、陰に隠れて生きる臆病なモンスター。そんな卑小な存在に犯されたい……。金髪の美女はそのような考えに捕らわれた。
「ねぇ……」
「ヂッ!?」
スカーレットは膝を少し折ると、ラットマンと視線を合わす。臆病なネズミはびくりと身を跳ねさせた。
攻撃してくると思われたのか。鼠人はようやく、慌てて踵を返す。スカーレットはその後を追いかけた。
◇
彼奴の巣はほど近い場所にあった。固く締まった土壁がくりぬかれ、洞のようになっている。少し身を屈める必要があったが、スカーレットでも入ることができた。
この規模の穴を、ラットマンの手指で掘れるとは思えない。他のモンスターが作った住処を流用したもののようだ。
「…………ッ!?」
「ヂッ、ィィイ!」
中のラットマンたちは墓石のように沈黙していた。しかし同胞以外も巣に入ったことに気がつくと、途端にパニックに陥った。
逃げようとしても唯一の出口は塞がれている。彼奴らは壁に背を押しつけ、闖入者からできるだけ距離を取ろうとする。
(一、二……)
スカーレットは鼠人の数を数える。先導を含めて六匹の巣だった。ラットマンとしては小規模だ。過度な警戒と合わせて考えるに、競争に敗れたものの集団なのかもしれない。
よそ者が巣の中央に陣取ろうとするのに、群れの構成員たちは隅に固まるばかりだった。モンスターとは思えぬ臆病さに、思わず微笑が漏れる。
「ねぇ……。私、しばらくここで過ごさせてほしいの」
もちろんモンスターに言語は通じない。だからスカーレットは行動で示す。彼女は地面に衣服を落としはじめた。
「ヂヂ……」
大きな乳房が現れた。みっしりと重たげな白い果実だ。その先端には曇りひとつない桃飾がある。期待によりそこは、早くも硬さを帯びつつあった。
ドラコへの授乳により、スカーレットの膨らみはさらに大きく育っていた。女としての成熟を表すようである。
「…………」
ラットマンたちは美女のストリップを、固唾を飲んで見守っている。
スカーレットは下半身の着衣も解いていく。
落とされたスカートが輪を描いた。皮フから剥がすようにして、薄い下着も取りはらう。ふっくらと円い、肉付きのよい桃尻が現れた。
粘膜孔と接していたショーツの舟底は薄っすらと濡れていた。場違いな蜜香が漂いだし、ラットマンどもは鼻を蠢かせる。
「タダで、とは言わないから……」
最後に、スカーレットは仰向けに寝そべった。両膝を立て、太腿を開く。己の性器につまびらかにする恰好だ。
ここまで来てようやく、ラットマンたちも理解したようだ。このメスを貪ってもいいのだ、と。
遠巻きに見ていた慎重さから一転。彼奴らは一糸まとわぬ女体へ殺到する。
「あんっ!」
四枚の舌がスカーレットの股間を舐めあげた。ラットマンたちは競って蜜壺にむしゃぶりつく。
渇きに喘ぐものが、必死に水を貪るようだ。美女の身体はそれに応える。淫泉からは恵みのように、愛液が滲みだした。
あぶれたものにも愉しみはある。二匹はスカーレットの巨乳に飛びついた。白い肌の中で、鮮やかに色づく桃色。さぞかし標的にしやすいだろう。乳首に長い舌が巻きつき、尖った口が吸いつく。
「はっ、はぁっ……! あ!」
美女の身体はあっという間にモンスターに占領された。己が望んでいた宴が始まったのだ。否応なしに昂らされていく。
一体が立ちあがった。彼奴はスカーレットの真正面……開かれた両脚の真ん中に陣取る。
「あ……」
剥きだしの淫唇に、硬いものが宛がわれた。言うまでもない。ラットマンの男性器だ。彼奴は一気に腰を押しすすめる。
ずぶんっ!
「あぁぁっ!」
高い嬌声が狭い巣中に跳ねた。スカーレットさえ驚くような反響が鼓膜を震わせる。
ラットマンは成人男性より小柄な体躯をしている。しかしさすがモンスターというべきか。彼奴らの生殖器はヒトのオスに比べて劣後するものではない。野太いそれは充分に、快楽を与えてくる。
どくんっ、どくっ、どく……っ。
「はっ、はっ……、あっ……」
相当な禁欲を強いられていたのだろう。彼奴は挿入した途端に果ててしまった。
スカーレットを犯した個体はみこすり半もしなかったというのに、快楽の余韻で痙攣している。ただの射精ではない。極上のメスに種付けを行ったのだ。当然のことである。
当のスカーレットはもちろん、まだまだ満たされてはいない。しかし失望はなかった。
ずぶんっ!
「あぁ……っ」
すぐさま別のラットマンが挿入する。射精した個体は、群れの仲間たちに小突かれるようにして追いやられていた。
スカーレットを犯して孕ませたい。ここのラットマンは皆、そう考えているのだ。今も双眸をらんらんと光らせている。
矮小な鼠人どもが欲望を滾らせ、自分を見下ろしている。やはり、己の選択に間違いはなかった。スカーレットの頭には確信と……快楽が溢れていく。
若き評議長のバカンスはこうして始まった。
◇
スカーレットがラットマンの巣に入り、五日が経った。
金髪の美女は今日も、ネズミのモンスターどもに犯されている。四つん這いの後ろから尻を掴まれ、後背位で性器を挿入されていた。
獣人ゆえ、獣の体位が馴染むのか。はたまたメスの両孔を見下ろせるのがお気に召したのか。ラットマンの腰には力がこもっている。
「んんっ! あっ、あぁっ」
艶やかな金髪にも、シミひとつない真っ白な肌にも。ラットマンが吐きだした種汁がかかっている。しかしひどい獣臭も、もう気にならなくなった。
文字どおり四六時中、スカーレットはラットマンと交わっていた。
食糧の調達以外で、彼奴らは外に出ない。巣中に残ったものに犯され、帰ってきたもの陰茎をしゃぶり、夜半に起きだしたものとセックスする。
その結果は当然のものだった。彼女の腹は大きく膨らんでいた。胎の中にいるのはもちろん、ラットマンの仔だ。
ばちゅっ! ばちゅっ! どちゅっ!
「あっ、あっ、あぁ~~~っ!」
みっしりと詰まった子宮と乳首を下に向けた双房を揺さぶられながら、スカーレットは果てた。
大きく膨らんだ腹の中には、誕生を待つばかりの赤仔がいる。寝床を手荒に扱われているが、すやすやと眠っているようだ。
「はぁっ、はぁっ……」
ラットマンに孕まされた場合、妊娠の期間は短い。彼奴らの精液に含まれるホルモンが成長を後押しするのだ。それでも受精から出産まで、ひと月ほどは要する。五日ほどでここまで腹が膨らむのは、明らかに異常だった。
その秘密は彼女の経歴にあった。モンスターに犯されつづけ、ついには竜種の仔をも産みおとした。スカーレットの子宮は異種を孕みやすく、そして育ちやすく仕上げられていた。
「はっ、はぁっ、はっ」
とくん、とくんという脈動が身体の深部からはっきりと聞こえる。
己の胎の中でモンスターが成長している。それらが重く、大きくなっていく様すら感じとれるようだ。
(また、モンスターの仔を産むんだ……)
その時は目前にまで迫っている。他ならぬ我が身が教えてくれるのだ。スカーレットは更なる快楽を味わえる機会を、犯されながら待つ。
◇
スカーレットがラットマンの巣に入り、七日が経った。
彼女のナカに宿った命たちは、いよいよこの世界に現れようとしている。
「あぁっ……! あっ、はっ!」
この日ももちろん、スカーレットは犯されていた。張りつめんばかりの腹を下には向けられない。正常位で貫かれている。
ずぐんと膣奥を突きいれられた時。ついに陣痛が始まった。
「あっ、あっ!? う、ぐぅぅう……!」
スカーレットは快楽以外の息を吐きだす。さすがのラットマンも腰振りを止めた。モンスターが女を犯すのは繁殖のためだ。いかに性欲に支配されているとはいえ、出産を邪魔することはしない。
「ふっ、うぅぅっ……!」
腿の筋が痛むほど大きく、脚を広げた。群れの鼠人たちに見守られながら、スカーレットは分娩に臨む。
彼女の腹は通常の妊婦よりも大きく膨らんでいた。そこに宿る仔は一匹ではないからだ。これはラットマンの繁殖においては通常のことである。ベースとなった動物さながら、彼奴らはネズミ算で増えていくのだ。
「うぎっ…!」
三匹の胎児はすでに子宮を後にしていた。絡まりあうようにして産道を転げおちる。
「あぐ……っ! あっ、あ゛ぁぁあ!」
小さな手指は膣ヒダを掴み、今まで収まっていた子宮を足蹴にし。彼奴らはひたすらに明るい場所を目指す。
譲り合いという心はモンスターにはないらしい。三匹は団子のように固まって、秘裂に殺到する。
「ぐぅぅ……! い、いっぺんに、でられないがらぁっ!」
もちろん、母の言うことを聞く仔どもではない。我こそが長兄になるのだとばかりに、ネズミの仔は競って出口を目指す。
頭部を突きこんだり、手指で掻きむしったり。仔ネズミたちは思い思いのやり方を試す。その全てはスカーレットの胎内で起こっているのだ。
異種出産の快楽により、彼女の灼眼は白目をむきつつある。しかし下腹部の異様な盛りあがりを視界に捉えることができた。
ぶぢゅうっ!
「うっ! う゛う゛ぅっ! がはっ!」
とうとう一匹が顔を出した。彼奴はその勢いのまま転がりおちる。そして外界の空気を吸うと、けたたましく鳴きはじめた。
美女から産まれたもの。それは母とは似ても似つかない。ラットマンの嬰児はまだ毛も生えそろわず、目も開いていない。鼻を蠢かす様はイヌの仔にも見えた。
しかしそれはまだスカーレットとへその緒でつながっている。彼らには間違いなく、血の縁があるのだ。
ぶぢゅっ! ぶぢゅぅっ!
「あ゛っ、ぐぅうっ! あ゛っ、お゛ぉっ!」
膣口は胎児の大きさに拡張された。弟たちも次々と潜りぬけていく。派手な水音とともにスカーレットの嬌声も跳ねあがえる。
ラットマンの出産はつながり、途切れることがない。掻きまわされる膣腔からも広がったままの陰唇からも、絶え間なく悦楽が供給される。過大な情報を送りこまれた脳はぐつぐつと煮えるようだ。
(これ……すごぃぃ……)
M字に開かれた内腿は痙攣を続ける。それでも無事に仔を全て産みおとすことができた。生々しい羊水の匂いが狭い巣中に広がっていく。すでに満ち満ちている獣臭と混じりあい、肺に沈みこむような重い空気となった。
しかしスカーレットは快楽の余韻に震えるばかりだ。そんなものを気にする余裕はなかった。
彼女は今日、新たに七匹の仔を産んだ母となった。だがそれは新たな種付けの開始に他ならない。
穴が空くのを待ちかねたとばかりに、一匹のラットマンがスカーレットの股間に飛びついた。
ぶぢゅっ!
「くぅっ……あっ!」
ネズミの仔を出産したばかりだ。膣腔は愛液だけでなく、羊水にも塗れている。常よりも潤いを増した蜜孔は、モンスターをより夢中にさせた。
ぐちゅっ、ぐちっ、ぐぢゅっ!
「はぁっ、はぁっ、ま……、まって、あぁっ!」
同胞を誕生させたという大仕事を果たしたばかりなのに。彼奴にスカーレットを労わろうという意思は見られない。猛然と腰をぶつけ、己の性欲を満たそうとしている。
あまりに手ひどい扱いだ。しかしスカーレットの心を満たすものは痛苦でも屈辱でもなかった。
「はぁっ、はっ……、むお゛っ!」
金髪の美女は恍惚の息を吐く。大きく開いた口腔も標的となった。ラットマンの性器がねじこまれる。
「うぶぅうっ!」
鼠人の性器はもちろん、ひどい味がする。
彼奴らに湯浴みの習慣などあるわけがない。肉棒は清拭されることなく、汚れるに任せるばかりだ。こびりついた恥垢が層となっている。
獣臭さと塩辛さがスカーレットの唇内を満たす。一刻も早く吐きだすべきだと脳は命令する。しかし。
「んちゅっ、んっ、んぅ……っ」
スカーレットは桃唇を窄ませ、棒肉に吸いついた。イラマチオを強いている個体は首を反らす。それから高い鳴き声を巣に響かせた。
口と膣とを同時に犯される金髪の美女は、鼠人どもに串刺しにされたようにも見えた。彼奴らはともに遠慮会釈なく、ペニスを前後させる。出産を行って間もない胎内は充血しており、カリ首で掻きまわされると火で焙られるような快楽が湧いた。
「んむっ!?」
新たな刺激が胸から生じた。ラットマンの嬰児は大きな乳山を這いのぼり、母のミルクを啜りだしはじめる。
(いけない……忘れてた)
哺乳類に似たモンスターには授乳が必要となる。ネズミとヒトを混ぜたようなモンスターであるラットマンも、その習性に属している。
短期間の妊娠であったが、スカーレットの胸乳はさらに豊かに実っていた。乳輪もひと回りほど大きくなっている。ゆえに視力の弱い赤仔でも問題なく見つけることができた。
「んおっ……! お゛っ、お゛ぉ……っ」
我が仔は唇を尖らせ、ちゅうちゅうとミルクを吸いだす。スカーレットは授乳であっても、充分な快楽を得てしまう。
飢えた兄弟たちは双房を我先に取りあう。終わりがわからぬ吸乳に、母は悦びの声を発した。
「お゛、ほぉぉお……っ、お゛お゛っ」
賑わいを増した巣で、スカーレットはますます激しく犯されていく。
◇
スカーレットがラットマンの巣に入り、十三日が経った。
「あぁっ、はっ、あぁぁぁ……!」
搾りだすような嬌声とともに、美女は一匹の仔ネズミを産みおとした。しかし胎内にはまだまだ、彼女の遺伝子を継いだものが残っている。
「はぁっ、はぁっ、あぁっ」
長兄に続けとばかりに、弟が陰唇を広げる。鋭敏な粘膜輪が乱暴に押しひらかれた。スカーレットの喉は引き攣り、悲鳴すらあげられない。
内腑が直に掻きまわされる快楽は、あまり長く続かなかった。仔ネズミたちは皆、間もなく母のナカを後にする。
今回、産まれた仔は八匹。分娩がスムーズになっただけでなく、前回よりも数が増えていた。それはスカーレットの生殖器官が、ラットマン用に慣らされていったことを意味する。
「はぁっ、はっ……んぶっ!」
群れの規模を拡大するという重責を終えた直後であっても。母には文字どおり、息つく暇すら与えられない。ラットマンの棒肉を咥えさせられた。
さすがのモンスターたちも、出産中には手を出さない。逆に言えばそれ以外の時間は、容赦なく性器を突きたててくる。
「ふっ、んむっ……! はぁ……」
終わりのない輪姦と、その先にある多産。スカーレットはモンスターからもたらされる快楽にすっかり酔いしれていた。
しかし完全に前後不覚となっているわけではない。
(そろそろ休暇も終わりね……)
苗床そのものの生活に浸りながらも、スカーレットは日にちを数えていた。昼夜なく犯されているので正確ではないかもしれないが……。今日でおそらく、十三日目のはずだ。
明日になればリアンの迎えが来るだろう。なかなか良い休暇を過ごせた。モンスターの出産を二回も味わうことができたのだから。
「んむぅ……っ、むっ、んっ」
スカーレットは少しばかりの名残惜しさを感じる。ゆえに口唇での奉仕に少し、力を入れた。
「ヂッ、ィィイイッ!」
ラットマンは色よい返答をしてくれる。五指が金髪を掴んだ。モンスターに優しさなど期待できない。力の限り掴まれ、頭皮に痛みが走る。
しかしそれがかえって、スカーレットの被虐心を震わせた。唇内に居座る亀頭を、舌でぐるりぐるりと舐めてやる。敏感な性粘膜を優しく慰撫され、ラットマンはますます昂る。高く叫び、さらに深く棒肉を押しこんだ。
美女も鼠人も、ともに淫宴を演じていた。最後の夜も騒がしく更けていく。
◇
スカーレットがラットマンの巣に入り、十七日が経った。
彼女は確信を抱いた。もう数え間違いなどではない。休暇の日数はとうに超えていた。にも関わらずリアンの迎えはないままだった。
(なにかがあったの?)
スカーレットが連想するものはやはり、政変だ。マルック派の残党はもういないはず。しかしなにが起こるかわからない。
もし、自分を放置せざるを得ないほどの災禍が起こっていたら……。
(マリィ様、リアン、ドラコ……)
考えれば考えるほど、悪いことばかりが思い浮かぶ。もう我慢できなかった。スカーレットは巣を脱するために立ちあがる。
「ヂッ!? ヂヂィィッ!!」
しかしここの住人が承諾するはずもない。
ラットマンは犬歯を剥きだしにしてスカーレットを威嚇する。出会ったばかりの頃の、臆病な様子などもう微塵もない。
この女は自分たちが自由に使える苗床。自分たちの意に反する行動など許せない。彼奴らの中にはもう、そのような認識ができあがっているのだろう。
「どいて!」
ラットマンは巣穴の出口を塞いでいる。スカーレットは排除しにかかった。腕を取り、投げ技を仕掛けようとするが……。思うように身体が動かない。
鼠人の精液には成長ホルモンが含まれている。それは胎児の早育を促すだけではない。苗床であるメスの女体をも変化させる。
ただでさえ豊かだったスカーレットの胸乳は、さらに肥大化していた。尻肉に媚脂がみっしりとまぶっている。つき過ぎた柔肉が素早い動きの邪魔をした。
「ヂッ、ィィイッ!」
結果、ラットマンの反撃を許す。取ったはずの腕を押しかえされ、そのまま仰向けに倒される。
「あぁっ!?」
スカーレットの腕前なら、例え素手であろうと問題ない相手だ。身体に多少のハンデがあってもそれは変わらない。
にも関わらず、彼女はいとも簡単に組みふせられてしまった。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
彼女がこの巣で生活して、二週間以上。スカーレットの中にも新たな認識ができあがっていた。己を自由に犯し、孕ませ、仔を何匹も産ませる……。そんなラットマンをいつの間にか、絶対的なオスとして見ていたのだ。
「ヂッ! イィィイッ!!」
「イイッ、ヂッ、ヂヂィ!」
苗床の反逆を、彼奴らは決して許さない。スカーレットを制圧した個体だけではない。群れ全体が怒気に湧いていた。
美女の背筋がびくりと跳ねた。気づけばいつの間にか、手がぶるぶると震えている。
「ご、ごめんなさい……」
金髪の麗人は起きあがることもできず、卑小な鼠人に許しを乞う。モンスターの答えはひとつだった。
ずぶっ!
「あぁぁっ!」
ペニスの挿入である。短期間で二度もラットマンの仔を産みおとしたのだ。スカーレットの胎内は彼奴らに最適化されている。野太い鼠根は効率的に、彼女の性感を引きだした。
今の今まで感じていた恐怖は去っていた。正常位で貫かれ、スカーレットの眉根が開きだす。
ずぶっ! ずぢゅっ! ずぶぅっ!
「あっ、ひっ……! んぶっ、お゛、お゛ぉっ!」
麗人は乱暴な抽送を受ける。激しい異種姦に喘ぐ唇に、穢れた生殖器が突きたてられた。吐きだすことも噛みつくことも頭に浮かばなかった。スカーレットは桃唇を必死に窄ませる。
「ふーっ、ふーっ、んふーっ」
口いっぱいに逸物を含んだため、鼻で呼吸するしかない。ふいごのような息が吐きだされた。シャープな美貌を描く頬は大きくへこみ、その印象をすっかりなくしている。スカーレットは知る由もないが……その顔形はひょっとこという仮面にそっくりだった。
「ぅおッ……!? お゛、お゛ぉぉおッ!」
スカーレットは完全に白旗を上げている。しかしモンスターの暴虐は変わらない。亀頭は激しく喉を殴打し、カリ首が膣ヒダをひっかきまわす。
苗床に立場をわからせる。二度と反逆できないように躾けてやる。ラットマンはそんな思考さえできまい。彼奴らは単に怒りに任せるばかりだ。その結果、スカーレットを犯しぬかれることとなる。
「おぶっ、む゛っ、お゛ぉ……ッ!」
仲間のため、鼠人の巣から脱出せねばならない。彼女のそんな意思は完全に雲散霧消していた。
◇
スカーレットがラットマンの巣に入り、二十日が経った。
ここに至って彼女はとある結論に達した。
「お゛、おぉ……っ、んむぅっ!」
助けはない。リアンが来れないのだ。もうそんな状況になっているのだろう。
だからといってスカーレットが取れる行動もなかった。多頭出産を繰りかえした陰唇は充血したままになっている。身じろぎするだけでびりびりとした淫痺が股間から走った。十歩も進まぬ内に膝から崩れてしまうだろう。
「お゛っ、む゛ぅっ! ……おぉっ」
そんな自分に残された運命はひとつだけ。残りの生涯全てを、ラットマンの性処理と繁殖に捧げる。それがスカーレットの結論だった。
「んおっ、お゛っ、む゛っ……」
ラットマンは成長も早い。彼女が最初に産んだ息子たちはすでに性成熟していた。そして最も身近なメス、すなわち母親を犯しはじめる。
桃唇に突きこみ、自らが出てきた膣腔を耕し……。まだ乳離れできぬものは、盛んにミルクを吸いだしている。
皆、思い思いのやり方で母を使い、自身の欲望を満足させていた。そんな行いをするものは、外界の仔どもに留まらない。
ずくんっ!
「お゛ぼぉぉお゛ッ!」
子宮が大きく弾んだ。亀頭に突かれてのことではない。彼女のナカには当然のごとく、新たないのちが収まっていた。乱痴気騒ぎに抗議するかのように、胎児は揺り籠の内壁を蹴りあげる。
彼奴らも間もなく外の世界を目指すだろう。文字どおりのネズミ算で、スカーレットを犯すペニスが増えていくのだ。
「あは……はっ、は……」
スカーレットは思考を放棄した。そして感覚だけを享受しようとする。
すると自然に笑みがこぼれてきた。鼠人たちは決して飽くことなく自分を犯す。膣腔だけではない。口唇も、乳房も、臀部も。ラットマンの手指が這い、性器を突きたてていない箇所はもう、どこにもなかった。
(もう、これで……)
スカーレットの脳裏にはバラ色の未来が広がりはじめる。ラットマンに犯され、ラットマンを産み、育ったラットマンにまた犯され……。そんな終わりのない快楽が保証されているのだ。
しかし……いつか彼女の機能を使いつぶされ、群れの拡大に寄与できなくなったら? 矮小なラットマンたちに、功労者を生かしておく慈悲を期待できるだろうか?
幸いなことにスカーレットにはもう、確実に訪れる未来を想像する能力すら残っていなかった。
美女は嬌声をあげ、鼠人どもはさらに激しく責めたてる。そんな淫宴の残響が、土洞の中からずっと聞こえていた。
◇
「……私の勘違いだったのね」
受領された書類を見返し、スカーレットは脱力した。
ここはラットマンの臭いが染みついた穴倉ではない。スカーレットが主を務める、評議長室だ。マリィをはじめ、ドラコにリアン。打ちあわせを行ったメンバーが揃っている。
休暇は二週間のつもりだったが……。三週間で受理されていたのだ。こんな単純な見落としがあったなんて。優秀なスカーレットだからこそ想像もできなかった。
受理した者が数字を見間違えたのか、長めの休暇を取れたことを連絡し忘れていたのか。もはや真相はわからないし、追求する気もない。
「ふぅ……」
溜息をつくスカーレットに、リアンは深々と頭を下げた。
「申し訳ございません、スカーレット様。私の説明不足で不安にさせてしまい……」
「いえ。リアンのせいじゃないわ。確認していなかったのは私なのだし」
リアンは約束の日に遅れることなく現れた。ラットマンどもを難なく蹴散らすと、スカーレットを無事に回収した。その上、安全な場所で出産さえも手伝ってくれたのだ。これ以上ない働きである。
スカーレットは椅子に体重を預けた。ギシ、という軋みが発せられる。休暇の前にはなかった現象だ。
彼女は二十日以上もラットマンの苗床となっていた。その身体はすっかり変化している。
肉付きを増した臀部はクッションをひしゃげさせるまで成長していた。豊かだった胸乳はさらに肥大化し、所有していた下着には収まらなくなってしまった。おかげでブラウスを直に着用することになる。
それももちろんサイズが合わない。ボタンをふたつも外している。すれ違う職員たちに何度も振りかえられ、居心地の悪い思いをした。
「ん……」
スカーレットの頬にふと、赤みが差した。軽い快感がその身に走ったのだ。
変化は姿形に留まらない。悦楽を受けとる機能も発達している。生地と接する乳首が擦れ、甘い波紋が身体に染みこむ。思わず内股になってしまう。もぞもぞと動いている自分に気がつき、スカーレットはすっかり恥じ入った。
この変化は治るのだろうか。彼女はそんな不安に囚われてしまう。
しかし、マリィたちになにかがあったという危惧は杞憂に終わった。スカーレットはそれだけで充分だった。
そしてなにより……再び人の世に戻ってこれたのだ。彼女はあの時、確かに覚悟した。尊厳も未来も手放し、卑小なモンスターの繁殖に身を捧げようと決めた。
あの時の気持ちを思いだすと、今でも……。
「…………」
うつむき、黙りこくったスカーレットを心配したのだろう。マリィがおずおずと声をかける。
「のぅ、スカーレット。ちゃんと疲れは取れたかのぅ……?」
打ちあわせの場にいたからか。幼き法皇さえも責を感じているようだった。そんな憂いを持つ必要はないと、スカーレットは笑みを浮かべた。
「はい。マリィ様たちのおかげです」
若き評議長の穏やかな表情を見ると、マリィはやっと頬を緩ませた。
「……うん! ならよかった!」
快活な言葉を合図に、場はようやく和やかになった。
仲間たちと笑いあうスカーレットだが、考える。この身体はモンスターとの交歓をまた求めるだろう。以前よりもずっと早く、ずっと強く……。
気づけば腹をそっと撫でていた。次はどんなものに、この空隙を埋めてもらおうか? 金髪の美女はそんな思いに捕らわれるのだった。