だったんだけれどもどうにも進まないので未完成で投げとくお茶濁しの更新
バイト帰りのある日、公園で黄昏れる、かろうじてクラスメイトである事は覚えている少女を見掛ける。
目が合い、顔見知りを見たような反応に、自分が知り合いだと思っている相手を無視すると後々面倒だと覚えた少年は一言、挨拶だけはしていく事にする。
「こんばんは、……こんな時間に、どうしてこんなトコに居るの……。」
「……キミこそ、……それに、声、掛けてくるなんて、思わなかった……。」
少女の纏う暗い雰囲気を気にも留めず、少年が淡々と目的を果たそうとする。
「レイギ、らしいから……、それから、これぐらいの時間帯に、女の子が外を出歩く事は心配するべきだ、って聞いた……。」
「ははっ、何ソレ……?でも、アタシって気付いて声掛けたんなら、期待、したんじゃない……?」
「私はバイトの帰り、それじゃ、また、学校でね。」
「は……?え、ちょ、ちょっとっ……!待ちなさいよっ……!」
「どうしたの……、手、離して欲しい。」
少年のマイペースな振る舞いに思わず、手を掴まえて、引き留めてしまう少女。
少女は少年の態度を自分なりに解釈して、一つの結論を導いた。
「……チッ、アンタ、意外と良い性格してんのね……!ふぅ……、ねぇ、ごめん、アタシ、キミの事、前から気になってて……、それで、ちょっと、イジワルしたくなっただけなの……、だから、ね?許して……?」
「……はい、私は貴女を許します、ですので、手を離して下さい。」
「……このっ……!くっ……!はぁ……、ありがとっ……!田中クン!それで……、ね……?ちょっと今、困ってて、お礼、するから、さ……?助けて、くれない……?」
「……困り事なら、交番まで案内しましょうか?それで構いませんね。」
「………………ふふっ、この変態っ、言わせたいのね……?ははっ……、……少しは、マシなヤツだと、思ってたのに……、ホント、笑える……。田中クン……、アタシの身体、買わない?フェラに手コキ、パイズリだってしてあげる。ああ、そういうのが好きなら足コキも、ね?本番、生ハメも良いわ、ピル飲んでるし、アフターピルも、洗浄液も用意してある。それとも、アナルがご所望かしら?あははっ、何時呼ばれても出来るよう、準備は万端よ?」
この少年は、きっと、自分を辱め、その様を愉しみたいのだ、そうに違いない。
少女はそう決め付けていたから、少年の言葉がしばらくの間、耳に入っても頭にまでは届かなかった。
「……ああ、なるほど、客を待って居たのか、私の鈍さで手間取らせて、真に申し訳有りません。興味無いので、他をあたって下さい。それでは、改めて、さようなら。」
「………………は?」
「……手、離して。」
「……いや、……いやいや、ちょっと、ちょーっと、待ってくれる……?」
「……早く帰りたいんだけど……。」
心底からの面倒そうな言葉、少女は、少年の、教室でポツンと一人、気ままに過ごす姿を思い浮かべる。
陰だの陽だのカーストだの、いや、そもそもコイツ、人に興味が無いんだ、そう思った事を思い出す。
「……田中クン、アタシのウワサを、知ってて声掛けた、んじゃ、無いの……?」
「……名前も知らないのに、どうやって噂を知るの……。」
「え……、いや……、は……?田中クン……?田中
「……うわ、下の名前も押さえられてる。……うん、だから、クラスメイトな事はちゃんと覚えてる……。」
「……なんでっ、得意気っ、なのっ……!ああもうっ……!アタシ、山田っ!山田
「……やまだかおる……、聞き覚えは、あるよ。」
「そう、なによりね……、まったく、……でも、そうね、田中クンらしい、かな……、あははっ……!」
少女、薫は、少年、正史の手を握ったまま、呆れて笑う。
名前すら覚えて無いなんて、一年は一年でも、JCからなんですけど?
ああ、でも、コイツは、田中クンは、そういうヤツだったなぁ、イジメの標的になりかけても、まるで小さな子供のイタズラを見る大人のように、呆れたように流すから、少なくとも分かり易いイジメは、ウチのクラスでは無くなったんだ。
誰とも関わらないクセに、妙に存在感を放って、ずっしりと良識ってヤツの重しになってるんだ。
だから、そうだ、だからアタシは、クラスの子を避けて客を探し始めたんだったっけ、みんな、なんだか、うるさかったから……。
「…………田中クン、お願い、今日だけ、今日だけだから、家に、泊めて、欲しい……、田中クンのお母さんお父さんには、アタシから、事情を……、話す、から……。」
「……はあぁ……。」
「っ……!」
正史の深い、深いため息、吸い込む音も大きくて、薫は、親を思い出してビクリと震えた。
力が入らないほど、体温が一気に下がった気分で、自然と落ちる手が、正史に取られた。
「……はえ……?」
「私、今は一人暮らししてる、から、事情はいらない……。けど、私と二人きり、それでも良い?」
「へあ、あ、うん、よろしく、お願いします……?」
「そ、……はぁ……、面倒くさいな……、ほら、行くよ、かおる、ちゃん?さん?」
ベンチに腰掛けた薫を正史が手を引き、先へ促す。
ため息をまたつきつつ、面倒さを顔にどころか言葉に出して、それでも、薫を待って、自分のペースを崩している。
「別に、どっちでも……。」
「じゃ、かおる、着替えとか、歯ブラシとか、ちゃんと持ってるの?」
「むっ……、持ってるよ……、……正史、クン……。」
「夕飯は?もう食べたの?」
「……まだだけど……。」
名前の呼び捨てに、子供扱いされた気になって、自分も名前呼びで抗議したつもりの薫。
スルーされて、勝手に気まずくなって、カバンを担ぎ直す。
「アレルギーとか、有る?それとも、その辺で済ませる?」
「無いけど……、料理、するんだ……?」
「……姉さんと叔母さんが、うるさいから……。それで、どうする?私は、たまには外食でも良いかなって……。」
「……アタシ、ニンジンとピーマンは、キライ。」
「分かった、じゃ、真っ直ぐ帰るね。」
「……うん。」
薫はクラスメイトの男の子が作る料理にも興味はあったけれども、何より今は誰かの手料理が食べたい気分だった。
正史に手を引かれて、両親がまともだった頃の思い出が蘇って、夢現で歩いているからかもしれない。
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コンビニやスーパー、居酒屋なんかも並ぶ通りをいくつか抜けて、アパートとマンションの混在する区画にたどり着く。
その内の一棟、七階建てのマンションへ入る。
オートロックの前で郵便受けを確認する正史、それを手持ち無沙汰に眺める薫は少し居心地の悪さを感じながら佇んでいる。
こじんまりとしたエントランス、壁に埋め込まれた郵便受けにカーテンの閉ざされた受付、風景に馴染まない後付の宅配ボックス、一階は管理人室その他と駐車場になっているようだ。
「お待たせ。」
「あ、うん……。」
別に、男の家に入るなんて初めてじゃないのに、薫は妙に緊張してソワソワする自分を隠そうと努力していた。
正史がオートロックを開けて、エレベーターが来るのを待つ十数秒も、二階までの数秒も、正史が喋らないのを幸いに薫は何でもない風に、肩より少し長い黒髪をいじっていた。
エレベーターから降りてすぐ、左手の部屋、カチャッと鍵を開けた正史が後ろ手に押さえた扉に続く薫は、どうしようもなく高揚していた。
「ただいま。」
「お、お邪魔、しまーす……。」
「どうぞ。」
山田 薫
やまだ かおる
親のハマった悪徳宗教により身体を売る少女
ヤケになっていて手当たり次第クラスの男子と性交を繰り返す
田中 正史
たなか まさふみ
他人に興味が無く声高に喧伝される少女の噂を知らない竿役