※この作品はR-18です。

黒川あかねさんが昔うっかり濡れ場でイカされてしまったウワサ   作:ふりーじ屋/家庭内禁書

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『【続報】黒川あかねさんが昔うっかり濡れ場でイカされてしまっていた件について』のつづきです。

アニメOPを見るたびに黒川さんのデカπでびっくりします。
ただ、原作でデカπとはっきり言及されたキャラは確かみなみさんだけだし、このお話はボブカット時代なので、あかねさんのπは控えめ設定としました。


黒川あかねさんがうっかり枕営業で何度も気持ちよくなってしまった件について

 

「はっ、はぅ、っく……後生、です、私、もう……!」

 

 あの黒川あかねさんが、私から2歩ほど離れて敷かれた布団で、親子以上に年の離れた〝彼〟に組み伏せられ膣内を貫かれながら、手足をかすかに震えつつすすり泣いている。私からは足の裏や指が力んでクシャクシャになっているようすがよく見える。

 チグハグしかない光景だった。

 

「後生、なんて言われて……あの映画を撮られてたころみたいだね」

 

 彼は長年いぶし銀や技巧派と称されてきた俳優で、キャリアが私たちの5倍ぐらいある。それが近ごろ――あかねさんと濃厚な濡れ場を演じた、という〝あの映画〟から――どうもギラついてきて、ロウソクが燃え尽きる前の輝きか、と言われている。そんな彼が年の離れたあかねさんを抱いている。

 彼があかねさんを抱いている布団もおかしい。それが敷かれているのがリビングのフローリング床である。畳敷きならシュールさがまだマシだったろう。ここは彼が某避暑地に所有する別荘で、リビング内だがすぐそばにテラスが迫っているところに敷かれている。晩夏の自然光の中で若い女の子を抱きたがった彼が、屋外なんてさすがに嫌だとあかねさんから抗議され、半屋外で落ち着けるため物置と圧縮袋から布団を引っ張り出したしだい。

 お床を作ってあげたのは彼の付き人さんと私だったりする。

 

「ぁ……だ、めぇ……も……っお、っ……!」

「僕が俳優じゃなかったらうれしかったんだろうな、そうしてもらえて」

「……ありえなさそうな仮定ですね」

「黒川さんってちょっと大げさだよね」

 

 身も世もなくよがり泣いていたふうだったあかねさんが、いきなりスンっと声音も仕草も切り替え、ダルそうにぼやく。

 あれ、今もしかして撮影中でカットとかかかりましたか?

 

「前からあんなんなんですか、あの2人」

「以前はそうじゃなかったんですが」

 

 私の隣で控えている彼の付き人にこっそりささやくが、要領を得ない。

 

「私は……ええと」

「ながら見でもよろしいですよ。スマホはご遠慮いただきたいですが」

「これこっそり撮ったら売れちゃいそうですもんね」

 

 私から見てあかねさんは事務所の後輩だが、悲しいかな、私が売出し中であかねさんのほうがずっと売れっ子である。今は、とある映画であかねさんのバーターとして仕事をもらうため、あかねさんとともに彼の別荘に招かれてお勤めをする、と話を聞いていた。

 端的に言えば枕営業である。

 抵抗がないと言えば嘘になるが事務所の上から説得――(どちらかと言うと、やりすぎないよう見張る役目がメインかな)――されて、実利プラス野次馬根性が抵抗を上回って承諾した。

 

「……射精がまんできるんなら、なるべく外に出してくださいよ」

「おクスリなら用意しているよ」

「デキなきゃいいってもんじゃないんです……それに、ふだんから飲んでます」

「そうだね、避妊だけのものじゃなかったね」

「あとその緊急用、副作用きついんです」

 

 行ってみたら、さっそく太陽も高いうちから彼が黒川さんに手を出した。お年を召しているのにお元気と言うかせっかちと言うか。あかねさんは迫られてまず拒むけれども、それから拒みきれないとわからされて諦め、流され、と映画みたいな筋書きを演じてから、さて本題に。

 変な精力剤とか飲んでいて腹上死しちゃったらどう処理するのだろうか心配になった。私は自分が抱かれる可能性を減らすため、内心に湧き上がってくる決まり悪さをなかったことにするため、もう1人の立会人らしき彼の付き人さんに倣って、空気になりきっていた。

 そのうちあかねさんがイッたフリをした。イッたフリはプライベートでもやりがちなので私も心得ているが、あかねさんのそれはまだ初々しい外見から想像もつかないほど堂に入っていた。私は初見でふつうに騙された。

 

「先んずるときは女房不足顔、なんて昔の狂歌にあったらしいよ」

「それは、それは、存じませんでした、不勉強で」

 

 きょう何度かのあかねさんのフリを彼は見透かしているふうだった。

 今回狙う案件では、あかねさんが男をたぶらかす悪女役の予定でしたっけ。営業どころか体当たりの演技指導ですか?

 

「黒川さんはオーバーな気がする。ここにはカメラがない。僕さえ騙せればいいのに」

「……私があなたを騙してどうなるっていうんですか」

 

 彼が黙って苦笑いしながらあかねさんから体を離した。それから裸のままくるりと背を向けリビングを出ていく。自分だけ先に汗を流すつもりか。見栄を気にしない老人ったら、わがままばかりで、しかも子供のわがままと違って可愛げもなくて、端から見ているだけでも嫌になる。

 

「あかねさん」

「……先輩の前で、お恥ずかしいところを」

 

 あかねさんは言葉通り恥じ入っているのか、寝転がったまま太ももを閉じて背を丸めて、顔や胸やあそこを私たちの視線から隠した。細い両肩が、見えない何かに愛撫されているふうにかすかに震えているようすが見えてしまった。

 

 

 

「ぁ、ああっ、う、く、ぐぐ、ふぅううっ……!」

 

 別荘の各部屋で1度はあかねさんを犯しておこうとでも思っているのか、彼はあちこちであかねさんの体に無遠慮に触れて、そのくせ必ずアクメを味わってもらおうと言わんばかりの執拗な愛撫を重ねていた。

 私の性経験だと、それが上手なのかどうか正直わからない。

 ただ、バストやヒップ、手足にようやく起伏が見て取れるようになってきたかな? ぐらいのまだ女の子女の子してるあかねさんの体が、老人のシワシワで節くれだってシミも出てきた手にもてあそばれ、寝かされたり立ったままだったりで絶頂させられたらしき姿になる。テクニシャンなのかもしれない。

 ただ、端で見せられているとキツい。

 

「世間からは、だいぶ大人っぽくなった、って言われてるらしいね」

「っ……はっう、ぅー……ぅ……!」

 

 私が耐えきれなくて、始まって間もないころ義憤と義務感相半ばで『あんまりひどかったら私に回すんだよ』とあかねさんに持ちかけたら、『あれでも程々になったほうです。前は温泉の土産物屋で痴漢してきたり、お風呂場でいきなり入れたりしてきました』と返された。この人本当に●校生なのかしら、年齢詐称してたりして。

 

「僕は、今よりぎこちなかったころの黒川さんが恋しい、って気もするが」

「はっ、ふぁはっ、ぅう……熱い、あつい、ですっ……」

 

 私もあかねさんを見つめる。頬が真っ赤で熱っぽい目つき、ゆらゆら波打つ肌と呼吸その他もろもろ、演技と言われていても〝絶頂させられたらしき〟と思ってしまう。どうしてそこまで、と考えて思い出す。彼女は、事務所の上からの圧力をマネージャーが肩代わりしていたのを気にしているらしく、もっと立場を強くしなきゃって切迫をほかの後輩よりもひしひし感じる。

 

「例の件は、男をたぶらかす悪女、だったっけ……若くて知られた子の中では、君はうまくできると思うよ」

「あ、あぅ、んんっ! えう、んんっ……や……今、そこ……!」

 

 この業界の悪習でひどい目に遭いつつそれを無くそうって方向にいく人が少ないのは、売れれば無理を通せる側になれるって下手な希望があるせいだ。

 普通の会社とかなら出世を諦めても生活のためしがみつく人がいる。そういう人は自分が無理を通さないの相応に他人に無理を通させないし、それでいてそういう人が辞めちゃうと仕事が頭数不足で成り立たないから一定の抑止力が働く。一方この業界では希望を捨てた人から去っていくのに、人あまりなんだよね……。

 あかねさんはもうけっこう無理を通せる側でもあるはずなんだけど。

 

「もう座組みの人に、黒川さんを推すつもりではあるんだよ」

「お、ねが……とめぇ……えああっ!?」

「……やっぱりちょっと大げさかも」

「ちがっ、ほんと、に……っ……あの……目を背けることは、ないじゃないですか」

 

 そしてなんでこの人たちは枕営業セックス中に稽古みたいなやり取りをしているんでしょう。

 確かに役者は負けず嫌いで、例えば隣の役者に観客の注目を奪われると意地を張ってエスカレートする傾向がある。まぁ、私たちは観客の注目がそのまま飯の種って商売だもの。映画でも意地を張り合って無茶して死んだとか死にかけたとかいう話も聞く。

 

「私にも、何とも」

 

 私より慣れている付き人さんは、すでに考えるのを諦めているようだった。

 

 

 

 

「僕も、マッサージ師さんからいろいろ教わってるよ。六十の手習いだね」

「筋があちこち強張っちゃったのをほぐしてくれるマッサージなら、お願いしたい気もしますが」

「気持ちよくなっていないって演技のときは、気持ちよくなってもらわないとならないし」

「だいぶ余計なお世話ですよ」

「僕が爺さんなのに老婆心っておかしいよね」

 

 リビングでのセックスが終わって休憩していると思ったら、いつの間にかベッドルームでマッサージの真似事を始めていた。〝やりすぎないよう見張る〟お役目のため、重い気分に逆らって2人に近づく。

 私は空気、空気……狸爺から慰み者にされてる後輩を拱手傍観している女ではない……と自分に言い聞かせる。

 

「あっ……はぁっ、っくっ……」

「ノドは渇いていないかな。また、汗をかくから」

 

 付き人さんがあらかじめ何か用意しておいたらしく、彼は防水とかまったく無頓着に、透明でぬるぬるしたマッサージオイルをたっぷり手にとって、ベッドに横たわるあかねさんの肌に触れはじめる。

 

「……んんんぅ……っ……」

 

 あかねさんが彼を拒んで、また寝転んだまま背中を向ける。ボブカットの生え際、うなじ、肩に彼の手が伸びてオイルを薄く塗り伸ばされる。首や肩がまた、とても細くか弱く見える。もともと一般的な女性は男性より肩幅が骨格からして狭いし首の筋肉が目立たないから細く見えるのは当たり前、と知っていてもあかねさんのそれが華奢に見える。手折られオモチャにされる役が似合ってしまう。

 

「んんんんっ、っく……んあっ、っう……あああっ!」

 

 彼のマッサージがあかねさんの首から肩、胸、お腹、腰、太もも、ヒザにふくらはぎに足の裏につま先までと3往復ぐらいしてから、乳房とかあそことか明らかな性感帯にも手が伸びる。あかねさんの反応が、彼の緩慢な手つきに比べて激しい。デコルテやウエストがびくびく震えて、首をいやいや振って、腰をびくりと一瞬浮かせる。

 

「まだ焦れったいでしょう、こんな手つきじゃ」

「……そんな……あなたのせいで、私の、体が……」

「僕に得意げにされると苛つく、とも君の体がこぼしているようだけど」

 

 彼の手が、あかねさんをあお向けに起こして、下腹部をゆっくりと撫でている。あかねさんの抵抗がいつの間にか弱まっていて、時計回りに、大きな円を描かれるがままになっていて、びっくりさせられる。

 あかねさんが快楽を受け入れかけてきた――(少なくとも私にはそう見えた)――ぶん、彼が一歩引いてか、あそこには近づいているけど直に触れようとするところで避ける。

 

「ん、ぅ、あっ……は、あっ……」

 

 あかねさんの呼吸が、ほんの少し速くなる。彼の指がゆらゆらあかねさんの肌にすぐ消える跡を付けながら、徐々にまた近づいていく。核心まであと数センチ。あかねさんの下腹が小刻みに上下する。

 

「あっ……は、はっ、今は焦らすご気分、ですか」

「いじわる、って思われてしまったかな」

「ずっとこの調子でも、それはそれで」

 

 彼の手が、ふっと離れた。あかねさんのつま先がきゅっと内側に曲がって、すぐ戻る。

 

「……このマッサージの間に、1回だけ気をやってもらおう」

「1回だけ、ですか」

 

 あかねさんのノドがくつくつ鳴る。おかしくて笑っているのか、それともカムフラージュか。

 

「1回だけ、だよ。そうしたら僕がこの手を止める」

「本当にそうできたか、わかるんですか」

「もちろんその判定は黒川さんだけができるんだ」

 

 彼の両手が動き出す。右手があかねさんの胸に、左手が下腹部に、愛撫が二か所同時になる。あかねさんの背中が軽く弓なりに反る。その角度を演技として調整しているんだろうか。私も役者だが見ても曖昧だし真似なんてできない。

 

「んぅはぁっ……はぁっは、ふっ……」

 

 敏感なところの周囲だけくるくるなぞる愛撫が続く。あかねさんの首筋に汗が一筋流れる。彼の指がそれをなぞる。あかねさんの肩がビクッと少し目立って跳ねる。

 

「くすぐったい?」

「……悪趣味、です」

「何を今更」

 

 彼が左手を離す。胸への愛撫だけになる。刺激が半減しているのにあかねさんの胸やお腹の肌が浮き沈みする。彼の手を誘っているふうにも見える。

 彼の右手も、手の平全体を使ってもんでいた仕草から、指先だけの接触に変わる。さするだけ。あかねさんの肌がほとんどへこまないぐらいの力加減。なのにあかねさんの胸が激しく上下する。呼吸が乱れている。乱しているのか。

 

「くっ、ふぅぅう……っ!」

「1回だけ、だよ」

 

 私が見る限り、これまであかねさんが痴態を押し隠そうとして、彼は意固地になってあかねさんを絶頂させようとするばかりだった。対して今は、あかねさんが達しているのか、達したふりなのか、とにかく痴態を引き出されていた。

 

「あの2人は、セックスしているんですか」

「セックス……ですよ」

「……ですよね」

 

 あまりに手持ち無沙汰で愚問をつぶやいてしまう。付き人さんから呆れられてしまっただろうか。

 

「あ、あぅ、んんっ! えう、んんっ……!」

 

 あかねさんのお腹が小刻みな痙攣で悩ましく揺れる。隠そうとしたらしく腕を寄せる。痙攣が太ももにも窺える。両ヒザが震えながらくっつく。しかし彼の左手が動いてあいだに滑り入る。

 

「僕を挑発しているのかな?」

 

 内ももを二度、三度と撫でて止まる。5秒か10秒か止まったまま。あかねさんの体が次を待ち構えるように強張っている。

 

「っ……あ……っ……」

 

 あかねさんの指がカギ型に曲がってベッドに爪を食いこませる。私か彼の視線を感じたのか、はっと唐突に力を緩める。

 

「まだイケないでしょう」

「ふ、っく……」

 

 小さく漏れた声。あかねさんがくちびるを噛んでいる。声を殺そうとしている。でもくちびるがさっきより痛々しい。血が出てしまわないだろうか心配になる。

 愛撫が円運動だった。速度が二周だけ速くなって、ゆっくりに戻る。一周だけして止まる。見ているだけの私でさえむずむず焦れったくて、私があかねさんの立場になったらと思うとぞっとする。

 あかねさんが下くちびるを舐めた。ノドがこくんと上下する。唾を飲みこんだらしい。

 

「はぁっ……ん、ぅ……」

 

 あかねさんの視線が彷徨う。彼の手を追おうとしかけ、ふいっと逸らす。目を閉じる。

 

「は、ぉ、ァ、あ……ッ!!」

「目、見られたくないのかな」

 

 彼が急にあかねさんのアンダーバストをつねる。まぶたまで細かく痙攣してまつ毛から汗の雫が落ちる。本当に痛みだけへの反応だろうか。

 

「女優の目は一番の武器なのに」

「っく……ふぅ……っ」

 

 あかねさんの細い首筋が、まだらの桃色に染まっている。汗が首元のわずかな窪みに溜まって、ぶるり、と震えた拍子に胸の谷間へ流れて落ちる。彼の指がまたそれをなぞる。あかねさんの背筋がまたぴんと伸びる。

 

「そろそろ気を入れていきたいな」

「ん、んんっ……は、ぁっ……」

 

 彼の愛撫がエスカレートする。ぽってり腫れてしまった乳首や、ぺったり濡れた陰毛をくりくり指先で刺激している。あかねさんの痙攣の広がりは、私からだと下半身側が目立って見える。腰が浮く。下ろす。また浮く。カチカチ鳴っているのはあかねさんが歯噛みしている音か。やがて太ももの内側までもぶるぶる震えだす。

 

「くっ……はぁっ……!」

 

 いつの間にか、彼の手が完全に離れていた。

 

「1回だけ、だよ」

「……わかって、ます……」

 

 肩が上下し続けている。指先が布団の上でかすかに動いている。声が掠れている。演技だったらやりすぎだ。

 

「続けても?」

「お構い、なくっ」

 

 まだイッてないの、と私は正直驚く。彼の両手が、今度は速く動き、あそこから水音が立って聞こえる。深くくじっているのか。

 

「ぁ、ああっ、う、く、ぐぐ、ふぅううっ……!」

 

 あかねさんの背中がもっと苦しげに反って、すぐ直される。声がノドの奥で詰まったふうに響く。感じている演技なのか感じていない演技なのか。

 

「あひっ、んひ……くっ……んやっ、ああっ、にゃっ、やめっ……!」

「まだでしょう」

 

 この制止の声が演技なのだろうか。

 

「んっ、ふぁぁっ……そ、そこぉっ……んっ、んくっ……!」

 

 どうやら彼が、あかねさんのクリトリスとあそこの入口に焦点を定めたらしい。

 くちくちとした水音に合わせてつま先が反り返る。足の指が開く。閉じる。かかとがベッドをシーツごとどしどしへこませる。すらりとしていた太ももがいかにも硬そうに緊張して、薄筋の窪みがぺこんと深くくっきりする。

 

「イクのはお嫌かな」

「……さぁ」

「前に、女をイカせたあとつい得意顔しちゃって、怒られちゃったことがあってさ」

「前、って」

「あかねさんが生まれる前だけど」

 

 彼の愛撫のペースが上がる。ここまで緩急をつけていたのが急ばかりになって、くちくち、くちくち、音を立てつつあかねさんを責める。

 対して、あかねさんが逆に口元を抑えたり手足を縮こまらせたり、快楽を抑えこもうとしている。私も彼女のセックスをもう何度か見ているはずだが、すらりとした手足や肩や胴、まだあどけない感じの顔と悩ましげな痴態が入り混じって、異様に淫らに見える。なんでしょうね、お葬式みたいな笑っちゃいけない場面だと普段より笑いの閾値が下がっちゃうみたいな。

 

「あうう、んっ……あう、くっ……んんっ、んんむっ……」

 

 見る限り平凡な手マンだ。あかねさんが太ももを閉じたり腰をよじらせたりで肝心のところが見えにくく、ひょっとしたら超絶技巧が繰り広げられているのかもしれないけど。

 

「んっ、ぁ……んあっ、くあっ、あっ……!」

 

 あかねさんの声音が変わった。すごく上ずっていて、何度も出すとなると役者としてはノドへのダメージが気になる感じの声音だ。また彼女の太ももがぎゅうって閉じようとする。でも彼の手が太ももの間にあってヒザ頭だけ震えながらぶつかり合う。

 

「あ、ああっ……も、ぅ……!」

 

 あかねさんの手が彼の手首をつかむ。引き寄せている。指先が彼の手首に食いこむ。離す。またつかむ。どうしていいかわからないふうに繰り返している。

 彼の手が止まらない。くちくち、くちくち、という水音が絶え間なく容赦なく続く。あかねさんの腰が布団から浮いたり落ちたり忙しない。

 

「っ、あ、ぁああっ……!」

 

 それから不意に、あかねさんの全身が硬直していた。太ももが内側に強く閉じようとする。お腹がねじれる。胸が大きく上下する。見ているだけのこっちまで息が詰まる。

 それからがくん、と全身の力が抜けた。彼の手が、いつの間にか止まって、あかねさんの体からもったいぶってゆっくり引いていく。指先に糸を引く透明な液がいやらしい。

 

「ん、ぅ、あっ……は、あっ……」

 

 あかねさんが呼吸を整えようとしているが落ち着かないままだった。

 

「休憩を入れるべきだと思うけど、どうかな」

 

 彼が静かに言う。一仕事終えた心地よい疲労感、といった感じだった。

 それを聞かされたあかねさんの目が見開かれる。

 あ、これって1回だけイかせるとかそういう話だったっけ。じゃあ、今、あかねさんは1回イッたっていうの?

 

「……お風呂、使わせていただいても?」

「続きはどうしようか」

「あなたも水分補給したほうがいいですよ」

 

 あかねさんは、彼の愛撫が止まったタイミング通りイカされたとも外れたとも言わない。そのまま体を起こし、ベッドのヘリに腰掛けて手足をほぐすようにぶらぶらさせる――体を好きなようにイカされてたふうに見えてたかもしれませんが、演技で体がかちこちしてしまいましたよ――そんな強がりにも見える。本気にも見える。やっぱりこのマッサージ、体をほぐす効果が皆無だったらしい。

 

「使わせていただきますね」

「僕も汗を流したいな」

 

 くるりと彼に背を向け、歩いていく。彼も立ち上がる。あかねさんの後をゆっくり追う。私も付き人さんも黙って後についていく。

 

 

 

 

 思っていたより広い浴室があった。私たち4人でも洗い場と浴室に分かれれば余裕で一緒に入れるし大きめの窓から外の山並みと木々の緑が見える。浴槽も浸かったまま余裕で足を伸ばせるし、浴槽の内壁側にステップがついてて温泉宿の家族風呂みたいな風情だ。

 あかねさんと彼が脱衣所で服を脱いで、私は着衣のまま――私も変な汗をかいてしまっていてひとっ風呂浴びたくなったが、頼まれもしないうちから彼に肌を見せたくなかった……あかねさんのぴちぴち肌となるべく比べられたくない気も――温泉旅館みたいに広いお風呂だし、自分だけ服を着てると、お風呂掃除でもしたほうがいいのかみたいな気分になる。

 付き人さんは慣れた様子で壁際に立っている。私だけ変に意識しすぎなのかしら。

 

「ご無理はされずとも」

「これも仕事なので」

 

 付き人さんに気遣われてかえって気まずく、汗を流し始めたあかねさんに目を向ける。

 完全に裸だ。細い体がまだ少女っぽいシルエットを描く。私も昔はあんな感じだった、って思うけどそのまま口に出したら彼のようなお年寄りから『君の言う〝昔〟って、10年どころか5年も経ってないよね?』とか茶化されちゃう。

 バストは小ぶりで、お椀を伏せたような形が裸で歩いててもあんまり揺れない。乳首の色が薄い桃色で、興奮が残っているのか、ここだけ体の輪郭がぽってりしている。体全体からしたらほんの一部分なのにそこだけ浮いてて目立つ。

 ウエストから腰にかけてのラインが、まだ起伏に乏しい。くびれはあるけれど緩やかで、ヒップも丸いけど小さくてかわいらしい。もうちょっと食べたほうが……私まで年寄りみたいな感覚にされちゃったか。

 太ももが細くてぴっちり閉じようとしてても隙間ができるほどで、足が長く見える。その隙間にさっき彼の手をねじこまれてくちくち音を立てられていたんだけど。

 肌の透明感がすごい。私も気をつけてはいるけれど、入念にケアしている顔とかデコルテとか手とかだけならともかく、背中とかまで見せられると湯気ごしでも気後れする。

 これが老いた男の欲望を刺激するのか。彼の裸はやっぱり老いた男で対照的だ。見たくはない。

 

 2人とも黙々と体を洗う。シャワーの音だけが響く――これ、本当にセックスの直後? あるいは途中?――淡々としていて、ぼぅっとしてると忘れちゃいそう。

 泡を洗い落としたあかねさんが浴槽に向かう。ステップに腰掛ける。片足をお湯に浸ける。もう片方も。ゆっくりと体を沈め、胸元まで浸かる。目を閉じて息を吐いた。

 

「お隣、失礼するよ」

 

 彼も浴槽に入る。あかねさんの隣に腰掛けお湯に身を沈める。浴槽にあと何人か入れるぐらいスペースに余裕があるぶん、彼の無遠慮さが際立つ。

 男の老人と少女が浴槽で並んでいる風景を見ていると、今更ながら枕営業という感じがしてきた。そうだよ、枕営業といってもセックスばかりじゃない。あれが勃たないぐらいのご老人となると、添い寝とかでべたべたしたり、他の人には見せられないような格好を私たちにさせたり、つまり嗜虐心や征服欲をくすぐらせるって趣向がむしろ主なのだ。

 

「お風呂に入ってる女性って、独特の色気があるよね」

 

 あかねさんは無言で目を閉じたまま動かない。リラックスしているようにも見えるが、隣の彼を意識していないと言い張っている気もする。

 彼の手がお湯の中からゆっくり鎌首をもたげる。お湯を垂らしつつ、目を閉じてる相手なのに見せつけようというのかって勿体をつけて、あかねさんの肩に触れる。撫でる。首筋を伝って鎖骨へ。

 

「ん……」

 

 あかねさんの首筋がわずかに力んで、鎖骨の窪みに溜まっていたお湯がこぼれ落ちる。でも目は開けない。

 

「ん、ぁ、はぁ……」

「お湯の中だと、触る勝手が違うけど、触られる側も違うかな」

 

 彼の手が胸に触れる。お湯の中で乳首に指が触れる。さっきまでぽってり腫れていたそこが、お湯の温かさでさらに敏感になっているのか、あかねさんの肩がぴくりと跳ね湯面に波紋が呼び起こされる。

 彼のもう片方の手が、あかねさんの太ももに触れる。内側を撫でる。ゆっくりと上へ。湯面が揺れてお湯の中が見えにくい。あかねさんのヒザ頭がわずかに開かされ、閉じて、また開く。

 

「っ……自分の体を触って、確かめたら、いいと思いますよ」

 

 湯面のゆらぎは、愛撫に絡みつかれるあかねさんの姿を見え隠れさせる。動画にかけるモザイクよりずっと大ざっぱで、意識すると見えてしまうんだけど。

 彼の手がお湯の中でゆっくり動き続ける。あかねさんの息遣いが少し波打つ。首筋が赤く染まるのはのぼせているせいか。お風呂でこういうことやられると見ていてハラハラもする。私の親戚のおばあちゃんはお風呂で雪見酒だぁなんて風流気取ってたらヒートショックで心臓やられてあやうく死にかけたらしい。

 

「ひあ……ん、く……っ……」

 

 あかねさんの声がはっきり漏れる。耳元に彼の顔を寄せられていた。何事かささやかれたか、それとも耳に吐息や舌をあてられたか。湯面の波がはっきり大きくなる。彼女がどこかつかもうとするが、浴槽が硬くてうまくいっていない。

 

「指、入れるよ」

「それ、中、入っちゃ……んっ……!!」

 

 あかねさんが小さく呻き、彼の指があそこに潜りこむ。彼の手によっても湯面に波紋がはっきり広がる。彼が素振りより内心で逸っているのかも。

 

「っ……ん……」

 

 あかねさんのヒザが、湯面ごしにも見て取れるほどびくりと震える。彼の手を受け入れさせられている。拷問みたいに痛々しい。嗜虐趣味であろう彼に見せたらよくないだろう。

 

「うん、く……っあ、んんんっ……!」

 

 あかねさんの声が浴室内に響く。恥ずかしいのか、顔を彼から背けている。

 

「そのアングルから見るのもいいね、あかねさんのお顔」

「はぁ……っ、ん……あ……」

 

 あかねさんの背中が反る。お湯の中からおっぱいが半ば出る。乳首がツンと尖っている。お湯と空気の境目で濡れた肌が湯気ごしに光る。

 

「っあ……!」

 

 声が大きくなる。でもすぐに彼の手が止まる。触れたままで動かない。あかねさんの肩がよじれる。小ぶりな胸だけど空気と湯の境目で揺らされると、映像効果みたいなものか、さっきより大げさに揺れている印象になる。

 彼の手がまた動き出す。今度は少し速く。これもあかねさんが欲しがっている速度じゃない……欲しがっているの?

 

「ん、っ……あ、ぁ……」

 

 私はいつの間にかそう見てしまっていた。あかねさんの声が切羽詰まってさっきも聞いたように限界が近そうだ。そこできっと止まってしまう。イきそうにさせるだけ、彼がそう狙っている。

 お湯が揺れる。あかねさんの体が動くたび。波が立つ。浴槽の壁にぶつかって返ってくる。お湯の音。ちゃぷちゃぷ。

 

「このままだと、のぼせちゃいそうだね」

 

 あかねさんの頬が真っ赤で汗がだらだらしてもうのぼせてるんじゃないかと思う。額から、首筋から、流れ落ちる。お湯の雫と混ざる。

 

「……中にお湯が入っちゃうかも、って、そういう」

 

 お湯の中で手マンされたらお湯があそこに入っちゃうだろう。入っちゃったら血の要領で出すのかな。とにかく衛生的とは言えまい。えっちなビデオでそういうシーンたまにあるけど撮影現場ではどう処理しているのかな。

 

「じゃあ、こうしようか」

 

 彼が腰を浮かせる。あかねさんから手を離す。お湯の中に立ち上がる。浴槽の縁に腰掛け、ふくらはぎより下だけお湯に浸かる体勢に。彼のおちんちんを、ここまで進んで見る気がしなかったけど、ここで初めてまともに見てしまった。年の割には元気そうに立ち上がっている。でもお風呂で全身の血管が開いているだろうにそんなにそこに血を集めて大丈夫か、頭に血が足りなくなって倒れやしないか。そうなったら自業自得か、本望か。

 

「こっちにおいで」

 

 あかねさんが彼を見る。妙に深くゆっくりした呼吸と動きで、彼の前へ。彼があかねさんの腰をつかんで引き寄せ自分のヒザの間に座らせる。あれじゃお尻か腰におちんちんが押しつけられちゃってるだろう。お湯から出て当然びしょ濡れの太ももがひくり、と力むのも意味深に見えてしまう。

 

「次にイカせたあと、首筋にキスして髪を撫でてあげる」

「……肌がふやけちゃいますよ」

「あかねさんがギブアップするときは、両足をお風呂から出すことにしようか」

 

 彼が勝負再開を一方的に告げる。あかねさんも拒まない。私も役者だけどちょっと引いてしまうこだわりと意地っ張りぶりだ。

 

「ふぁうっ!? っぐ……」

「おおっと」

 

 腕があかねさんの胸へ回りこんで、もみしだく。膨らみのシルエットを歪ませる。うっかり強すぎる愛撫をしてしまった、という顔と声音だが果たして。

 

「ふやける前に終わらせてあげなきゃね」

 

 彼の手が動き出す。また速くて強引で、指がぎゅうっと乳首をつまむ。あかねさんの体がびくんと跳ねる。

 

「はぁっ、ぁう! あっ!」

 

 あかねさんの声が裏返る。彼のもう片方の手が秘所に触れる。あそこの一番外、大陰唇まで手の平全体で覆って、くちくち、ぐちぐち。彼の手の甲や手首の動きからすると、人指し指、中指、薬指と3本でごそごそやってるらしい。まさか3本も中に入れてるのか。さっきより余裕が一気に薄れた。

 

「お湯が入っちゃったにしては、ぬるぬるしてる」

 

 言葉責めに混じる彼の呼吸が荒い。あかねさんの喘ぎ声と混ざって、老人と女の子の声で奇妙な合奏が聞こえる。彼の額にも汗が浮かぶ。

 

「っく、ふぁ……ああっ……!」

 

 あかねさんの体が激しく震える。彼の手が容赦なく動く。クリトリスもあそこの中もくちくち責められて、あかねさんの腰が浮くけど、彼の腕が押さえつける。

 

「浅いところ……クリトリスの裏かな、こっちもぷっくり膨れてきたから、イクまでしてあげよう」

「くひっ、ひんっ! はぁぁっ、んぅぅぅっ……!」

「信じられないかな? これは演技じゃないから、信じてもらえなくてもいいんだけど」

 

 二人とも顔が真っ赤。額も首筋も胸元も汗まみれで、あかねさんの背中と彼の胸、腹のあいだで汗が潰れてぬちゃぬちゃうるさい。

 

「は、ぁ……あ、つ……い……んっ、ふぁぁっ……そ、そこっ……!」

 

 あかねさんの掠れた声が聞こえるけど言葉になっていない。意識が朦朧としている。湯あたりしているから、と私が言えば止められるんじゃないか。彼だって首筋に血管が浮いたり目が据わっていたりで、それでもあかねさんにすっかり気を取られているらしい。何とも危なっかしい。

 私の危惧をよそに、彼の手がさらに激しくなる。さっきの厭味ったらしいまでの技巧を振り捨てて速く強く激しく力任せだ。そんな勢いでもあかねさんの体が揺さぶられている。

 

「っあ……やっ……も……」

 

 あかねさんの手が、彼の腕をつかもうとする。ずるっと滑ってつかめない。

 

「……くひっ、ひゅっ……はぁぁっ、んぅぅぅっ……!」

 

 ぷしっ、ぷしっと何度か飛沫らしき音が聞こえる。ぬちゃぬちゃ、ぐちゅぐちゅの合間に鳴るとやたら耳にこびりつく。まだ続けられている。イカせたんじゃないの? まだクリトリスとあそこの中、両方同時に激しく責めている。

 

「っ! ああぁっ……!」

 

 あかねさんの全身がまたびくびくと震える。声を必死で抑えている一方で湯面がちゃぷちゃぷするのがうるさく聞こえる。

 

「ひっ……ぁ、あ……だ、め……!」

「敏感なんだね」

 

 彼が満足げにつぶやく。あかねさんが苦しげに震えるそばからそうだと穏やかな声音がかえってサディスティックだ。私は後退りしたらすぐ背中が冷え冷えした壁にぶつかって我に返る。

 そのまま彼の手があかねさんのあそこを執拗にこねる。

 

「あああっ……ひっ、くぅっ……! ああぁっ……っくっ……!」

「っく、う……若い子と体力勝負は、さすがに、きついかな……」

 

 あかねさんの体がまた痙攣する。お湯が跳ねて波立って浴槽の外まであふれる。背中を彼の胸から離そうとする。

 でも彼の腕が引き戻す。密着させる。太ももが一際硬そうに筋張って、ぎゅうっと閉じて、枯れ木みたいな彼の手なんてともすれば圧し折ってしまいそう。

 

「……それなら、降参してくださっても……んんっ」

「まだ続けられるって……?」

「あっ……あうッく、ああ、んっ……ああぁっ……!!」

 

 あかねさんの体が何度も大きく跳ねる。今までで一番長くしつこく全身が痙攣する。私まで思わず息を呑んでしまった。

 

「すごく、ドキドキしてるね」

「っは、ぁ、は、ぁ……!」

 

 彼の手がやっとあそこから抜かれて、あかねさんの首筋を引き寄せ、押しつけるようにぎこちなくキスしていた。

 

「僕の心臓がこのリズムだったら病院送りだろうよ」

「……ここ、来てくれるんですか、救急車が……?」

 

 それは確かにちょっと心配になった。ここAEDもないし。

 私もようやく落ち着いてきた気がする。

 

「ここは引き分けってことにしておこうか」

「……足、出してません」

「出してたよ、1回ぐらい」

「出してません」

 

 暗に勝利宣言を続けるあかねさんに、彼が業を煮やしてふらつきながら押し倒して強引に挿入した。さすがに私と付き人さんとで止めた。

 

 

 

 

「男の人は、イッたふりってできないんでしょうか」

「それは……そうだね」

「射精の演技とか」

「涙とは違うよ」

 

 しばらく休憩したり食事したりしたあと、彼がヒジ掛けつきダイニングチェアに座り、あかねさんがその足元にひざまずいて、彼のそれに奉仕することになった。

 

「前に、できる前提のことおっしゃってましたよ」

「どんな?」

「私がイッたタイミングに合わせて中に射精する、とか」

 

 私は内心でドン引きする。

 

「……そうだったね」

 

 まぁ彼なら言っちゃってそうだなという気もした。私も毒されてきちゃったんだろうか。

 

「そんなに中出しが好きだと、名前を言えないお子さんがいっぱいいたりしますか?」

「好きってわけじゃ……ノーコメントでお願いするよ」

 

 フローリングの床にチェアマットを敷いて、あかねさんのヒザ頭もついでにカバーしている。効率的と言うか物臭と言うか。こっちが別に敷く物を用意してあげるといっても『まぁ、大丈夫ですよ』と軽くあかねさんに言われた。

 

「出したら出しっぱなしですか……今そんなことだとたいへんですよ、父親が誰かばっちり証明できちゃうんですから」

「時代も変わったよね」

 

 彼を含め男の人は誰も理解していないことだが、女にとって膣内射精はそれそのものがかなりのストレスだ。避妊薬などの手段だって絶対ではない。妊娠という自分の体の主導権が他人に持っていかれる現象の可能性が意識にちらついてしまう。中出しを許してしまった相手には、良くも悪くもなかなか冷静でいられない。

 あとモーニングアフターピルもあるけど純粋に副作用がきつい。

 

「今度はあなたが気持ちよくしてもらう番ですよ、ご休憩と思って、ごゆるりと」

 

 あかねさんが皮肉げに笑いながら、彼のペニスの根本を握る。握ったままくいくいレバーを傾けるみたいに動かして、気安いと言うか、ぞんざいと言うか。それから先っぽを口に含む。ねっとり舌先で確かめる。言葉も仕草もかわいい系の顔に不似合いだ。

 彼の呼吸が変わる。あかねさんよりわかりやすい。

 

「んぐ……っ……!」

 

 あかねさんの動きがゆっくりしている。さっき自分が責められはじめたときぐらい。彼の手が椅子のヒジ掛けをつかむ。これがさっき、あかねさんをくちくち責め立てていた同じ手なのか、と目を疑う。

 

「れぅ、はむ……んくっ……これも、勝負にしてみますか」

「それは辞退申し上げるよ……前は本当に嫌そうにやってくれたのに」

「今だって嫌々かもしれませんよ」

 

 あかねさんの舌が彼のモノを、先端から根元までつぅっと舐める。まるでアイスキャンデー相手みたいに無造作な勢いだ。それでも彼の下腹が震える。

 

「っ……黒川さん……!」

 

 彼が声を出す。さっきまでの余裕ぶったサディスティックな囁きが鳴りを潜めている。

 あかねさんが彼のモノを深く咥えたまま動きを止める。焦れったいのか、彼が腰を動かそうとする。あかねさんが手で腰を抑える。さっきの意趣返しみたい。

 

「んぅ、んっん……ぅぷ、んひゅっ……もう、足で催促なんて」

 

 すると彼が今度は足でどこかあかねさんをいじったらしい。ヒザの間にあかねさんが半ば割りこんできているのになかなか器用だ。あかねさんがくちびるを尖らせたあと、あらためて咥えて頭を上下させ始める。くちびるからぬちゃぬちゃ控えめな水音が鳴って、その間で彼の呼吸が乱れる。

 

「っく……あ……」

 

 彼の手が、あかねさんの髪に触れる。するとあかねさんが彼のモノを口から離す。糸を引く唾液を眺めてから、また舌で舐める。先端の一番敏感な部分だけ。彼の体がまた動揺する。

 

「っあ……いつの間に、黒川さんったら」

「男をたぶらかす悪女、らしいですか?」

「……ふふっ、はははっ」

 

 今が反撃のチャンスとばかりにフェラチオで彼を喘がせている。主導権を奪い返したとも言えるし、愛撫の応酬という同じ土俵に引っ張りこまれたとも言えるか。

 あかねさんの表情が読めない。真剣だがほんのりどこか楽しんでいるようにも見える。これも悪女の演技のうちなら、やっぱりすごい。本当にこの子は本心らしく演技して、見ているこっちを混乱させる。悔しいが演技力でも私より遥かに上だ。

 

「っ、く……」

 

 あかねさんの手も動く。彼のモノを根元から握る。上下に動かす。口と手、両方で。わざとリズムをずらしているらしい。対して彼の手がヒジ掛けに絡んだままかすかに力んでは緩んでを繰り返している。

 

「ぴちゃ、れぢゅ、れぢゅ……ん……さっきの今では、お疲れでしょうか?」

「……若い子と一緒にしないでほしいな」

「前は、私にやれって言っておいて、よくお邪魔してくださいましたよね」

「ぬ、ぐっ……!?」

 

 ふにゅん、と前触れもうかがわせず、彼のモノを慎ましやかなおっぱいで挟む。挟んだまま、口中にためていたらしき唾液をたらたら接触部へ注ぎ入れる。

 パイズリ。あかねさんのような子がそうすると一層背徳的だ。手コキやフェラよりもぞもぞ忙しなく動いて、彼の呼吸がはっきり荒くこっちにまで聞こえる。当然あかねさんにも聞こえているだろう。

 

「こうして、おっぱいで挟めとか無理を言っておきながら、私のおっぱいをいじってきたり」

「ぬっぐ……邪魔するつもりじゃ……」

「ははぁ、どうでしょうかね……ぢゅる、ぢゅぷ……ん、ちゅ……」

 

 あかねさんがパイズリを続ける。私に上手か下手かなんてわからないが、彼は気持ちいいんだか苦しいんだかとにかく反応している。その割に彼のモノが、あかねさんのおっぱいに圧されっぱなしだ。あの硬さじゃせいぜい半立ちだろう。

 

「……お疲れ、ですか? んっ……」

「君がかわいらしい声とか上げてくれたら、どうにかなるかも」

「こんなことさせておいて、何をおっしゃるのやら」

 

 彼があかねさんと精根尽き果てるまでお楽しみになるんなら、私は楽でいいのだが。

 

「君も、上手になったね……」

「何がですか?」

 

 セックス覚えたての若い男の子みたいなペースでおっ立てて何度も……そんなの相手がとってもかわいらしい、例えば女優・黒川あかねであっても……彼の年だと無茶だろう。彼がそれを認める男だったらこんな展開にはなっていないんだろうけど。

 私は相変わらず壁際で空気になりきって観察している。あかねさんをあんまり憐れまずに済む形勢になって、見ている分の気も多少は楽になってきた。

 

「う、ぉあっ……!?」

 

 あかねさんが胸を寄せ圧力を強める。半勃起の彼のモノなんてあかねさんのおっぱいでシゴかれるまま右往左往させられている。彼もあかねさんも額に汗が浮かぶ。

 

「ぺろ、ちゅぷ……ん……」

 

 あかねさんが舌を這わせる。先端を舐めるパイズリフェラ。対して彼の手が動き、横からあかねさんの胸に触れる。

 

「ん、ふっ……!」

 

 あかねさんの肩が少し浮き沈みして、けれどパイズリは続行する。彼の手が執拗に胸をいじる。やる側もやられる側も慣れっこらしい。パイズリをさせながら胸をもてあそぶ。奉仕させながら快感を与えるパターンを、あかねさんの体に刷りこんでいる。条件反射みたいに。パイズリをすると、自分も感じてしまう体に。

 そんなことがあるんだろうか。女の性欲って、イヌの食欲よりはずっと複雑なんだけど。

 

「っく……ふ、ぁ……ふふっ、気持ちいいんですね?」

 

 彼に向けたあかねさんの笑いを、私は横から見ただけなのにぞくりとなってしまう。これが、リビングやお風呂場で無理やりされていたのと同じ日の同じ黒川あかねさんなんだろうか。パイズリ中におっぱいいじられたって大したことありませんよ、という強がりにしたって蠱惑的すぎる。

 まぁ、いきなり挿入、膣内射精なんてされようもない体勢で余裕があるのかな。そうだと考えておこう。

 

「ん、っぐ……黒川さんが、そう言うなら、いいんだけど……っ」

 

 対する彼も手を執拗に動かす。片方のおっぱいを揉みながら、もう片方の乳首をつまむ。転がす。引っ張る。あかねさんの体が震える。でもパイズリを止めない。

 

「んぐっ、ぢゅっ、ぷふ、んぐ……んんんっ!」

 

 彼の指が乳首を強くつまむ。あかねさんの体がびくんと跳ねる。彼もうぅうっ、と弱々しく呻く。あかねさんが感じた拍子に強く挟みこんで締めつけているらしい。

 

「ん、ふっ……おとなしくしてくださっても、よろしいのですけど」

「体力に物言わせるの、ズルくないかな」

「演技が自分の肉体を使った説得の技術であるなら、体力があるほうが有利に決まってますよね」

 

 あかねさんが深呼吸してから再開する。今度は舌を動かす合間に、じゅるじゅると頬をすぼめて吸いつく責めも織り交ぜる。

 

「っ……あ……!」

 

 彼の声が漏れる。弱々しい。あかねさんが鼻から大きく息を吸う。これからもっと責めますよ、という予備動作に私まで身構えてしまう。

 

「ぢゅる、れろ……ん、ちゅぷ……!」

 

 パイズリのリズムも変わる。彼のモノを挟んだまま半立ちをもみくちゃにする。彼が水音に紛れそうにかすかな呻きとともに震え、竿がびくびく震えながらどうにかパイズリを押し返す。硬さを取り戻したか、引きずり出されたか。

 

「んっ、ぢゅ……気持ち、いいですか……?」

「っく……黒川さん……んんんっう……!」

 

 彼の手が、あかねさんの乳首をつまもうとする。でもパイズリと唾液と先走りとでぬるぬる滑って手こずっている。

 ペースがあかねさんに傾きつつあった。

 

「ぢゅぷ、れろ……んんく……!」

 

 あかねさんが彼のモノを根本まで咥える。彼の腰が浮いてノド奥のどこかに当たってむせるが、離さない。小ぶりな胸を押しつけて擦りつけてのパイズリで追撃している。ぬっちゅっ、ぱちゅんっと音もすごいものだ。ここまでの勢いになると大きい、小さいという次元じゃないのかも。

 

「っ……あ、ぁ……!」

 

 彼の顔が真っ赤になっている。声が途切れ途切れで息も荒い。でも射精に至らない。男の人はおちんちんいじられて気持ちいいときでも苦しげに喘ぐのが常だが、これは本当に苦しい快感らしい。

 彼の手が、椅子の肘掛けをつかみっぱなしだ。もうあかねさんの胸に反撃する余裕が失せている。

 

「ずっ、じゅずずっ、れろろっ……んぷっ、ふ……これで硬くなったら、私の中に入れてみますか?」

「ふぐっ、えぅ、うううーっ……! それは……」

「もう動くのが億劫、とおっしゃるなら、私が上に乗って動けばいい。やり方、教わっていますし」

 

 私がちらりと付き人さんに目を向け、あちらから視線が返ってきたが――騎乗位のやり方なんて教えたんですか、それに彼がこのままがんばってるの本当に体の毒では、もう引き離したほうが……?――ごちゃ混ぜになっちゃって、何も通じた気がしなかった。

 

「っく……ま、だ……」

「んぢゅ、ずっ……ぷはっ……そのために、私にやらせてきたのでは?」

 

 あかねさんが、喋る合間にもパイズリとフェラの合わせ技を続け、彼のモノがあかねさんの胸と口の中で翻弄されている。彼を見上げる視線も媚びより煽りの色がべっとり塗られている。彼が言い返す声に力がない。あれ? 枕営業ってこんな体力勝負な感じでしたっけ。

 

「っく、ぐ……んぅう、あああっ……!」

 

 あかねさんの舌が、彼のモノの裏筋を執拗に舐める。胸を強く寄せてパイズリの圧力もかけてくる。そこが敏感だと私も知っていて、苦しい快感に私まで息を呑む。

 

「ん、ずずっ……ぷはぁ……また、硬く……さっきほどでは、ありませんけど」

「それは、その……っ……さすがに、僕も……っぉお……!?」

 

 あかねさんに攻めまくられながら耐える彼は、あかねさんの体を我が物顔でもてあそんでいた面影がすっかり消え失せ、弱々しく、不思議と健気に感じられる。体中の筋肉に力を込めて、歯の根をがちがち震わせている。

 孫娘にじゃれつかれている、と言うには物々しいしえっちすぎるんだけど。

 

「ぢゅぷっ、れろっ……んん……! ほら、ね……」

 

 あかねさんが不意にパイズリからペニスを解放する。支えを失って、どうにか上向きになっているといった雰囲気だ。先走りとよだれが泡立って白くなっていて、グロテスクだった外観がずいぶん隠れて奇妙なオブジェと化している。

 

「中に入れられるのは、嫌なんですけれども」

「黒川さん、そのっ」

「ただ、もう幕切れでしょうから」

 

 あかねさんが彼のモノから口を離す。糸を引く唾液を眺めて指先でくるくるもてあそんで切ってしまう。それからヒザ立ちのまま彼をチェアマットまで引きずり下ろす。私も付き人さんも止めように止められない。

 

「私が動いてさしあげますから、未練などのないように」

「縁起でもないことを……ぉ、う……!」

 

 両ヒザで彼の太ももをまたいで、あかねさんが上から宣言する。入れる前から騎乗位だとわからせる体勢、手加減なんて忘れたと書いてある表情だった。

 

「っく、ぅ、ふ……」

「お、おお、ぅ……!」

 

 どうにかそそり勃ったと言えるほどのモノをあかねさんがつかみ、潤んだ割れ目に導く。粘膜とともにため息のトーンも重なる。

 

「……始めますよ?」

 

 くちびるを噛みながら根本まで飲みこんで、前後に腰を揺する。細い腰がくねり、かわいらしい顔とおっぱいが揺れる絵面がこれまでにも増して犯罪的だ。

 

「あっ、あうぅ、すご……なか、が……!」

「はっ、はふっ、はっ……!」

 

 2人とも声を抑えていて、結合部からのにちゃにちゃする水音がよく聞こえる。あかねさんが自暴自棄か開き直ったように腰を強くあっちこっちに動かしている。やがて彼の胸板に手をついて、パンッ、パンッ、と肉がぶつかって響くほどに腰を打ちつける。

 

「はあっ、はんっ、うっ……いかが、です? 前より、思い切ってみましたが……」

 

 煽り文句を鵜呑みにするなら、以前のあかねさんに彼が騎乗位を教えたのだろう。若い子にテクニックを教えたら体力差で逆転されてしまった。冗談じみた出藍の誉れ。

 

「っあ、ああっ……黒川、さん……!」

「んっ、はぁっ……はっ、んっ……ぁ……」

 

 彼の声が裏返って肉体がどこもかしこも震える。あかねさんの声も、さっきより上ずっている。頬が赤いし額に汗が浮かんでいる。パイズリフェラで収まりかけていた熱がぶり返したらしい。腰の動きも、ぬっちゅぬっちゅ気持ちよさそうだけど無造作な感じになってきた。あれだけ濡れてて突っこまれたまま腰を動かしてれば、彼のモノが中のいいところに擦れてしまうだろう。

 

「んっ、あっ……はぁっ……!」

 

 あかねさんの動きが速く激しくなる。ペニスを深く入れたまま腰で前後左右に揺さぶったり、ヒザとももを閉じ気味にして締めつけをキツくしてから上下に浮き沈みさせたり。動きの反動であかねさんも快感が兆しているように見える。

 これが演技100%だったとしたらちょっと……いやだいぶ怖い……あり得なくもないんだけど……。

 

「はっ、ぁっ……んん……っ!」

 

 あかねさんの乳首が硬く尖っている。彼がそれに気づいてか手を伸ばす。届くけどすぐにつるりと滑ってしまう。逆にあかねさんが彼の手を引っつかんで触らせる。

 

「ふ、ふ……あっ、ああっ……んっ……!」

 

 あかねさんの声が大きくなる。腰の動きがさらに激しくなる。直線だけじゃなく円弧の動きも加わって躍動さえ感じられる。

 

「はっ、あっ……んんっ……! いつでも、どうぞ……!」

「あかね、さん……っ……!」

 

 あかねさんが彼を見下ろしつつ告げる。中出しを許してやるのかせっついてるのか。彼の目にはどうだろう。

 あかねさんの太ももが震える。お腹が波打つ。さっきみたいに快感に支配されかけているようで、まだ腰使いで攻めまくっている。瞳がすっかり濡れて真っ暗でゾクっとする。そりゃホラーみたいだけど瞳孔が開けばああなる……興奮しているんだ。

 

「んっ、うっ、あ、あっ……! あぁっ、はぁぁぁぁ……!」

 

 あかねさんの動きが乱れる。リズムが崩れる。でも激しさは増す。今度は足を開いて、ぎりぎりまで抜いてから一気に腰を落とす。

 

「ぅ……うあああああっ!」

 

 大きくなったストロークに彼の呻きも切羽詰まって、断末魔に見舞われているのかと思う。

 私たちは固唾を呑んで見守る。あかねさんも彼も、両方限界に近い。どちらが先に堪えきれなくなるのか。この場にいたら、気が狂いそうなほどの苦しさと快楽が私にまで及んでしまいそうだ。

 

「ぅ……うああっ、も、ぅ……!」

 

 私がおかしくなる前に、彼の声が限界を超える。体が硬直する。彼の下半身がびくびく痙攣する。あかねさんの腰が激しく打ち下ろされたままだ。

 あかねさんが息を呑む。それだけで伝わる。彼が腟内射精している。

 

「はぁ……はぁ……っ……ふ、ふふっ、ぁ、はっ」

 

 あかねさんがようやく腰の動きを止める。彼の上に跨がって中に彼のモノを収めたまま、荒い息混じりに笑う。

 男をたぶらかす悪女ってこうでしょう、と顔に書いてある。

 

「っ……あ……」

 

 これで一区切りかなと後片付けを手伝おうとした瞬間、あかねさんの体が小刻みに震えだしてびっくりした。

 

「ん、っ……!」

 

 あかねさんが慌ててくちびるを噛む。びちゃびちゃ失禁のように愛液を漏らして、彼の腹や胸板で汗やよだれを洗い流す。

 

「っく……ふ、ぁ……あああっ、んあっぁっ、あうっ!」

 

 あかねさんの腰が小刻みに動く。彼のモノを中で擦る。もうちょっと足りない、と細いウエストからでも察せられるほど膣壁がきつく引き締まる。

 やがて背中が反って胸が突き出される。乳首が硬く尖っているのが目立つ。お腹と太ももが痙攣する。前にイかされていたときと同じ。

 イッたとするなら、張り詰めていたものがさすがに緩んでしまったせいかも。タイミングがぴったりすぎて、どこまでが演技なのか、ここまで来てかえってわからなくなった。

 

「ああぁっ……!! っく、ぅ……!」

 

 あかねさんもまた苦しいのか、気持ちいいのか、しばらく彼の上にのしかかったまま喘いでいた。付き人さんが動いたのが目に入って、私は飲み物やタオルがどこにあったっけかと辺りを見回した。

 

 

 

 

「腹上死しちゃったらどうしよう」

「……胡蝶蘭をお供えしますよ」

「開店とか何かのお祝いみたいだね」

 

 別荘を出るまで、あかねさんと彼はこんな調子だった。2人は冗談めかしているけど、端から見ているといつ救急車沙汰になるかドキドキしてたぶん寿命が縮んでしまった。

 確かに〝やりすぎないよう見張る役目〟ではあったけど、想像したのと全然違うしんどさだった。

 

「あれは弔花用もあるんです」

 

 あかねさんと彼との年齢差では、事故でもない限り確実に彼が先立つ。彼ぐらいのキャリアを積み重ねていればお別れの会とかそれなりに盛大に開かれて、あかねさんも生前に交友があった一人として弔辞を読むのがメディアに流されるんだろう。そのときまでに、2人は何回こんなセックスをして、あかねさんはこれからもっと変わってしまうのか。

 

 私も営業の見返りはもらったけど、役者・黒川あかねを純粋な目で見られなくなっちゃった分を考えると、ちょっと割に合わなかった。

 

(おしまい)

 

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