なお、"ひさるき様"のビジュアルについてはヒヒュドラードを想定して頂ければイメージに近いかと思います。
――記録 2016年 1月8日
S県県境 三国峠
陸上自衛隊 地理情報隊より、「測量作業中に結界の痕跡らしきものを発見した」との情報提供を呪術総監部が受領。
2016年 1月12日
派遣された"窓"による調査の結果、呪霊被害によるものと認定。僻地での発生であることから、案件の公示のみ行うものとする(呪術総監部公示 第20166号)。
7月11日追記:井口楓準一級術師の希望により、本件を一級昇格試験任務とする。
◆ ◆ ◆
拠点である京都高専から、新幹線で数時間。
最寄り駅からは「窓」が車を準備しており、いつもの黒いセダンに揺られること数時間。
はじめは地方都市の体裁を保っていた車窓からの景色は、やがて田んぼと古民家の立ち並ぶ辺鄙な風景になり、対向車線もない山道になり、つづら折りのかろうじて舗装されているだけの道を登って、山肌を削ってかろうじて確保した平面の途中でようやく車が止まった。
「……車で行けるのはここまでです」
運転していた補助監督は、任務の都合で非常に運転が達者なものがアサインされている。その人物ですら道半ばで匙を投げるレベルの秘境に、今回の任務地はあった。
「ええ。ここからは徒歩で向かいます。歌姫先生、バテないでくださいよ」
「後輩に心配されるほどなまっちゃいないわよ」
あんたくらいの頃は霊峰巡って修行したりもしてたんだから、と意気揚々とセダンを降りたのは、場に似合わない巫女服姿の女性。
準一級術師、庵歌姫である。
「心強いです。一人だとどうしても死角が増えますから」
トランクから大きな登山用リュックサックを取り出したスポーティな格好の女性は、歌姫の後輩にあたる京都高専の新人教師、井口楓だ。彼女も歌姫と同じ準一級術師であり、この任務の成否に一級術師への昇級がかかっている。
もともとは楓単独での任務の予定だったが、昇級試験に長期間放置されている案件を選んだ楓は、自身の任務失敗時の「保険」として、手の空いていた先輩に助力を乞うたのだった。
「問題の"見えない土地"はこの先、もう何時間か歩いた所にあります。行った先で呪霊退治ですから、できるだけ体力温存でお願いしますよ?」
今回の任務先は、山の多い日本でも特に何もない土地。山岳地帯の最奥、周辺に人里が一つもない完全な秘境である。
それゆえ予想される呪霊の格の高さ(最低でも準1級)と合わせ、長い間依頼が塩漬けにされていたのだ。
それをわざわざ掘り返したのは、楓の構想する「塩漬け依頼や未発見の脅威をこちらから潰しに行く」新プロジェクトチームの嚆矢とするため。1級に上がるだけならもっと手軽な任務はあるが、彼女はあえて詳細不明のこの任務を選んだのだ。
呪力によって身体を強化できる術師は、普段から一般人を大きく超越する体力を持つ。山の中での長期間の行軍や、朝から休息無しで現場まで移動しそのまま呪霊狩り、というハードスケジュールが可能なのは、その超人的な身体能力によるところだ。
だから彼女らは、一般人ならたどり着くだけで丸一日を要し疲労困憊になるだろう道のりを苦もなく踏破し。
――そして、「そこ」にある祠を見た。
山道であったはずだ。もはや道と呼んでいいのかも定かではないような、かろうじて草の踏み固められているだけの獣道を、小柄な彼女らの背丈ほどもある藪をかき分けて進んできた。
最寄りの人里まで数キロは離れている。とてもではないが、人が通えるような場所ではない。
だというのに、道の行き止まりに存在した祠は新品同然に磨き上げられており。
そのことに疑問を持つよりも早く、彼女らの視界に映っていた祠は、大きな神社のような建造物へと姿を変えていた。
こじんまりとした祠は、豪華絢爛な神社の拝殿へ。
人ひとりがかろうじて通れる獣道は、まっすぐに続く石畳へ。
彼女らの背後にはいつの間にか巨大な鳥居が鎮座し、周囲の森林も人の手が入ったものへ。そこはまるで、伊勢神宮の敷地内のようであった。
「結界の入り口をズラされた? いや、物理的にごく狭い範囲を拡張しているから位置の融通が利くってこと――」
ブツブツと口に出しながら検討を続ける楓だったが、拝殿の方から人の気配が現れたことに気づき意識を切り替える。
「新入りさんですかぁ? ようこそ、
二人の警戒をよそに、その人物はのんびりとした口調で二人の前に現れる。
第一印象は「若奥様」。見かけ20代くらいだろうか。巫女装束の女性に見えるその人物は、長い黒髪を後ろで束ねて前に垂らしている。
いかにもおっとりしていそうな顔立ちの美人であり、楓は「途中で死ぬ母親の髪型だ」と失礼な想像が脳裏をよぎった。
まだまだ未婚でもおかしくない外見年齢だったが、楓が一発目から人妻を想定したのは、彼女の着る巫女服の腹の部分が一目でわかるくらいぽっこりと出ていたからだ。
だが楓の意識はそちらより、彼女の発言の方に向いた。
「みなき、むら……」
昭和以前、この地が集落ごとに別の名で呼ばれていた頃の呼び名だ。
慌てて背後を見てみれば、ここは高台になっているようで眼下に集落が広がっているのが確認できる。
「ここに出たということは"玄関"から来たのよねぇ、きっと"ひさるき様"もお喜びになるわぁ」
「えっと、玄関って?」
聞きたいことは山ほどあったが、眼前の女性……に見える存在を刺激するのは得策でないと考え、楓は一番当たり障りのない所から質問してみることにする。
「あら、ふたりとも外の"祠"を見たのよねぇ?」
「え、ええ、見ました」
「よかった。それが"玄関"。村の入口はいくつかあるのだけれど、玄関は選ばれたひとにしか見つけられないの。そういう人は"ひさるき様"が直接、ここにお呼びになるのよ。私はそういう"お客さん"を案内する役目を仰せつかっているのよ」
親切に説明してくれる眼前の女性に、敵意の類はまったく見られない。
だから二人は話を聞いていた。
――本当にそうか?
明らかな異常事態。敵地である領域のど真ん中で、現れた女性と普通に会話を?
楓の脳裏によぎった違和感は、しかし次の瞬間には嘘のように消えていった。
「さ、そろそろ行きましょうかぁ。あまりお待たせしてはいけないわ」
行く、行くってどこに?
「あのお方に身を捧げて、御子を孕むのよ。幸い今日も"ひさるき様"は猛っておられるから、夜を待つまでもないと思うわ」
当然でしょう、と言わんばかりに、それまでと同じ声色でさらりと述べられた事実を咀嚼して、楓は思った。
――ああ、「それはそうだ」。
自分としたことがうっかりしていた。
まずは客人として……というか女性として、務めを果たさなければ。
「そ、そうですね」
光栄にも自分を選んでもらえたと聞いて、楓は少し照れ臭く思ったが、満更でもない気分だった。
自分は処女なので勝手がわからないところはあるが、そこは上手くリードしてもらえるだろう。
(で、でもちょっと緊張するなあ……猛ってるって言ってたし、結構乱暴に求められちゃったりして……)
大事なお役目とは言え、痛かったらやだなあ……と年甲斐もなく想像を膨らませながら、案内役の女性について歩く。
「さ、ここよ」
案内された地下の一室は、地下とは思えない豪華な和風建築によって城内の一室を思わせる不思議なつくりになっていた。
さっきから何人もの女性とすれ違っており、そのたびに「よかったわねぇ」「光栄なことよ」「羨ましいわ」「頑張ってね」と口々に選ばれたことを祝福してくれる。
その誰もが案内人と同じく本心からの柔和な笑みを浮かべていることが見て取れ、よほど幸せな暮らしをしているんだなと思わず感心するほどだ。
案内された部屋は控室のようなものらしく、近くにはお役目明けと思われる裸の女性たちが何人か休息を取っていた。
「ちょうど次はあなたたちの番ね。さ、服はこっちに」
「はい……」
すすめられるがままに装備を外していく。
登山用の大型リュックサック。軽くて頑丈なジャケットとズボン。防御用の呪具が裏地に仕込まれているハーネスや、首から下げている緊急用の呪具も、今は必要ない。
ふと隣を見ると、歌姫は既に服を脱ぎ終え、生まれたままの姿に戻っているようだ。こういう時、重装備だと時間がかかっていけない。
(うう、なんかちょっと恥ずかしいな)
大事なお役目を前にしてのことなので何も恥ずかしがることなどないのだが、銭湯に慣れていないと人前で脱ぐのに抵抗があるのと同じようなものだ。そう自分を納得させ、脱衣を続ける。
アンダーシャツとスパッツを脱ぎ、飾り気のない灰色のスポーツブラとショーツに手をかけて初めて肌が晒される。
呪術師としては珍しく、生傷らしいものが全くない美しい肌だ。アウトドア派な楓だが、普段から重装備で露出が少ない分、日焼けは全く見られず、生来の色白さが活かされている。
しかし隣をちらりと見ると、同じように一糸まとわぬ姿の歌姫が堂々と待機しているのが目に映った。この期に及んでもなんとなく胸と局部を手で隠している楓と違い、自然体で「順番」を待っているようだ。
背が低く胸も小さい楓にとって、歌姫の170cm近い長身とスタイルの良さは同性ながら目を見張るものがある。
そもそも歌姫は、普段婚期に焦っている所ばかり見ているせいで見落としがちだがかなりの美人だ。
自身も世間的には十分「かわいい」と言われる容姿なのを棚に上げて考えていると、部屋の奥を仕切っている障子が力強く開かれた。
それと同時、向こう側の部屋から入ってきた暖かい空気が二人の頬を撫でる。
強い香と、隠しきれない獣臭が二人の鼻腔に届いた瞬間、脳にゾクリと甘い刺激が走る。
向こう側の空気にあてられたように頬は上気し、意識がぼんやりと霞む一方で感覚だけは鋭敏になっていく。
「ぁ……♡」
そこで何が行われているのか、自分がこれから何をされるのか。
その期待と興奮に思考が支配され、胎の奥がじくじくと疼く。
もどかしい。足りない。この穴を埋めて――
「ふふ、さっそく準備ができてきたみたいね?」
その時、"お役目明け"の人員の面倒を見ていた案内役の女が戻ってきた。
彼女もまたその香気にあてられているようで、淫靡な表情で二人の痴態を指摘する。それで初めて、楓は自分が内股になって足をモジモジとこすり合わせているのに気付いた。
「あ、これは、その」
慌てて足を離すが、にちゃ……と音を立てて太もも同士が糸を引く。
薄く、しっかりと手入れされている陰毛はべったりと張り付いて、もはや発情し切っているのは明らかだった。
「いいのよ。初めてのお役目の時は、特別強く"調整"してくださるの。出来るだけ気持ちよくなってもらって、この先のお役目に忌避感を持たないようにというひさるき様のご配慮よ」
切なさでぼんやりとしてきた頭に、不思議とその言葉がしみ込んでいく。
ありがたい、と思った。なにしろ自分は処女だ。気持ちよくしてもらえるならそれが一番いい。
「にしても、今日は特別強いわね……んっ♡、きっとそれだけ二人を歓迎してくださっているのね。わたしも早く消えないと、身重を忘れてお情けを求めてしまいそう♡」
案内の女性も同じく興奮した様子で、「奥に行けば、後のことは委ねていいわ」とだけ言い残し、荒く息をしながらそそくさと奥に消えていった。
取り残された二人は、しかしどちらが言い出すでもなく障子の奥へと足を進める。
はしたない話だが、既に辛抱たまらなくなっていた。
期待と興奮が入り混じった顔で頷き合い、後は自分たちの荒い息遣いだけが聞こえる空間を歩いていく。
一歩進むごとに香気は強まり、一呼吸ごとに興奮が高まっていく。
胎の奥の疼きはずくずくと蓄積され、自分の鼓動がうるさいほどに聞こえてくる。ただ歩いているだけだというのにぞくぞくとした甘い感覚が増していき、既に秘所から太もものあたりはべちゃべちゃになっている。
そうだ、今の内に「馴らし」て、すんなり挿入るようにした方がいいんじゃないか。
きっとそうだ。そうに違いない。何でもいいから弄らないとおかしくなりそうだ。歌姫もこっちをちらちらみながら必死に我慢しているみたいだし、この際人の目なんか気にしていられない。あと少しが足りない。もどかしい、触りたい――
楓の葛藤は、しかしその手がふらふらと下半身に伸びる直前、障子の向こうから伸びてきた太い毛むくじゃらの腕に振り切られる。
「ぁっ♡ ひ、さるき、さま♡」
腕を掴まれただけだというのに、これまでとは段違いの快感がしびれるように脳髄を貫く。"それ"がこの結界の主――ひさるき様であると、楓はその瞬間に確信した。
「わ、わた、おやくめ、どうぞっ♡」
事前に気の利いた口上を準備していた気もしたが、"ひさるき様"にお目通りがかなったという興奮と、何よりここまでに高められた快感によって、出てきたセリフは子供のようなもの。
それでも"ひさるき様"にとって問題なかったようで、楓をひょいと持ち上げると、さっそく自身の手元に抱き寄せ、その身体をまじまじと眺める。
それは、白く巨大な狒々であった。
3メートルほどの巨体がクッションを集めて作られた巣のような場所に鎮座しており、手元に盛られた木の実を食べ散らかしている。極端に長い手足と赤い顔は確かに猿の特徴を持つが――最大の特徴は、その股間に屹立する巨大なイチモツであろう。
実は霊長類で一番の巨根の持主は人間だと言われているが、この狒々が持つそれは明らかに人間サイズを超越しており、小柄な楓の腕と大差ない代物が、天を衝かんという勢いで勃起している。
「ぁは、わたしで、そんなに、うれし、です♡」
楓は最早興奮で呂律が回らなくなっているが、その巨大なペニスに視線が釘付けになっている。
繰り返すが、彼女は処女である。男性器を見た経験は遠い昔、風呂場の父親くらいなものだ。それでも、目の前のソレこそがお役目の主役で、自分がこれからねじ込まれるものだということは理解できた。
そして、香気と暗示でバカになった頭では、もはやそれを咥え込むことしか考えられなくなっている。既に「気に入っていただけるだろうか」などという余計な思考は消え失せ、ただ名誉あるお役目を果たすためのメス穴になり果てているのである。
――ホ、ホァ、ギギャギャギャ!!!
そんな"殊勝な態度"を取る雌に気分を良くしたのか、"ひさるき様"は笑い声とも奇声ともつかない声を上げる。
そしてすぐに、片手でつまみ上げるような形だった楓の腰のあたりをしっかりと掴みなおすと、丁度「それ」用のドールやオナホールを扱うような姿勢で胡坐の上に乗せ、年齢に見合わずぴったり閉じている女性器をペニスの上に宛がう。
「あ♡ はいっ、おねが、しますっ♡」
楓は眼にハートマークを幻視する勢いで媚びる。
既に彼女の頭の中は快楽で塗りつぶされている。
足りない。もどかしい。イケそう、イけない。欲しい、はやく、はやく、はや――
――ずぶゅ、ぶちぶちっ。
「あ、ぁ、あああ、あああ――っ♡」
それは明らかにサイズが合っていないように見えたが、"ひさるき様"は構わずペニスをねじ込み、力任せに上下に動かす。結合部からは血も流れたが、すぐに愛液で上書きされた。
愛撫も何もない行為だったが、極限まで興奮の高まっている楓に、それは致命的な快楽を齎した。
最後の一線を決壊させた彼女は、挿入った瞬間に1回、ペニスが膣内をかき分けて奥まで入っていく感触で1回、力強く奥を叩かれてさらに1回絶頂。派手に愛液をぶち撒けて痙攣する。
が。
ずちゅっ! ぬぢゅ! ずちゅっ! ずりゅっ!
「なにごれっ♡ 知らにゃ、しらない゛っ、あ゛っ♡ イグっ、まだい゛っでるのにイぐっ♡」
派手に絶頂してきゅうきゅうと締め上げたのが気に入ったのか、"ひさるき様"は構うことなくピストンを続行。
ひと突きごとに快楽が追加され、絶頂から降りてこられなくなった楓は、さっきまで処女だったとはとても思えない嬌声を上げる。
「あ゛っ、あ゛ーっ♡、あ、へっ、あっ♡」
絶頂のたびに楓の膣内はびくびくと痙攣しながら締め付け、下がりきった子宮が子種を出させようと吸い付いて来る感覚さえする。
その感触を独り占めしていた"ひさるき様"は、ぶるりと身体を震わせると両手で楓の腰を掴み、力強く手前側へ引き寄せ、一番奥で精液をぶち撒けた。
ぐぢゅうっ♡
――ぼびゅ! びゅるるる、ごぼっ、びゅぐっ、どぷっ!
「――z___N~~~っ♡♡♡」
楓の中でチカチカと意識が明滅し、あまりの快感に息も忘れて声にならない声を上げる。
流し込まれる精液の熱さが子宮にまで広がって、それに合わせて痺れるような、これまでで最も強烈な快感の波が押し寄せた。
ごぽっ、ぐびゅ、びゅぐっ、びゅぐっ、びゅくっ……
それでも射精は終わらず、ついに膣内から溢れた精液が逆流してぼたぼたと床に落ち始める。
それでも射精されるたびに楓の脳は痺れ、膣はきゅうきゅうと締め付け、少しでも多く絞り出そうと、この胤を留めておこうと絡みつく。それが刺激になって、さらに射精量が増える。
「は、はへっ、へへぇ……♡」
長い、長い射精が終わった時、楓の表情は完全に蕩け切って、だらしなく開いた口からは舌とよだれが垂れており、眼は完全に虚空を見つめていた。
ずるるるっ……ごぽっ、びちゃっ♡
グロッキーになった楓からペニスを引き抜くと、栓が抜けたことで溜まっていた精液が流れ出してくる。白濁どころか真っ白なゼリー状のそれを楓は興奮の証と受け取り、満足そうに微笑んだ。
楓はこの一回で完全グロッキーである。しかし全体が愛液と精液の混ざったものでぬらぬらと光っているペニスだが、依然勃起が衰える気配がない。
そこで"ひさるき様"は楓から手を離し、今度は部屋の端でモゾモゾしていた歌姫の方へ視線を向ける。
「ひっ、あ、これは、そのっ……♡」
正座で手を重ねた状態に見えたが、"ひさるき様"が手を引っ張ると、歌姫の手はべったりと糸を引く。
楓が「使われて」いる間、歌姫は辛抱たまらず自分を慰めていた。
しかし"ひさるき様"はそれを意に介さず歌姫を立ち上がらせ、先ほどまで「使用」されていたペニスの前に顔を近づける。
「ぁ……」
つまり、それを綺麗にしろということ。
意図するところを読み取った歌姫は、軽く髪をかき上げると、さっそく巨大なペニスを口に含み、「掃除」を始める。
ちゅ、じゅる、れろっ……
なお結果的に、歌姫のファーストキスは"ひさるき様"のちんぽということになったが、もはや彼女にそれを気にする思考リソースは残っていない。むしろ愛おしそうに、尽くすようなキスをすると、先端から丁寧に少しずつ舌を這わせていく。
ちゅる、ぺちゃ……
たどたどしいが、献身的に粘液を舐めとっていく歌姫。片方の手をペニスに添えつつ、もう片方の手でくちゅくちゅと自分を慰め続けている。
その姿はとても淫靡であり、当初はまんざらでもなさそうだった"ひさるき様"だが、やがてじれったくなったのか、歌姫の頭を掴むと、一気に喉奥までペニスをねじ込む。
「ん゛っ!? ん゛ーっ♡ ん゛ん゛っ♡」
顎が外れる寸前のサイズのモノが入り反射的に涙をにじませる歌姫だが、突っ込まれた瞬間に身体を震わせ、吐き出すでもなく女性器から愛液を噴き出した。
ぐぽっ、じゅるっ、じゅぽっ♡
"ひさるき様"は歌姫の美しい黒髪を無造作につかみ、ストロークのためのハンドル扱いして容赦なくペニスをしごいていく。
じゅぼ、ぐぽっ、ぐぽっ……どびゅ、びゅぐっ!!
そのまま、胃の中に直接流し込む勢いで射精。
さっきと勝るとも劣らない勢いで精液を吐き出し、歌姫の口内を蹂躙していく。
「んぶっ♡ んぐっ……!!」
出しながらずるりとペニスを引き抜いた後も、歌姫は口中を満たす大量の精液に溺れそうになっていた。
あまりの粘度と青臭さで喉につっかえながらも、歌姫は懸命にそれを飲み下していく。
一口目を嚥下した時、鼻息が通ったからかその臭気と痺れるような快楽が脳天を駆け抜け、歌姫の秘所から再び愛液が噴き出すのが見えた。
「んぐっ、ごきゅっ、ごくっ……ん、ぐ、けぷっ♡」
歌姫は苦戦しながらも、愛おしそうに大量の精液を全て飲み干した。
それに気をよくしたか、"ひさるき様"は歌姫を"巣"に敷き詰められたクッションの上に転がし、その上に覆いかぶさる。
「ぁ、あの、初めてだから、優しく――」
今更そんなことを言う歌姫だったが、もちろんそれが守られることはなく、楓同様乱暴にペニスを押し付けられる。
年齢相応に生い茂っている陰毛をかき分け、巨大なペニスがぶちぶちと貫いていく。
「い゛っ、あ゛、なんっ、きもちっ」
訳すなら「痛くない、何できもちいいの」だろうか。
この空間の香気と"ひさるき様"自身が放つ気に長期間あてられているのだから、もはやこの程度の無茶では痛みより快楽の方が何倍も大きい状態にまで仕上がっているのは当然のことだ。
「ぁ、はい、ありがと、ございます♡ ありがとうございますっ♡」
その感謝が何に対してのものだったかは、歌姫自身にもよくわかっていない。光栄な"お役目"に処女を捧げられたことか、"ひさるき様"が自分の身体を気に入っていることについてか、ついに理想の伴侶が見つかったことについてか。
とにかく、シンプルな快楽で全てを押し流された楓とは趣向が違うようだ。より深く暗示が効き、楓より一足早く"ひさるき様"を生涯の伴侶と見定めている歌姫にとってこの情事は、女としての欲求を満たされることへの幸福感を強く感じさせるものらしかった。
「はいっ♡ 産みますっ♡ 何人でもいっぱい♡」
普段の歌姫からは考えられないようなセリフを口走りながら、しかし彼女は楓の時と同様に乱暴に犯されている。そもそも"ひさるき様"は何も喋っておらず、彼女に何が見えているのかは定かではない。
それでも彼女には、どうやら「これ」が幸せな結婚初夜に思えているらしかった。
「ぁっ、あ♡、出して、なか、ぜったいナカっ♡」
自分から腕と脚で抱き着くような姿勢を取り、必死に種付けを乞う歌姫。
それに応えるように、"ひさるき様"はピストンの勢いを強くし、全身の体重をかけるように腰を叩きつけた。
ぱぢゅっ♡ どびゅる! どぷっ、どくどくどくっ、びゅるるるるっ!!
「~~っ♡」
3発目だというのに全く勢いの衰えない射精を、歌姫は全身で受け止める。
「はー♡……はー♡」
「えへ、えへへぇ……♡」
そうしてグロッキーになった二人は、くしくも「お役目明け」として控室で横になっていた二人と同じような状態。死にそうなくらいに疲弊していながら、行為に心の底から満足していた。
2人の中から呪術師としての記憶や任務のことが消えた訳ではない。"ひさるき様"の暗示能力は、あくまで"ひさるき様"への印象を良くし、行為を受け入れさせるためのもの。
彼女らが、自分自身の意思によって。
ここで"ひさるき様"に犯される人生を選ぶのである。
恐らくは、至福と共に。
――二人はさも幸せそうにしているが。
もちろん、それは"ひさるき様"の暗示と、薬物を利用した洗脳の効果によるものだ。
客観的に見た二人は、凄まじい獣臭と薬物の煙が充満する地下室で、猿の化け物のろくに洗ってもいないチンポを咥え込み、そして遠からず子を孕む。
"ひさるき様"は今でこそ呪霊混じりの猿の化け物だが、大本となったのは一人の人間だ。このシステムを構築した当時の知性は、自らが呪霊と一体化して"【邪神】ひさるき様"へと変貌を遂げた時に捨て去った。
その時にどのようないきさつと情念があったのかはもはや定かでないが、ひとつ分かっているのは、彼は半ば呪霊でありながら、人間であったころと同様に子を成す能力があるということだ。生まれてくるのは普通の人間である。
実のところ、このシステムが成立して以来「外部」からやってきて取り込まれた女の数は多くない。
現在"ひさるき様"の世話をしている女たちのほとんどは、"ひさるき様"の妻であると同時に、"ひさるき様"の娘であり、孫であり、曾孫であり、玄孫である。
彼女らは生まれた時から"ひさるき様"に仕え、近親交配に由来する遺伝子疾患を抱えた兄弟姉妹や親族たちを「処分」し、そして男児を間引いてきた。
好き放題に繁殖し続けている割に数が少ないのは、既に世代交代を繰り返しすぎて極限まで血が濃くなっており、生まれてくる子のほとんどがヒトの体をなしていないからだ。何しろ父方のDNAが10代以上にわたって全て同一人物なのである。試行回数で誤魔化すにも限度があるというものだ。
ゆえに、二人は気に入られる。二人の血があればコミュニティの寿命が飛躍的に伸びることを、"ひさるき様"は本能的に理解しているからだ。
そして、"ひさるき様"を甲斐しく世話し続ける女たちがいる限り、この狂ったコミュニティは存続し続ける。
正気の人間から見れば、彼女らは劣悪な環境で化け物に奉仕させられ続ける被害者であるが。
当事者たちは全員が、その環境に心からの幸福を感じているのだ。
「あぁ、空閑じゃない。何年ぶりかしらね……え、外じゃ1週間しか経ってない? へぇ~」
「何も言わずに連絡ブッチしちゃったのは悪かったと思ってますよ。夫が外に出るのを許してくれなかったもので」
「え? 夫? 決まってるじゃない"ひさるき様"のことよ。私たち二人とも、あのお方に娶って頂いたの。空閑、悪いんだけど学長に退職の連絡しておいてくれない? 流石にこのぼて腹で出歩くのもねえ」
「いやあ、素っ裸で応対することになっちゃってすみませんね。ついさっきまで"ひさるき様"に愛して頂いてたもので。あ、一応言っときますけどセクハラしないでくださいよ? 私たちの身体は爪のカケラまでぜーんぶ"ひさるき様"のものなんですからね」
「え、ちょっとちょっと何よ刀なんか抜いちゃって、確かに"ひさるき様"は呪霊だけどいい人じゃない! あんまり物騒なことは――は、ぇ? なん、で……」
◆ ◆ ◆
――記録 2016年 1月8日
S県県境 三国峠
陸上自衛隊 地理情報隊より、「測量作業中に結界の痕跡らしきものを発見した」との情報提供を呪術総監部が受領。
2016年 1月12日
派遣された"窓"による調査の結果、呪霊被害によるものと認定。僻地での発生であることから、準1級相当案件として公示のみ行うものとする(呪術総監部公示 第20166号)。
7月11日追記:井口楓準一級術師の希望により、本件を一級昇格試験任務とする。
当日中に井口楓準1級術師および庵歌姫準1級術師が派遣され、2名ともに未帰還となる。
この事態を受け、呪術総監部は当該案件を特級相当への再割り当てが提案され、全会一致により承認。
派遣された2名は死亡したものと見なし、空閑徹一級術師を改めて派遣。
7月18日追記:空閑徹一級術師により、当該地点の結界解除および呪霊の祓除を確認。
行方不明となっていた2名は回収されたものの、長期間呪霊の"領域"内部に囚われていたことにより、致命的な精神の変質が見られる。空閑徹の手配により、系列の精神科病院へ入院。回復期間は未定であり、術師登録は抹消されるものとする。
9月12日追記:医学的・呪術的措置による苦痛緩和は不可能と判断。被害術師のうち、現在生存している1名の取り扱いについて呪術総監部での協議の結果、特例にて安楽死措置の実行を認める。
Skebリクエスト的にエロ強めエグみ少な目のご要望だったので、末路についてはダイジェスト風にして描写を大きくカットしております。