服を着ながら、ふと疑問を口にする。
「ところで一つ聞きたいのだが」
「なーに? 竜さん」
「君の探している人というのは、何故ここにいると踏んでいるんだ?」
別にこの女の素性に興味がある、というわけではない。
だが、なんだろうか。この漫画喫茶と同じように、この女もどこか得体のしれないところがある。まだ会ったばかりなのに、こんな俺へべったりと中出しセックスまでした。一目惚れというやつなのかもしれんが、にしたって普通ではない。アプリでの連絡回数もやたらと多い。
こいつから好かれる特別ななにかをしたわけでもない。この女とのセックスは中々に良かったが、気味が悪い、という印象は拭えなかった。だから探りを入れたのである。この女のことを知りたいのだ。それにこの手のタイプは危険だということを、経験から学んでいる。
「竜さん、私のこと知りたいんだぁ♡」
「まあそんなところだ」
「きゃ、嬉しい!」
高城が胸元へ飛び込み、ぎゅっと抱きついてきた。上目遣いで見上げながら、口にする。
「私ね、姉が一人いたんだけど」
「ん? ああ」
「殺されちゃったの」
「なに?」
ぶっ飛んだ内容に、俺は思わず声を上げる。
「お姉ちゃん、ここの常連だったから。お姉ちゃんが好きになる人って、こういうところに通っているんじゃないかなあって思って。それでここへ来たの」
「随分と手薄な手がかりでここを頼ったんだな」
「だって、それくらいしか出来ることがなかったんだもーん」
高城が頬を膨らます。
「仮に。見つけて、どうするんだ」
「ん?」
「犯人を見つけたら。君はどうしたい」
高城はびっくりするほど純粋な笑みを浮かべて、言った。
「もちろん、復讐するよ♡ 私の大好きなお姉ちゃんだったからね」
やはり、この手の女は警戒するに限る。
★
自分の個室へと戻ると、隣室から盛っている声が聞こえた。若いカップルの声だった。
「あん、ん♡ すごい、気持ち良い♡ 大好き♡」
「俺も、好き、だ」
「はあ、はあ♡ あたし、もう、ダメ、かも♡」
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、俺も、もうイキそう」
「ん♡ ああ♡ いいよ、出して、いっぱい出してね……♡ 一緒に、一緒だから♡」
「あああああ」
「ん、やああああああ♡♡♡」
絶頂した声まで、しっかりと聞こえてしまう。ここの漫画喫茶の壁は少し薄いのだろう。俺と高城とのセックスもこうして聞かれていたのかと思うと、癖になるような興奮と快感に酔いしれる。
しかし万が一にも、なにも知らないカップルがここでヤっていたら気の毒だ。今回聞こえてきたのはその類のような気がする。
興奮するような、少し気まずいような、微妙な気分になりながら廊下へ出ると、吹き抜けバースから出てきた女性と目が合った。
「……げ」
その女は顔をしかめ、引きつった表情で俺を睨んだ。
どんな因果か。会社の同僚であった。
★
三島 凛。会社の同僚で、入社時から美人と評されるくらいには、整った容姿の女であった。スーツの下にある良好なスタイルのラインに、妄想を広げた男が社内に何人かいる。実際言い寄られたこともあったとか、そんな噂も立っていた。だが、彼女にはどこか浮いた話がない。そんな、まあどこにでもいる綺麗どころな女である。
ただ、今の印象は少し異なる。なんというか、地味なスーツ姿じゃないからというのもあるが、ちょっと派手なのだ。胸の谷間が見えるシャツに、首元から下げているハートのネックレス。クリーム色のスカートから見える足は艶めかしく、美しかった。
俺達はドリンクバーの前へ移動する。場所が場所だ。こんなことお互いに社内で暴露は出来ないが、そうはいってもなにか弁明せずにはいられなかった。
「あ、アンタなんてこんなところに?」
「ヤリ目的だ」
「……まあ、そうよね」
初心でも処女でもないだろうに、何故か顔を赤くしてぷいっとそっぽを向く。
「この間の出張の帰りに寄ったんだ。通ったのはここ最近だ」
「ふ、ふーん」
「で、君は?」
「え? べ、別に。なんとなーくいるだけ」
「俺は説明したのだが、不平等じゃないか?」
「うっさい。つーか、アンタ、会社の人間に言うんじゃないわよ」
「いうわけないだろう。そもそも、どうやって説明するんだ?」
「……まあ、それもそうね」
三島はため息をついた。ネックレスが少し揺れ、視線が谷間へと吸い込まれる。
「お前、欲求不満なのか」
「ぶっ!? ちょ、いきなりなに言い出すのよ!」
「いや、知らんが。わざわざここへ来て、そんな挑発的な恰好をするんだ。男あさりにしか見えんぞ」
「違うし! いやまあ、違わないこともないけど……とにかく違うし!」
顔を赤くし、三島はモジモジとした。コミュニケーションにやや不自由がある三島は、自分が思っていることを口にするのが苦手だ。こいつ、本当はヤリたいのが明白である。しかも吹き抜けバースを一人で使っているのだ。あそこで他人のセックスの声を聞いたこともあるはず。
「よし、わかった。俺が相手しよう」
「え?」
「ついてこい」
手を引いて、先ほど三島が出てきた吹き抜けバースの個室へと入る。椅子の上に三島を押し倒すと、我に返って大声を出し始めた。
「って、なにするのよ! 嫌よ、嫌! ましてや、アンタとなんて、会社でどんな顔すれば
――」
「そんな細かいことは気にするな」
三島のシャツに手をかけ、開く。下から白いブラジャーが出て来る。Dカップぐらいはあるだろう巨乳は深い谷間が出来ていて、きれいだった。
「や、やめなさい! こんなことして、良いわけないじゃない……!」
そうは言うが、本気で抵抗するなら一緒に個室へ入らないだろう。勢いがあったとはいえ、手を引かれた時点で離せばいい。
ブラジャーをたくし上げると、ポロン、と形の良い大きな膨らみが露になる。ツンと尖った乳首。白いおっぱい。俺は下からすくいあげて、優しく揉んだ。
「っ、あ♡ いや、やめて……♡」
こちらの手を掴んでくる。だが、その力は弱々しい。乱暴に襲われたい願望でもあるのか。俺はスカートも強引に脱がせ、パンツの上から指を撫でた。
「あ、あ♡ こんなの、ダメ……♡ いやよ……♡」
チャックを降ろしたズボンから勃起したペニスをあてがう。入口はしっとりと濡れていて、熱かった。三島が赤くなりながら、顔を横にブンブン!と振った。それでも俺はペニスをマンコの中にいれる。ズブズブ、と熱い中に入る。ドロドロで、俺のペニスを溶かそうとしているかのような、そんな快楽だった。
「ん、あああ♡ ダメ、なによ、アンタ、生意気……♡」
「っ、中、熱いな。興奮しているのか」
「違う! わ、私は」
「まあ、どうでもいいか」
「んっ、あああ♡ 動かないで、ダメ、ダメ♡」
ギシギシ、と椅子を揺らしながらセックスする。中を突き上げる。その度に三島のマンコが泣いて、いやらしい愛液で俺のペニスを濡らす。奥に当たる度に膣がビクビクして、ペニスを艶めかしく絞った。柔らかいのに強く締めつけて来る感触。三島は両足を俺の腰に絡みつけた。口ではダメとか言っているくせに、本当はノリ気なのが見え見えだ。俺はわざとパンパン! と音を立てて腰を振った。吹き抜けのバースだから、外に音は丸聞こえだ。三島が仰け反りながら喘ぐ。
ぷるぷる震えるおっぱいを両手で揉む。手の形を受け入れる柔らかさ。乳首は硬くなっていて、そこを指で挟んだ。
「あ♡ あ♡ ああん♡ 乳首、ダメ……いや……♡」
「随分と硬くしているな」
「だ、だって……♡ すごい、奥、突き上げられているから……♡♡♡」
三島が羞恥で顔を手で覆った。
「本当に、ダメ……♡ こんなとこ、見られている……♡♡♡」
誰か上から覗き込んでいるのだろうか。あるいは、扉の窓を隠していないから、そこから見ている奴でもいるのかもしれない。どちらでもいい。俺は特に気にせず、三島を突き上げた。途中、舌と舌を絡め合うキスをする。三島は抵抗もせず受け入れた。クチュクチュ、と互いの粘液を交換し合う。
「嫌なんじゃないのか?」
「し、仕方なく、している、だけ、だから♡」
「そうか。なら、勝手にしてやる」
「っ、あああ♡ ん、ああ♡ あああああああ♡」
乱暴ともいえるくらいに、強くピストンする。三島が歓喜に震えるように、叫ぶような喘ぎを上げた。雑に扱われるくらいが、彼女にはちょうどいいのだろう。三島の手をクロスさせて、おっぱいを強調させる。形の良いおっぱいはピストンと連動して上下に激しく揺れた。ツンとした乳首が色っぽい。
「三島、出そうだ」
「あ、あ♡ もう、知らない、勝手に、して…♡♡♡ ひっ、ああああ、あ、あ♡ は、激しい♡」
パンパンパン! と最後に激しく突き上げたあと、俺はペニスを引き抜いて三島の胸にかけた。射精の勢いは長く、凄まじかった。綺麗な巨乳を白い精液で汚す。
「はあ、はあ……♡♡♡ もう、どうするのよ、これから……」
三島はそう言いながら、精液を手ですくう。少しためらったあと、それを口に含んだ。