モンスターパーク2アフター 異種姦を望む乙女 作:二木ユキト
スカーレットとマリィは仲間を増やし。
異種姦を愉しむ若き評議長の環境は、
どんどん良くなっていきます。
そんな中、スカーレットはとある報告を聞きます。
それは森中でルカミラの身柄を確保したというもので……?
ヒールが階段を踏みしめると、鈍く軋む音がする。キィキィという鳴るそれを聞きながら、スカーレットはなおも歩を進める。
彼女は元老院の評議長である。本来なら、辺鄙な森奥にある施設に足を運ぶことなどない。しかしスカーレットはそれを、己の目で確かめねばならなかった。
(最近は、とても順調だったけれど……)
リアンとソフィアは貴重モンスターのオルタナを繁殖させ、自分とマリィは異種姦の虜となった女を増やした。
モンスターもそれに関わる人材も、充実しだしている。
そんな状況に水を差すような報告があった。聖地へ続く森中で、とある人物を捕縛したというのだ。
スカーレットの背後には、ひとりの男が影のようについてくる。彼は元老院が抱える密偵にして、今回の報告をあげた者だ。
彼にとって仕える主は大して重要ではないらしい。新たな評議長に対しても陰ひなたなく働く、忠臣である。
「このことは……」
「スカーレット様にしか報告していません」
男は淡々とした口調で告げる。ふたりは建物の二階に昇った。いくつか並んだドアの内から、男がひとつに鍵を挿しこむ。そして静かに扉を開けた。
スカーレットは室内に座っていた人物と対面する。
「久しぶりね……スカーレット」
彼女は己の白肌を、薄汚いボロで隠している。ブラウンの髪にも土埃が見えた。しかしその翠瞳にはまだまだ勝気が光っていた。
スカーレットが見紛うはずもない。彼女はルカミラ・ハル・ロッシュだった。
「ルカミラ……」
かつてスカーレットの副官として働いていた女騎士だ。
皇立アカデミー時代からの親友にして、剣の腕を競いあうライバルだと思っていたのだが……。ルカミラの方は違った。スカーレットに対し、強い敵愾心と嫉妬を抱いていた。
元老院と通じていたルカミラは聖騎士の任務を失敗させるため、様々な妨害を行った。その結果スカーレットは森でモンスターに襲われ……その人生を大きく変えることとなった。
「ドラゴンに襲われたと聞いていたけれど……」
「ギリギリで逃げだせたの。私だけね」
彼女はあっさりと言いはなった。その発言からすると、マルックとアグファスは竜焔を避けられたわけではないようだ。抱いていた懸念が消え、少し胸を撫でおろす。
次にスカーレットは、ルカミラの身体をじっと観察した。
頬はややこけていて、これまでの生活に苦労があったことがわかる。しかし対照的に、胸と尻が少し大きくなったようだ。
聖地へ至る森に潜伏していたことと、この不自然な変化。それらから導きだされる答えが、スカーレットの中にあった。
「ねぇ、スカーレット……。聞いたわ。あなた今、元老院の評議長なんだって? あなたの仕事、手伝わせてほしいの。私たち親友でしょ」
自身に注がれる冷徹な瞳に、ルカミラは気づいた様子もない。それどころか恥知らずな提案さえしてみせる。
ボロから肩を出し、ルカミラは白肌をちらりと見せた。同性に対して色仕掛けなど通用しまい。以前の彼女ならその辺りの判断もまだついただろう。
ルカミラは女体だけを頼りに、今日まで生きてきたのだ。
「…………」
黒衣の男がそっと耳打ちをする。彼はルカミラを確保した時の状況を報告した。
全てのピースが完全に嵌まった。スカーレットは判断の正しさを確信する。そして、かつての親友に言葉を投げかけた。
「ルカミラ。あなた……この森の中でモンスターに犯されていたわね?」
「!?」
「それどころか、モンスターを産んだこともあるでしょう。それで……」
媚びた表情から一変、ルカミラは柳眉を逆立てた。スカーレットの言葉を遮り、金切声で捲くしたてる。
「な、なに言って……! モンスター狂いはあんたの方でしょ!? 覚えてるんだから! 気球で吊られながら犯されて、悦んで……。あれは傑作だったわ!」
言いたいだけ言うと、手を叩いて大笑いをはじめる。
スカーレットは知っている。こんな苛烈な反応こそ、本心を隠そうとする行動に他ならないのだ。
「わかったわ、ルカミラ。あなたには私の仕事を手伝ってもらいましょう」
スカーレットの言葉を聞いて一転、彼女は表情をぱぁっと輝かせた。
「ほ、本当!?」
「えぇ。ただ、今日のところはここにいてもらうわ。マルックと通じていたあなたを、大っぴらに迎えいれることはできないから」
「わかったわ」
すっかり上機嫌になったルカミラは、にこにこと顔を綻ばせる。
スカーレットは男にちらりと視線を送る。彼は目だけで了解を伝えた。
彼女はもう決して、ここから逃げることはできない。
◇
翌日。ルカミラはさっそく、スカーレットの仕事を手伝うよう告げられた。伝達したのは彼女も面識のあるはずの女騎士たちだったが……。有頂天の彼女は気がつかない。
「ちょっと。こんなところで、どんなを仕事するってのよ。あと着替えは?」
ルカミラは着の身着のまま、施設の二階から一階へ移動させられる。
二階は人の居住が予定されていたのだろう。しかし一階はがらりと様相が変わっていた。
石造りの廊下を挟むようにして、鉄格子の部屋が並んでいる。その中には柔らかな藁が敷き詰められていた。
奇妙な光景だった。まるで、監獄と家畜小屋を合わせたような……。
女騎士たちは重厚な鍵を取りだすと、とある扉を開く。
「ルカミラ様、どうぞ」
「この中に入れっての? いやよ!」
「そうなると、元老院の仕事を手伝っていただくという話は、なしになりますが……」
やっと掴んだ栄光への道である。また森中に逆戻りするなど考えられなかった。
ルカミラはしぶしぶ、鉄格子の中に入る。
「仕事の内容はすぐにおわかりになると思います」
「スカーレット様ももうすぐいらっしゃいますので」
小柄な騎士とロングヘアの騎士はそう告げる。扉を閉めると、さっさと去っていった。ルカミラはひとり取りのこされることとなる。
ますます牢屋に入れられたようだ。しかし監獄とは異なり、高い天井には灯が点いていた。しかしその明かりは弱く、部屋全体を照らすことができてない。
「ん……?」
光の届かぬ隅をなにかが駆けぬけた……ように見えた。
ルカミラは目を凝らす。しかし翠瞳が捕らえるより先に、白肌がその正体を悟る。
しゅるしゅるっ!
「あ……! きゃあっ!」
後ろから己の首になにかが巻きつく。しなやかで力強かった。皮フ感覚だけでそれには敵わないとわかってしまう。
ルカミラの背にはモンスターが取りついていた。
「ギシャアアアアッ!!」
「ひっ……!」
耳元で、鼓膜をつんざくような鳴き声がした。ルカミラはその咆哮に覚えがある。
間違うはずもない。自分に巻きついているのは、テイルハガーだ。女を襲って繁殖する、モンスターの一種である。
ルカミラは反射的に身体を硬くする。しかし慌てて力を抜いた。
(て、抵抗したら……!)
八本の脚を備える、クモのようなモンスターである。昆虫との違いは、その脚は強靭な触手でできていることだ。
それが発揮する力は、ルカミラもよく知っている。
なぜなら森中で彼奴に犯されたことがあるからだ。その時は嫌悪感から激しく抵抗してしまった。それがモンスターの不評を買った。
ぎりり……っ!
「ひ、ひぃぃ……っ」
二の腕に食いこむ膂力が、その記憶を想起させる。テイルハガーは抵抗する獲物の首を、容赦なく締めつけるのだ。気道を塞がれる苦しさは文字どおり、ルカミラの骨身に沁みている。
彼女の身体に拘束具はない。だが精神はしっかりと、モンスターに捕獲されていた。
そしてルカミラを縛るものは恐怖だけではない。
ずぶぅっ!
「うっ……!」
おとなしい獲物に満足したのか。テイルハガーはさっそく、性交に取りかかる。丸く膨れた先端に淫口を無理やり広げられ、ルカミラはうめき声をあげる。
立位のまま、背後から貫かれるのだ。彼女は声音も身体も震えている。
しかしモンスターは苗床に気を遣うことなどない。残った触手で粗末な衣服を剥ぎとりながら、ピストン運動を送りこみはじめる。
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ!
(こ、これ……!)
テイルハガーのペニスには、イボがびっしりと敷きつめられている。それはメスに快楽を与えるためのものだ。
決して望まぬのに、邪悦が下腹から発生していく。なすがままのルカミラは淫熱が高まっていくばかりとなる。
彼女の魅力的な部分は、決して膣だけではない。
ぎりぃ……!
「ひっ、あぁっ!」
後ろから伸ばされた触手に、豊房を根元から搾りあげられる。性感が乳山の頂上に向かって駆けのぼってきた。ルカミラは腰が砕け、地面にがくりと膝を着く。
モンスターはそんな反応にも関知などせず、乱暴な抽送を続ける。
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ!
「はぁっ、はっ、ぐぅっ……!」
テイルハガーの腹部で尻たぶを打擲される音が、室内に高く響きだす。身体からさらに力が抜け、ついに地へ伏してしまった。ルカミラの美貌は、藁敷きの床に擦りつけることとなる。
蟲ケラのようなモンスター相手に、屈辱的な格好を強いられる。彼女の性格からすれば、とても承服できないだろう
そしてここに至ってルカミラは、己が騙されたと察しがついた。
(す、スカーレット……!)
脳裏に紅の騎士の顔が映る。皇立アカデミーに在籍していた時から気に入らなかった。なんとか追いおとしてやろうと思っていたのに……。
今では彼女は権力の中枢に立ち、自分はモンスターに犯されている。想像の中のスカーレットは眼と唇を曲げ、勝ちほこった表情を作った。
ルカミラの翠瞳には反抗の光が宿りはじめる。
ぎりりぃっ!
「あがっ……! あ゛ぁ……」
テイルハガーの拘束が急に強まった。彼奴は元来、臆病なモンスターである。ルカミラの殺気を察知し、首に巻きつく触手が反応したのだ。
すでに彼女は抵抗の気概を失くしているが……。だからといってテイルハガーも、すぐに行いを変えることはない。
ぎ、ぎぎ、ぎ……!
「が……あ゛……ぁ……」
強靭な触手は、なおもルカミラの細首を絞りつづける。
モンスターはとあることに気がついたようだ。首が締まると膣も締まるという、人体の原則である。屹立した性器をきつく圧迫されるのは、テイルハガーもお気に召したようだった。
ぎりぎり、ぎりり……!
(ま、まって……しぬ……しんじゃう……)
彼奴はさらに、首に巻いた触手に力を込めた。同時にますます激しく腹部をいきらせ、胎内にピストン運動を送りこむ。
ルカミラは朱唇をぱくぱくと開閉するが、もう空気も出てこない。視界が徐々に黒く塗りつぶされていく。身体の末端は痺れ、もう感覚がなかった。
しかし幸いにも、先に限界に達したのはモンスターの方だった。
どくんっ! どくんっ! どくっ!
「ぅぁ……」
テイルハガーは全身をびくりと震わせると、射精を開始した。ペニスは全て、ルカミラの胎内に埋められている。白濁液は余すところなく子宮へ流れこんできた。
イボ付きの生殖器が弾跳し、肉突起が膣壁に食いこむ。内腔に邪悦が駆けぬける度に、種汁の熱さと粘りが追加される。その感覚はルカミラに忌まわしい記憶を思いださせた。
(ま、またなの……?)
ドラゴンの炎からなんとか逃れて生き長らえられたものの。ルカミラのその後は苦難の連続だった。
マルックは消え、騎士団に帰れるはずもない。全ての後ろ盾を失ったルカミラは森中に潜伏することとなる。そこに人の法はない。モンスターの縄張りに入りこんだ彼女は、異類どもの孕み袋となるしかなかった。
ぎりりりぃ……。
「ぅ……ぁ……」
絶頂に至ったというのに。触手蜘蛛はなおもルカミラの首を締めあげている。最後の最後まで快楽を味わい尽くしたいのは、モンスターであっても同じようだった。
しかし彼女の意識が完全にブラックアウトする前に、テイルハガーは射精を終えてくれた。首に巻きつけていた触手は緩まり、ルカミラは解放される。
「はぁーっ! はぁーっ! はぁーっ! げ、げほっ……!」
背と腹を波打たせて大きく呼吸をする。
地面に顔を擦りつけ、尻を高々と掲げ、秘唇からはモンスターの白濁液を垂れながす。しかし今のルカミラは、そんな己の現状を全く認識できない。息ができることと、種付けが終わった安堵。そのふたつを噛みしめる。
しゅる……。
しかしモンスターの繁殖欲が、一度の射精で治まるはずがない。テイルハガーは再び、ルカミラに向かって触手を伸ばす。
「はぁっ、はっ……! や、やめ……」
身体中が酸欠で喘いでいる。翠瞳からは涙が溢れ、なにも見えない。朱唇から吐きだされるのはしゃがれた震え声で、そんなものはモンスターに届きはしない。
テイルハガーは体位を変えてルカミラを拘束する。
ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ!
「あっ、あっ、あ゛ぁっ!」
触手蜘蛛は、仰向けに転がした女の腰にしがみつく。そしてまた腹部を起点にし、性運動を開始した。
正常位のような形で人とモンスターはつながる。抽送の度、たわわに実ったルカミラの乳房が揺れた。もちろんそれも放っておかれることはない。
むに、ぐにぃっ!
「あぁっ!?」
前部にある二本の触手が、ルカミラの巨房を再び捕らえた。乳山の根元から頂上に向けて、ぐるりと巻きつく。
先端がちろちろと乳首に当たった。性感帯への接触というには、あまりにも微妙なタッチだった。くすぐったさと気持ちよさの中間のような悦楽が下腹へ落ちていく。
きついのに、もどかしい。相反する刺激はルカミラを追いつめていった。
ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ!
「はぁっ、あぁっ、ああ゛っ!」
柔らかな肉を抱きしめながらの性交は、またまた触手蜘蛛のお眼鏡に適ったようだ。彼奴は二度目のクライマックスに向かう。さらに激しくペニスを往復させ、ふたつの巨房を締めあげた。
しかし。
「……!」
テイルハガーは一対の触角を逆立てた。ピンと伸ばしたそれを盛んに動かす。間もなく彼奴はルカミラから性器を抜いた。歩脚を忙しなく動かすとそそくさと部屋の隅に向かい、姿を隠してしまった。
「…………?」
突然の中断と他行である。混乱するルカミラだが、彼女もその理由をすぐに知ることとなる。
ここにいるモンスターは、テイルハガーだけではなかったのだ。
ごごごごご……。
重たいものが動く音がする。地響きを伴うそれは、床に伏すルカミラにはよく伝わった。モンスターの足音とは思えないが……。不気味な振動は不安を掻きたてるのに充分すぎた。
そして現われたものは、その前兆に相応しいモンスターだった。
ずんっ!
「ギィィィッ!」
大型モンスター、ヘテロギガント。頭部と脚が生える胸部、そして腹部。基本的な構造は昆蟲と同じだが、その全てが多大で異様だった。
四対八本もの剛脚は二足歩行だけでなく、巨大な腹部を運ぶことさえ可能にしている。縦割れのひとつ目が見初めたものには六手が伸ばされ、決して逃がすことはない。
例え剣があっても太刀打ちできないであろう……正真正銘の強種である。
天井に頭を擦らんばかりの威容と、縦割れの唇から発せられる威嚇。ルカミラは身体が竦みきり、動くことができない。
「あ、あ……」
その隙に甲殻の強巨蟲は二腕を伸ばす。ルカミラの腕も足もがっしりと掴まれ、動きを封じられてしまった。
手首を頭の上で揃えられ、吊りさげられる。対面座位のような格好で拘束された。
「ふっ、ふぅっ、ふぅ……っ」
脚を大きく開かされているが、抗おうという気が全く起きない。皮フから伝わる巨蟲の剛力は、そんな気力を折るに充分だった。
ひとつ目がぎょろりと秘部へ向けられる。そこからはたらたらと、テイルハガーに注がれた精液が垂れおちている。
ずるるる……。
「ひっ!」
ヘテロギガントは口吻から舌を伸ばした。巨怪のモンスターのそこも、紛れもない異形であった。
口腔内に収まっていたはずのそれはぞろりと長く、しかも先端は膨らんでいる。ペニスのようでもあった。
ずぼっ!
「!!」
彼奴はそれが自然の行いと言わんばかりに、その長舌をルカミラの秘唇に咥えこませた。
つい先ほどまで、テイルハガーに掘削されていたのだ。ナカ出しされた精液のぬめりも手伝い、ほとんど抵抗なく最奥を叩かれる。
ヘテロギガントの目的は、クンニリングスではなかった。
ずるっ、ずずずずっ!
「あっ!? あっ、あぁぁあっ!」
思いもよらぬ感覚……臓器を引っ張りだされそうな強吸を課された。ルカミラの翠瞳がひっくり返る。
ヘテロギガントは強大なモンスターである。ゆえに獲物の横取りを行うこともしばしばだ。すでに種付けを受けていても関係ない。子宮から精液も受精卵も吸いだせば、今度は己が仔を孕ませられるのだから。
「あぅぅぅうっ! あぁぁぁ……っ!」
テイルハガーもモンスターだ。種付けには並々ならぬ精力を注ぐ。ゆえにルカミラの子宮には、かなりの量の粘液が残っていた。
しかしヘテロギガントは屈指の強蟲だ。その肺活量をもってすれば汚濁を拭いさるのに、そう時間はかからなかった。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
常識外れの吸引責めにより、胎内から牡の気配はすっかり消えさった。ヘテロギガントによる陵辱がいよいよ幕を開ける。
巨蟲の多腕はルカミラを悠々と抱えあげる。そして腹部に生えた脚状の器官を使って、女体をしっかりと固定しだした。両脚をM字に広げた体勢を強いられる。
(や、やだ、いや……っ)
内心では激しく拒絶するも、ルカミラにできる行動はない。ここまでしっかり拘束されれば、強巨蟲から逃れられる術はなかった。
ヘテロギガントの肉体の優れたところは、そこに留まらない。腹殻の後端が割れ、彼奴の生殖器が露わとなっていく。ずるずると伸びていく様を、ルカミラは唇を引きつらせながら見守った。
「あ、あ……」
根元から二又に分かれた、異質な牡棒だった。ヘビやトカゲなどの爬虫類が持つ、ヘミペニスとは全く違う。一対二本の反肉にはそれぞれ熱血が通い、どくんどくんと脈うっている。
異形の巨蟲に相応しい、怪奇にして大振りな性器だった。
ずむっ!
「うぎっ……!」
ヘテロギガントはなんの遠慮も容赦もなく、己の生殖肉をルカミラに埋めた。
前穴はすでに、テイルハガーにより耕されている。愛液のぬめりも加わり、巨根であったが挿入にはなんの支障もなかった。
問題は菊門の方だ。
デリケートな粘膜孔を裂かれないように、ルカミラは反射的に力を抜いた。その判断は正しかった。彼女はなんとか、取り返しのつかない負傷を免れる。
「くぅぅう……っ、は、あぁぁぁ……っ!」
亀頭はポルチオを押しこみ、太茎は菊穴を拡げる。淫血により勃起した異肉は、火傷しそうなほどのエネルギーを体内に伝えてくる。
ルカミラは脂汗を流し、モンスターの質量と熱量に耐える。しかしそれは全くの無駄骨というものだった。
ずぶぶっ!
「ああ゛あっ!?」
何故なら八本脚の巨怪蟲は、まだ挿入しただけ。本番はこれからだ。ルカミラの身体は軽々と持ちあげられ、次に叩きつけられる。
どぢゅんっ!
「がはっ……」
気持ちの悪い浮遊感に包まれたのは一瞬だけだった。再び子宮口を殴りつけられ、菊穴は荒々しく広げられる。下腹全体が震え、痺れ、強烈な邪悦に総身が揺さぶられる。
たった一合の性交なのに、ルカミラはすでにグロッキーに追いこまれた。
どちゅっ! どむっ! どぢゅんっ!
「があ゛っ! あっ、あがっ……、が、あ゛ぁぁあッ!」
しかしヘテロギガントはその腕力をもって、女体を何度も串刺しにする。人形のように跳ねるルカミラの乳肉が、ばるんばるんと上下した。
甲殻巨蟲は大欲だった。己の肉をさらに満足させようと試みる。
ずるるる……、ぬちゅっ。
「むぉっ……おっ、お゛ぉ……」
ヘテロギガントは舌を伸ばし、ルカミラの口内へ突っ込んだ。触手のごとく自在に動く赤肉は、堕ちた騎士の唇を貪る。
舌に絡みつき、顎を擦り、喉を突く。情緒も愛情もない、性欲任せの口づけだ。しかしルカミラにはその暴虐を止める術などない。
「むぉっ、おぉぉお……ッ」
ヘテロギガントの吸引力は、子宮内に溜まった白濁液を取りさるほどだ。それはディープキスでもいかんなく発揮された。裏切り者の舌を引っこ抜かんばかりの勢いで、巨蟲は甘い唾液を啜る。
どくっ! どぷっ! どくっ! どぷんっ!
「!? お゛、おぉぉお……っ」
ルカミラにとっては災禍の追加であるが……。それが甲殻巨蟲の興奮を煽りたて、早期の絶頂へ導くこととなった。
確かにヘテロギガントの動きは止まった。だが彼女にとって救いとなったかどうかは、微妙なところだ。
どくっ、どくっ! どくっ! どくっ!
「むぉぉぉおっ……お゛っ……」
射精の勢いは結合部を軋ませるほどだった。シワを伸ばされきった菊穴は、じんじんと痺れるような邪悦を発しつづける。
発射口はふたつあるというのに。膣奥に埋められたペニスも、多量の種汁を放出する。骨盤が確かな重さを感じだしても、甲殻巨蟲の射精は止まらない。
吐気を感じた。ルカミラは腹に目を落とす。そこはすでに、ぽっこりと膨らんでいる。
(い、いや……)
自身に起こった変化はルカミラのトラウマを呼びおこす。その内容は言うまでもない。モンスターに孕まされたことだ。
燃えさかる聖都から命からがら脱出し、聖地へ続く森で数人の部下たちと合流できた。しかし彼らにも早々に見放されてしまった。それからの彼女の暮らしは、惨憺のひと言である。
次から次へと群がるモンスターは、容赦なくルカミラを犯した。陵辱はそれだけに留まらない。異形の仔を産むまで解放されぬのだ。
逆に言えば繁殖に利用されている間は、命の危険は少なくなった。たったひとつの利点である。しかしルカミラはそれにありつくため、己の肌と胎をモンスターに明けわたしてきた。
そんな異種姦と異種出産の地獄からようやく、抜けだせたと思ったのに……。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
ルカミラにとって永遠にも等しい時間が経ったころ。種付けは終わった。唇も解放され、彼女はどうにか荒い息を吐く。
女の子宮を膨らませ、直腸内さえ満たした。しかしまだ射精したりぬとばかりに、ヘテロギガントは二又の生殖器をしゃくりあげる。
ぐぢゅっ!
「あぐぅぅっ!」
硬さと熱さを保ったままのペニスが、ルカミラの腹内を掻きまわす。
ヘテロギガントは強大なモンスターだ。彼奴に犯されつづければ、その末路は決まりきっている。
自分の胎にモンスターの仔を宿し、守り育てた後は……。子宮口を無理やり拡張され、産道を引っかかれる。そして己とは似ても似つかぬモンスターが、己のナカから出てくる。そんな体験が再び目の前に迫っていた。
「いやっ、いやぁ……うみたくない、もううみたくないのぉっ!」
騎士という肩書も、要人に寵愛されていた過去も。そんなものはルカミラの言葉や行動からはもう、読みとることができない。
彼女は首を激しく振る。翠瞳から流れた涙滴が散らばり、か細い光を反射した。
ルカミラは幼子に還ったような態度をしていたが……。
「いい調子ね。ルカミラ」
「……! す、スカーレット……ッ」
灯が届かぬ部屋の隅から、聞きおぼえのある声が聞こえた。皮肉なことに憎い女の存在が、ルカミラの正気を取りもどさせた。
同時にまた、震えるような重い音が聞こえる。どうやらこの牢獄には仕切りがあり、重量のあるそれを動かすことでモンスターや人の出し入れをしているらしい。
巨根の二穴責めがもたらす痛苦など忘れ、ルカミラは腹の底から怨嗟の声を搾りだす。
「あんた、私を騙したわね!? なにが仕事よ、この……卑怯者!」
ここに鏡はない。ゆえにルカミラは己を省みることもなく、思う存分にスカーレットを罵倒する。
しかし紅の騎士にして現在の評議長は全く反応しない。薄く笑っているがごとき息遣いだけが聞こえてくる。
痛痒を感じないどころか、嘲弄さえしているようだ。ルカミラはますますヒステリックに叫ぶ。
「なによっ! 出てきなさいよっ!」
「えぇ。少しまって……、あ、あぁぁ……」
長い金髪が揺れるのが微かに見えた。暗がりからゆっくりと、スカーレットは姿を現わしていく。
白い肌と豊かな肢体。灼眼を持つ美貌の彼女は、ひとりではなかった。
「え……。ひ、ひぃぃっ!」
若き評議長は己の脚で立ってはいなかった。彼女もまた自分と同じように……。甲殻の巨蟲に捕らえられていた。脚を大きく広げられ、二又の性器を突きこまれている。
スカーレットは一糸まとわぬ姿だった。ゆえにヘテロギガントに犯される様子がよくわかる。そしてそれは己の姿でもあるのだ。
淫口は裂けそうなほど拡げられ、子宮に注がれた精液は腹を醜く膨らませている。自分もそんな有様になっていると思うと、気が遠くなる。
「ルカミラ。私はあなたを騙してなんかいないわ」
「な、なに言って……」
「あなたの仕事はこれなの。モンスターと交尾して、元気な仔を産むのが……。あなたに手伝ってもらいたい仕事なの」
嬉しいでしょ? スカーレットはそう付け足した。
彼女の瞳は相変わらず、憎らしいほど美しかった。燃えるようなルビーの輝きは曇りひとつない。だからこそ、先ほどの言葉は脅しでもなんでもなく……純然たる真実であることがわかってしまった。
◇
アグファスが遺したモンスター牧場。その鉄格子の中で、かつての親友同士は向かい合った。
彼女らの背後にはともに大型モンスターのヘテロギガントがいる。彼奴の双性器を二穴に突きこまれているのも、全く同じだ。
「はぁっ、はぁっ……!」
巨躯のモンスターに犯される悦びに、スカーレットは打ちふるえていた。
ルカミラを発見したという報告を受けた時は、やはり安堵した。同時に、どうしたものかと思ったことも事実だった。
しかしマルックもアグファスも落命したことに変わりなく、なにより……。
「や、やめて……もうださないでぇ……っ」
ルカミラを犯す個体はなおも、自慢の双性器を女体に突きいれている。相変わらず拒絶の言葉を吐いてはいるが、身体の反応はまるで違った。
二本の巨根を収めた腹腔は、その形を大きく醜く変えている。しかし彼女の白肌は薄っすらと朱に染まり、翠瞳には悦涙さえ浮かんでいた。
(やっぱり、私の見込んだとおり……)
彼女の肉体もモンスターに魅入られているとわかり、逆に嬉しくなった。
ようやく、ルカミラと本当の仲間に……。
ずんっ!
「ぐぅぅうっ……!」
評議長として考えはここまでだ。後はただひたすら、酔いしれることにする。強種モンスターの剛棒とその種付け。それはスカーレットにとって、なによりの美酒に他ならない。
ずんっ! ずむっ! ずむ゛んっ!
「おっ、お゛ほっ! お゛っ! お゛ぉ……ッ!」
二又のペニスによる、ヘテロギガントの抽送。それは子宮と菊穴を同時に痺れさせる。
敏感なポルチオには、巨大な拳のような亀頭がめりこむ。開発されきったスカーレットのそこは、多大な快楽を全身に伝えた。
強靭な巨躯によるピストンは、アヌスの締まりさえ問題にしない。開きっぱなしになった粘膜縁を激しく擦りたてられる。尾骨から立ちのぼった肛悦は脊柱を通り、脳髄で爆発を起こす。
「……!」
前兆を捕らえたのは菊孔だった。ひくひくと肉竿が蠢く様が、敏感な円縁から伝わってくる。
もうすぐ種付けが訪れる。無慈悲で、無遠慮で、ただひたすら孕ませようとする。そんな強牡の種付けが。
そんなことを思う以前に、スカーレットは無意識に媚動を繰りだしていた。
「ギィ?! ィ、ィィィイーーッ!」
巨蟲は雄叫びを発し、頭部と胸部をくねらせる。愛蜜をまとう膣ヒダに慰撫され、括約筋で窄まった菊門に強締され。スカーレットの内肉から快刺激をもらったヘテロギガントは、より熱烈な射精に臨む。
「え……、や、いや! いやぁッ!」
同種のシンパシーがあるのか。ルカミラを犯す個体もまた、絶頂に達したようだった。強巨蟲も人間もともに向かいあっている。二頭二人は皆、悦楽の絶頂に向けて駆けあがりだしていた。
どくっ! どぷっ! どくっ! どぴゅっ! どぢゅぅ……、どくんっ!
「はぁっ……! あっ、あっ、あぁぁぁあ゛ッ!」
「いやぁ……っ、い、いやなのに、いやなのにぃぃい゛ッ!!」
スカーレットは愉しみながら、ルカミラは涙ながらに。しかし彼女らはともに、ヘテロギガントによる種付けを味わう。
◇
ルカミラがモンスター繁殖の手伝い……すなわちヘテロギガントに犯されだして、数日が経った。
彼女にとっては濃密で耐えがたい時だった。それでも決して長い期間ではない。
しかし。
「なんで……なんでぇ……」
彼女の腹は大きくなっていた。精液による膨らみではない。ぱんぱんに張ったそこは硬く張りつめ、内に巨蟲の仔がいることを教えていた。
月が満ちたというにはあまりにも早い。ルカミラの疑問にはスカーレットが答えた。
「あなたの身体ももう、モンスターの繁殖に最適化されているの。妊娠しやすいし、出産までの期間も短くなっているのよ」
「……っ!」
その言葉を聞き、ルカミラは絶望的な表情を浮かべた。
スカーレットもヘテロギガントにより、M字開脚で拘束されている。ぼて腹も結合部も隠せていないが、紅の騎士に恥じらいは見られない。
そして彼女から知性を感じとれるのも、これが最後だった。スカーレットの朱唇はこれから、ただひたすらに獣じみた嬌声を発するだけとなる。
「あはぁぁぁあ……っ、あ、あ゛! あ゛ぁぁぁお゛ッ!」
「ひッ!」
絶叫するスカーレットの股間から、薄紫色の液体がぶち撒けられた。破水したのだ。
甘い匂いがルカミラの鼻にも届く。そこに含まれていたフェロモンに中てられて、彼女もにわかに産気づく。
「あ゛っ……、う゛、う゛ぅぅうッ!」
胎児の動きは脅迫的だった。子宮が大きく揺さぶられ、内腑全体が軋みだす。圧迫された臓器が吐気を訴える。
モンスターでもなんでもとにかく産んで、この苦しみから早く解放されたい。ルカミラはそう思った。
そう思ったのに……。
「なッ……!? ぬ、ぬいて! ぬきなさいよぉ!」
根元から二又に分かれた、ヘテロギガントのペニス。その一方はまだ、ルカミラの尻穴に挿入されたままだった。
強豪モンスターは自身の欲を抑える必要などない。しかしさすがに、我が仔が通る孔を開けておくくらいの分別はある。
彼奴の譲歩はそこまでだった。ルカミラは直腸に異物を挿れたまま、出産に臨むこととなる。
「う、うぅぅぅうう゛!」
きつく眼を閉じ、脂汗を流しながら、ルカミラはモンスターの母になろうとする。しかし分娩は遅々として進まない。当然だ。ほんの壁一枚向こうに、極太の性器が挿入されているのだ。それが産道を狭めていた。
それでもルカミラは健気に息み、我が仔を外界へ送りだそうとする。しかし巨大な頭部は膣口に引っかかり、幼体はなかなか産まれない。
「いい加減にしなさいよっ! あんたの赤ちゃん、産んであげるんでしょぉ……ッ!」
業を煮やしたルカミラは鋭く叫んだ。翠瞳に涙を浮かべ、背後の甲殻巨蟲を睨む。
しかし彼奴はひとつ目を歪ませるばかりだ。直腸に埋めたペニスを抜くことなどない。
ぶぢゅううっ!
「!?」
破裂したがごとき水音が響いた。ルカミラはそちらに目をやる。スカーレットがいる方だった。
「あはぁぁぁ……あっ、あっ」
若き評議長は半開きになった唇から、たらたらと涎を垂れおとしていた。
ヘテロギガントにより大きく開かれた脚の間。そこに鈍青色をした、蠢くものがあった。
美貌のスカーレットと、醜いソレ。共通点は全くないように見えた。しかし両者はしかと、ヘソの緒で繋がっている。
自分も今から、これを産むのかと思うと……。
「はぁっ、はぁっ……あっ、あぁぁあっ……!」
一度は覚悟をしたものの、ルカミラはやはり怖気を振るってしまう。しかしスカーレットは違った。巨大な胎児をひり出した彼女は、喜悦に身体をくねらせている。
そして、それをさらに味わおうとしていた。彼女はデコルテまで朱に染めるほど、下半身に力を込める。
「あっ、あっ!」
スカーレットの腹はなおも膨らんでいる。そこがぼこり、べこりとと歪んだ。彼女は早くも、第二子を産みだそうとしていた。
実にスムーズな道行である。少し……ほんの少しだけ、ルカミラは羨ましいと思ってしまった。
「うっ?! うぅ……っ!」
その願いは神に聞きとどけられたのか。産道の魔仔はいっそう動きを強めた。狭まった内腔を、巨大な頭部をもって掘削する。
膣ヒダの隙間からはすでに、濃い愛蜜がたっぷりと分泌されている。それにも関わらず火傷を負いそうな、激しい擦りつけだった。
剛力の胎児はやがて、秘門にまで到達する。
「あが……ッ、あ、あ゛ぁぁぁあッッ!!!」
ぼぢゅんッ! と。爆発したかのような水音が響いた。同時に強巨蟲の嬰児が家畜小屋に転がりおちる。しかし母は完全に白目を剥き、我が仔の誕生を見ることはない。
スカーレットとルカミラ。昇った者と堕ちた者。しかし彼女らはこの時ばかりは、全く同じ感覚……。すなわち、モンスターの出産による邪悦を、深く深く味わっていた。
◇
マルック派の残党を捕らえた。その情報はもちろん、修聖教会のトップであるマリィにも伝えられた。
スカーレットから報告を受けた幼き法皇は、かわいらしい顔に渋面を浮かべている。
マルックは教会の権威さえ掌中に収めようとしていた。そんな男に協力していたのだ。ルカミラへの警戒はやむを得ないことだろう。
「捕らえているというその者……よからぬことを考えぬかのぅ?」
「はい。全く心配いりません」
マリィの問いに対し、スカーレットはきっぱりと即答した。ルビーの瞳も凛とした声も揺れることはない。
「ん、そうか。スカーレットがそう言うなら、問題あるまい!」
幼き法皇もまた、そのひと言だけで全面的に信用したようだった。脇に控えるリアンもなにも言わない。
スカーレットとルカミラは旧知の仲である。それなのにすぐさま二心がないと判断してもらえるのは……とても嬉しいことだった。
だからこそスカーレットは、次なる事実も喜んで報告する。
「よからぬことどころか……」
「むぅ?」
「彼女ももう、私たちの仲間ですわ」
◇
一方その頃。
ルカミラは今日もモンスター牧場で、ヘテロギガントの仔を産みおとそうとしていた。
「ひぃッ、いぃッ、い、ひぃぃンッッ!!」
スカーレットはすでにいないが、そのことにも気づかない。彼女はそれほど、異種出産の邪悦に焦がされていた。
なんとか子宮口を潜らせ、一体を産道に降ろしたのだが……。
「あ゛ぅ! う、うぅぅぅう゛ッ!」
甲殻の巨蟲はやはり、尻に埋めこんだペニスを抜いてはくれない。ルカミラは頭の血管が切れんばかりに腹圧を高める。胎児を膣口に通し、一刻も早く誕生させようとしていた。
しかしその努力は報われぬどころか、叱責さえされる。
どごんっ!
「あ゛ぐぅぅッ!」
ルカミラの腹を蹴るもの。それは今なお子宮に閉じこめられている、ヘテロギガントの胎児だった。彼女は双子を妊娠していた。
先に産道へ降りた兄が外界へ出なければ、胎内の弟が蟄居させられたままなのは当然といえる。
どむ゛っ!
「がっ、ッ……!」
子宮の中は安全だが退屈だ。強種の仔は早く産まれたくてたまらない。その欲求を伝えるため、母の腹を容赦なく蹴りとばす。
彼女に種を撒いたものも、彼女の血肉から育ったものも。みな、ルカミラの身体を省みようとはしない。ただひたすら己の欲を優先する。
何故なら彼奴らはヒトならぬ……モンスターだからだ。
「ぃぎっ」
翠瞳がぐるんと裏返る。暴虐に晒される身体だけでない。悦楽を伝える神経も、情報を受けとる脳髄も。ルカミラの全てが限界を迎えたのだ。
無駄な力みが消えた腹腔と膣口は、素直に胎児を排出した。ヘテロギガントの兄弟はまるで一体のごとく、同時に誕生する。
「は……はは……は……」
ルカミラはまた、大型種の母となった。
巨体の赤仔を一息に通した膣口は、ぽっかりと開ききっている。もう閉じることはないかもしれない。しかし今の彼女は、そんな先のことなど考えられない。
太物を咥える菊門は悦灼に焼かれ、胎児を通した生殖器全体は快電に痺れて……。
モンスターから受けとる邪悦。強大すぎるそれはもう、人間の脳では処理しきれなかった。神経束は破壊されつくし、また新たに構築されていく。
(もんすたー……しごと……きもちいぃ……)
スカーレットから与えられた仕事を引きうけよう。ルカミラはそんな気持ちになっていた。
憎い女の下命を素直に聞こうと思えるのは、初めてのことだった。
しかし実は聖騎士も評議長も……。法皇さえも、堕ちた騎士と立場の上下はない。
彼女らはみな等しく、モンスターを繁殖させるための家畜なのだ。
ルカミラははじめて、スカーレットと対等になれた。といっても彼女がそれを知るのは、もう少し経ってからのことだろう。
「はは……は、は……」
ルカミラを拘束するヘテロギガントは、次の種付けに取りかかろうとしていた。彼女はもうしばらく、この牧場に滞在しなければならない。