「ふぅ……夜風も悪くない……」
彼の名はコウサカ・ユウマ、中学二年生。
数々のガンプラ大会やコンテストで賞を取る等輝かしい成績を残しているがそんな事が些事になるとはこの時の彼にとっては知る由もない。
ユウマは足りなくなった塗料を買いに行った帰りだった。
当然辺りは暗い。
周りは街灯と民家の灯りしか闇を照らすものは無く、幽霊嫌いな彼は少し怯えていた。
「(暗いな……夜だしな……幽霊とか出ないよな…)」
幽霊はいない。
だが巨人はいる。
「(そういえばこの前学校でクラスの女子が変な話をしていたな……確か人を股で喰らう巨人だったか……しまったこんな事を考えちゃ駄目だ……ますます怖くなる……)」
巨人はいる。噂話の存在では無い。
「(やっぱり怖いな……明日にしておけばよかった……でも早く歩いてお家に帰れば大丈夫な筈……)」
その焦りは彼の足を、風に追われるかの如く速くさせた。
それが仇となった。
彼は周りを気にせず一心に足を動かしていたが、突如闇から現れた何者かにドシリ、と正面からぶつかってしまい、反動で尻餅を着いてしまった。
「すっすみませ……へ……?」
相手が街灯の光に照らされる。
人の様な四肢を持つがそれは決して人では無い。
そう、私たちが『マラリオン』と呼ぶ巨人であった。
「(何?なんだ?何者?大きい?でかい?気持ち悪い。不気味。分からない。何?何?何?幽霊?怪物?分からない。なんだ?)」
人は自分の想像を超えた『なにか』が目の前に現れた時どうするか?叫ぶ?逃げる?立ち向かう?
少なくとも彼は高圧電流にかけられたかの様に全身が固まっていた。
幽霊は怖いがそれ以上に彼を震え上がらせたのは目の前の巨人が『実在』していた事実だ。
噂話なら否定出来る。
しかし自分の目の前に訳のわからないモノが居たら実在を認めるしか無いのである。
『現実に存在する恐怖』としか思えない様な巨人の佇まいは彼から『逃げる』という選択肢を霞ませた。
巨人の両腕が動く。
その両腕はユウマの肉体を彼が悲鳴をあげるより速くがっちりと掴み、小さな荷物を扱うかの様に軽々と持ち上げ、股間に構えた。
「ひっ……やめて……頼む……お願い……」
ぐぱぁと大きく開いた股間の大穴から淫臭が放たれ、それと同時にコウサカ・ユウマという
「わ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛…あ…れ…?」
確実に噛み千切られると思い込んでいた居たユウマは戸惑っていた。
しかし考えを整理する余裕も無く彼を淫臭が襲う。
「くっさ…!(なんだこの臭いはッ!?セカイの汗臭さの方がまだマシだぞ!?)」
思わず顔を背けるユウマ、しかしどこに顔を向けた所でそこは巨人の中、どう足掻いても嗅がざるを得なかったのであった。
「(とにかく頭を抜かなくちゃ…!)」
頭部を抜かねば逃走は不可能、そう悟ったユウマは自由に動く両腕を使って抜こうと試みるも、力が足りないのか、はたまた巨人の股間が強靭な拘束力を発揮しているのか全く抜けず、そうこうしているうちに突然変化は訪れた。
「なにか生えてきた…?」
突然大穴のさらに中から謎の器官がせり出してきたのだ。
びくりびくりと脈打つ器官、それはまさしく陰茎の様にも思えた。
「(なんだこれは…いやでも待て…これを噛めば多少は痛がって隙が出来るかもしれない…でも何も起こらなかったら…一か八かだ…やるしかない!)」
僅かな躊躇の後、ユウマはその器官に思い切り噛み付いた。
ドビュルルルルルゥッ!!
噛み付いた器官の先端から勢い良く液体がほとばしった。
「んっんぶぅぅっ!?んっ!?」
予想外の状況にユウマも動転し、口内に吐き出された液体を思わずごくりと飲み込んでしまった。
「けほけほっ……(なんだ今の液体は!?血か!?…とにかく反応はあった…もはや口から吐き出す隙間は無い…もっと噛んで噛んで噛み千切る…!)」
それが間違いだった。
今飲み込んだのは巨人が分泌する改造液。
捕らえた雌を自らの陰茎に改造してしまう劇薬にも等しい液体である。
そんな事は露知らずひたすら噛み千切ろうと器官を噛むユウマ。
当然大量に分泌された改造液は彼の身体と心を蝕み、変貌させていく。
「(もっと噛んで噛んで噛んで噛んで…噛んで…噛んで…噛んで…♡噛んで…噛んで…♡)」
ユウマの思考は加速度的に汚染されつつあった。
改造液を美味と感じるようになり手段と目的が逆転し、元々隙を与えるはずだった筈が今では自分が隙まみれである。
臀部は膨らみ亀頭の様に、身体は血管が浮き上がり、さらに男だった筈の彼の胸は乳首は勃起しどんどん膨らみ乳房、否睾丸が形成されつつあった。
彼本来のペニスもガチガチに勃起しているが、それとは対称的に彼の四肢は力なくぶら下がっている。
「ふぅーっ♡ふぅーっ♡身体が熱い♡ギンギンしてくる♡♡止められなぃ♡♡♡」
ジュルルル!!ジュルッジュルルッ!
もはや噛み付きでは無くフェラチオの領域に達していたがそれでも未だ改造液は分泌され続けている。
彼の衣服は体型の変化でズタズタに裂かれボロ切れがおまけ程度にまとわりついている程度になり、身体の変化はもはや外から見れば手と足とペニスが生えた陰茎としか形容出来ない状態にまで変貌していた。
その間も巨人は夜の住宅街を空巣狙いが如くうろうろしていた。
が、ただ意味も無く彷徨いていた訳では無い。
巨人は『巨人の雌』を探していたのである。
そもそも何故マラリオンの雄が人を股間に押し込み自らの陰茎とするのか?
当然答えは「交尾」である。
ならば雌を探し求めるのは当然の摂理、コウサカ・ユウマを股間に咥えたマラリオンは雌を探し、歩き続ける。
その頃ユウマはというと、どうやら自分が人では無い何かに変わっている事は分かっている様だったが、それすら構わず快楽に酔いしれていた。
「身体力入れると気持ちいい…っ♡身体全体で勃起してる…♡胸もいつの間にかおっきくなってるし…♡揉み揉みしたら気持ちいいかなぁ…おっ♡ケツからなんか出るっ♡」
ユウマが自分の
ブリリッタパパパッ…
「お゛お゛っ゛♡゛」
思わず声が漏れる。初めて経験する臀からの射精。それは彼が経験した事のある性的快感の何億倍にも匹敵した。
射精の勢いで彼自身の前立腺が刺激され本来のペニスからもぴゅるりと精液が放たれたが、彼自身はそれに気づかず、その量は巨人の精液の量には程遠い。
彼が雄として敗北した瞬間でもあった。
直後、突如巨人が足を止めた。
見つけたのだ、『雌』を。
雌も雄を目視したのか臀部を雄に向けつつ振って誘惑している。
何故雌も居たのかはどうでもいい。
これからコウサカ・ユウマは真の「陰茎」として役目を果たす─
「はぁ…♡はぁ…♡…あひぃっっ♡♡」
雄が雌のヴァギナに自らの
何より用済みとなりつつある足が退化、すなわち縮み始めていたのであった。
「な…♡」
ユウマはもはや恐怖は無く、ただこれから起こる事への期待と快楽で脳内を埋めつくしていた。
そして…
ズブリュウウウッ!!
「お゛♡お゛♡お゛♡ お゛♡お゛♡お゛♡ お゛♡お゛♡お゛♡ お゛♡お゛♡お゛♡お゛ほ゛ぉ゛ぉ゛っ゛♡♡♡♡♡」
挿入。
先端から根元まで一気に雌を貫いた、それ即ちユウマの身体の殆どに快楽が襲い掛かるという事。
彼が体感した事のある快楽の何兆倍もの快感。
その瞬間自らが完全に陰茎になった事を悟った。
コウサカ・ユウマが死んだと同時に雄がピストンを始める。
「お゛♡お゛♡お゛♡お゛ほ゛ぉ゛お゛♡あ゛♡」
完全に人の知能を手放したユウマ。
雌のヴァギナの数の子天井に
胸の睾丸は大きく揺れ、雄の精子を乳首から精液が零れる程に大量生産していた。
そしてつい先程まで巨人の雄を拒絶しようとしていた両腕は絶対に離れまいと言わんばかりに雄の身体をがっちりと掴んでいる。
「
雄のピストンが速まる。
ユウマも獣の如き喘ぎ声を放ち、絶頂へと近づく。
どうやら雌も感じているらしくこちらも嬌声をあげている。
「(あ♡イク♡分かる♡これが来たら完全に終わる♡イク♡イク♡イクイクイクイク♡♡♡♡)」
頭では無く陰茎(身体)で絶頂の訪れを感じ取るユウマ。そしてその瞬間はやってきた。
ドビュルルルビュルルビュルッビュルッビュルルルルルッビュヴッビュッビュルルルルルッ!!!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛゛゛♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
射精。陰茎(ユウマ)の亀頭から何千兆匹ものマラリオン精子が含まれた精液が雌に注がれる。
当然その中に彼自身の純粋な遺伝子は含まれていない。
雌のヴァギナから溢れ出る精液は辺り一面を白く染め、ここに交尾は完遂された事を示した。
雄が身体を引き抜く。
本来マラリオンの雄にとって基本人間陰茎は一回の交尾につき一人、自ら切り離して雌の膣内に残すのだが…
ずるるるる…じゅぽん!
…今回は違った。
後戻りは出来ない。
その証拠として嘗ての足は赤子同然の大きさにまで急激に退化し、顔も穴の内部に癒着し始めていた。
恐らく眼や耳も退化するであろう。
コウサカ・ユウマだった陰茎は最高の充足感を手に入れ、マラリオンと共に闇に消えた……
翌朝、とある道。誰が買ったか分からないレジ袋から零れた塗料瓶が道端に落ちていた。
後日、とある行方不明届が出された。
名はコウサカ・ユウマ、年齢は14。夜に模型店にて塗料を数点購入した後、行方不明。現場と思わしき場所には塗料瓶が入ったレジ袋が落ちていたという。