人理継続保障機関フィニス・カルデア。
今やこの星の文明と歴史を担う存在となってしまった、秘境に座する人類最後の砦。
個と我の究極である古今東西の
ベッド、机と椅子、あとはちょっとした日用品が置いてあるばかりの殺風景な部屋だが、来訪者に困ることは基本ない。
後輩と茶を楽しみ、英雄譚に耳を傾け、愚痴を慰め、ゲームに誘われ、鍛錬に引っ張られ、避難所になり、家探しされ、トラブルを持ち込まれ、パシられ、忍び込まれ、添い寝され、襲われかけ、あるいはなんの用もないのにずーーっと居座られる。
それがこの場所。
「キミの部屋はアレだね……ある種の賭け事が成立しそうだ。
『今日は小さな騎士王が特訓に誘っているとみた』
『偶像女神姉妹に妹共々無理難題をふっかけられてる頃だ』
『ツンデレ黒聖女の世話を焼かされてるんじゃない?』
『……火吹き蛇姫と源氏母と激重アサシンから身を隠してる』
『『『それは安牌すぎるわー』』』
みたいな」
などと冗談半分に言われる始末。ちなみに上記は日常の出来事である。
とにかく、ここにいれば退屈だけはしない。一部のサーヴァントはそれを目的に顔を出すくらいだ。
天才発明家は続けてこうも言った。
「人理を救う途方もなく困難な旅路において、仲間と信頼を築くのは最も重要なことの一つだ。その点においてキミは本当によくやっている。話し、笑い、時にぶつかりながら、これからも彼女たちとの時間を大切にしてほしい。もちろん、無理のない程度にね」
戦うことは元より魔術の
だから言われずとも意気込みだけは最初から十分にあった。数多の英雄たちと心を通わせるには時間がいくらあっても足りないのだから。
全身全霊をかけて皆のことをわかってやるっ! と。
そんな想いが通じたのか、
その日は
予定では明日もフリー。鍛錬はしなければいけないが、休日前のようで気分が良い。ついつい鼻歌が漏れる。
報告書を書き終え、椅子の上でぐっと伸びをして身体を解す。ゆっくりと息を吐き、ふと部屋を見回してみた。
日中とは打って変わった静けさ。もちろん他の誰の姿も無い。念のためベッドの下を覗いても同じだった。
どうやら少々
少しホッとしながらベッドに座り込んだ、その矢先。
それまで沈黙していた扉が突然、開き、
「マスタぁ~~~!!!」
誰かが部屋に入ってきた。縋るように声を張り上げ、静寂を破りながら。
あ、と言う間もなく、その顔が目の前に突き付けられる。
「きぃ~~てくださいよ! マスター!!」
一部を後ろで束ねた白髪に近い涼やかな髪。ぱっちりとした瞳に流れるような睫毛。薄桃色の瑞々しい唇。それらが整然と並んでいる、ぷりぷりと膨らんでいても愛らしさを一切損なわない顔立ち。
幕末において言わずと知れた天才剣士沖田総司は、類ない美少女だった。
そんな彼女を文字通り目の前に内心ドギマギしつつ、おほん、と咳払いをしてひとまず落ち着かせる。
そうしてから身体を横に傾け、沖田さんの背後に視線を向けた。
「?」
沖田さんは首を傾げながら後を追うように振り返り、ああ、と納得していったん離れ、そちらに歩き出した。
その間に二人分のお茶を準備をする。
沖田さんが扉横の端末を操作すると、扉にロックがかかった電子音が流れた。
すぐさま、くるっ、とこちらに向き直り、
「それでですね!」
また駆け寄って来る。
しかし多少は落ち着いたのか、今度は隣に腰掛け、顔も近づけてはこなかった。それでも手と手、肩と肩が触れ合いそうな距離ではあるが。
「またノッブが沖田さんのこと馬鹿にしたんですよー! さっきまで生意気にもノッブの名前が入った歴史ゲームをやってたんですが」
話の中身は、同室の腐れ縁とぐだぐだ口喧嘩した、というものだった。三日に一度はどちらからか聞かされる微笑ましい日常の一コマだ。
「だいたいノッブは昔からデリカシーがないんですよー。この前なんて」
ゲームでハメられた憤りから日頃の鬱憤へとシフトするのもいつも通り。
就寝前のトークタイムはこうして唐突に始まったのだが……。
それにしても、と相槌を打ちながら改めて沖田さんの格好に目を向けてみる。
…………無防備だ。
普段着の桃色の袴ではなく、ノースリーブで丈の短い白い和装姿。
長手袋は着けておらず、爪先から肩、脇に至るまで、その透き通る肌が露わになっている。下も同じようなもので、靴下を履いていないので健康的な太ももが柔らかそうに、むにゅり、とベッドの上で潰れ、動くたびにふるふると揺れている。そして、ぎりぎり太ももの付け根あたりまでしかない短すぎる丈は、言うまでもなく、とても、とても、目のやり場に困る。
髪がわずかに水気を帯びているのは湯上りから時間が経っていないためだろう。甘い芳香が漂い来るのもそのためか。胸元が少し緩く見えるのもそのため、か……?
気付けば、心臓の脈動が大きくなっていた。
汗が滲む手を小さく握り、身体の熱を逃がすためにボタンを一つ外し、落ち着きなくゆすりそうな足を床に抑えつける。
頭の中は否応なく
「……マスタぁー。聞いてますかー」
よほど様子がおかしかったのか、沖田さんにジトッとした目で睨まれる。
聞いてるよ、とこれまでの経験から培った反射神経で即答してお茶を飲むが、
「じぃーーー」
その程度では英霊は欺けない。横顔に注がれる視線の粘度は増すばかり。
気まずい空気に表情筋が音を上げかけていると、不意に、ぽすん、と沖田さんがベッドに身を投げ出した。
そしてどこかわざとらしく声を張って、こんなことを言う。
「あーあー。沖田さんもうボイラー室の隣は嫌ですよー」
自然と顔がそちらに向く。
沖田さんはそれをわかっていたようにこちらを見据えて目を合わせ、悪戯っぽく微笑んだ。
「いっそ……マスターの部屋に住みついちゃいましょうかね」
艶やかに濡れた唇から漏れる囁き。
「そうすれば、こうしていつでも、話ができますし」
紡ぐ言葉には、熱と、官能と呼ばれるなものが混じり始めている。
いつの間にか、それまでじれったい距離を保っていた手と手が触れ合っている。
「マスターが、望むなら……」
重ねられた五つの細い指がゆっくりと沈み込み、こちらの指と隙間なく交錯し、
「他のことも……して、いいですよ」
ぎゅっ、と優しく繋がった。
一瞬の静寂。
内心急ピッチで返す言葉を探していたのだが……。
見ると、沖田さんはそれまでの蠱惑的な雰囲気から一転、顔を真っ赤にして視線を外していた。
彼女自身、あまりらしくない、わざとらしい誘い方だと思ったのだろう。
しかし、手だけは決して離すまいと握り続けていた。
俺は……下手な言葉をかけるのを止めた。
代わりに、そっと沖田さんの髪をすくいあげた。
「ん……ふふ」
沖田さんはこちらをちらりと見上げると、嬉しそうに自ら頬を擦りつけてきた。
健気な頬ずりと、手の甲に触れる髪のくすぐったさ、つるりとした肌の火照った感触、そして、愛おしそうな表情。
気付けば、身を乗り出していた。
ベッドが軋み、シーツが擦れ、沖田さんの顔を真正面から見下ろす。
「ぁ……」
沖田さんは少し驚いたように目を開き、それから、ゆっくりと閉じた。
引き寄せられるように、近づいていく。
そして、
「……ん♡」
口づけを交わした。
触れ、重なるだけのキス。初めは、それだけで十分。
二人きりの部屋で誰に憚ることなく、俺たちは静かにゆっくりと、緊張を解きほぐして想いを湧きあがらせていった。
「……ん、ぁ♡」
やがて、ゆっくりと顔を離す。
沖田さんもおもむろに目を開け、しばらく、ぽーっ、と恍惚に耽っていた。そしてふと、自分の唇を指でなぞる。
「いつも……マスターとキス、すると……胸の辺りがふわふわして、それが、すごく心地よくて……だから私、好きなんです……マスターと、するの……♡」
心で思ったことがぽつぽつと口から零れる抑揚のなさが、かえって愛らしく、男心を無性にくすぐった。
「あっっ、んっ♡ ちゅ……くぅ……ぁ♡」
再びの接吻にもう加減はない。出来ない。
覆いかぶさり、かぶりつくように桃色の柔らかな口唇を掠め取った。
男と女のパーツの大きさの違いは如何ともしがたく、大概の場合は繊細な女の唇を粗野な男のソレが蹂躙する。
自分が、そうしているように。
「ちゅ、ふぁ♡ んんぅ、ちゅぅ♡」
そこに個としての強さは関係ない。
戦いの間は鬼人のような沖田さんが、今はされるがまま。生前に遡っても誰にも許したことのない唇を、侵し尽くされている。
「んっ、ふぁ……んぅ、ちうぅぅ♡ あ、んんぅ♡ マス、タぁ♡ ん、ちゅく♡」
それを当然のように受け入れ、蕩ける声を漏らす沖田さん。うっとりと、目を細めて。
得も言われぬ衝動が込み上げ、身体と、欲望が、更なる官能を求める。
「っっ♡」
沖田さんが息を呑むのも構わず、舌腹をべったりと唇に吸い付かせた。そのまま端から端までを一回りし、ぷっくらした膨らみの間に割り入る。
「んむ♡ んぇ……ぁ♡ じゅ、ちゅぅ♡」
歯列をひと舐めすると、すぐ、口の中に迎え入れられた。
続けざま、待ち構えていた舌に逆に絡め取られた。
「んっ、んっ♡ ちゅ♡ ん、ちゅく、あ、は、むっ♡ ちゅ、じゅる♡」
生温く濡れ潤う口腔で睦み合う舌と舌の応酬は、瞬きごとに激しくなっていく。
自分の舌が上にあるのか下にあるのかも、すぐにわからなくなる。溶け出しでもしたかのように感覚が曖昧で、それがこの上なく心地よい。
「んんぅ♡ じゅ、じゅくく♡ あ、はむっ♡ じゅるるっっ♡」
沖田さんの口端からは泡立つ唾液が漏れ、シーツを濡らしていた。
しかしあくまでそれは
「ぁ、んぐ♡ ちゅ、じゅぅぅ♡ んぁ♡ ちゅ、ん、ぐ、んぐっ♡」
沖田さんの体内へと染み渡っている。
部屋を満たす粘ついた水音に混じり、やけに淫靡な喉の鳴る音が聞こえる。
もう後戻りできないほど気持ちが昂っていた。俺も、沖田さんも。
やがて、ゆっくりと顔をあげる。
ぷはぁ、と開きっぱなしの二人の口の間に、いくつもの粘ついた糸が引く。
「はぁ、はぁ、はぁ……んぅ♡ あぁ♡」
戦闘後でも見たことがない類の乱れ方をする沖田さん。顔を紅くし、熱っぽい息を吐き続け、同時にその苦しさに感じ入っている。
その身体を跨ぎ、膝立ちで馬乗りになる。そして、服に手をかけた。
「ぁ……♡」
一瞬身体を震わせ、しかし全てをこちらに委ねるように沖田さんの身体から力が抜ける。
帯を緩め、胸元を開く。
珠汗の浮き出た雪肌が引き締まった腹まで露わになった。なだらかな胸には、白いサラシ。
生唾を飲む。その下に隠れたプロポーションをよく知っているがゆえに、逸る。早く、早く、と。
脇に手をまわし、サッと結び目を解いた。
「んっ」
途端に、二つの大きな山が浮かび上がる。
沖田さんが解放感にみじろぐと、それはサラシを押しのけるようにプルンと弾け、まろび出た。
鮮やかに色づいた頂点。呼吸に合わせて緩やかに上下し、細かく揺れる柔らかさ。そして、谷間を開きながら椀型を保つ端正な形とずっしりとした量感。
眼前に現れたあまりに理想的な乳房に――初めて見るわけでもないのに――しばらく目を奪われてしまった。
「ん……♡」
……それまではされるに任せていた沖田さんもさすがに黙ってはいられなくなり、自らの腕で胸を、ぎゅっ、とかかえるように抱き、ちょっと呆れた目をこちらに向けた。
「おっぱい……好きですよね、マスター。さっきも、沖田さんの話聞かないで、見てましたし…………もう♡」
その仕草、困ったように笑いながら照れくさそうにする表情が、あまりにも可愛らしかった。今すぐ飛びつきたくなるような誘惑だ。
俺はもうほとんど本能的に自分のズボンに手をかけた。
沖田さんの視線がそこに降りるのと、ズボンと下着を一緒くたに脱ぎ下ろすのとが同時だった。
「っ♡」
勢い余って、ブルンッ、と暴れ馬が首を振るように唸り、やがて天を向いてそそり勃つ、肉塊。
赤黒く、筋が浮き出て、ピクピク、とそれそのものが生き物のように揺動する陰茎は、沖田さんの白く綺麗な乳房に比べてあまりにグロテスクだ。
「……マスター、の……やっぱり、大きい……♡」
それを、沖田さんは火照った瞳で見つめる。
俺は手を伸ばし、乳房を鷲掴みにした。
「ぁんっ♡」
掌から伝わる想像を絶するまろやかさに我を忘れそうになりながら、構えた陰茎の先端を、下から両乳の間に宛がった。
そうして、ぐいと腰を前に突き出す。
「っ♡」
柔らかく、滑らかで、少し蒸れている谷間を、肉棒が進んでいく。
途中でいよいよ耐えきれず、掴んだ乳房を揉みし抱き始めた。
「んっ♡ ぁ、ん……や、んんぅ♡ は、ぁ……んんっ♡」
指が、どこまでも沈みそうだ。それでいて張りのいい弾力が掌を押し返そうとするので、いくら揉んでも飽きがきそうにない。
上から、横から、圧し潰し、掬い上げる。行き場を失った脂肪が淫らに形を変えて指の間からはみ出るたび、それを追いかけて、執拗に搾る。
「ぁんっ♡ マス、タぁ♡ そんな、に♡ 揉ん、じゃ♡ あんっ♡」
沖田さんのか細い喘ぎがまた興奮を煽る。
ピンと尖って主張する乳首を摘まんでやれば、
「んぁっっ♡♡」
嬌声を上げて仰け反るように反応した。
そうしている内に、陰茎の付け根が下乳に密着。そこまでいくと亀頭が谷間を抜け、沖田さんの顔前へと突き付けられる形になる。
「ぁ……♡」
尿道やエラから漂う雄臭さに鼻をヒクつかせ、どこか恍惚としながら上気した吐息をこぼす沖田さん。
それがすでに先走りに濡れる先端に吹きかかり、身体を震わせ反射的に腰を揺する。
そのまま、豊饒な乳肉を硬い幹で擦り立てだした。
「んっ♡ ぁ、んっ、んっ♡ ふ、ぁ♡」
むぎゅう、と乳房を寄せて四方から包み込ませ、前後に扱き上げる。
潤滑液はぴゅぴゅと漏れる透明な我慢汁。それは次々と沸き出て、純白の乳肌にヌルヌルと塗りこめられていく。
なんてっ……たまらない。
美女の乳房を性玩具に見立てたかのような己の行為に興奮を隠せなくなり、欲望は際限なく増幅する。
乳房をもみくちゃにしながら、腰は前へ前へ。陰茎を
俺は、快美に喘ぎながら沖田さんの名前を呟いた。
「っ♡ ぁん……マス、ター……♡」
それ以外の何かを口にしたわけではないが、とても露骨ではあったと思う。
意図を察した沖田さんは、何も言わず、それをしてくれた。
顎を引き、寄り目になって見つめ、先走りと涎でテカついた唇を小さく開き、
「ぁむ♡」
陰茎を
敏感な傘部分が温かくぷにっとした弾力に挟まれ、思わず腰を跳ね上げそうになる。
「ん、む♡ ちゅ♡ ちゅ♡ じゅ……ち、ぅぅ♡」
続けざまに、擦られ、吸われ、情けないうめき声を喉奥から漏らしてしまう。
「ん、じゅ♡ んっんっ♡ じゅ、じゅ、じゅっ♡ じゅ、るる♡」
唇を尖らせ、伸ばした首を丁寧に振って陰茎を扱きだす沖田さん。
若干のぎこちなさはあるも、歯を当てないようにという気遣いにより唇での奉仕が熱っぽくなって、心地よい。
そこに舌のざらつきも加わると、いよいよ背筋が痺れ震えた。
「ぇ、ろ♡ じゅ、ちゅぅ♡ れ、ろ……んーーむ♡ じゅ、ちゅ♡ ぁ、んむ♡」
口腔に導き挿れた亀頭、そのカリや先端を舐め、しゃぶる。丹念に、我慢汁がにじみ出る尿道までも。
もはや痛みに耐えるかのように苦悶するこちらをチラリと見上げ、沖田さんは目尻を下げ、さらに強く吸い付いてくる。
じゅるっ! じゅ、じゅ、じゅ! じゅぽ、じゅぽ!
口をすぼめて唇を捲れ上がらせ、淫靡な水音をたてて、端正な顔を妖しく歪めるのも厭わない。
あの沖田さんの、決して他の誰にも見せることのない、媚び尽くした雌の姿だ。
「ぁ、ん♡ ちゅ、じゅぷ♡ んん、む♡ まふたぁ、の……おちん、ぽ♡ ちゅ♡」
本能的な衝動を、もう我慢することはできなかった。
「あんっっ♡」
両乳を絞るように寄せ、捏ねながら、ひたすら陰茎を擦りつける。
みっともなく息を荒げるのも構わず、ただただ理想の終着へ向かって快感を追い求める。
「んっ、むぅっ、あ、んぅ♡ じゅ、じゅぷ、じゅ、ぷ……っっ♡」
身勝手な腰振りを、沖田さんはその小さな口で受け止める。
罪悪感と征服感がぐちゃぐちゃと混ざり合い、それもまた、絶頂へと至る高揚に昇華されていく。
身体中が、カッ、と熱くなる。あと一押し。あと一押しで、溜まりに溜まったモノが弾ける寸前。
乳房の谷間に手を移し、最後は自ら直接、陰茎を扱きたてた。出すよ、と叫びながら。
沖田さんは唇を引き締めて、こくこく、と頷いた。
臨界点へは、即座に差し迫った。
灼熱が海綿体を込み上げる。掌の中で肉幹が膨張。間を置かず、亀頭がぶわっと傘を広げる。
「んっ、ぷぁ♡」
咄嗟に、沖田さんの口から、ちゅぽん、と陰茎を引き抜いた。
特別理由があったわけではない。ただ今は、開放感というものの中で果てたいと思っただけだ。
そうして俺は。
最後の一擦りで握った手をぐっと引き付け、沖田さんの目の前で、極上の官能に、達した。
「んっっ♡♡」
多量の精が、陰茎から吐きだされる。
びゅっびゅっ、と迸り、ぱたぱた、と沖田さんの顔に白濁が降り注がれる。
全身は空恐ろしいまでに痺れ果て、ベッドに立てた膝がガクガクと震える。口は開き、声すら出ないまま喘ぐ。
何物にも形容しがたい快感だった。
視線を下げれば、留まることを知らない吐精がまだ沖田さんを犯し続けている。舌、鼻、目、
「んっ……んっ……♡」
沖田さんは目をつむって、美貌が汚されるのをじっと受け止めていた。
またぞろ欲望が頭をもたげ、精を放ち続ける陰茎の先を柔い唇へと押し付ける。そうして残った精を、唇裏や歯茎に浴びせかけた。
「ぁ、ん……♡ ぷ、ぁ……んぅ♡」
やがて射精は落ち着き、途端に全身から力が抜けていく。
息を荒げる。二人して。
沖田さんは目元にかかった白濁を拭い、うっすらと瞼を開けた。
しばらく呼吸を整え、ふと微笑を浮かべる。
「もう……出しすぎ、です……♡」
そう言いながら唇の裏に舌を這わせ、そこに出されたモノを絡めとると、
「ん、く♡」
喉を鳴らして嚥下した。
その様を、肩で息をしながら眺める。拭うのが間に合わず、小汚く濃厚な白濁液がゆっくりと玉の肌を滑り落ちる様子まで。
…………あれほど精を出したというのに、醜悪棒はギチギチとそそり勃ったままだ。射精後の気だるさはあっという間に露と消え、身体にも再び浅ましい活力が満ち始めている。
「ぁ……♡」
沖田さんはそんなこちらの股間をチラリと見て、未だ滾る肉塊を見て、どことなく嬉しそうな声を漏らした。
それから若干逡巡する素振りを見せながら、ごろん、とうつ伏せになるように転がる。
こちらが少し離れると、自ら、ぐぐっ、と下肢を掲げてみせた。
短い裾が捲れ、黒いインナーとそれに包まれ、キュッ、と引き締まった臀部が目の前に差し出される。
恥辱的な恰好を晒しながら沖田さんは振り返り、恥ずかしそうにしつつ…………言い訳のしようもない懇願めいた視線を向けてきた。
「……ますたー……♡ おねがい、します……♡」
一も二もなく、手を伸ばしていた。
「ぁ、んっ♡」
肌着越しに撫で摩って乳房とはまるで異なるハリと弾力を味わい、すぐにそれだけでは満足できなくなり、インナーを脱がしにかかる。
ウエスト部分から内側に指を潜り込ませ、そのままスルスルと引きずり下ろす。
「っ……♡」
沖田さんはシーツを握りしめ、その身体を瞬く間に火照らせた。
さすがにこの瞬間は何よりも羞恥が勝るようだ。
無理もない。
美しい曲線を描く丸い尻を突き出し、その中央に並ぶ、アナルと、秘所を異性の前で詳らかにしているのだから。
ピンク色の肉感的な土手は綺麗に割れ目を開き、すでに、滴り落ちようかというぐらい蜜液が漏れていた。インナーにもその跡がはっきりと残っているほど。
香しい雌のフェロモンまで漂わせ、こちらを誘う。
俺は、沖田さんの唾液、それに先走りと精液が塗り重ねられ、凶悪さに磨きがかかった陰茎を手で操り、その切っ先を陰唇へとあてがった。
「んっっ♡」
先端からじんわりと熱が伝わってくる。
膣口は細かくわなないて、くちくち、と媚びるように亀頭に吸い付く。
すでに一度発散していながら、焦らす余裕はなかった。
挿れるよ、と言って、沖田さんがベッドに顔を埋めながら、こくり、と頷いたのを見て、陰茎を挿入させていく。慣らす必要がない事はわかりきっていた。
「っっ♡ ぁ、んんぅ……ーーっっ♡」
媚肉の詰まった秘穴を圧し進んでいく感触に、こちらも呻きそうになる。
うねる襞がギュウギュウと窮屈なまでに締め付け、しかし潤沢な愛液により流れるように滑り、腰が止まらない。
瞬く間に、先端が奥底に届いた。
「っっっ♡」
沖田さんの身体がひと際大きく震える。膣壁が狭まり、付け根と密着した接合部から愛液が噴き漏れる。
まだ挿れただけだが、軽く、イったようだ。
ベッドに突っ伏して何とか
乱れた髪、真っ赤な耳、汗の浮き出たうなじ、潰れた乳房、そして無防備極まる美尻。
沖田さんは気づいていないだろう。
アナルまでもが、はしたなく快感にヒクついていることに。
その様を見て、理性のタガが外れた。
「っ! まっ、まってくだ、さ、っっ♡ わ、わたしっ、いま、イッたばかり、で、んんっっ♡♡」
縋りつく女肉を擦り切るように腰を引き、制止の言葉は聞こえないフリをして、再び陰茎を突き立てる。
「あんっっ♡」
太いサオが、出入りを繰り返す。
張り出たエラは粘膜を根こそぎ引っかき、収縮と拡大を繰り返すぬかるみを攪拌した。
「あっ、あっ♡ ん、くぅ♡ あっ、んっ、うぅぅ♡ ます、た、ぁ♡ はげ、しっ、あぁん♡」
ぱちゅっ! ぱちゅっ! ぱちゅっ!
猛るグラインドが水音と打音を響き渡らせる。
湧き出て撒き散らされる愛液でベッドはびしょびしょに濡れ、尻肉は波打つように弾む。
ぐっと広げた掌で臀部を覆い、十の指で厭らしくまさぐり、不規則に息を吐いて汗を垂らしながら快楽を貪り尽くしていく。
「っ♡ んっ♡ うっ、うぅ♡ んんぅっ♡」
今や女々しくシーツを噛んで喜悦に耐える沖田さん。甘イキを繰り返すその目尻には、涙さえ溜まっているように見える。
……沖田総司の、こんな姿を見られるのは、この世界で……っっ。
鳥肌が立つほどの官能が、脳髄を満たした。
腰打ちが加速し、唸りながら身体が前のめりになる。
我ながら情けなくも、限界が近かった。
沖田さんの名を叫ぶ。続けて、出すよ、とも。
「んっ♡ んぅ♡ ぷ、はぁ♡」
沖田さんはシーツを口から離し、そのまま涎を垂らしてよがり、呂律を怪しくしながら応えた。
「ます、たぁ♡ き、て♡ きて、くだ、さい♡ んっ、んぅ♡ おきた、さんの、おまんこの、ぁ♡ なか、にっ♡ いっぱい、たく、さんっ♡ だし、て♡ くだ、さいっ♡ ぁんっ♡」
がばりと抱き着き、あらゆる柔らかさを全身で感じながら、下肢は膣奥を責め、開かせた。
「あっ♡ あっ♡ わたしの、からだっ♡ もう、ますたー、を♡ うけいれて、るっ♡ おんな、なんだって♡ わからされ、てるっ♡」
沖田さんは嬉しそうに尻を振り、腰を押し付け、子宮の奥へ奥へと陰茎を導こうする。
ここに出して、と。
「っっ♡ ぁ、い、く♡ いく、いくっっ♡」
今度はこちらが、歯を噛みしめた。
そうして、絶頂のうねりと共に、欲望を解き放つ。
「いっっっーーーーー♡♡♡」
二人分の脈動が、重なった。
深い部分で荒れ狂っていたカリが目一杯膨らみ、熱い種汁を放出する。一度、二度、と震えるたびにそれは吐き出され、びゅーっびゅーっ、と子宮へと注がれる。
膣内は貪欲に精液を呑み込もうと蠕動し、締め付け続けた。
下肢から蕩けるような感覚。……言葉は悪いが、無責任な中出し、というあまりの充足感に、腰が抜けてしまいそうだった。
それは、沖田さんも同じようで、
「っ♡ っ♡ っ♡」
身体を震わせて絶頂に喘ぎながら、徐々に膝が崩れていく。
ぶるん、と陰茎が抜け落ち、膣口から溢れた精液がベッドに垂れる。
その上に完全に四肢を投げ出し、沖田さんはしばらくの間、ふーっふーっ、と荒い息に背中を上下させた。
大丈夫か、と声をかけると、少し間を置いてから小さく頷いた。
「……マスター」
突っ伏したままの、沖田さんの表情はわからない。
「好き、です」
…………突然の告白。
あまりに唐突で返答に窮する。ここでスマートに返せればパーフェクトなコミュニケーションなのだろうが、さすがにそこまでのスキルは磨いていない。
やがて、沖田さんはごろんと身体を横向けた。
その横顔はいつもの彼女とほとんど変わりなく見えた。しかし、その瞳にどんな感情が込められているかは、わからなかった。とても真剣という感じではないが、さりとて冗談めいているわけでもない。ただじーーっと、こちらを見つめていた。
それがふと笑顔に変わったのは、俺が口を開きかけた時だった。
沖田さんはそのまま何も言わず身体を起こし、
「ん♡」
キスをしてきた。
「ちゅ……♡ ぁ、ん♡ ふふ……ちゅ、ぷあ♡」
顔を離し、呆けるこちらの様子に楽しそうに目を細める。
「マスター、今日は一緒に、寝てもいいですか?」
俺はただ頷くことしかできなかった。結局返事も、できなかった。
そして、翌朝。
重しのように圧し掛かる気怠さのなか起き上がり、すぐに沖田さんがいないことに気付く。
机の上に書置きがあった。
『ノッブがうるさそうなので、起きる前に戻ります。
喧嘩したら、また来ますね。
沖田
追伸
昨日の話、本気ですから! でも、返事はすぐじゃなくて大丈夫です。』
俺は丁寧に書置きをたたみ、机の中に大切にしまった。
昨日のと言うのは、同じ部屋に住むという話か、それとも、告白のことか。
果たして、どちらなのだろうか。