モンスターパーク2アフター 異種姦を望む乙女 作:二木ユキト
リクエストありがとうございました!
図鑑をめくるスカーレットは、
とあるモンスターを見つけます。
黒くて扁平で触覚の長いあの昆虫そっくりですが……
金髪の麗人は嫌悪よりも、蟲悦を選んでしまいます!
スカーレット・ルンベルクは評議長として多忙を極めている。ゆえに趣味を思いきり楽しめる休日を、とても大切にしていた。
「♪~」
明日は待ちに待った休日である。この日のために全ての仕事に一区切りをつけてきた。美女は長い金髪を指先で弄りながら、鼻歌まじりに予定を立てている。
そのお供は「モンスター図鑑」と表紙に題された、分厚い本だ。
そこにはモンスターの姿形だけではなく、性質や生殖の方法も記されている。
腹が膨らむほどの精液を注ぎこむもの、快楽神経を侵す毒を持つもの。卵巣にまで潜りこみ、生殖の仕組み自体を変えてしまうもの……。
女ならば目を背けたくなるような文章が盛りだくさんだ。しかしスカーレットは違った。
(すごい大きさのオチンポ……)
異種姦に魅入られた者にとってこの本は、名産や名物のカタログと言って差し支えない。
明日に赴く予定の、聖都地下の森には多種多様なモンスターが放たれている。そこでどんなものと交歓を演ずるか。スカーレットは実に楽しい想像を巡らせる。
美女の細い指は蟲型モンスターの項に差しかかった。
(蟲が初めての経験になるものも多かったわね……)
金髪の麗人は己の異種姦キャリアを振りかえる。
謀略に嵌められたスカーレットは聖地に続く森に置き去りにされた。そしてその豊満な美肢体に、モンスターたちの繁殖欲を叩きつけられた。
その中には蟲型のものももちろんあった。
(コブク・ロロバエに、古代クロオニアリに……)
子宮内にウジを産みつけられて疑似的な妊娠を味わったし、本当に孕んでしまったと心から震えたこともある。
そしてすっかり異種姦に目覚めた後……。聖都地下の森では、巨大なナメクジとも交歓した。乳房を犯され苗床にされるという、これまた新たな体験をすることとなった。
初々しかった頃だからこその胸の高鳴り。それらを回想しながら、スカーレットはなおも図鑑をぱらぱらとめくる。
ふと、とあるページで指が止まった。
「コックローチ……」
そこに記された名をぽつりと口にする。
図鑑には該当の蟲の名前だけでなく、その姿も大きく描かれている。美女の背筋にぞわぞわと鳥肌が立った。
(このモンスター……そのまんまアレじゃない……!)
野営のテントや厨房、時には寝所にも忍びこむ……黒く、大きく、長い触覚をふりふり振るうあの昆虫。コックローチとは、ゴキブリそのものの姿をしたモンスターだった。
嫌悪を抱きながらも、スカーレットは解説を読みすすめる。
(生態はスカベラムに似てるのね)
森中の落ち葉や生物の死骸を大顎で噛みくだき、消化して土に戻す。自然界においては、分解者という役割を担う蟲だ。
しかし数十センチから一メートルにまで至る大きさに、人間に忌避を抱かせる臭いを発する点。これらの特徴はまさにモンスターといえる。
「……あッ!」
体長ほどもある触覚、尾部に生えた一対の尖器。身体をひっくり返した図もあった。六本脚の付け根と、膨らんだ腹部もしっかり描きこまれている。
いつの間にかスカーレットは、己の紅瞳をコックローチの姿に釘付けにしていた。それに気がついた彼女は慌てて図鑑を閉じる。
(いくらなんでも、さすがにアレは……!)
明日に赴く聖都地下の森にはコックローチも生息しているはずだ。しかしゴキブリそのもののモンスターと交わる。そんな想像は異種姦に魅入られた彼女でさえ、怖気を覚えるものだった。
しかし頬に感じる火照りはなんなのか……。
(もう今日は寝ましょう)
スカーレットは頭を振って淫熱を払う。それから明日の休暇を十全に楽しむため、ベッドに潜りこむ。日々の激務の疲れもあり、美女は早々に健やかな寝息を立てはじめる。
彼女の異種姦キャリアは重厚だ。ゆえにとある法則を見出している。
ドラゴンやトロルといった強雄に屈服するだけが、快楽に通じているのではない。汚泥を餌にするような蟲に貪食されるのも、また素晴らしい体験になる、と。
◇
明くる日、スカーレットは予定どおり、聖都地下に入った。木々が生い茂るここは多種多様なモンスターが放し飼いとなっている。異種姦を愉しむには最適な環境だ。
(相手を決めずに来てしまったけど……)
森中を歩く美女はいまだ、交歓の予定を決めあぐねていた。ゆえについつい、寝る前に眺めたモンスター図鑑のことを思いだしてしまう。
ここには生命が溢れている。その残骸を分解する存在もあって然るべきだった。
(さすがに、ゴキブリは……。でも……)
蟲系がもたらす快楽を、スカーレットはよく知っている。しかしい嫌悪がいまだに拭えないのも事実だ。
もしもコックローチに出会ってしまったら。自分はどうするのだろうか。答えがないままスカーレットは進む。
ガサ、ガサッ。
気づけば彼女の足は、緑がより濃い方へ向いていた。茂みの葉が擦れる音が聞こえる。
それだけではない。湿った土が発する、胸が詰まるような臭いもするような……。
ガサッ!
「!」
スカーレットの予感は正しかった。金髪の麗人の前に、濡黒の扁平蟲……コックローチが姿を現した。
数十センチもの体長を誇るゴキブリである。思考よりも先に嫌悪感が背を駆けぬけた。美女の白肌は瞬時に粟立っていく。
「うッ……!」
次にスカーレットは、思わず口元を抑える。現実で見る彼奴の醜悪さは、図鑑の絵図とは比べものにならない。
甲殻はつやつやと黒光りし、触覚はふらふらとスカーレットを指している。まるで品定めをしているようだ。美女はますます吐き気を覚える。
金髪の麗人は剣の柄に手をかける。その瞬間、風に乗ってコックローチの臭いが運ばれてきた。
「あッ……!」
嗅覚が得た情報は記憶をフラッシュバックさせる。巨体に押しつぶされながら犯され、子宮にも乳房にも幼蟲を産みつけられ……。Gスラッグがもたらした理外の快感が、はっきりと蘇った。
黒平蟲がまとう臭気。それは蛞蝓の媚毒液とそっくりだったのだ。
「あっち行って……! 気持ち悪い……!」
スカーレットはついに剣を抜いた。彼女の業前はソードダンサーと称されるほどだ。コックローチなど一瞬で斬りさける。
彼奴にもそれがわかるのだろうか。じっと佇んだまま、距離を詰めてこない。
(ダメ……こんなのとは……!)
美女の脳と体は切りはなされてしまったようだ。頭では否定の言葉を紡いでいる。しかし黒蟲と向かい合っているだけで、胎は熱を帯びだした。降りた蕩液がショーツの舟底を汚す。
先に動いたのはコックローチの方だった。
「はぁっ、はぁっ」
長い触覚を振りながら、扁平の蟲はゆっくりと近づいてくる。
警戒は当然しているだろう。しかしスカーレットが溢れさせた蜜液の、甘い香りに惹かれたようだ。危険を承知でその美露にありつこうとしている。
(からだが……うごかない……)
素人同然の腰が引けた構えで対峙する。剣の間合いにはとっくに入っている。しかしスカーレットはぷるぷると震えるのみだ。
美女の脳内ではこれまでの蟲姦がめくるめいていた。ハエにアリに、ナメクジに……。醜い彼奴らに犯される嫌悪感こそが、最高のスパイスとなる。
ならば、この黒穢害虫に組みふせられたら?
「あっ!」
ローチはなおも接近する。ひょろひょろとした触覚がついに、美女の柔肌に触れた。
「~~ッ!」
狭所に潜りこむため、コックローチは体表に蝋膏をまとっている。それが彼奴を黒光りさせているのだ。
そしてモンスターであるがゆえ、体液には媚毒が含まれている。それがスカーレットの肌から疾く吸収された。
「あ、はぁ……っ! は、はっ……!」
すでに何度も注がれた、蟲型モンスターの発情毒。それは美女も胎を焼きとかし、腰砕けにさせた。膝と手のひらを突く。ローチと同じく、地面に這いつくばる格好となった。
スカーレットはゴキブリと同じ目線で、改めて向かいあう。
(……いや、無理っ! で、でも……)
逞しい大顎に、濡黒に覆われた蟲身。そして油断なく伸ばされる触覚。麗人の紅瞳はいつの間にか、そんな特徴を好ましく感じるようになっていた。
穢蟲を避けようとする理性と、蟲悦を貪りたいという本能。両者を載せた天秤がぐらぐらと揺れる。葛藤のスカーレットはローチの前で、毫も動けなくなってしまう。
「あっ! ……あ、あぁっ……!」
控えめに振られる黒平蟲の触覚が、今度は美女の頬をかすめた。それが判断を下すきっかけとなった。
スカーレットは剣を拾わなかった。手と膝をついた四つん這いで、コックローチへ自ら接近する。
「ギィィッ!?」
蟲獣は鳴き声をあげた。彼奴は隠しているつもりだったのだろうが……。腹部の先から交接器をはみ出させていた。すべりこんだ美女の手が、それを優しく掴む。
(べとべとして……脈うって……)
掌中のそれからもおぞましい感覚が伝わってくる。理性が背筋を震わせた。しかし完全に目覚めた雌の本能は、そんなものを頭から追いだしてしまう。
スカーレットの頬と瞳は自然と緩んでいた。美女は醜蟲に対し、飛びきりの媚笑を向ける。
「さっきは怖がらせてごめんなさい……。私と、交尾しましょう?」
人語が魔蟲に通じることはあるまい。しかし吐息と視線の熱さは人蟲の垣根を超えた。コックローチもしっかりとスカーレットの意を汲む。
バサササッ!
畳んでいた翅をバタつかせ、黒平蟲は飛翔した。彼奴はスカーレットの手を振りきる。そして稀な美貌に向かって進路を取った。
ゴキブリが顔に向かって飛びかかってくる。想像するだに恐ろしい光景だ。しかし金髪の麗人は悲鳴をあげて逃げるどころか、目を瞑りもしない。
「んむぅっ!」
興奮の息を吐く口が塞がれた。ローチの体内から引きだされた交尾器が、朱唇にねじ込まれていた。
ゴキブリ獣の腹部とスカーレットの鼻先がぴたりと接地する。彼奴の体躯は数十センチに及ぶ。美女の小顔は濡黒の醜面を被ったようになった。
ずちゅっ、ずぢゅっ! ずぼっ、じゅぢゅっ!
コックローチは腹部を猛然といきらせる。そしてスカーレットの口内へ、生殖器を抜き挿ししはじめた。
トゲの生えた六本脚は顔を力強くホールドしている。白肌にしかと食いこみ、どれだけ動いても外れることはなかった。
ぶちゅっ! ぶじゅっ! ぢゅぢゅっ! ぶぢゅぅっ!
「むぉっ、おっ! お、おぉっ……! お゛ぉ……っ」
体躯に比して蟲根は大振りだった。先端は喉奥にまで達する。柔らかな咽頭を刺突されるのだ。痛苦はもちろんあった。
しかし美女を真に追いつめるものは、それではなかった。
(く、くさい……!)
普段は体内に格納されている、ローチのペニス。それには熟成された蟲臭が染みこんでいた。気をやりそうな穢気が鼻腔に充満していく。
性器に浮く白滓も、耐えがたい味がした。発酵した酸っぱさと腐敗の苦さが脳天にまで突き抜けてくる。唾液で溶かされたそれは舌上にどろりと広がり、ますます喉に絡みつく。
「んちゅ……む、ぅぅん……、ぢゅぅう……!」
「!!」
痛く、苦しく、しかも臭い。美女の紅瞳から涙が溢れだした。それでもスカーレットはコックローチへ、必死に口技を捧げる。
肉嵐が吹きあれる口腔内で舌を回す。幹竿をぐるりと舐め、表面の汚濁を拭いとった。健気に開いた咽頭で亀頭を受けいれる。頬肉を窄めてバキュームも課した。
「ギ! ギギィ!」
腐木の洞に突きこむのとはわけが違う。口内は温かく、甘い唾液が満ち、舌が竿に絡みつく。
自然界では決して味わえぬ快楽に、蟲獣もすぐに絶頂を迎えた。
どくっ! どくっ! どくっ! どくんっ!
「むぉっ……、おお゛……!」
激しく痙攣しながら、コックローチは精を吐きだした。スカーレットの喉は開かれている。腐液はそのまま胃の腑へ流れおちることとなる。
どくっ、どく……どくんっ……!
(すごい……いっぱい……)
腹部が蠕動する様が、舌と鼻から伝わってくる。それはいつまでも経っても終わることはない。
黒平蟲は意地汚く快感を貪った。注ぐ体液がなくなってもしがみつき続ける。六本脚が力尽きるとようやく、美女の朱唇からぽろりと身を引いた。
「はぁっ、はぁっ、はぁ……」
口は性器で、鼻は臭気で塞がれていた。ロクに呼吸もできなかった金髪の麗人は、ようやく酸素を取りこめる。
へたりこみ荒い息を吐くスカーレットだったが、ようやく気がついた。自分は今、おびただしい数のコックローチどもにとり囲まれている。
「あ、あ……」
ゴキブリと同じく、彼奴らも集団で行動する。孕ませ甲斐のある女体を見つけた時から、
仲間を集めるフェロモンはすでに発されていたのだ。
触覚を振るう平蟲どもは揃って、スカーレットへ突進する。
「きゃっ……! あぁぁっ!」
美女の金髪も鮮やかな紅衣も、あっという間に濡黒に覆われた。
スカーレットの心はすでにコックローチとの交尾を決意していたが……。それでも彼奴らに集団で群がられると、悲鳴が喉から搾られた。
「い、いやっ! いやぁッ!」
ローチどもは分解者である。頑丈な大顎と、狭所に潜りこむための平身を持っている。それらは蟲姦においても役に立った。
衣服とスカーレットの隙間に侵入すると、布地を齧って穴を開けていく。上等の縫製もものともしない。金髪の麗人はあっという間に、あられもない姿になる。
カサカサッ、カサッ、カサッ……。
(さすがに、これはっ……、きもちわるい……!)
無数の大型ゴキブリが体中を這いまわる。棘が生えた六本脚が白肌を刺し、長い触覚が頬や首筋を撫であげた。
文字どおり、おぞましい感覚が全身を包んでいるのだ。スカーレットの皮フはぷつぷつと粟立つ。美貌も怖気により、すっかり青ざめた。
「いや……いやぁ……っ」
しかしそれは媚毒を含む蝋膏を塗りこまれることでもあった。異種姦に魅入られた美女はだんだんと、その紅瞳をとろんと蕩けさせていく。
ぬる、ぬるり、ぬるぅ……。
「ひゃ……! あ……あぁぁっ!」
異臭が鼻を突いた。同時に白肌の上を、硬いなにかがぬるりと滑りだす。
興奮のローチどもは交尾器を露わにしていた。それをスカーレットの全身に押しつけていく。
「はぁっ、あぁっ、はっ……」
腹部から伸ばされた肉棒は欲望の具現ともいえる。何十ものそれに囲まれた上に、濃厚な先走り汁まで擦りつけられるのだ。スカーレットも否応なく昂らされる。
がりっ!
「あ゛ぁっ?! あ、はぁっ……!」
薄桃色の部分にも蟲口が迫った。巨房の先の乳首に齧りつかれた。強靭な大顎に挟みこまれ、鋭い痛みが走る。
しかしそれは一瞬だけだった。スカーレットは痺れるような乳悦に酔う。豊山の頂上は、すっかりホットスポットになっている。モンスターらしい荒々しい愛撫の方が、より快感を引きだせた。
「い、イイ……、すごいぃ……」
美女はうわ言のように呟く。無造作に腕を伸ばすと、熱くて硬い棒肉に突きあたった。衝動のままに手に取る。そして上下に動かした。
これの主がびくんと反応したことが、ペニスを通じてわかった。シルク製の長手袋に包まれたことなど、生まれて初めてのことだろう。スカーレットは心を込めて手コキを施す。
ずぶんっ!
「んむぅうッ!」
朱唇はうっとりと半開きになっている。そこにも肉棒が突きこまれた。
黒平蟲の性器はやはり、ゴミ溜めのようなにおいがした。しかし鼻腔を占領する強烈な臭気も、今や気にならなくなっていた。
頬を窄め、舌を絡め、唾液をまぶす。口淫の快楽に鳴く声がなんとも心地よい。
どぴゅっ! どぷんっ! どくっ! どぴゅっ!
「むぅぅおっ……?! おっ、おぼ……! むぉぉ……っ」
胸も、手も、口も。スカーレットは黒蟲どもにその身すべてを捧げる。やがてゴキブリどもは息を合わせたかのように、交尾器から精液を吐きだした。
胤汁はローチの要素を凝縮したようだった。咽喉に張りつき、金髪に絡みついて……。立ちのぼる穢臭と白濁により、麗人にマーキングを施す。
「はぁっ、あぁっ、あぁっ!」
欲望汁を放出したというのに、黒平蟲どもはまだまだ意気軒高だ。それも無理はない。
彼奴らは今、美女の瑞身を味わっている。モンスターの死骸や排泄物などとは比べようもない甘露だ。競うようにして群がり、まだまだ貪っていく。
「はぁっ、あぁぁあ……!」
スカーレットはさらに媚毒と……コックローチの体臭に包みこまれる。醜蟲の穢液に白く飾られた美女は、うっとりと目を細めた。
ぶぢゅんっ!
「あひぃぃいっ!?」
恍惚に浸っていたスカーレットだったが……。両の乳首に突然、違和感が駆けぬけた。大顎で噛まれるよりもなお深い。そんな貫覚が双房を貫く。
ほとんど反射的に、視線を胸に落とした。
「あっ、なっ!?」
そこには当然、ローチどもが取りついている。彼奴らが突きたてるのは牙ではなかった。
腹部から伸ばした産卵管を乳房の中に突きこんでいた。六本脚はしっかりと円肉を捕獲し、離れる気配は全くない。
度重なる異種姦と異種出産により、スカーレットの肉体はニプルファックすら可能となっている。
どくんっ! どくんっ! どくんっ!
「あ、あぁっ……!? これはぁ……っ」
次に麗人を貫くのは、乳腺になにかを注ぎこまれる感覚だった。
液体ではない。確かな固体が詰めこまれていく。蟲宴に酔っていた美女も青ざめた。
(まさか……ゴキブリの卵が!?)
Gスラッグとの交歓で、彼女の巨房は苗床として利用されたこともある。その時の感覚と酷似していた。
「あ……っ、あ、あぁぁッ!!」
胸内を生殖器にされる。そんな理外のセックスは、スカーレットを簡単に絶頂へ至らしめた。
オルガスムスに長い金髪は震えるが、ゴキブリどもの産卵は終わらない。
どくんっ、どくん……どくっ。
「ま、まって……! また、イクからぁ……っ!」
コックローチは強豪モンスターとはほど遠い。ゆえに繁殖の機会は限られている。一度の産みつけでは満足しなかった。スカーレットはまだまだ卵塊を流しこまれる。
己の乳房が幼ゴキブリどもの揺り籠にされていく……。おぞましいはずなのに、そんな思考は淫熱で溶かされていった。
(胸、膨らんで……おもいぃ……)
卵の産みつけが終わった頃。美女の双房はすっかり変形してしまった。
ただでさえ豊かだったそこは今や、サイズをふた回りも上げている。蟲根を突きこまれた乳首は充血し、ぽっかりと穴を空けていた。
果たしてこの変化は治るのだろうか。美女は懸念を抱く。しかし間もなく、そんなことなど気にならなくなった。
「……?」
黒蟲どもに密集されてもなお主張する臭い。それが鼻孔をかすめたからだ。
「ギギギッ!」
不協和の鳴き声と、翅が擦れる硬質な音。耳障りなそれらが響く。濡黒の群れが左右に割れた。その真ん中を悠々と歩いて、コックローチのボスが姿を現した。
図鑑では一メートルまでと記述されていたが……。美女の前に這いよるそれはさらに大きい。彼奴はスカーレットの身長に迫る体躯を誇っていた。
「はぁっ、はぁっ、はっ……」
首領の登場により、美女を貪っていたローチたちも退散した。後には白濁液のドレスをまとったスカーレットだけが残される。
特大の黒平蟲はなおもゆっくりと向かってきた。媚毒の臭いがさらに濃くなる。
(くさい……のに……)
しかし美女は鼻孔を膨らませ、牡のフェロモンをたっぷりと吸いこむ。効果はてきめんだった。
心拍数がどくんと跳ねあがる。淫血が全身に巡っていく。スカーレットの身も心も、ひとつの機能へと向かっていた。美女のたおやかな手はいつの間にか、下腹部を抑えている。
「はっ……はぁっ」
金髪の麗人は脚を大きく広げた。彼女は巨獣を産んだ経験さえある。股関節はとても柔らかく仕上げられている。陰唇がくぱぁと口を開くまで、膝を離すことができた。
スカーレットの媚動は、牝孔を晒しただけでは終わらない。
「おねがい……。あなたの仔どもを、産ませてください……」
浅ましいまでにはっきりと、己の肉欲も露わにした。
常よりも長く大きな触覚は、人間の心にも触れられるのだろうか。牡蟲はすぐに応えてくれた。スカーレットを轢きつぶんばかりの勢いで突進する。
「んむぅっ!」
ローチの首領は美女の背中を地面に押しつけると、そのまま朱唇を奪った。口腔を通って、凄まじい臭気がスカーレットの鼻腔内になだれ込む。
体表を覆う蝋膏とは別のにおいである。分解者である彼奴の大顎には、腐臭を漂わす食べカスがたっぷりと付着していた。
「んちゅっ、むぉぉ……」
しかしスカーレットは顔を背けることなどしない。金髪の麗人は不潔な黒蟲とのディープキスに耽溺していく。
「むぅ、ぅん……っ、んん゛ッ! んぢゅ、ぴちゃ……」
自ら舌を伸ばし、互いの味覚器を擦りあわせる。
ローチの涎が口内に流れこんできた。べとりとねばつくそれは粘膜に張りつくようだ。しかしスカーレットは己の唾液と混ぜ、溶かし、喉を鳴らして身体に取りこんでいく。
積極的な媚動はもちろん、オスを昂らせた。
ずずずずずッ!
「あ! あぁぁあっ!」
腹部の先から飛びでた交接器が、美女の陰唇をひといきに押しひろげる。
媚毒と種汁を全身に塗りこめられ、愛情たっぷりの口づけで気分も高められ。スカーレットの準備は万端に整っていた。巨蟲の性器はずぶずぶと胎内へ沈みこんでいく。
ずんっ!
「はぁっ、あぁぁ……っ、あんッ!」
首領はその体躯と地位に相応しいペニスを持っていた。先端は子宮口を容易に押しあげ、太い竿幹にはたっぷりと媚毒をまとっている。
美雌をさらに悦ばせるべく、強雄はさっそく動きだした。
ずちゅっ、ずぢゅっ、ずぶっ、ずちゅっ!
「んんぅっ! はぁっ、あッ!」
聖都地下の森に、淫らな水音が奏でられだした。
背骨の有無、筋肉の構造。循環、呼吸、代謝の仕組みまで。人蟲の隔たりは多く、さらに深い。
しかし今、スカーレットとコックローチはしかと結合している。
「はっ、はぁっ! あぁぁっ! くぅんッ!」
そして両者は同じ目的……すなわち、繁殖に向かって突きすすむ。
美女はもはや、ゴキブリに対する怖気など覚えない。扁平なパートナーともに、悦楽を伴う道行をひたすら愉しむ。
「はっ、はっ……、はぁあっ!」
ボスローチの性動が強まっていく。スカーレットの悦びも同時に深まっていった。
白肌は腹部に擦りたてられ、柔らかな巨乳には六本脚の基部が食いこむ。そんな痛みも今はスパイスに過ぎない。
「もっと……もっとぉ……!」
スカーレットは細く長い両脚で、コックローチの身体をがっしりと抱きしめた。なにがなんでも胤を拝領し、孕んでみせる……。そんな意志が自然と現れていた。
メスの健気な媚動はオスを奮いたたせる。首領はひときわ強く突きいれた。子宮口と鈴口を密着させると、射精を開始した。
どくんっ! どくんっ! どくっ!
「あぁぁ……っ! あ、あぁぁッ……!」
瑞々しい子宮に白濁液が満たされていく。温血を持たない蟲の種は冷たい。腹中から冷やされていった。
ゴキブリの吐精に相応しいおぞましさである。しかしスカーレットはそれすらも悦の元にする。
「んむっ、むちゅぅ……むぅっ、ちゅる……」
相手は巨蟲である。腹部に溜めこんだ精液も多量だった。身体を芯から凍らされそうなのに、スカーレットはかえって火照ってしまう。
衝動に任せて再び、コックローチに熱いキスを求めた。首領は寛大にも受けいれた。人蟲はぴちゃぴちゃと舌を絡ませあう。
どくっ……、どく、どくんっ……。
「んんぅ……、は、はぁっ」
美女の膣腔の中で蟲根は徐々に鎮まっていく。やがて名残惜しそうに、拍動が止まった。
思う存分に精を注いだローチのボスは、脚のホールドからそっと抜けだす。扁平な身体と体表を覆うワックスにかかれば造作もなかった。
「はぁっ、はっ、はぁ……」
外も内にもたっぷりとオスの欲望を塗りこめられた。異種姦に魅入られた美女は深い深いオルガスムスの余韻に、まだ揺蕩っている。
しかしメスが満足しただけでは、交尾は終わりとならない。
「…………」
「ギッ!?」
「ギィギギッ!」
首領蟲は触覚を大きく振った。次の瞬間、他のローチどもはにわかに色めき立つ。
おまえたちも喰っていい。ボスはそう言ったのだ。貪ることを許可された黒平蟲どもは、我先にとスカーレットの蜜穴に群がりだす。
「あっ……! きゃあ! あ、あぁぁ……!」
白化粧を施された美肢体が、再び濡黒に染まっていく。
てらてらと光る甲殻の内側。そこでスカーレットはまた、幾本もの棘脚と蟲根に囲まれた。
「あっ、はぁっ、あぁっ!」
白肌を引っかかれ、噛みつかれ……。手荒い愛撫さえも今は快感だった。乳首と淫裂にペニスを突きこまれると当然、それ以上の悦楽を覚える。
スカーレットはますます、ゴキブリとの交尾にのめりこむ。
金髪の麗人はこの日だけで、百を超えるコックローチと交尾を行った。種汁と卵塊をその肢体で受けとめきった。
誰がどう考えても、妊娠は不可避である。
◇
スカーレットが地下の森から帰還した頃。美女の身を支配していた淫熱も、すっかり冷めきっていた。
(今回は、やっちゃったかも……)
媚毒で狂わされたとはいえ、ゴキブリそのもののモンスターに孕まされた。それだけではない。黒平蟲の仔どもは胎だけでなく、双つの柔肉にも宿っているのだ。
その事実が心に重くのしかかってくる。
「スカーレット!」
自室へ続く廊下を歩いていると、後ろから大きな呼名を受けた。その声の主を間違うはずもない。
「マリィ様」
法皇その人である。彼女一番の従者もすぐ傍に控えていた。
マリィもリアンも異種姦を愛好する仲間だ。地下の森へ向かう際は互いに口裏を合わせ、この趣味が周囲に露見しないようにしている。
ゆえに自分のスケジュールは、この幼き法皇にも把握されていた。
「今日の休暇はどうだったかのぅ?」
「は、はい。ゆっくり愉しむことができました」
ふたりは紛れもない仲間だ。しかし……。巨大なゴキブリのモンスターと乱交し、子宮も乳房も幼蟲の揺り籠にされた。そんな行いを知られてしまったら。
スカーレットの胸中には一抹の不安が宿る。
「それは良かったのぅ! それで、今回はどんなモンスターと……」
マリィに話を振られると、思わず背が跳ねてしまった。
「あ! 私、まだ仕事を残していて……それでは失礼します」
金髪の麗人はそそくさとこの場を後にする。
評議長は多忙だ。うまく言い訳できたとスカーレットは思っていたが……。
「休暇の日に、仕事……?」
「むぅ……。スカーレットなら、ぜんぶ終わらせてから行くはずだがのぅ……」
彼女の働きぶりを知っている二人は違和感を覚えた。
法皇とメイドは揃って疑問符を浮かべ、顔を見合わせるのだった。
◇
幼蟲の成長は早い。次の休暇を迎える頃には、スカーレットの月は完全に満ちていた。
「はぁっ、はぁっ……」
腹はぽっこりと膨らみ、乳房もぱんぱんに張っている。
愛用の紅衣はもちろん、身に合わなくなっていた。ヘソと乳輪をちらりと見せる煽情的な格好となり、執務にも支障を来たす有様だった。
「はっ、はぁっ、ふぅぅ……」
己の体内で育てたゴキブリどもにより、美女の身はすっかり重くなっている。スカーレットは脚を引きずるようにして森中を歩く。産場……すなわち、コックローチの巣へ向かっていた。
「…………」
そこにはすでに、スカーレットに種付けをした大型個体が待っていた。ボスたる彼奴だけでない。群れのローチどもは揃い踏みで、新たな仲間の誕生を見守ろうとしていた。
「待ってて……。今から、産むから……」
スカーレットはまず乳房を露出した。ただでさえ盛りあがっていた双山は今や、頭部よりもずっと大きくなっている。
衣服から解放された白果実はずしりと重い。胸筋を引きのばしてしまいそうで、美女は巨円の下弦を手で支えた。
(も、もう限界……!)
知識ではなく本能が行動を導いた。豊房に添えた五指を前方へ、力を込めつつゆっくりとスライドさせた。
内容物を胸尖へ追いこんでいく。乳搾りのような動きである。その連想は正しい。ぷっくりと肥厚化した桃色が、にわかにひくつきだした。
「あ、あ、あひィンッ!!」
ミルクを通すよりも遥かに重い。そんな性感が乳首を駆けぬけた。間もなく続くのは放出の悦楽だ。
己の肉体からなにが現れたのか。スカーレットは紅瞳を落として確認する。
「あ、あぁぁっ……!」
言うまでもない。コックローチの幼体だった。
扁平蟲は小さいながらも、その形体をほぼ完成させていた。長い触覚も楕円形の体躯も、ゴキブリそのものだ。
彼奴らは六本脚を蠢かせ、スカーレットの乳首からわさわさと溢れでてくる。
「ひ、ひぃっ……ひぃぃんッ!」
害虫は産まれた時から害虫なのか。美女の柔房で育てられたというのに、幼蟲どもはすでに不快な臭気をまとっていた。ミルクの甘い匂いと混じることで、それはより顕著に感じられる。
「はぁっ、はぁっ、あはぁんっ! あッ、はぁぁンッ!」
視覚と嗅覚を犯されながら、スカーレットはなおも己の乳房を搾る。桃色に肥大した胸尖からはなおもわらわらと、白いゴキブリが零れおち続けた。
細い乳管をこじ開け、幼ローチを産みおとす度に。美女は豊かな金髪を振りみだし、胸からの産悦を歌いあげる。
「はぁっ、はぁっ……はぁ……」
孵化した幼蟲どもが這い逃げ、異臭も風に散る頃。理外の分娩はようやく終わった。
胸はすっかり軽くなったが、スカーレットの身体にはまだ重い部分がある。
どくんっ!
「あっ……、は、はぁっ!」
乳房の快感は胎中にも影響を及ぼした。スカーレットは地面にぺたりと腰をおろすと、大きく脚を広げる。コックローチの出産に臨む構えだ。
黒平蟲の大群はその様子を、触覚を動かすこともなくじっと見つめていた。
「ふぅっ、うぅぅ……ッ!」
子宮は本来、赤子を成長させるための器官である。そこで育てられたローチのサイズと力強さは、乳房を出身地にしたものと比較にならない。
ぐりりッ!
「あぁッ!」
内からポルチオを剛突された。経験豊富な子宮口はすぐさま力を抜く。赤仔に路を開いてやったのだ。
扁平な身体は易々と産道に降りた。
がりっ、がりりっ、がりッ!
「あうぅぅぅッ! あ、あがぁぁあ゛!」
膣ヒダの隙間に棘脚を突きこみ、柔壁に媚毒を擦りつけ。激しい快楽を与えながら、コックローチの胎児は美女の狭膣を進む。
「あぅっ、あぁっ、い、イクぅ……ッ!」
艶声による宣言に偽りはなかった。まだ産まれてもいない我が仔によって、美女は法悦の世界へ連れさられる。
「はぁっ、はぁっ!」
ローチたちはやはりぴくりとも動かず、スカーレットを見守っている。ガラス玉のような目はどれもこれも、金髪の麗人を捕らえていた。
相手は下賤な蟲である。しかし彼奴らの視線はスカーレットの羞恥と快楽を煽りたてた。胎内からも外側からも、美女はコックローチがもたらす蟲悦に焙られる。
(お、おなかのなかが……もぞもぞして……!)
分娩のクライマックスにあって、産道の胎児どもはひときわ激しく暴れだした。
ゴキブリは光を避ける習性を持つ。しかしこの時ばかりは違った。蜜に満ち、柔らかくうねり、暖かくて……。安全な肉洞を捨ててでも、僅かに漏れる光の方へ向かう。
ぶちゅっ、ぶぢゅぅうっ!!
「はぁっ、あぁぁっ! ひぁっ、はぁぁあッ!」
そこはスカーレットの膣口に他ならない。白くほっそりとした内腿の間に、二匹の扁平蟲が飛びだした。
彼奴らは産まれたばかりだ。しかしすでに十数センチものサイズと、長い脚と触覚を持っていた。いずれ必ず、群れのリーダーとなることだろう。
「あ……」
スカーレットはあることに気がついた。先ほど産みおとしたコックローチたち。それらと自分は、ヘソの緒でしっかりとつながっている。
「~~ッ!」
金髪の麗人は異種姦に魅了されている。これまで多くのモンスターを産みおとしてきた。そして今回ついに、ゴキブリとも血の縁を結んでしまったのだ。
「はぁっ、あぁぁ……!」
その事実が体奥から震えを起こさせる。怖気や後悔が原因ではない。美女の身を揺らすのは、被虐の甘い悦だった。
いまだつながっているゆえ、仔どもたちもスカーレットの考えがわかるのか。彼奴らは六本の脚をかさかさと蠢かせる。そのおぞましさにより、母の心はまた沸きたった。
「あ……」
異種出産の快楽を噛みしめる美女の前に、大きな黒い影が近づいた。言うまでもない。ローチの首領である。
スカーレットは大量の仔を産んでみせた。そんな優女体が放っておかれるはずもない。黒平蟲どもは再び、スカーレットの身に群がりだす。
「あは……あ、あぁッ!」
大顎が臍帯を噛みちぎり、美女の胎はまた空になった。そこをボスローチの巨根が一気に満たす。棘脚が擦れるかさかさという音を、スカーレットの艶声が切りさいた。
「はぁっ、あはぁっ!」
興奮極まるゴキブリどもには、首領の抑制ももう効かない。ぽっかりと開いた乳首にも口唇にもペニスを突きこんだ。あぶれたものはスカーレットの柔肉に我が身を擦りつけだす。
美女と黒平蟲どもとの乱交交尾が始まった。
◇
「こういうことじゃったのか……」
己の碧瞳が見届けた光景に、マリィは吐息まじりの声を漏らした。
「これは……。確かに、知られたくはなかったでしょうね……」
脇に控えるリアンもしみじみと呟く。
法皇とその従者は今、ローチの巣穴近くの茂みに身を隠している。そしてスカーレットの痴態をしかと目撃した。
様子がおかしかった評議長を心配し、彼女らはここまで尾行してきた。その末に眼前で繰りひろげられたのが、胸も胎も問わぬ産蟲だった。
スカーレットの美しい肢体から、六本脚の扁平蟲が何匹もひり出される。それはモンスター姦に馴染んだ彼女らにとっても、非常に衝撃的な光景だった。
そして金髪の麗人はなおもゴキブリどもと交尾し、その仔を孕もうとしている。
「……わらわ達は退散するとしようかのぅ」
「はい」
マリィは口元を抑えながら告げた。リアンもすぐさま頷く。
スカーレットの艶姿に集中しすぎたせいで、ふたりは気がついていなかった。彼女らの周りはすでに、コックローチどもに包囲されている。
扁平な身を持つ彼奴らは隠密行動もお手の物だ。そして今、新たな同胞の誕生を目の当たりにしたローチどもは、興奮の頂点にあった。
普段の臆病さは鳴りを潜め、我先にとマリィたちに襲いかかる。
ガサッ! ガササッ!
「!!?」
ふたつの女体はあっという間に、甲殻の黒光りに覆われてしまった。
「きゃあああっ!」
「マリィ様! ……あッ!」
いかにリアンが手練れといえど不意打ちの大群には敵わない。
しかもローチどもは皆、繁殖欲に逸っているのだ。蟲勢は止めがたく、純白の聖衣も従者の黒衣も破かれた。ふたりは柔肌を侵されだす。
「やだッ! いやじゃッ! ゴキブリなんてぇッ!」
「く、くさい……! ひ、ひぃぃいッ!」
マリィはもちろん、リアンさえも小娘のような悲鳴をあげだした。
ゴキブリそのものの姿だけではない。六本脚に生えたトゲも、白肌を素早く這う様も、そして蝋膏から発する臭いも。ローチを構成する全ては、女人にとって耐えがたいものだ。彼女たちの反応は当然といえる。
「……ふふ」
こんな大騒ぎをしていれば、スカーレットももちろん気がつく。しかし法皇も従者もコックローチの餌食となったと知っても。金髪の麗人が動くことはなかった。
「はぁっ、あぁっ……! あっ、あんっ!」
「んちゅっ、ちゅうっ、むぅ……、むぉ、ぉぉお……っ」
予想どおりだった。すぐに艶めかしい幼声と、生殖器に奉仕する水音が響きだす。ローチの媚毒はふたりにも効きだしたようだった。
それでも最初は戸惑い、嫌悪するだろう。なにしろコックローチはゴキブリそのものの不快蟲獣なのだから。
しかしすぐに虜になるはずだ。胸を潰すような臭気も、胃がムカムカする唾液の味も、肌を引っかく棘脚の感触でさえ、たまらなくなるに違いない。
スカーレットには確信がある。他ならぬ己がそうだったのだから。
「ひぃぃいっ!? そんな、むり……っ、わらわの、おっぱいにぃっ!?」
「むっ、おぉぉっ……、ぶぁっ、あぁ……! たまご、いやぁあ……!」
ふたりはさっそく、腹だけでなく胸にも卵を詰めこまれだしたようだった。ゴキブリの蟲根に奉仕を捧げながらも、美女の朱唇がにんまりと曲がる。
(ふふ……今度は三人で、ここに来ることになるわね……)
彼女らはどのような蟲悦を感じるのだろうか。早く共有し合いたいものだ。そして仲間たちとともにここを訪れ、再び理外の蟲悦を愉しみたい……。
巨大なコックローチと口づけを交わすスカーレットは、早くもそんな想像を巡らせていた。