元いじめられっ子TS美少女ぼく、ぼくをいじめていた一軍イケメン男子が雑魚ちんぽだと知り、(性的に)いじめ返すことを決意する 作:虫野律
上月のいきり立った肉棹を右手で握ろうとし、TS前に自分のでオナニーしていたときのように手のひら全体で握ると亀頭のエラに指が当たってしまうと気づいた。この状態で扱くと痛みを与えてしまうかもしれない。
「ほんとにちっちゃいねぇ♡」
ぼくは小指と薬指を立てて握るようにした。これでいい
うるせぇ、と明後日の方向に上月は顔を背けた。
「ふふ♡」かわいい♡
ぼくは柔く握った右手をゆっくりと上下に動かしはじめた。泡でぬるぬるでとても滑らかにピストンできる。
くっちゅくっちゅ、という嫌らしい水音が浴室に響く。
「はぁっ、くっ、ふぅっ、っ」
上月は息を乱しながらもがんばってこらえていた。
「おー、すごい、ちゃんと我慢できてる」
手を止めずにぼくがそう言ってからかうと、
「俺もっ、少しっ、くっ、くらいは我慢っ、はぁっ、できんだよっ」
と返ってきた。
「へぇ……」
生意気な物言いに嗜虐心が鎌首をもたげて、もっと気持ちよくしてあげな、と唆してくる。
もちろんぼくはその意見に二つ返事でうなずいた。
「じゃあこれはどう?♡」
右手の上下運動はそのままに、空いてる左手で彼の
ぴくっと上月が揺れた。「このくらいならっ、はぁっ、よよよ余裕だっつーのっ、はぁぅっ、くすぐった、くっ、くすぐったいっ、だけだっ」
などと供述している。
「ふぅん?」ちらりと上月のよわよわおちんちんを確認すると、鈴口から溢れ出た夥しい我慢汁がボディーソープの泡を押し流していた。「ぼくには今にもお漏らししちゃいそうに見えるけど?」
「しねぇっ、くぁっ、つーのっ」
なぜそこまで強がるのか、ぼくにはとんとわからぬ。
「あ、そう」
ぼくは左手の睾丸責めをやめて、すると上月はほっとしたように息をついたのだけれど、自由になった左手が彼の体を這い上がり、雄々しく隆起した胸板に差し掛かると、その意図を察したのか、おののくようにごくりと喉を鳴らした。
ぼくは左手の五指の腹で上月の胸、その乳輪の周囲をフェザータッチで愛撫しはじめた──乳首を中心にして指を広げたり狭めたりするのを、乳輪と乳首にはけっして触れないように、焦らすようにおもむろに繰り返す。
「くっ、あぁぁっ」
上月は切なそうに苦悶の声を洩らした。
「おっぱいで喘いで女の子みたいだね♡」
「っ、ぅっ、喘いでっ、ぁく、ねぇって」
らしいので、とうとうぼくは彼の乳首をいじめることにした。おちんちんを扱きつづけながらの同時責めだ。
人差し指と親指で小さな乳首をつまみ──と、上月から息を止めるような気配──苦痛にならないように優しくつねる。くにっとした感触。
「ぁぁっ……」上月は吐息まじりのか細い声を苦しげに洩らした。
右手の中のペニスも歓喜に打ち震えるように痙攣している。一瞬、ぐっと更に一回り大きくなったようにも感じた。
「気持ちい?♡」ぼくは尋ねた。
「気持ちいいっ、うっ」
「よかった♡ いっぱい気持ちよくなってね♡」
少しの間、乳首とペニスをかわいがってあげたのだけれど、意外にも上月は射精せずにいられた。
「がんばるねぇ♡」ぼくは言う。「そんなにご褒美欲しい?♡」
よがりながらも上月は答えた。「お前の全部がっ、はぁっ、欲しいんだよっ」
「えへへ♡」激しく求愛されると腰の奥が甘く熱く疼いてしまう。「ぼくも上月君にぼくのすべてを貰ってほしいと思ってるよ♡」
「だったらっ、もう少しっ、手加減をっ──」
「やぁだ♡」
肉棒を握る力をぎゅっと強めた。
「くぅっ」上月は切なげに鳴いた。
ぼくの動きに合わせて、くっちゅくっちゅと規則的な
「出ちゃいそ?♡」
「いっ、いやっ、ぁくっ、うっ、まだっ、出ねぇっ」
「わぁ♡ たくさん我慢できて偉いねぇ♡」
それからぼくは、乳首から左手を下ろし、その手で充血してぱんぱんに膨張した亀頭を包み込んだ。
「っっ?!」上月の腰がひくっと震えた。
右手ではピストンを続けつつも、時折スピードを緩めては左手のひらのお肉をカウパーでぬるぬるの先端の実に、もにゅっと優しく押し当てる。
「こうするとおちんちん全体が気持ちいいでしょ?♡」
「ぁっ、あ、それやばっ、う゛っ、すっげぇ気持ちいいっ」
「ほらほら♡ イっちゃえ♡ イっちゃえ♡」
そんなことを言ってぼくは猛然と両手を動かす。
でも、本気でそう願っているわけではない。というより──。
「ぁ、もうっ、くぅっ、ぃ、はぁっ、イっ──」
ぼくの手の中で上月のおちんちんがぐっと大きくなり、とぷんっとカウパーが漏れ出る感触があった。びくんっびくんっと震え、限界がすぐそこまで迫っていることは明らかだった。
ので、ぼくはパッと手を放した。
「──へ?」上月は呆気に取られたような抜け作な声を出した。諦めて快感に身を委ねようとしていたところだったのだろう、急に絶頂への
「よくがんばりました♡ 合格だよ♡」ぼくはほほえみを浮かべて言った。
いじめてあげて情けない顔をさせたいというのも嘘ではないけれども、それと同じか、それ以上に、上月にはぼくのおまんこで気持ちよく射精してほしいし、ほかにもいーーーっぱい気持ちよくなってほしいのだ。だから、初めから寸止めするつもりだった。
「……あ、ああ」上月は非常に残念そうに答えた。捨てられた子犬もかくやっといった有様だった。
「もうっ、せっかくご褒美貰えるのにどうしてそんな顔するの?」
「いや、それはそうなんだが……」
などと歯切れの悪い上月に、「とりあえず先に洗っちゃうね」と言い、ボディースポンジで普通に体を洗ってあげる。
「痒い所はないですかー?♡」
なんて言いながら大きな背中をこすっていると、旦那様の背中を流す新妻になったみたいでとても幸せな気分で、上月もうれしそうで、それがやっぱりぼくもうれしくて自然と顔が綻んでいた。
ひととおり洗いおわるとぼくは、ごほんっとわざとらしく咳払いした。
「えー、それでは上月君にご褒美を贈呈したいと思いますので、そこに立ってください。こう、仁王立ちな感じでお願いします」
何が始まるんだ? 又は、今度は何をやらされるんだ? というような顔をしながらも上月は、男根を反り返らせている。何と正直なおちんちんだろうか。
上月は浴槽の横の床に立った。「これでいいか?」
「うん♡」
ぼくは上月の正面で片膝を突いて立て膝のような格好になった。愛おしい彼の一物が顔の前にある。
上目遣いに上月を見ると、彼はぼくの意図を察した様子だった。
「ご褒美として、ぼくのお口に思いっきりびゅっびゅっさせてあげます♡」ぼくはにこりとほほえんだ。「もう我慢しなくていいからね♡ いつでも出して♡」
そして、男根にキスをしようとし──、
「ちょっと待ってくれ」
上月に止められた。
小首をかしげて尋ねると、
「お前、それだと膝痛くねぇか?」
と彼は言った。「椅子に座れよ」とそれを手繰り寄せる。
「うん……」
ぼくはどきどきしながら言われたとおりにそれにお尻を着けた。
上月はちょくちょく細かい気遣いを挟む。
それをやられるとぼくはもう駄目なのだ。うれしくて舞い上がってしまう。
「えへ♡ えへへ♡」だらしない表情になっているのはわかるが、表情筋が緩んで利かない。「えへ♡ こつじゅきくん♡ こうじゅきくんっ♡ えへへ♡ しゅきー♡ だいしゅきー♡」
「おう」上月は気恥ずかしそうに潤んだ瞳をしばたたいた。「俺も好きだよ、愛してる」
上月の甘やかな声に好きだよと言われると頭がふやけてしまう。愛してるとささやかれると心がとろけてしまう。
早く気持ちよくなってもらいたい。今まで経験したことのない極上の快感を味わってほしい。
その思いに駆られてぼくは、愛液の滴る剛直に、ちゅっと
「うっ」上月が声を洩らした。
「痛かったら教えてね」
上月が顎を引くのを待って、その包皮を下ろした。
小さいのにしっかりとグロテスクな男の形をしていて、鈴口から絶えず溢れてくる淫液でぬるりと照っている。
「はぅ♡」
その官能的な様にぼくはうっとりと吐息を洩らした。
ぼくの熱い吐息を受けたペニスがぴくっと揺れた。
右手でそっと肉幹を支え、舌先でふぐりを舐める。ちろちろと焦らすようにし、時折接吻して軽く吸ってあげる。
上目遣いに窺うと、彼は悩ましげに眉をハの字にしていた。
「気持ちいい?♡」
そう尋ねつつ肉棹の根元へ舌先を持っていく。
「あ、ああっ」
快楽に呑まれている彼の声が耳に心地よい。
もっと聞かせて♡ もっともっとぼくに溺れて♡
ふんだんに唾液をまぶした舌を限界まで出して、棹を下から上に舐め上げ、犬のようにぺろっぺろっと繰り返す。
生々しい雄の芳香が濃くなってきて、ぼくもどんどん昂っていく。下腹の奥が熱く疼き、膣壁から蜜液が無限に湧いてぷくぷくと溢れてきている。
男の子だったぼくが、おちんちんにご奉仕して発情するようになるなんて。
少し前までは夢にも思わなかった。
でも、いいの、幸せだから。
ぼくは再び亀頭にキスをする。しかし、今度は一回だけでなく、裏筋からエラ、鈴口へと全体を満遍なく、ちゅっ、ちゅっ、と啄んでいく。
と、上月の荒い息が不規則に、ひくひくっと揺らいだ。
次いでぼくはとうとう、肉棒の先端でつるりと膨らんだ赤黒い果実をぱくっと口に含んだ。そのまま上月の顔を見上げると、淫欲のたぎる双眸がまんじりとぼくを見つめていた。
にこっとほほえみを送り、見つめ合ったまま口内でゆっくりと舌先を回して亀頭を舐める。先走り汁の味だろうか、仄かなしょっぱさが舌に絡みつく。
「ぁぁっ、気持っちいい……」
思わずといった様子で上月は吐息まじりに恍惚とつぶやいた。
続いて、歯を立てないようにしつつ口内の粘膜全体で剛直を抱きすくめるようにしてゆっくりと頭を前に動かし、肉棒全体を咥え込む。そうしたら同じようにゆっくりと頭を後ろに引き、亀頭まで来たらまた前にやってと繰り返してお口で扱いていく。
「はぁっ、はぁっ、ぁくっ、ぅ、やべっ、ぁぁっ」
上月の声から余裕が完全に消えた。達するまであと一歩という時に彼が出す切迫感のある声だった。
思うままに上月を感じさせていることに、ぼくの、寄る辺のない依存心から生み落とされた支配欲がひどく満たされ、それが利己主義で
仮に今、上月がぼくを組み伏せて、いつかのように強引に挿入しようとしてきたら、ぼくはもう拒めない。ベッドまで焦らしていじめようと思ってはいるのだけれど、上月の男根が欲しくてとろとろに濡れて柔らかくほぐれた膣口に熱く硬いのを押しつけられると、絶対に拒めない。それどころか、早く挿れて、とはしたなくおねだりしてしまうだろう。
ちらと上月へ視線を送ると、目を合わせることができた。ぼくは、かわいく見えるように繕って目を細めた。もっと気持ちよくさせてあげるからね♡ と伝えたつもりだった。
ぼくの唇を見るだけで勃起してしまうくらいの強烈な絶頂を脳に刻んでやりたいと、毎日毎日口淫をおねだりせずにはいられなくなればいいと、ぼくで射精しないと眠れない体になってしまえばいいと、ぼくへの獣欲で狂ってしまえばいいと本気で思っていた。
ひくっと上月が喉を鳴らした。
孤独への恐怖と自分勝手な色情に狂ったぼくの、いっそ幼子のように純粋な願望を見通したのかもしれない。
少し恥ずかしくて、とても怖い。
ああ、ぼくは今どんな顔をしているのだろう。
上月が好きだと言ってくれたぼくのままだろうか。かわいいと褒めてくれたぼくでいられているだろうか。
……こんな淫乱な女は嫌だと嫌われてしまわないだろうか。もういらないと言われてしまわないだろうか。君が望むなら淫らなことでも不道徳なことでも何でもするからそれだけは──。
そんなふうに不安になるくせに、
──じゅぼぼっぼぼぼっ。
上月に快感を与えることにえも言われぬ喜びを覚えてしまう。射精感のたぎる剛直に全力で吸い付いて頬肉と舌、唇を密着させ、しかしわざと少し空気を入れて卑猥な音が立つようにして、いわゆるバキュームフェラで、ゆっくりながらも容赦のないピストンを始めた。
「うおっ」上月が驚いたように声を上げた。「それっ、うっ、やべっ、くっ、気持ちっ、ひっ、よすぎっ、ぁあぁっ、うぅ、くぅっ」
たったの三往復で上月は諦めたようだった。
「──ぁあっ、出るっ イっくぅっ!」
ぼくの口内でマグマのように重く熱い液体が爆ぜた。
けれど、まだ気持ちよくなってもらう余地はある。最高の絶頂をプレゼントするためにぼくは、咥えたまま、激しく暴れる射精中の剛直を思いきり吸う。
「ぁひっ」上月が奇妙な、悲鳴じみた声を洩らした。
吸引することで尿道を駆け上がる精液の勢いを強めて、その快感をも強制的に引き上げる。
──びゅるるっ、びゅっびゅるるっ……!
凄まじい勢いで夥しい量の精液が噴き出つづけている。止まらない。あまりの量に口の端から零れそうになるけれど、上月の喜ぶ顔を想像してこらえる。
やがてそれが終わった。信じられない射精量だった。でも、全部口内に収めている。
尿道に残った精液を搾り取るように唇をすぼめて吸い上げながら頭を引き、
──じゅぽんっ。
嫌らしい音を立てて一物を解放した。
「はぁっ、はぁっ」
上月は夢見心地といった様子で肩を上下させている。
ぎゅっと上月の手を握る。虚ろな目をした彼がぼくを見下ろした。無意識だろうか、もう片方の手がぼくの頭を愛おしそうに優しく撫でる。
努力のすべてが報われたように感じ、笑みが浮かぶ。上月に撫でてもらうためなら殺人だって
そしてぼくは、零れないように注意しながら口を開けてどろどろの白濁を一度見せつけ、
──ごっくん。
わざと大げさに喉を鳴らしてそれを飲み込んだ──いや、喉にべったりと張り付いてしまい一度ですべては飲み込めなかったので、二度、三度と唾液で押し流し、ようやく口内が空になった。
大きく唇を開き、驚いたような顔でぼくを見ている上月にしっかりと全部飲んだことを報告する。
すると、彼の顔に照れまじりの喜びがにじみはじめ、すぐに明確な喜びを浮かべた。
「大丈夫か? 無理に飲まなくてもよかったのに」
そう言いつつも上月はとてもうれしそうで、ぼくも顔が綻ぶ。よかった、満足してくれたみたいだ。
「ありがと♡ でも大丈夫だよ♡ 上月君がくれたもの、ちゃんと受け取りたいの♡」ぼくは笑顔で答え、彼の股関を一瞥してから、「お掃除するね♡」と言い、精液と唾液でてらてらと滴り輝くペニスへ舌をやった。汚れを舐め取っていって外側がきれいになったら、仕上げに先ほどと同じように吸引して搾り取る。
最後に、くたびれて小さくなったペニスに、ちゅっと軽くキス……やっぱりもう一回だけ……じゃなくて二回だけキスしてから、ぼくは顔を上げた。
「はい、これでご褒美は終わりです♡ 気持ちよかったですか?♡」
ぼくの想定では狂喜乱舞する勢いで肯定してくれると思っていたのだけれど、実際は、
「……あ、ああ、死ぬほど気持ちよかった、けど」
と上月はすっきりしない口ぶり。複雑そうに眉を曲げてもいる。
ぼくはどきりと不安に駆られた──まさかえっちすぎて引かれた?!
どうしようどうしよう、と動揺し、頭の中がぐらぐらする。
「『けど』何? 何かあるなら言って──」直すから。
ぼくは祈るような思いで尋ねた。
上月はためらうように口を開いた。
「その、何だ、お前、ほかの男ともこういうことしてきたのか?」
「……」まったくもってスマートではないぼくの頭脳は、この質問の意味をがんばって考えた。そして、結論づけた。
もしかして、あんまりにも気持ちよすぎてぼくがお股ガバガバのリアルガチビッチだと疑ってる?!
そんなぁひどいよぅ、というような気持ちだった。
ぼくは、きっ、と目に鋭い角を立てた。
「上月君!」
「は、はいっ」上月はびくっとした。
「ぼく、上月君以外とはえっちなことしたことないっ!! 君以外のおちんちんなんて死んでも触りたくないっ!! 精液飲むのなんてぜっっったい無理っ!! 全部全部君だからできるのっ!! 上月君じゃないとできないのっ!!」
「お、おう」上月はたじろいだ。
「ぼくがすぅぱぁちょうぜつてくを披露したから浮気してるとかヤリマンだとかって思ったんでしょっ?!」
「ま、まぁ」上月は恐る恐るというように首肯した。
「馬鹿ぁ!!」ぼくは喚いた。「練習したのっ!! スマホでたくさん調べて、君のちーーっちゃな雑魚雑魚子供ちんちんと同じぐらいのミニバナナとかソーセージを買ってきていっぱい練習したのっ!!」
「……あー」上月は場都合が悪そうに頭を掻いた。「悪かった」
「ぼくのことそんな子だと思ってたってことでしょっ?! ひどいよっ!! ぼくがどんな気持ちでミニバナナぺろぺろしてたかわかる?! 部屋でこそこそソーセージにちゅーしてたかわかる?! 全部君に喜んでほしかったからっ!! 太るかもしれないのにっ!! 罪悪感に耐えておいしく頂いてきたのも君に気持ちよくなってほしかったからっ!! ほかの誰でもないっ!! 君にだけっ!! それなのにっ!! 疑われてっ!! ぼく馬鹿みたいじゃんっ!! もう最悪っ!!」
声が反響し、その余韻がびりびりと引いていく。
ぜぇはぁっぜぇはぁっ。一気にしゃべったせいで息が苦しい。
「無神経だったよな、ごめん」
上月が弱りきった口調でそう言ってきたけれど、ぼくの怒りと悲しみはそんなに軽くない。答えずに、ぷいとそっぽを向いた。
す、と上月がしゃがんだ。「ごめんな」
優しい声色だった。横目で一瞬だけ顔を見ると、上月は眉を曇らせていた。
「……」ぼくは横を向いたまま黙している。
「俺も不安なんだよ」
「……」耳は上月のほうを向いていると今、気づいた。
「柚がかわいいからほかのやつに取られちまうんじゃないかっていつも考えてしまうんだ」
「……ないから」ぼくは小声でぼそっと言った。「上月君だけだって言ってるでしょ」
わかってる、と上月は小さく応じ、「けど、柚のことを好きになればなるほど不安も大きくなって、信じたいのについ疑ってしまうんだよ」
それを言われるとぼくも責めづらい。その気持ちはよくわかるから。
上月は言う。「愛してるんだ、柚」
ぼくは上月のほうに顔を戻した。けれど、
「何かずるい……」
文句は言う。じとっと見据える。「そういうふうに言えば、簡単に機嫌を取れると思ってるでしょ」
「そういうつもりじゃないんだがなぁ」上月は苦笑色の困り顔で言った。
「……」ぼくは上月に向かって両腕を広げた。「はい」
「え、何それ」
「ぎゅーして」
上月はすぐにぼくの背に腕を回した。
彼の体温がぼくの中に染み込んで、容易く心をほぐしてしまう。どうして上月に抱きしめられるとこうなんだろう。胸裡の黒いしこりが溶けていく。
「俺のためにありがとな」それから上月は、「気持ちよすぎて気失うかと思ったよ」と声を軽くした。
「ん」と答え、「もっとくっつきたい」と求めた。
「じゃあ一緒に湯船に浸かろうぜ」
大人三人がのびのびと入れそうな広い湯船の端でぼくらは、一つの生き物のように小さく身を寄せ合う──股を開いて座る上月の脚の間にぼくが収まり、後ろから抱かれる。逆らわずにぼくの体すべてを彼に預けると、裸体が重なり、柔らかな熱がまざり合う。
体の大きな上月にすっぽりと包まれると、すごく安心する。ここが世界一安全な場所だとさえ思える。
少し体を傾けて後ろを仰ぎ見れば、目と鼻の先に上月の美貌があり、どきっとする。気恥ずかしい。
けれど、その美しい瞳から目を離せない。
「さっきの──」ぼくは小さな声で言う。「さっきのもう一回言って」
「愛してる」あえてわかりにくい言い回しにしたのだけれど、上月はすぐに正解を口にした。
「もう一回」
「愛してる」
「駄目。もっと心を込めて」
「……愛してる」
「今、めんどくせぇなって思ったでしょ」
上月はおかしそうに微笑した。「思ってねぇよ」
「それなら今の間は何よ」
「柚は言ってくれねぇのかなって思ってたんだよ」
先ほどとは違う意味でどきりとした。
その時々の感情に任せて口にすることはあるけれど、でも結局それも嘘のようなものだ。上月を愛しているのかわからないのだから。
けれど、ぼくはほほえんだ。「愛してる♡」
「おう」
うれしそうな瞳が、少しつらい。
「ねぇ、上月君も」
その痛みに麻酔を掛けたくて、ねだった。
上月はすぐに言ってくれた。
「柚、愛してる」
ぼくは瞳を閉じてその甘い響きに酔いしれる。
ぼくも愛してる──罪の意識なくそう言えたらいいのにな。
「ぼくも愛してる♡」
ちくりとした。やっぱり少し痛い。