黒川あかねさんが昔うっかり濡れ場でイカされてしまったウワサ 作:ふりーじ屋/家庭内禁書
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アニメ版『【推しの子】』OPであかねさんが巨乳になっていたのでこちらもおっぱいを大きくしました。
「そんなに気になりますか?」
「……運動部の合宿か何かかと思って」
「呆れることはないじゃないですか」
助手席からミラーごしに後部座席の2人の様子をうかがった私としては、〝彼〟が呆れてしまうのもちょっと無理もないと思いました。
「金田一さんとこは合宿とかやってるのかな」
「よほど切羽詰まってるとかじゃない限りは」
「だろうね、いろいろ気を遣うし」
2人のうち一方は、今や国民的女優との枕詞が馴染んできたけど、まだ私を先輩扱いしてくれる黒川あかねさんです。もう一方の〝彼〟が言った〝金田一さん〟とはあかねさんが最初に演技を習った劇団ララライの団長です。〝彼〟とあかねさんの年齢差のせいもあってか、孫の近況を聞き出そうとして適当にあしらわれている祖父か親戚のような雰囲気がありました。
実際は、ずいぶんかけ離れた関係ですが。
「私は部活やる暇がありませんでしたが、サプリやゼリーや保湿クリームはともかく、合宿でも響声破笛丸は使わないと思います」
「昔は売ってる薬局が少なくて龍角散で済ませてたなぁ」
〝彼〟は――(私とあかねさんがいる事務所の都合で、一応伏せておきます)――長年いぶし銀や技巧派と称されてきた俳優で、キャリアが私たちの4倍ちょっとあります。売り出し中だった数年前から、あかねさんは彼にお勤めをしています。
端的に言えば枕営業です。
私も事務所に命じられてカムフラージュ兼付き添いとして同行し、あかねさんがお勤めしているのを見たこともあります。今これからもそうして見る羽目になっている予定でした。2人が共演するロケ先の下見からの帰路で彼の所有する海辺のコテージに立ち寄り、そうすると聞いていました。この車も付き人さんの運転でそこへ向かっています。
ただ2人の様子は、私がかつて見たそれと違っています。
「これ、宣伝には女性の方が起用されていたりフェミニンな名前やパッケージだったりしますが、つまるところB2、B6、B12とかのビタミン剤です。粘膜の荒れや疲労感をケアするので、男性にも効きますよ」
「栄養剤に頼るのって、なんだか年寄り臭いなって」
そうするとき、〝彼〟はあかねさんの肢体を弄び、執拗に絶頂させていました。あかねさんが認めずとも、女の私が傍目から見てそうと思わされるほどです。苦しめて楽しんでいるようでした。サドでしょうか。
そうされているあかねさんを見ていると悲痛でこちらもあんまりだと思って、〝彼〟の付き人さんと一緒に止めに入ったことさえありました。
「馬油は肌ケアの定番ですが、けっこうベタつくテクスチャーが苦手なので、馬油を配合したクリームを選んできました」
「健康の話題で盛り上がるには、あかねさんはまだ若いでしょう。年寄りの僕に合わせてくれてるのかもしれないが」
「あなたがじろじろ面白そうに見るからです」
ですが今のあかねさんは、だいぶ余裕があるようです……慣れとは恐ろしいですね……慣れだけで説明していいんでしょうか……?
あかねさんが持ってきている漢方の響声破笛丸、ビタミンB群のサプリメント、スキンケア用のクリームはロケの下見だったらほとんど不要です。この量を持参している意図は明らかに、彼に何度も絶頂させられて消耗するのをカバーするためです。デリケートゾーン用のウェットシート、使い捨ての布ナプキンやドライシャンプーとかも役立つらしく、あかねさんの荷物の中にちらちら見えました。
あかねさんはただ持ち込むだけでなく、何かにつけてそれらを彼に見せていました。むしろ見せびらかして彼に〝体がクタクタに、あそこがヒリヒリになるほど私をイカせるつもりでしょう?〟と挑発しているようです。
「……あとはあれか……忙しいのに呼びつけやがって、って嫌みかと」
「移動中でもケアができる時短なのは確かです」
あかねさんの態度のせいか、体も貫禄がついて見えます。表情はまだ実年齢なりに女の子っぽいですが、ウエストや手足がほっそりしているのにバストとヒップがすごく盛り上がって――(羨ましすぎる!)――白く清楚なワンピースごしにもグラビアアイドルに匹敵するスタイルだとわかります。
人気女優で立ち居振る舞いも謙虚で――(私や付き人さんに対しては謙虚なんです)――このセックスアピールとなると、ちょっと前から幾人かの男性との浮き名も流れているのも納得できる姿でした。
「……扇ごうか?」
「お気持ちだけ」
コテージの近くの駐車場に車をつけると、海岸近くで日陰がなく、しかも快晴。まだ夏には早いのにちょっと歩いただけでも汗ばんできます。潮風もなんだか生暖かいです。
あかねさんは、つばが肩幅ぐらいまであろうかという白いキャプリーヌをかぶって、汗で肌に貼り付いた白いワンピースの布をつまんで引っ張って肌から浮かせたり、扇子で風を送っています。バストとヒップはむっちり、あとはほっそりしたシルエットと肌の色が白い薄布と風ごしにこちらに見え隠れします。
「あかねさん、海は好きだったかな」
「今年はまだ行ってませんでした。それで、今日行ってもいいかなと思うぐらいには」
肌だけでなく、ワンピースの下に着込んだ水着らしき色と形も見えます。マリンブルーのホルターネックで、ワンピースの首周りからぴょこんと飛び出して見える、うなじの結び目が飾りリボンのようにひらひらしています。水着はモノキニのようです。バストやウエスト、デルタゾーンをすっかり覆っています。その割にバストとウエストのメリハリがきっちり見えるのは、アンダーバストあたりでも結んで締めつけているのか、このスタイルにぴったり合う品物をあかねさんが選んできたのか。
「準備万端でいらっしゃるようだし」
「そういうのはもっとあとから言うんですよ」
〝彼〟の付き人さんと〝彼〟が先に歩き、あとに続く私とあかねさんにコテージの周りを案内してくれていますが、私はよく覚えていません。
あかねさんの姿に――(私そういう趣味はないのに……でも……あんまり見せつけられているから……)――つい気を取られてしまうのです。ただ説明するだけなら平凡な仕草なのですが。また扇子パタパタさせてて暑そうだな、潮風にふわふわしていた白いワンピースもすっかり湿っぽくなってしまった、前にロングヘアだったのがボブカットになってるのも暑い季節に備えたのかな、とかそんなふうな。
「先輩、私の顔に何かついちゃってます?」
「いやぁ暑いなぁって。夕方までコテージで一休みしたほうがいいかもしれない」
「あの人と一緒じゃなきゃ、そうしてたんですけどね」
そんなふうにしているあかねさんの体がえっちすぎるのがいけないのです。
白のつば広ハットとワンピースという爽やかさ全振りの格好なのに、それでもえっちな体の存在感がにじみ出てきて、かえって意識させられてしまいます。おっぱいとお尻が大きくて肌が火照ってる。気だるげな色も悩ましく思えてしまう。さっきの言葉も――(うかうかと室内に入ったら、さっそく押し倒されてしまうじゃないですか)――いやいや、さすがに私の妄想過多でしょう。そのはずです、うん。
あかねさんのワンピースがまたぺったり肌に貼り付いたころ、私たちはコテージに着きました。中に入って〝彼〟はすぐエアコンをつけてコテージのリビングで椅子に座って休んでいます。
コテージは平屋で真新しくこざっぱりとした印象でした。〝彼〟を放って中を勝手に回っているあかねさんについて――(うわぁ、さっきよく見てなかったけどこの水着って背中がぱっくり大胆に見せて……)――あかねさんばかりじろじろ見ないよう心がけつつ見た限り、内装は凝っていますが部屋割りが妙に規則的です。
「コンテナハウスみたいですね」
「別荘みたいに据え付けると手間だし、車で引っ張ってこれるコンテナにして必要な部屋のぶんだけくっつけて広くして、内装で別荘っぽくするそうです」
「グランピングとかちょっと前に流行りましたね、そういうのでよく使われるようで」
古くから〝彼〟が持つ別荘ではなく、忙しいあかねさんと下見の帰りに寄れる場所から使えるところを探して借りたのでしょうか。
「先輩だから言ってしまうんですが、ひどいんですよあの人ったら」
「へぇ?」
浴室をチェックしているあかねさんについていくと、急にぼそりと囁かれて私は間抜けな声で返事をしてしまいました。
「これに誘われたとき、思わせぶりに……あかねさんのまだ知らない気持ちよさを教えてあげよう……とか言ってきました」
「まぁ……男の人って、イカせればいい、みたいな考えばっかりですよね。男がイケば満足だからって」
「あの人は私にそう言っておいて部屋でお昼寝でしょうか。お年を召されたかな」
「暑熱順化もまだでしょうし、少しやられたのかも……」
なんだか話がズレていました。
どうやらあかねさんは、〝彼〟に思わせぶりなことを吹き込まれていたようです。車中で準備万端ですよ、と見せつけていたのはそのせいでしょうか。そのくせ、いよいよコテージに着いたと思ったら彼が一休みしていて、肩透かしを食らった気分なのでしょうか。
「おかげさまで、私も……先輩だって忙しいでしょうに」
「私はそれほどでも……」
あかねさんはユニットバスの浴槽縁にある入浴グリップをしげしげと眺めています。把手と脚のついた万力っぽい見た目で浴槽縁を挟んで固定しています。足腰の弱い人が浴槽から出入りするとき手すりとして使います。工事も工具もなしに後付けできて便利そうです。
それを足腰が明らかにしっかりしているあかねさんが、腰をかがめつつ手で把手を握ってぎしぎし力をこめたりなんだり、しきりに確認しています――(ワンピースごしなのにお尻が、むちむちって……)――ひょっとして、〝彼〟から立ちバックで責められることを想定して、グリップが耐えるかチェックしてるのでしょうか。あかねさんはお風呂で彼に抱かれたこともあります。
「……先輩、何か気になることでも?」
「妙にそれを気にしているなぁって思って、私も初めて見たよ」
いきなりあかねさんから声をかけられて心臓が跳ねるほどびっくりしました。妄想が顔に出てたんでしょうか、それにしてもどこから見たのか。浴室の姿見ごしに見られちゃったのか。あかねさんの恥じらい混じりのジト目から顔を背けつつ、私も入浴グリップを珍しがる素振りであかねさんのすぐそばに身をかがめます。
「……こんなんで体重かけられるもんなんだね」
小学生みたいな感想を口にしたのは、ごまかすためでした。匂いが。あかねさんの。むわって、まるでえっちの時みたいな……失礼。甘くてねっとりした女の匂いが腰をかがめた瞬間に鼻を不意打ちしてきました。いきなりなんなんでしょう。そうか。車に乗っていたときは車内クーラーもあって、外を歩いているときは風ですぐ流れていたけど、この浴室ではクーラーをつけていなくて空気がこもっていて、しかもあかねさんがかがんでいてワンピースの首周りが垂れて内側から漏れた。きっとそう。
「戻りましょうか、先輩」
「えぇ、そうしましょう」
それにしたって、まだ肌に触れられてもいないのにあんな匂いをさせるなんて、とは思うんですが、がんばってポーカーフェイスです。私だって役者なのです。
あかねさんは部屋に戻ると、付き人さんの許可を得て冷蔵庫から500ミリリットルのミネラルウォーターを取り出してすぐ開栓しました。それを持ったままコテージのリビングで椅子に座ると、鞄から食物繊維パウダーやインスタントコーヒーが入ってそうなスティック状のラミネート包装を取り出し、指で切って、ペットボトルの飲み口にさらさら投入してしゃかしゃかシェイクしました。なるほどスティックタイプならペットボトルに直に入れやすいですね。泡が収まると無色透明だったミネラルウォーターが透き通ったまま黄色みがかっていました。これはインスタントコーヒーじゃなくてサプリメントかスポーツドリンクか何かでしょうか。
「ん、んくっ……こくっ……」
それにしてもなんだかおかしい。あかねさんはなかなかお嬢様育ちらしく、こういうものはちゃんと水をコップに注いでから粉末をスプーンでくるくるかき混ぜて溶かすたちです。ペットボトルから直飲み、しかもノド仏がごくごく上下するのを見せつけるよう首を反らして飲むなんて。昔のビールの宣伝を見ると、なぜか水着のお姉ちゃんが首を反らして普通なら見えにくいノド仏を強調して飲んでたような、あんな感じです。
私より年上で業界歴も長い〝彼〟も、少し離れた椅子で座ったままきっと想像しているでしょう。
「ノドが渇いてたのか、それとも海が待ち遠しいのかな」
「あら、急かすつもりはなかったのですが」
彼の言葉に対するあかねさんの返事はとぼけて響きました。
ペットボトルが汗をかくぐらいキンキンに冷えていたのですが、それをごくごく飲んだあかねさんの熱は冷めやらぬようです。ほっぺたやデコルテがしっとりしていてそのままCMに出られそう。スポーツドリンクの宣伝とすると白いワンピースがミスマッチだしスキンケアがお似合いでしょうか。
「海に行くなら、水分補給も大事だけど」
彼が椅子から腰を上げると、付き人さんが何か言われる前からリビングを出ていきました。何かの準備でしょうか。どうせえっちなことなんでしょうが。
それを見たあかねさんは、ミネラルウォーターをもう1本もらって開けてしゃかしゃか……飲みすぎでは? 彼へのささやかな反抗か、たくさん飲んでおく必要があると想像しているのか……。
「SPF50+・PA++++ですか」
「よろしくなければ、きみの持ってきたものを塗ろうか」
「いいえ、せっかくですからこれで」
数分前、付き人さんが戻ってくると柔らかく大きめのマットを抱えていました。それを床に敷くと、あかねさんがワンピースを脱いでマットにうつ伏せになりました。
彼が日焼け止めのボトルを手に取りながら苦笑いしていて、あかねさんは寝転がりながら首だけ彼に向けていました。だいぶお行儀が悪いです。この2人がこうしていてお行儀がよかったことは少ないですが。
彼がその手で日焼け止めを塗ってあげるようです。
「しょうじきよくわからないから人に教えてもらったよ。ちょっと敏感な肌の人が、日当たりのいいところでレジャーするとき向け、って」
「ちょっと敏感、ですか」
「あとで僕にも塗って大丈夫かな」
日焼け止めはあかねさんがパッケージをチラ見して指摘した通りかなり手厚く紫外線を防御するものです。そういうのはねっとりしたテクスチャーになりがちですが、彼が手に取ると、透明に近い液が指の間でゆっくり広がって、水より重く油ほど粘らない感じです。防御性能は高く、オイルのように伸びて、ベタつかず、光を拾いやすい……たぶんグラビア撮影とかに使う品でしょう。あかねさんに塗るものとしては妥当です。
ただ、〝彼〟に聞かれてこれを勧めた人がこの様子を知ったらどう思うのやら。
「ボブカットもいいもんだね」
「ロングのほうがお好きでしたか」
「ガルボハットにワンピースだと、黒くてストレートで長いのが似合うかと……古すぎるかな」
「あと乾かすときも断然楽なんです」
あかねさんはマットに両肘をついて、もたげた顔の下に手を入れて頬杖をつくように支えています。ボブカットのおかげで、髪の毛の生え際からほっそりした首が見えます。
ただその首も半ばで、飾りリボンのように青くひらひらするホルターネックの結び目が食い込んでいます。腹ばいになってもあのバストの重みを支えるとこうなるのでしょうか。結び目がもう一つ、アンダーバスト側から肩甲骨のすぐ下を締めつけていて、あとは背骨のくぼみが終わってお尻の膨らみ始めるところまですべて肌を出しています。肌をほとんど覆っていた前面とは、もう、打って変わりすぎです。
上半身のうちバストが隠され、細い肩やウエストばかり見えているせいか、ヒップの大きさがますます大げさに感じられます。
「それではお嬢様、失礼いたしますよ」
「っふふ、変な触り方する前から笑わせてくださるんですね」
あかねさんがくつくつ笑いながら身をよじったのを見ただけで、私はゾクゾクしてしまいました。
水着の締めつけが体の両側面からヒップの膨らみをV字形に横切ってお尻の溝の始まりで合流しています。くっきりしたヴィーナスのえくぼを見せつけるようです。締めつけられている側はタイトな水着をぴちぴち内から圧してはち切れんばかりで、締めつけられていない側はこんもりと盛り上がっています。弾力があって瑞々しくも柔らかいぜいたくなボディ。
あかねさんが笑うと、お尻や太ももの膨らみの一部がぺこんとへこみます。お腹が軽く緊張したのに連動してお尻や太ももの筋肉にも力が入ったのでしょう。
「では、肩のほうから」
「あらら、触る前に声までかけてくださって」
そりゃあ、豊満なバストやヒップというものにありがちなことです。例えば近年のグラビアアイドルはほぼみんな筋トレをしています。脂肪を部分的に減らすなんて不可能な一方で、筋肉なら部分的に鍛えて大きくできます。バストの土台となる大胸筋とかヒップの土台となる大臀筋とかを鍛えれば都合のいいところだけボリュームアップ! という寸法。土台がカチカチの筋肉でもその上に脂肪が乗っていれば柔らかく見えます。極端に言えばお相撲さんと同じです。
でも私は、ジムで健康的に汗を流すあかねさんを見た記憶があまりなくって、〝彼〟に数え切れないほどイカされ痙攣させられるあかねさんや、その翌日に筋肉痛でぼやくあかねさんの姿ばかり連想しちゃう。
またあかねさんが笑ったらしく、ウエストから脇腹が浮き沈みして見えます。腰をよじると、おへそのあたりに白線――(いわゆる、腹筋が割れるというときの縦に見える線です)――も一瞬だけ浮き上がったかも。それも、彼とのセックスでお腹を何度も引き締めたせいじゃないかって……いえ、きっと考えすぎですね。
「くすぐったいかな」
「……ん、それほどでも」
〝彼〟があかねさんの首や肩や腕にオイルを塗り始めます。いつかマッサージ師さんにマッサージを習っていましたが、それより今の手つきは淡々としています。
あかねさんはお腹より上ではつれない表情や言葉であしらいつつ身を任せています。
「何かあったらご遠慮なく」
「ちょっと使いすぎでは、この調子だとお腹のほうに垂れて」
〝彼〟から死角になっている下半身は、様子がだいぶ違っています。
〝彼〟に首筋や肩甲骨を撫でられるたびに、足の指がぎゅっと縮こまったり、足の甲がマットをずりずり撫でたり、足の裏で土踏まずの肌がくしゃくしゃになったり。引き締まったふくらはぎが、足首の曲がったり伸びたりに合わせて膨らみの形をもぞもぞ変えるのも、膝裏に浮き上がる筋も悩ましい。
もっと露骨なのはお尻でした。つい力が入って、ぴっちりお尻の谷間を覆っていたはずのモノキニがぎゅっと寄せられシワができては伸ばされます。太ももはほとんどぴったり閉じられていますが、下半身の緊張したり弛緩したりの繰り返しがヒクヒクと何かを招き入れるように見えます。招かれているのは明らかに私ではないのですが。
それから〝彼〟が下半身に塗り込む段になると、あかねさんも意識してかずっと反応が控えめになります。お尻とか太ももとか直に触られているのに。その隠し方のうまさで、私はかえって、あかねさんが見られたくなかったところを見てしまったと確信させられてしまいましたが。
「ほら、もう、ちょっと着けすぎですって」
「それは、それは」
あかねさんがくすぐったそうに手足や胴をもぞつかせると、にちゃ、ぺちゃと何ともいやらしい水音がかすかに聞こえます。愛液……ではさすがになくて、〝彼〟があかねさんの背中に塗ったオイルが垂れて、彼女の肌とモノキニの間に入りこんでしまったようです。
「んもう」
ついにあかねさんがうつ伏せ、腹ばいから両肘、両膝を起こして四つん這いまで体を起こします。何やらつぅーと糸を引いたり雫のようにぽたぽた垂れたりします。もうやっぱり汗だくのセックスを連想してしまいます。
「ずいぶん変わってしまったね」
「いつから、どう変わったと言いたいんですか」
「初めて会ったときから」
「何年経ってると思ってるんですか」
あかねさんが〝彼〟からぷいっとそっぽを向いて、例の大きなお尻を向けている格好になります。息は深くゆったりしていて、彼女のメリハリの効いた胴がしなやかに揺れています。変わったのは体つきだけではありません。前のあかねさんだったら、同じ姿勢をさせられたらもっと苦しげに心細そうにしていたはずです。
「初々しいあかねさんも恋しくなってきたな、ちょっとだけ」
「私は、さほど」
「今、あかねさんが昔の自分を思い出して演じたら、どうなるだろう」
「演技と言ったら食いついてくるだろう、と思ってませんか」
「それほどでもある」
オイル塗りの続きで〝彼〟からあお向けになるよう促され、あかねさんは素気無く首を振りました。
「昔の私、今よりずっと聞き分けが悪かったでしょう?」
「このまま塗れっていうこと? えぇえ……ああ、はい、はい」
〝彼〟が手にたっぷりオイルをとって、あかねさんの腋下と脇腹に向けます。
「では、改めて」
「……どうぞ、お好きに」
声の小ささや震え具合は昔のあかねさんのようです。ただ、モノキニ姿で肌をベタベタにされて四つん這いでお尻を高い位置に上げる姿勢が昔とかけ離れています。かつても後背位で貫かれていたけど、こんなに堂々とした雰囲気じゃなかった。
〝彼〟の手が脇腹に触れます。オイルを伸ばし、あかねさんの肌をひたひたと湿らせていきます。指先が腋の下、バストの腕側のふもとに進み、布と肌の境を這っていくあいだに、どこかで、ぬちゅ、と小さく鳴って聞こえました。
「ん……ゃ、っ……くすぐった、ぃ……」
「もうちょっとびくびくしてたよ」
バストを支えるのがモノキニだけになって、半分宙吊りのようでゆさゆさと重そうに揺れます。実際重いらしく、あかねさんが腕に力を入れ直します。
「あなた、昔の私をどのくらいちゃんと覚えてますか」
「……印象はよく覚えているよ」
「はぁ」
呆れも露わにしたため息が尽きると演技に戻ります。〝彼〟の指がバストのふもとをするする撫でる。ぬちゅ、ぬちゅっ、とオイルが布と肌のあいだで鳴ったのがはっきりわかりました。かすかな音なのにやけにうるさく聞こえます。
「や……ん、んんっ」
あかねさんのノドがこくりと上下しました。彼の手を追い払うように肩や腰を揺らすと、おっぱいやお尻が宙で重々しく動きます。動きの拍子に、乳首のあたりのシルエットがうっすらぷっくりして見えて私はまたどきりとします。
「後ろに回らせてもらうよ」
あかねさんのむっちりした太ももが、内側からきゅっと寄りました。
「そこは……んっ」
あかねさんも〝彼〟も言葉を続けませんでした。〝彼〟の人差し指と中指が、モノキニの食い込みをわずかに外れて鼠径部をゆっくりなぞります。指の腹が布の端を押し込むようにして、ぬっちゅ、とまたオイルが鳴り、あかねさんの太ももがもっと強く寄って膝と膝が触れ合いました。深呼吸をしようとして、息が途中で乱れました。
堪えているのは明らかでした。
「そこは?」
「……何でも、ありません……っ」
鼠径部への愛撫が続きます。〝彼〟の指先が際どいところを行き来するたびに、あかねさんの腰が小刻みに震えて、肘も膝もずりずりマットをいじめています。なるほど震え方も、さっきまでのフラフラした感じというより、かたかた不随意に震えてしまう感じが少しします。
「ほう」
〝彼〟の指で太ももの内側をゆっくりなぞられ、あかねさんが息を詰まらせます。
「……んっ、んく……」
くちびるを固く結んで、鼻から細く漏れてしまいます。モノキニのお腹側の布が、あかねさんの呼吸に合わせてふくらんだり凹んだりしていました。オイルが布に外側から垂れて、てらてら光ってずぶ濡れです。
〝彼〟の手が鼠径部から腰骨の際に移ります。指の腹がお尻の谷間に近づくと、きゅっとお尻が力んで、またぐちゅっとオイルが布の中で鳴ります。
「……こういう趣向が、お好きですか」
「きみのことは好きになれそうだ」
あかねさんの声が少し上ずっています。昔を演じている声に、今の熱がうかがえます。
〝彼〟が不意に腰骨のくぼみへ親指を押し当て、指を広げ手のひらも手首も使ってお尻全体を揉みしだきます。
「あっ……!」
するとあかねさんは、四つん這いの姿勢のまま、背骨が弓なりになります。お尻が逃げるように下げられ、足の指と足の裏がぎゅうっと力んでから喘ぐようにもぞつきます。
「お嫌ならば、こちらでも」
〝彼〟の手があかねさんの上半身に転じて、肩、うなじをなぞってホルターネックの結び目にかかります。解かないまま肌の間に指先をねじ入れて曲げると、あかねさんの背中にびくりと波紋が走りました。
「や……んっ、やぁ……!」
そこを刺激されるにつれて、あかねさんの反応がだんだん熱っぽくなっていきました。これまでもそうだったのですが、もっとじわじわにじみ出る感じです。
見ているぶんには焦れったい絵です。結び目がいつほどけて素肌が出てしまうのか。
でもあかねさんの肌や吐息が上気していくのとか、くちゃ、にちゃという音はどんどんエスカレートします。おそらく、〝彼〟の指の動きがぴったりしたモノキニを通してまんべんなく波及して、胸やウエストやあそこやお尻まで指一本でいっぺんに愛撫されているような感覚になってしまっているのです。普通ならそこまで感じなくても、あかねさんの肉体は〝彼〟の指をしっかり覚えているし、オイルが水着と肌の中に入った違和感で肌に意識を向けさせらたりして、こうなってしまうのでしょう。
〝彼〟があかねさんの様子を見て思いついた責めなのか――(もう私にはあかねさんを蕩かすための愛撫にしか見えません)――それともあかねさんがそう仕向けるためにあらかじめ着ていたのか――(いつの時点から狙っていたのでしょうか)――どちらにしても恐ろしい。オイル塗ってるだけの姿を見て戦慄する私もなかなかおかしい気がしますが……。
「っ……っうぅー……ぅ……! ……ひっ、やだ、っそんな、乱暴にっ」
「いい水着だね、とても似合ってる」
モノキニが胸元や腹部に前よりもぴったり吸い付き、マリンブルーのシルエットがあかねさんの肢体がビクンと跳ねるのをよく見せます。にちゃにちゃ、といった音がますますうるさくて、あかねさんの大げさな吐息や声でもごまかせません。
「ん、ダメ、んっ、はぅ、んっ……んぅうっ……!」
あかねさんがきゅっと太ももを閉めて内股にしていますが、モノキニの生地を通してやってくる〝彼〟の動きはもちろん防げません。むしろ太ももを擦り合わせるあまり、オイルなどが肌とこすれて白く細かい泡になって、ぽたぽた内ももから垂れている始末です。
「……しつこい、です……っ……そんなこと、されたって……楽しいん、です、か、あなたは……!」
〝彼〟はあかねさんのホルターネックの結び目をいじっているので、オイルを塗り始めたときのように彼女の上半身を見ています。その言葉や表情で刺々しく拒んで見せるのと裏腹に、お尻や太ももは性感帯をくすぐられるまま必死にポーズを保っています。
「そうね、楽しいね」
「くっ……ぇ、あっ、んっ……!」
「止めてほしい?」
「そう言って、あなたが止めたことが……んんんっ!」
あかねさんがくちびるを噛み締めて嬌声を抑えようとすると、〝彼〟は黙って指の動きを止めました。
それから、息を整えながら様子をうかがってくるあかねさんに一言。
「そろそろ日差しのきつい時間も過ぎたろうね。行こうか、海」
あかねさんの顔には、訳がわからない、と書いてありました。演技かどうかはともかく、かつてのあかねさんを思い起こさせました。
※
「おかげさまで、ベタベタして気持ち悪いです」
「早く海に入りたいかい?」
あかねさんは砂浜すぐ手前の遊歩道の柵に両肘を乗せながら、不機嫌そうにくちびるをとがらせました。
「……思ったより暖かくなさそうですね、海の水が」
「まぁ、暑くなるのも涼しくなるのも陸のが先だし」
あれだけ水着を見せつけておきながら、海岸に着くと、波打ち際に少し手足を触れさせただけで砂浜の手前に戻りました。砂浜の白さや海水の透き通ってる様子は、歩いていてなかなか爽快でもっと味わいたかったのですが、仕方なくあかねさんたちの後に続いて戻りました。
「真夏みたいなぬるい水のイメージで来ちゃいましたけど」
「夏じみてたのは空気だけだったね」
海水浴には早いシーズンだからこそ、海辺が爽快さの割に閑散としているのでしょう。ほかの客は遠くに点々としているだけです。あかねさんほどの有名人でも気楽に水着姿でいられます。
「ただ海を眺めるというのもいいですね」
「お若いのにいい趣味で」
そのぐらい離れてなかったら私も慌てていました。今のあかねさんを衆目に、なんて危なすぎる。
あかねさんはキャプリーヌをかぶって、背面から見ると首元や肩が隠れていました。しかし肩甲骨と二の腕の隙間から、柵の上に肘とともに乗せられたらしきバストがむにゅっとなっているのがかすかに見えます。こっちが背面から見てるのに。それで例のお尻の膨らみを見せつけるモノキニを着ています。背中から垂れた汗らしき一筋がお尻の溝に落ちていったのなんか見ていて思わず声が出そうになりました。
ただ途中まで歩いているときに見えた前面からの有様もなかなか壮観でした。胸からウエスト、デルタゾーンまでタイトに覆っていて、ただ歩いていたりちょっと食い込みを直したりの動きが素肌より大げさに映ります。だいたい伸縮性に富む水着といっても、布ですから、伸ばされたら多少は薄くなります。バストとかヒップとかぱつんぱつんのところは薄く、そうでないところはそうでもないので、素肌より色も濃く、メリハリボディをしっかり引き立てます。しかもオイルでてかてかしたのが残っています。中天を過ぎて角度のついてきた自然光がゆらゆら表面を行き来したりもして、もうとにかく情報量が多い。
たぶんある程度はわざとでしょう、うん。天然でこれはない、ないはず。
「あまり早く戻っても……ですからね」
妙な言い方ですが、あかねさんは露骨に濁しました。戻ったらセックスに決まってるでしょう、と言外に響いていました。戻ろう、って自分から言い出したら……早くセックスしてほしいみたいな裏読みされちゃうのを避けたのか、それとも〝彼〟を焦らし返しているのか。
「んっ……」
「では、僕は海を眺めているあかねさんを眺めることにしよう」
「恥ずかしいことを言いますね」
〝彼〟が眺める、と口では言いましたが、あかねさんのすぐ横に並んで立って、彼女の肩に手を回します。あかねさんの背中やお尻がぴくんとなったのが、〝彼〟から触れられたせいなのか、肩に手を回す仕草がちょっと気障すぎると思ったせいか、半々に見えました。
「近い、です」
「こりゃ失礼、もう近くだと見苦しい顔で」
〝彼〟は自分の老いた顔を言葉だけで謙遜して、あかねさんのやや斜め後ろまで退きます。肩に手を触れさせたままですけど。
「それなら、こうしようかな」
〝彼〟の指先がゆらりと動いて、キャプリーヌの広いつばの死角に移ったかと思うと、あかねさんのお尻が心臓でもつかまれたかのようにひどく緊張するのが見えました。
「こんなところで……!」
「じゃああの2人に横から隠してもらおうか、お願いするよ」
あかねさんの真後ろに回った〝彼〟に片手で手招きされ、私たちがあかねさんの横に立ちます。
ホルターネックが解かれ落ちそうになっている水着を、あかねさんが手すりに乗せたままの腕と肘で強引に抑えていました。
「そういう問題じゃ……ゃ、めっ……ぉ……ッ!」
「こんなところだけど、入れてしまうよ」
あかねさんが手を使えていないのは、口と嬌声を抑えるので塞がってしまっているからです。〝彼〟に緩んだモノキニのお尻部分をずらされても、腰をつかまれて狙いをつけられても、そのまま。
「……っ、やだっ、うそ、こんな……っ!」
客も少なく波音も遠く、海風も凪に近かったせいか、あかねさんの殺した息遣いと、肌と手すりがこすれてすりすりと立つ摩擦音と、足元でびちゃびちゃ水が弾けるのがやけに耳に残りました。
「お、ねが……とめぇ……う、うううっ、ぐっ……う、ふううっ……!」
「優れた役者は後ろ姿でも演技できる、なんて言葉を聞いたことがあるかな。夢はあるけど、ほとんど嘘だね」
〝彼〟がベテラン俳優らしくあかねさんに演技について語ると、少しだけ最初のころを思い出しました。かつては役者どうしという意識があってか、〝お勤め〟の間にそういう話がちらほら聞こえたものです。
「ンああぁああ……っ!? あ、ぅ、あぁああぁっ……」
「嘘じゃないのは……例えばロングショットなら、後ろ姿の演技が効くこともある」
「……っくっ、っふ、ふーっ……!」
「顔が隠れるぶん背景、服装、立ち方に観客の注意が行くから、結果として後ろ姿でも観客に印象を与えられる。その印象をコントロールできるなら、立派な演技だ」
まぁ、〝彼〟が今あかねさんの腰をつかんで、立ちバックでぐちょぐちょと抜き差ししているなんて、ましてや野外だなんて、そんなシチュエーションは初めてだと思いますが。
「んっ、く……もっとも、らしいこと、言います、ね……」
「背中で演技するのは無理があるよ」
「……私の、背中に、何か……?」
「普通の人は他人の背中にふだん注意を向けてないから、ふだんとの違いがよくわからない。これじゃあ役者の側も、どう演じたらどう思わせられるかわからない」
あかねさんの声がくぐもります。〝彼〟が話すためか動きを止めましたが、にちゃにちゃとかすかな水音が鳴るままです。水着の内側では止まっていないのでしょう。あかねさんの素肌のお尻が、ぜぇぜぇ息をつくように揺れています。
「ただ、誰でも知っているとおり、背中は敏感だ。反応が漏れやすい」
「くっ、ふぅぅう……っ! ……っ、ぅ……」
〝彼〟の指が、あかねさんの肩甲骨の間をつぅとなぞります。前屈みで手すりに寄りかかる格好で、オイルか汗か定かでないぬるい雫がたくさん浮いています。あかねさんが一度、ぱたんと聞こえるほど強く地面を踏んで体を支え直しました。
「気持ち悪がっているのか、なんとも感じていないのか、くすぐったがっているのか、それとも……近くで何度も見ていれば、わかるようになる」
「……そんな、こと、ありえな……っ! あ、ぁっ、ぁ……」
否定しかけて、声が飛びました。〝彼〟の腰の動きがわずかに変わって、どうやら弱いところを狙った責め方になったようです。あかねさんの膝ががくんと折れかけて、手すりに乗せたおっぱいがむにゅっと手すりの上でひしゃげ腕の間からあふれます。
「ありえない、って昔のあかねさんなら言えたんだろうけど」
「……ち、ちが、う……っ、んんぅ……っ!」
「もう言わせるつもりはないよ」
〝彼〟があかねさんのお尻をつかみ直して、改めて深く突き入れます。
あかねさんのノドからほとんど声にならない音が漏れました。
「んォ……っ、ぅ……」
肩もウエストも、お尻も太ももも細かく痙攣して、またぴちゃぴちゃ水音が足元近くまで落ちていきます。やっぱりさっき飲みすぎだったのではないでしょうか。
「お尻が正直すぎるな」
〝彼〟が静かに言いました。
「お尻のお肉も穴もわかりやすい。まぁ、僕も気づくのに時間がかかったけど」
キャプリーヌで顔が隠れていても、引き攣った首筋であかねさんが口を一文字に結んでいるとわかります。そりゃあこんなのに返事なんかありません。それを察しているのか〝彼〟は返事を促さず、手があかねさんのお尻をゆっくり両側から包んで、親指で左右の谷間の際を押し広げます。
「ほら」
「っ……っぅ、ぁっ……! み、見ないでっ……んはっ、はっ、はううっ!」
あかねさんの腰が小刻みに引きました。引いた分だけ〝彼〟が追いかけてまた入り、あかねさんが体を揺らすと胸かどこかが柵にぶつかって離れてぺたぺた鳴るようにもなりました。
「っわ、わた、しは……こんな……っ! ぁっ、ぁあっ……!」
あかねさんが腰の動きを封じようと後ろへ体重をかけました。〝彼〟の腹部に押しつけられたお尻が、ぐにゅっと変形して受け止めます。刺激から逃げようとして、深く呑みこむ格好になってしまっていました。
〝彼〟が加減を変えてやや腰を引き、抜き差しを続けます。あかねさんの腰が何度もしゃくり上がって、バストや腕と柵がくっついたり離れたりでぺちぺちと間の抜けた音がしましたが、あかねさんの口から漏れた声がそれを塗りつぶしました。
「ぅあっ、あっ、あっ……ッぉお、ッほおぉ……!」
「そんなに力を入れられたら……穴は見えないけど、お肉はわかりやすいよ」
お尻だけが別の生き物のようです。上半身がびくびく弱々しく痙攣するのと反対に、お尻の肉は〝彼〟を受け入れるたびにぎゅうっと力んで、抜けていく動きに喰らいつきます。ぱちゅん、ぱちゅん、と濡れた皮膚がぶつかる音が規則的に続きます。あかねさんの太ももの内側を伝い落ちる雫がもう数え切れません。
「よし、また深いところに……!」
「おォおお゙……ッ!! ふかっ、お゙ッ、い、いっ……っ……」
それがいくらか続いたあと、〝彼〟の両手がお尻の肉を両側からつかんで、深く入れたまま動きを止めました。あかねさんがぶんぶん頭を振ってキャプリーヌがズレて顔があらわになって、汗だくで目をぎゅっと閉じているのも見えます。首を横に振って、ノドで声になる手前の音が奥でぐるぐると渦巻いているようです。
「抜かないで、このまま……そんなに締められると、僕も」
あかねさんの太ももが内側に寄って、また開きます。寄せて、開く。ふくらはぎが小刻みに震えて、足の指がサンダルを引っ掻き回し、砂浜から飛んできたらしき砂利を踏みつけてじゃりじゃりとやかましくなります。
「いーっ、ひぃ、ひっ……う、ゔ……ウっ……ゔ……ッ……」
あかねさんの背骨が弓なりに反って、お尻の肉が割り込んでくる〝彼〟をひしと締めつけています。その収縮がしばらく続きます。どちらも腰を動かしていないのに、ぐぷっ、ぐぷっ、と音がします。
「あかねさんの体力に、今から付き合っちゃうとね……惜しいが、このあたりで」
〝彼〟があかねさんのお尻をつかんだまま急に抜いて、お尻の溝が始まるあたりに向けて精液をどくどくとぶつけるところが見えてしまいました。赤黒いペニスから白いどろどろが放たれ、あかねさんの大きく急なヒップの膨らみを汚し、溝の中にだんだん垂れ落ちて、水着の内側ともこすれてぐしゃぐしゃになります。
「や、ぁ……!? っく、ぅ、ぅう……っ」
あかねさんの背中やお尻の引き攣りが私にもどこか恨めしく見えました。
「ああ、すまないね汚してしまって。でも……コテージに戻るまではそのまま着ていてくれるよね、あかねさんなら」
私は驚きましたが――(精液を着けられたままの水着を着直すだけでもぞっとするのに……!)――あかねさんは手すりにすがりながら、ホルターネックを結び直して息を整えていました。
※
「日焼けあとが残っちゃったじゃないですか、何のためのオイルだったんですか」
「あれだけ汗だくになっちゃあ……うぅううぅっ!?」
「しかも、余計に外を歩き回ったせいで虫さされも……女の体を何だと思ってるんですか」
昼間に野外で犯されたのに、夜になってあかねさんが一番気にしているのはうっすらした日焼けあとと、二の腕についてしまった虫刺されあとでした。気にするのそっちなんだ。
「お詫びをしてもらいます」
「ごめんなさい」
「言葉はけっこう。死ぬほど抱いてもらいます」
「それ、僕が死ぬほうでは」
「もちろん」
「冗談だよね……え、冗談……っ……?」
コテージに帰って、あかねさんはお風呂で肌を洗い流し、日が落ちたと思ったらご飯も食べずに――(ゼリー飲料とかは摂ってたようですが)――〝彼〟の腕を引っ張って有無を言わさずベッドに乗せると、一言。
「まずはこれからいきます」
「まずは……?」
「私の中に出すのがためらわれるのでしょう?」
「あの、ちょっと、それ、って……ぅぐっ!?」
あかねさんは寝間着も下着もさっと脱いでて、自分のおっきな素肌のバストを手でつかんで、クイクイと上下に動かす。見せつける。パイズリ、と口で説明されるより問答無用って感じです。出会ったころの演技、という趣向なんてどこへやら。
〝彼〟の顔は、嬉しそうなのか引き攣っているのかという笑顔でしたが、素直に着衣を緩めてペニスを晒します。ベッドの上で座って足を開かされ腰を抜かしたような姿勢で、ペニスも昼間の立ちバックと打って変わってぐったりしています。横で立ち会っている私は口元を抑えてようやく笑いを隠しました。
「私の背中やお尻はよくご存じとのことですので、おっぱいを教えてあげます」
「う、ぅうぉっ」
ぎゅむっ、ぎゅむっ、ぎゅーぎゅー……容赦がない。おっきくてぴちぴちのおっぱいで柔らかいんだけど、お手柔らかには見えない責め。彼のペニスを谷間にすっかり隠して横乳から腕で圧力をかけ、肩や腰も使って広いストロークの摩擦もずるずると。
「あら、先走りが足りませんねぇ」
ぬめりが不足だったらしく、あかねさんが一旦動きを止めて、くちびるから彼のペニスに泡立つツバをどろりと垂らしてあげます。垂らされたペニスがぴくんと反応するとあかねさんが白い歯を見せて――(背中よりもお尻よりもわかりやすいのでは?)――笑いました。
「まぁ、すぐどうにかなりますよね」
「その、あかねさん、お手柔らかに……ぉおおっ!?」
「おっぱいはおちんちんより柔らかいはずです」
私には納得しがたいことなんだけど、あかねさんは〝彼〟を射精させることにこだわりがあるようです……え、どうして?
まぁ、あかねさんが〝彼〟に体を弄ばれいいようにイカされて腹が立つまではわかります。人の体を何だと思ってるんだ、って感じですよね。
それで、〝彼〟とセックスしているあかねさんは〝彼〟を射精させると、仕返しできた気になるらしいのです――(最初から仕返しするために誘惑しているのかも……)――特に〝彼〟が射精をためらうときに射精させると鬱憤がよく晴れて……え、えっ? どこかおかしいと思いますが、あかねさんが昼にお尻にぶっかけられて怒って夜にパイズリで報復しようっていう現実に合わせると、こんな推測になってしまいます。
「ちゅっ……ぢゅる、んぷっ、ちぅううーっ」
「わ、ぁ、あっ……グっ……!」
「あなたは私をよくご存じのようですが……あなただけでは、ありませんので」
パイズリに比べて舌やくちびるの愛撫も交えて、谷間に埋もれかけの亀頭が半ば白い泡に塗れています。
ただ、〝彼〟が弱々しく呻く一方、ペニスがだんだん鎌首をもたげ勃ってきました。あかねさんのパイズリフェラは効果的なのでしょう。女の私にはよくわかりませんが。〝彼〟に覚えさせられたのか……〝彼〟はあかねさんの体をいじる側のほうが好きなので、あるいは噂が本当で別の男性とセックスしている間に覚えたのか。
「では、よろしくお願いいたしますね」
「待って、ナマは……」
「できちゃうかもしれませんねぇ」
あかねさんがうまく避妊しているのか〝彼〟が種無しなのか、ともかくこれまであかねさんが中絶する羽目になった話は聞いていません。何事もなかったせいで、あかねさんの射精への感覚がどこかおかしいのでしょうか……仮に、よだれとか汗とかの体液だったとして他人のそれを自分のあそこに入れたくはないと思うんですけどね、私は。
「抗議なら、以前のあなた自身にしてくださいっ」
あかねさんが〝彼〟を跨いで腰を落とします。ペニスを手で捉えて引き寄せ、あそこでゆっくり呑みこんでいきます。表情も見えます。目を細めて、くちびるをわずかに開いて、入り口が収まった瞬間に睫毛が震えます。細く引き締まっているウエストがひくひく動くのが大げさで、まるであそこの中の肉の動きが透けて見えるようです。
「ふぎゃっ、ぁ、かはっ……!」
「あ……あ、あっ、ぅ、うふふっ……えいっ、えいっ!」
かわいらしすぎてかえってゾクゾクする掛け声とともに腰を動かします。当然バストが揺れます。昼間はモノキニに収められていた重みが、今はばるんばるんと。パイズリのときすでに感じていたのか乳首が両方ともぷっくり膨れていて、それらも〝彼〟の目と鼻の先で揺れています。触れるものなら触ってみろ、という挑発にしか見えません。
「……男の人って本当にわかりやすいんですから」
あかねさんが腰を前後左右に使うごとに、腹部の筋が浮いたりお尻のえくぼが深くなったり。あかねさんが意識してそうしているのか、ただ気持ちよくなろうとした結果そうなっているのか。
〝彼〟が何か言いかけましたが、ばちゅんばちゅんというストロークの音に上書きされて聞こえませんでした。
「いいですか……? 人のことを散々に弄んだなら、あなたもそうされる覚悟がおありですね。だったら、いいですともっ」
腰の動きが速くなります。前傾が深くなって、あかねさんの両手が〝彼〟の肩についています。体重を預けながら腰を激しく動かし、バストも〝彼〟を愛撫するように胸板に押しつけられてひしゃげてこすれます。
「っふ、ふ、ぅ……どうしたんです、お疲れですか? まさか……そんなに早くバテないでしょうっ」
それから、あかねさんも呼吸が上がるほど騎乗位が激しく長く執拗に続いて、ぴくんぴくんという細かい痙攣が始まったかと思うと、あかねさんがふぅと息を吐きました。膣内射精させたんだな、と確信しました。
「ふぅー……あっけないですね……お昼もそうでしたか……お年、ですか?」
「むう、う……そんなに、おっぱい、押しつけられたら、心臓が止まるかも……」
「いいじゃないですか。女の子のおっぱいに埋もれて死ぬなんて、お金を払っても無理ですよ」
対面騎乗位からあかねさんにのしかかられて好き放題されている彼から、無言で私に合図が飛びました。ぐったりベッドに投げ出されている彼の両手のうち、私に見える側で、人差し指と中指がカギ型に曲げられます。
私がちょっとためらっていると、彼からぐえぇえ……と気の抜けそうな悲鳴が。
しょうがない。
「あかねさん」
こんなんでも〝彼〟は年だし、救急車沙汰になるかもしれません。
「せんぱ……いや、ちょ、それ、えっ」
「あかねさんに好きにやらせたら……と思って、念のため頼んでおいたんだ」
あかねさんが彼に有無を言わさずベッドに引っ張り込んだ勢いの何割かは、〝彼〟からの依頼を私がなかなか承諾せず、〝彼〟が私ばかりを相手にしていた不満からかと思います。
「それ、ずる……んきゃっ!? お尻、ダメっ」
私はあかねさんの背後に回って、膣内射精の勝利で誇らしげに膨れているお尻の肉をむんずと――うわっ、すごっ。脱力してるときは搗き立てのお餅みたいに柔らかいけど腰があって、力が入るとみっちりと――手が離せない。
「……ただのセックスならともかく腹上死させちゃったら、さすがに揉み消せなくって、延々ネタにされそうだし」
「それと、先輩がお尻を触ってるのに何の関係が……」
あかねさんは私の横槍に対して当たりが弱いのです。以前には〝彼〟がやりすぎたとき止めに入ったこともありましたし。そちらが事務所の想定していた本来の私の仕事だったんですけど。
「お尻、気になるよね。昼からあれだけしてあげたから」
「っお、お尻なんかで……んひぃっ!?」
「ゆっくりでいいですか」
「ゆっくりがいいと思う」
私じゃ両手を使っても包み込みきれない、あかねさんのお尻。親指を食い込ませてむにゅっと左右に広げようとすると、薄っすら紫がかったピンク色のお尻の穴がきゅっと反応したのが見える。数時間前にはここに彼の精液がぶっかけられ、そのまま水着を着せられて染み込まされるように歩かされたのか。
「はぅ、ほぁっ、はぁっ……あああっ!」
あかねさんのお尻から手が離せなくなっていました。それを両手で包んでいる私の指が、それ自体で意思を持ったように動いていました。感触だけではありません。むせ返りそうな汗や体温もたまりません。
「あかねさん……優しくするから……」
親指の腹で谷間の際をゆっくり押すと、あかねさんの腰がわずかに浮きます。浮いてから、戻ります。
追いかけたい。
「ぇ、あっ、んくっ……」
肛門に触れると反応が違いました。いやぁ、手当でもないのに人の肛門に触るなんて。
「っく、ぅく……わ、わかりました、休憩にしましょう、ね、ねぇ」
「あかねさんのお尻……」
指の腹で輪郭をなぞるように触れると、きゅっと締まります。締まってから、また緩みます。お尻の肉の緩急も合わせて手のひらに伝わります。
「それ、使ってあげて」
〝彼〟から声をかけられ、ベッドサイドの引き出しに〝彼〟が置いていたボトルを使って指先を湿らせます。指が滑らかになると、親指を使って、入り口と、その奥まで第一関節まで触れられました。あかねさんの腰が一度だけ大きく引いて、それからまた戻ります。
ぬちゅ、と音がしました。昼間コテージの外でオイルが鳴っていた音と重なって聞こえました。
「んっ……あ、はッ、アッ」
私は親指であかねさんのお尻の穴をほじって締めつけられているだけなのに、興奮してしまっています。国民的女優の痴態をこれまでさんざん見せつけられて、いよいよその体に直に触れて……いや、私、同性にそういう興味は……。
「ひっ、ぁ……っ」
短い声でした。拒絶でも肯定でもなく、ただ驚いた声のようです。私の指の腹が輪郭を押し広げるように動くと、挿入したままのあかねさんのあそこがきゅっとしまって、太ももが彼の腰を締めつけます。
「あかねさん」
「……ぁ、ぅ……」
〝彼〟の手があかねさんの背中をゆっくり撫でているのが見えました。手が何度か行き来すると、騎乗位での圧勝の余韻よりも気の抜けたため息。
これは、続けてもいいんでしょうか。
「……やっ、それ、……変な感じ、します……」
今度は肛門のシワにそって軽く撫でてみます。こちらが力を抜いているのにあかねさんがきゅっきゅってお尻で反応してくれるのが楽しい。オーバーアクションな人をからかうのが楽しいみたいな……つぷ、って指先を少しだけ入れるとまたきゅきゅってなってさっきより強く締めつけて、指先を中に引き込もうとするみたいです。
「ん、んっ!?」
「気持ち、いい、のかな?」
「そんな……!」
何度も繰り返していると、あかねさんの嬌声や硬直の感覚が狭くなって、私の指や彼の腰をしきりに圧迫します。止めたくても止められないようです。
「あ……っ、ダメ、ぇ……中が、まだ、あ……のに……っ」
あかねさんの膣壁までも震えて、先ほど注がれたばかりの精液をぬちゅぬちゅ漏らしたのが見えたとき、私ははっきり自覚してしまいました。私はあかねさんに興奮している。
「んぉ、やぁ、待って……ぞんな゙のっ、や、め゙ぇ……!」
私の指があかねさんのお尻を追いかけていました。押し当てると内側から力んで、力みが解けると今度は引き込もうとします。あかねさん自身がそれに気づいているのかどうか。顔は〝彼〟の胸に伏せたままで確かめる術がありませんでした。
「ぅ、あ……ぁ、ぁあ……っ!」
指を第二関節まで沈めると、あかねさんの全身が大きく震えました。
震えが広がっていきます。お尻から背骨に、両肩に、そしてうなじに。ボブカットがすっかり濡れてぺったりしています。内側の収縮がしばらく続くのを指で静かに味わいます。お尻の肉が内側から圧力をかけてきて、みっちり温かくて、指を動かしたくない気分です。そのくせもっとあかねさんの反応がほしくて動かしたくもなる。もうむちゃくちゃです。
動かさないままでいると、あかねさんの腰が自分で小さく揺れます。
なぁんだ。
「ハッ、ハッ、はっ、はぁっ……あ゙っぉおっ!?」
しばらく大人しくして、またぐいっと。収縮も再開します。ぐちゅ、ぬちゅ、と音が続きます。あかねさんはもう彼に突っ伏しています。肩甲骨のあいだ、腰骨のえくぼ、お尻の上のくぼみ。昼に彼女が四つん這いにされオイルを塗られていたせいで既視感があります。塗られていた場所が一つひとつ、しかし一まとまりになって収縮に合わせて痙攣します。昼間から積み上がってきた期待が、今ここで一度に動いているようです。
また波が来たようです。今度は深かったのか、あかねさんの全身が強く弓なりになったあと、私の指を痛いほど締めつけたまま痙攣します。
「あかねさん、感じてるね」
「おしりなんかで、感じちゃ……私、こんなの……!」
「あかねさんは精液を出されるともっと感じやすく、すぐ気持ちよくなっちゃうから。お尻にもう一度かけたらはっきりするかも」
「は、はぁ? そんなので気持ちよくなんて……だいたい、あなた体力持つんですか」
彼が復活してきたようですし、これ以上続けられたら……というあかねさんの危機感も薄っすら感じたので、しぶしぶ――(言葉が出ないぐらい名残り惜しく、自分でも驚きました)――あかねさんのお尻から指を抜いて、彼にあかねさんの背後を譲ってあげます。
「はぁ……ちょっと疲れちゃったんで、勝手に動いてくださいね……またマッサージでもいいですよ」
そこから私は放心状態で2人を眺めていました。
あかねさんがすっかりうつ伏せになって膝を曲げて足首をプラプラさせて挑発すると、〝彼〟があかねさんの大きなお尻に覆いかぶさってペニスを擦り付けます。寝バックというか尻ズリというか。
「……あかねさんのまだ知らない気持ちよさを教えてあげる、と言ったからにはね」
「ふっふふ……! 本気ですか、正気ですか」
ええと、大丈夫なんでしょうか。あかねさんが寝たままだと、そのぶん腰の負担が〝彼〟に……。
「……死ぬ気でやるか、うん、そうしよう」
「あぁ、もう、無理されては……ふっふふっ、これじゃ感じてるんだかおかしくて笑っちゃってるか、わかりませんね?」
結局、〝彼〟は体力を振り絞ってあかねさんを愛撫しつつお尻にもう一度射精しました。あまりに体力を消耗してぐったりしてるのと、あかねさんが笑いすぎて――(お尻で気持ちよくなっちゃったのをごまかすための笑いも、少しはあったかも)――とにかく、あかねさんは元気で〝彼〟が生き延びたのでよしとします。
あかねさんのお尻の反応があまりにも印象的だったので、終わったあとこっそり私は自分のお尻をいじってみましたが、イマイチでした。
(おしまい)