自動で非表示設定になっちゃったみたいなので依頼文へのリンクはありません。
内容としましては、オークになってしまった女性が相棒のオークと徐々に仲良くなっていくお話です。
ご依頼、ありがとうございました!
「そ、そっかぁ……ま、まぁ、そりゃ、災難だったなぁ……」
「フゴッ、う、うん、なんというか、第一発見がアンタでよかったっていうか、フゴッ……」
オークが二人、何かあったのか……えらく散らかった部屋で会話しています。
「んーっと、エリィ、一ついいか?」
「フゴ、なぁに?」
「あんまり行儀良くないからさ、その、鼻フゴフゴさせない方がいいぞ」
オスのオークに指摘されたメスのオークは顔を赤らめ、鼻を押さえ。
「だ、だってぇ、フゴ、ッゴッ、仕方ないじゃないの、フゴォ、さっきなっちゃったばかりで、ゴ、ど、どうしたらいいか、ンゴ、フゴォ!」
「あ、そっか、そうだよな、俺も小さい頃良くなっちゃってお袋に注意されたもんだけど……よしよしいいか? 俺の鼻、よく見てろよ」
「う、うん」
メスオークが顔を近づけ……たのはいいのですが、そのまま鼻を重ねてしまい。
「んっ、な、何すんだよ!?」
「ご、ごめん、そうね、わ、私、オークになっちゃったから、う、うん、ダンと同じ顔だから、あー……」
「いやぁ、いきなり他の種族になるって大変なんだなぁ」
ダンと呼ばれたオスオークが考え深げに呟いて。
事の発端は、人間の魔導士・エリィの魔導実験。
失敗するはずのない実験の途中、予期せぬことが突然起こり大爆発!
ギルドでコンビを組んでいるオークのダンが駆け込んだところ、そこにいたのは一頭のメスオークで……
そう、なんと彼女は種族がオークに変わってしまっていたのです!
もちろん大パニックになってしまい、ダンはなんとか落ち着かせ。
そうしてようやく会話を始めているのが今、というわけで。
「うーん、服、破けちゃってるなぁ」
「それはそうとエリィ、元にどうやって戻るんだ?」
「え?」
「いや、戻らないと大変だろ?」
「あ、あ、そっか、実験の失敗でなっちゃったんだから、どうしなきゃいけないか私が考えなきゃいけないわよね」
「うん……? おいおい、種族変更の魔法とかないのかよ?」
「そんな便利な魔法が存在するなら、オークになってこんなに慌てないわよぉ……あー、フゴッ、フゴッ、どうしよ、これ、フゴォ」
「エリィ、また鼻鳴ってるぞ」
「あっ、ゴッ、ふぇーい……」
鼻に意識を集中させ、ならないように努めつつも表情はしょんぼりしたまま。
「ええっと、魔法は使えるのか?」
「んー、どうだろ、フゴ、ンゴォ……えいっ」
適当な棒を手に取り、集中するとたちまち小さな火が起きて。
「お、すげぇ」
「うん、ここは大きく変わってないみたい。魔力の調整も問題ないみたいだし」
「まあでも、あれだなぁ。魔法使おうと集中すると、鼻鳴っちゃってたけど」
「もぉ、ダンったら、フゴ、ひどいってぇ!」
「わ、悪い悪い、あ、イタタタ、タイムタイム、オークになってるんだから、力、強いんだって!?」
「あ、あ、ごめん」
長くコンビを組んでいるのもあり、種族が変わってしまうと言うとんでもない事態でもなんとか平静を取り戻す二人。
ですが、今回はここからも大変で。
「えーっと、私、オークになっちゃったわけだけど……一緒に仕事してくれる?」
「俺は全然問題ないんだけどよ。ただ、服あんのか?」
「あ、そっか、わ、わぁ」
エリィが改めて自分の体を見ると……華奢だった名残はどこにもなく、ぽっこりしたお腹なんてもう別物。
お気に入りの他所行きも、寝る時のパジャマでさえも、このお腹を収めるのはできないでしょう。
服があるのか、と指摘された事で今全裸という事実も自覚してしまい。
エリィは一段と鼻を激しく鳴らしつつ、その先っぽまで真っ赤にしてしまいます。
「んー、流石に素っ裸は良くないよなぁ……よしよし、ちょっと待ってろよ」
「あっ、フゴッ、う、うん」
ダンが慌ただしく出ていったものの、何をしてくれるのかさっぱり掴めません。
その間にバスタオルで体を包んだりしてみるものの、どう見ても滑稽にしかならなくて。
「ふー、お待たせ! ほら、これだけありゃ足りるだろ」
どさどさと、古着の山が目の前に現れます。
「えっ、これ、ダンの?」
「そうそう、そろそろ破れそうだから捨てっかなって思っていたんだけどな。んまぁ、分かる分かる。単なる仕事仲間の男の服を着るのに抵抗があるのは。でもあれだろ、今のままじゃ服を買いに行く服もないだろうし……それに、すぐ戻れるかもしれないだろ? これでいいかなって」
少し言い訳がましく、早口で一気に捲し立て。
「ううん、全然問題ないわ。も、もうだめかって思ってたの、フゴッ、何してもこの体、大きいから……」
「そうか? なら良かったぜ。まあ、また明日来るからな」
「ごめんね、色々ありがとう!」
そそくさとダンは帰り、エリィは古着の山を漁り出し。
「……そういえばダンしかオークにあった事ないけど、女物とかちゃんとあるのかしら、オークにも。ある……んだろうなぁ」
何気なく服を鼻に近づけると、思ったより強烈に臭うオスオーク臭。
「わ、そっかそっか、鼻、オークだから……人間より良くなってるんだわ」
それもあると思いますが、同族の異性の臭いですからそういう意味でも敏感になっているようで。
「そ、そっかぁ、こ、これ、着てたら、ず、ずっと、ダンの臭い、ついてきちゃうんだ……」
彼氏のシャツを着るシチュエーションのような状態に、ちょっとドキドキ。
今まで意識したことは無かったのに、急に男性として意識してしまい。
「わ、わ、どうしよ、ダンと一緒に仕事、ちゃ、ちゃんとできるかしら!?」
とりあえず服を一着、選んで袖を通してみて……
サイズも大きくズレていない感じだったので、とりあえずそのまま事故の処理。
戻れるのはいつになるのやら、エリィ本人にも分からないオーク生活が幕を開けるのでした。
「あー、俺の服着てるの、落ちつかねぇなぁ」
「フゴッ、第一声がそれ!?」
翌日、ギルドにて。
「すまんすまん、まさか一番地味なやつ着てくるとは思ってなかったのもあってさ」
「あー、はいはい、なんかスポーツのチームのやつめっちゃ多かったわね」
「そうそう、めっちゃ応援していたんだけど、解散しちゃったんだよ。生地、ああいう方が丈夫だと思ったんだけど……なんでそんな地味なのにしたんだ?」
「えっ、ええっと、な、なんとなく、フゴッ」
「ほらほら、鼻鳴ってるぞ」
チョン、と指で突っつかれて顔が赤くなり。
仕事を受けに受付に行くダンの姿を見ながら思わず、本音を呟いてしまうエリィ。
「こ、これが一番、ダンの臭いついてたからぁ……」
幸いにもそれは聞かれる事なく、お仕事開始!
「ねぇねぇ、オークの服って女物あるの?」
「そりゃあるけどよ、俺女装趣味はないから持ってないぞ」
「フゴ、そ、そういう意味じゃなくってぇ……どこで服買ってるの? 私も行ってみたくて」
「あーれぇ、買うのか? 元に戻ったら着られなくなるぞ?」
「でもダンだって、私が自分のお古着てたらなんか落ち着いてないじゃん」
「う、あー、ま、まぁ、そ、そりゃ、な?」
「でしょ? だから……キャッ!?」
いつもなら絶対に躓かないような所で、足の蹄が引っかかり。
大きな体のバランスが崩れ、いつもの人間の感覚ではどうしようもなく……
「っとと、大丈夫か!?」
あわや転倒、と思われたのですがダンが見事に受け止めてくれて。
大きな体にすぽっと、自分の体が支えられています。
その衝撃でブワッと広がるオスオークの臭い。
「フゴッ、フゴッ……」
服を着て一晩寝たからでしょうか、無性にその臭いには安心感があって。
「お、おい、な、何してるんだよ!?」
「あ、あ、ご、ごめん!?!?」
無意識に鼻を鳴らして臭いを堪能してしまい、指摘されて恥ずかしくなってしまいます。
慌てて体を起こし、気をつけのポーズになり。
「ん、ま、まぁ、あ、あれだな、今度、一緒に服屋、行くか?」
「う、うん、つ、連れていってくれると、嬉しい、かな、フゴッ」
データの約束を流れ出してしまう二人。
まあ、必要である服を買いに行くだけ……ではあるので、ただのお出かけではあるのですが。
「わー、色々あるのね」
「そっち、男物だぞ」
「フゴッ、えっ!?」
服屋にて。
様々なデザインの服に目を輝かせるも、早速間違った方向に行ってしまったエリィ。
「こっち、こっち」
「あ、あー、なるほど、ね?」
ダンに促され、女物の方へ。
「これとかどうだ?」
「うーん……うぅん?」
見てみるのですが……どうも、オークと人間では女物のセンスはまるで違うようで。
その色使いは派手すぎるだろう、といった物もあれば地味すぎるのでは? といった物もあり。
なかなか、元人間であるエリィのお眼鏡に適うものは見つかりません。
「ごめんね、待たせちゃって」
「いいっていいって、俺今日は暇だしよ」
こういうやりとりをすると、まるで本当にデートのよう。
「ね、ねぇ、ダンはどんなのがいいの?」
「俺は女装しねぇって」
「ち、違うってばぁ、こう、その、横にいるオークが着てたらいい服!」
「裸じゃなかったらなんでもいいけどなぁ」
「じゃ、じゃあ、ずうっとダンのお古、着ちゃうわよ!」
「ん、むぅ、し、仕方ねぇなぁ」
エリィのわがままに折れ、ダンが大きな体を動かし。
「何色が好きとかあるのか?」
「うーん、赤?」
「赤かぁ〜……オークってあんまりあの色使わねぇんだよな、血の色みたいじゃん」
「はいはい、狩猟メインだものね」
「そうそう、分かる?」
「ダン見てたら分かるわよ」
「そ、そっかぁ……」
同じ服を見ようとするのもあり、自然と体が近づいていく二人。
それはどこからどう見ても、もうカップルで。
しばらく時間が経ち……
「ねぇねぇ、変じゃない?」
「よく似合ってると思うぜ?」
二人で選んだ服を着たエリィは、どこか落ち着かない様子。
「そ、そうかなぁ……」
やはり根本的なセンスの違いのせいか、人間の感覚だとちょっと変なのかもしれません。
「あ、そーだ。この通りに美味い飯屋あるんだけど、一緒に行くか?」
「え、ご飯? どうしたの、今まで一回も誘ってきた事なかったのに」
「あそこ、量多いんだよ。エリィ、今はオークだろ? いけるかなって」
「あー……考えたら、いつもの量じゃ確かに全然お腹いっぱいにならないのよね。そういえば、私……オークかぁ」
「行く?」
「行く行く」
こうして二人のお出かけはつつがなく進み……仲良く美味しいものを食べ、解散となったのでした。
「う、うーん、本当にこれ……ま、まぁ、ダンが似合ってるって言ってたし、ま、いっか!」
「いいのかぁ? 今日休みなんだから、戻る研究したらいいのに」
「いいの、いいの! そんな事より、今日はどこ行く?」
エリィが腕に抱きつきながら、ダンに話しかけます。
あれから、二人はよく一緒に出かけるようになり。
今日も今日とて、仲良くお出かけ。
当然時間は有限、エリィの体も一つしかないので……こういう事をしていると、研究なんてしている暇もないはずなのですが。
「そうだなぁ、どこか行くのもいいけど……ゆっくりするのもいいよな」
抱きついてきたエリィの腕に、自然と指を絡ませるダン。
エリィも拒む事なく、そっと握り返し。
「ゆっくり?」
「そうそう、エリィの家でゴロゴロするとかな」
「えぇ〜、研究ばかりだから息が詰まってお出かけしたいのにぃ〜」
甘えた声を出すエリィ、もう鼻がフゴフゴ鳴ってしまうこともなく。
「でもあれなんだよな、エリィって料理うまいんだろ? 食ってみたくってさ」
「えー、誰から聞いたのそれ?」
「ほら、あの受付の」
「んもう、おしゃべりなんだからぁ!」
イチャイチャしながら歩く二人。
これでもまだ、付き合っているつもりはないのですから驚きです。
「で、どうなんだよ」
「じゃあ、市場行きましょうよ。食材無いし」
「へへ、じゃあお邪魔していいんだな?」
「相棒なんだから断る理由もないでしょ」
お出かけがてら大きな市場に行き、あれこれ品定めをし、色々と買い込み。
「け、結構買ったわね」
「なーに、余ったら俺が持って帰るって」
「半分こしましょ、そうなったら!」
「そうだなぁ、まあ余ったら、だけどな!」
買い物袋を持った二人が仲良くエリィの家に着き。
「よーし、じゃあ料理しましょっと!」
「なんか手伝うことあるか?」
「ううん、無いわよー。もういい加減この体も慣れたし、刃物も問題なく使えるから」
「そっか、ならいいや」
「力も強いし、背もちょっと伸びたし、便利便利!」
「おいおい、なんか気に入ってるみたいな言い方だな?」
「だって、オークの目の前で『オークの体ってサイテー!』って言えないでしょ」
「おいおい、気に入ってないのかよ?」
「うふふ、さーてどっちでしょ!」
「意地悪だなぁ、今日」
若干テンションの高い二人。
手際よくエリィが料理を作っていき、ダンがテーブルに配膳し。
「んー、これだったらまずこれかな」
辛口のミードを取り出し、グラスに注ぎ。
「あれ、お酒飲んじゃう?」
「あ、エリィは飲まないんだっけか?」
「ダンが飲むんだったら全然飲んじゃうわよ」
「よーしよし」
二人とも席につき、準備完了!
「「かんぱーい」」
そんなにおしゃれでも無いグラスが音を立て、そのまま一気に中身をあおり。
「あー、お酒、オークになってから初めて飲んだけど、結構効くわねぇ」
「へへ、分かってんじゃん。知ってるかぁ? オークって、いろんな種族の中で酒の消費量、上位に入るんだぜ?」
「そうなの? 一位は?」
「ギガンテス」
「あっははは、あれだけ体が大きかったらそうなるわよね……あ、お酒、おかわりもらえる?」
「ほいほい」
エリィの料理を食べて舌鼓を打ち、ダンの選んだお酒を飲んで喉を潤し。
二人だけの晩餐は、和やかな雰囲気で進んでいきます。
「ねぇねぇ〜、横、いい?」
「おう、いいけど」
酔って鼻をひくつかせているエリィが、気持ちよさそうな顔でダンの横に座ります。
「えへへぇ〜、ダン、優しいよねぇ〜」
「お、おいおい、だいぶ酔ってんな」
「ダンだってぇ、顔、真っ赤じゃない?」
「あー、そうだな、よく考えたら二人でこんだけ飲んだんだもんな……あー、どうするかな、俺もそろそろちゃんと歩けない気がする」
「泊まっちゃえばぁ?」
「あぁ!?」
「いいじゃんいいじゃん、泊まってもさ〜ぁ〜」
すっかり甘えん坊になっているエリィ。
肩に顎を乗せながら、酔った勢いでおねだりタイム。
「待て待て、エリィ。あのな、その、酔っていて、しかも同種族の男女がだな、えー、えっとぉ、なんだっけ、その」
実際になかなか酔っているせいか、ダンも考えがまとまらず。
「ダン、私、嫌い?」
「い、いや、別に?」
「じゃあいいじゃん、ほらほら、もうすぐ日も変わっちゃうしぃ、ちゃんとお布団、お客さんの、あるしぃ、えへへぇ、泊まっちゃえ泊まっちゃえぇ〜」
「し、仕方ねぇなぁ、しょうがないから、今日は泊まっていく、ぞ?」
「いぇ〜い、ダンがお泊まりするのね、あはは!」
フゴ、フゴと酒臭い鼻息をダンにお見舞いしつつエリィは大興奮。
「そ、そんなに、はしゃぐなって、な?」
「ね、ね、お酒、もう無いのぉ?」
「まだあるけど、飲み過ぎだぞ?」
「ダン、私が酔っちゃったらなんとかしてねぇ〜?」
「もう酔っちゃってるじゃねぇか、あ、おいおい、勝手に開けるなって、ああ、もう!?」
こうして二人の夜は更けていき。
「えへ、えへへぇ、ねぇねぇ、ダン〜」
「んっ、なんだ、なんだよぉ?」
すっかり酔いどれになった二人はなんとかかんとか寝室へ。
「私ねぇ、オークになっちゃった時ぃ、ダンに助けてもらってぇ、すっごく、嬉しかったんだぁ〜」
「そうかぁ、まぁ、あれ、大変そうだったからなぁ」
「うん、うん、ダン、だぁ〜い好き、だよぉ♡」
口でキスをしようとしたのでしょうが、オークなのを忘れているせいで……勢いよく、鼻がダンの鼻にぶつかってしまい。
「わ、わわ!?」
「フゴ、あは、あはは、フゴッ、また、やっちゃったぁ、えへへぇ♡」
「も、もう、お前なぁ、フゴッ、それ、やめろって、フゴ、フゴォ……」
不思議な事に、いつもは全く鼻を鳴らさないダンもフゴフゴし始めてしまいます。
「あ〜、酔っちゃったからぁ、えへぇ、お布団、面倒だからぁ、一緒にベッド、狭い、かなぁ、フゴッ」
「んっ、フゴ、そ、それは、まずいんじゃないか、フゴ、わ、わ!?」
「うふふぅ、私ぃ、いいもぉ〜ん♡」
エリィが半ば無理やりダンを引き込み、ベッドにオークが二人並び。
重さがギリギリなのか、ちょっとミシミシ言うもののエリィは気にしていない様子。
「えへぇ、えへへぇ……フゴッ、ダン、ダン〜♡」
「フゴッ……な、なんだよ」
「チュー、して♡」
「い、いいのか?」
「んもぉ〜。私のことぉ、好きなんでしょぉ〜? してしてぇ♡」
「あ、ああ、お、おう、フゴッ」
嫌いではない、とは言いましたが……まぁ、突っ込むだけ野暮というもの。
「じゃ、してよ」
「お、俺、オークだぞ?」
「えぇ〜? 私、人間に見えるのぉ〜?」
「え、ええっとぉ」
「フゴッ、フゴォ、人間がぁ、ゴッ、お鼻、フゴ、こんなに、フゴ、鳴るぅ?」
「も、もう、しょうがねぇなぁ、フゴッ……」
エリィに煽られるかのように、ダンがキスをしてあげます。
「んっ、んんっ……」
「んっ……」
しばらく鼻の音だけが部屋に響き。
「ね、ねぇ、し、してくれる?」
「お、おう、手加減、できねぇかもしれないぞ……」
暗闇の中、服を脱ぐ音が響き。
そのまま毛皮に覆われた裸体のオーク二人は、ベッドの上で愛を確かめ合い……
翌朝。
「わ、わわ、私、フゴ、わぁ……」
「お、おいおい、誘ったの、エリィ、なんだぞ、フゴッ」
全裸で仲良く寝ていた二人。
目を覚まし、夜のことを思い出し、当然恥ずかしくなってしまい。
「え、えっと、フゴッ、わ、私で、よかったの?」
「お、俺、なんだかんだで、フゴッ、フゴォ、エリィ、好きだからさぁ」
目を逸らし、顔を真っ赤にし。
「に、人間なのに?」
「あ、鼻鳴らして人間じゃないアピールしたの、だーれだ」
「あ、は、はい、ご、ごめんなさぁい……」
顔を真っ赤にして、布団をかぶってしまい。
ちょっとだけ気まずい沈黙。
ダンはエリィが気になるのか、鼻を時々鳴らしつつベッドに腰掛けていて……
「あ、そうだ」
「な、なんだよ」
「そういえばダン、昨日からめちゃくちゃ鼻鳴らしてるね」
「フゴッ、あ、ああ、うん」
「行儀良くないって言ってたのに、なんで?」
「……あー、知らない、かぁ、まあ、知ってたら、聞かねぇ、よなぁ、そりゃ、フゴ」
「?」
頬をぽりぽりとかき、少し上を向き。
「お、オークの大人が異性の前で鼻を鳴らすのはな、き、基本的に、お誘いの合図なんだよ、う、うん……」
「お、お誘いって、えっ、えぇ〜っと……!?」
「子供の頃、親父とお袋がフゴフゴし合ってるもんだから、俺もお袋にフゴフゴしたら注意されたってわけだ。まぁ、オークの子供は多分みんな通る道だけどよ」
「待って待って、じゃあ、えーっと、フゴフゴに、フゴフゴし返すのは?」
「『あなたを愛してます』に『私も愛してます』って返すようなもんだけど」
「フゴッ」
「フゴォ」
「……」
「……」
ちょっと間を置いて、火を吹いたように全身が真っ赤になる二人。
「え、え、え、え、え」
「い、嫌かよ、俺と、その、フゴッ、フゴォ……」
「ふ、フゴッ、そ、そんなこと、無いけど、し、知らずにフゴフゴしてたの、私、めちゃくちゃ、恥ずかしいんだけど!?」
「い、言えるかぁ!? 『お前、エッチしようって言ってるようなもんだぞ』って」
「こ、この前、町中でしちゃったじゃない!?」
「う、うん、まあ、無知ゆえの、うん……」
「ヤダァ〜、は、恥ずかしい、フゴ、フゴォ」
「フゴ、ま、まぁ、今はさ、俺と二人きりだし、これから気をつけたら、いいんじゃ……無いかな……ハハハ……」
「あ、そ、そうだ」
「なんだよ」
「私に鳴き返したってことは、私の事、好きなのよね」
「え、えっと、ふ、フゴッ」
「だーめ、口で言って」
「お、おう、大好きだ」
「私も、大好きよ」
「あ、ありがとう……」
「ねぇ、昨日の、酔っちゃっててちゃんと覚えてないから……もう一度、今、ね?」
裸体を曝け出し、エリィがお誘いをかけます。
「どうするかなぁ、オーク式で誘ってくれたら分かるんだけどなぁ」
そんなことを言いつつ、もう股間はビンビンです。
「フゴォ、フゴフゴぉ!」
「フゴ、フゴッ!」
鼻を鳴らし返し、たちまち飛びつくダン。
彼女の大きな乳房に、逞しい手が伸びます。
「あっ、あっ、んっ♡」
「はは、エリィ、可愛いぜ」
首筋に甘く噛みつきながら、優しく愛の言葉を投げかけて。
「ね、ねぇ、エッチの時、フゴフゴ、しても、変じゃ、なぁい?」
「お、俺も、本番、ほぼ無いから、聞いた話だけど、フゴ、フゴォ、鼻がなればなるほど、愛のあるエッチだって、フゴ、ゴォ」
「ねぇ、ねぇ、じゃあ、じゃあ、昨日、私、フゴフゴ、あっ、あぁん、して、た?」
「してた、してた。すっごくしてた、フゴッ」
「え、へへ、だって、だってぇ、ダン、好きだもの、私ぃ、あっ、あっ♡」
「俺も、俺も、フゴッ、好き、好きだぜ、フゴォオオ♡♡♡」
我慢する必要がなくなり、荒く低い鼻の音を何度も鳴らすダン。
まさに獣そのもの、野生的で。
「ね、ねぇ、も、もう、挿れて、いい、フゴ、いいわよ、フゴォ♡」
「ああ、ああ、子供、できても、フゴォ、フゴォ、知らない、知らないぞぉ、フゴ、フゴッ」
濡れている割れ目に陰茎が近づき、その入り口を刺激し始めて。
「んふ、いい、いい、フゴォ、フゴォ、私ぃ、ゴォ、ダンの、お嫁さんにぃ、フゴォ、なる、なるならぁ、オークで、オークが、いいっ、いいっ、フゴォ、フゴォ、フゴォオオオ♡♡♡」
「あっ、あっ、エリィ、エリィ、大好き、大好き、大好きだぞぉ、フゴ、ンゴォ、ゴォ、フゴォ♡♡♡」
ダンが体を動かし、エリィの中を刺激して。
愛の証に、激しく鼻を鳴らしている二人、
お酒の力なんて借りずに、お互いの本心を確認している二回戦は……まだまだ、始まったばかりなのです。
おしまい