※この作品はR-18です。

TS転生してHな退魔少女になったのでメ〇堕ち……しないよ!?   作:H・I

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 こんばんは、双和真希(ふたわまき)です。
 今夜はとある「本物の」幽霊屋敷に来ています。そう、建物の中には本当に危険な幽霊がいるのです。
 そんな所に何をしにって? それはもちろん、その幽霊さんを成仏させるためです。
 何しろ私は除霊や妖怪退治を先祖代々家業にしてきた、本物の退魔師一族の当主なのですから!
 ……といっても現在の構成員は私1人で、下請けの零細個人事業で、おまけに学生と退魔師の二足の草鞋だったりするのですが!!




第1話 初仕事

 私はいわゆる転生者だ。前世の記憶と人格を今生に持ち込んだ人間である。

 物心ついた頃にはそれに気づいていて、しかも前世とは性別が違っていたからいろいろ戸惑ったものだが、年齢が2桁になる頃にはだいたい順応した。具体的には、言葉遣いや物腰は素で外見通りにできているし、前世の知識や思考力もむやみに見せないようにしている。そんな大したものではないが。

 ところで今の身体はすっごい美少女で、あえて形容するならまず全体的な雰囲気は朗らかそうだが(中身が男なので)ちょっと無防備ぽいという感じか。宝石のように澄んだ綺麗な双眸はとても印象的で、すっと通った鼻筋とその下の艶やかな唇、整った顔立ち、いずれも満点だ。髪型は結い方が簡単な一つ結びのおさげにしているが、これがなかなか似合っている。

 スタイルも抜群で、まずバストはどーんと形良く突き出ており、ウェストは逆にキュッとくびれていて無駄な肉はまったくない。豊かなヒップから太腿に続くラインも実にきれいで、すらっと伸びた美脚はしなやかさと力強さをみごとに両立させている。

 鏡で見るだけでも眼福なのに、(男とくっつく気はないので1人で)気持ちいいことも好きなだけ……げふんげふん。まあ健全な男子が女子の体になったなら当然することだよね!

 そんなわけでTSライフを満喫しているのだが、実は双和家はちょっと特殊なおうちである。先ほど述べたように悪霊や妖怪を退治するのを生業にしており、当然私も次期当主としてそれなりに仕込まれてきたわけだ。最初にそれを聞かされた時は、転生前の世界との違いに驚いたものである。

 なお退治の手段は霊力で身体能力を高めて霊力をこめた拳で殴るという脳筋仕様で、つまり栄養と運動と休養に配慮された生活をしているのだからわがままボディの性能は上がる一方だ。若々しい生気に満ちて張りのある肢体、きめ細かくみずみずしい玉の肌、霊力効果もあって輝いてるようにすら見える美貌、この生ける芸術品がまるごと自分のものだと思うと感動すら覚えてしまう。

 

「まあ肝心の退魔武術の素質はそこそこだったんだけどね」

 

 代わりにちょっとした固有の能力があるが、とてもデンジャラスなものなので誰にも教えていない。

 それより問題は先月両親が交通事故で亡くなってしまったことで、退魔業とは関係ない亡くなり方だったから悪霊や妖怪への憎悪や恐怖といったものは湧いていないけれど、お金の方が少々。

 一軒家持ちだから住む所がなくなるとかそういう心配はないが、逆にそちらにお金を使った分現金の遺産は少なかった。はっきり言うと追加の収入がなければ学園卒業までもたない。

 ―――というわけで、私は食い扶持を稼ぐため家の仕事を引き継いで勤労学生をしているのだった。

 

 

 

 昼間外から一度下見はしていたが、改めてもう一周回って様子を窺う。

 なお何故わざわざ夜にやるのかといえば、夜の方が人目につきにくいからというだけで深い理由はない。

 そこそこ広めの和風のお屋敷で、塀に囲まれてはいるが軽くジャンプすれば庭は見えるのは幸いだった。庭に異常がある例もあるので。

 あと肝試しか何かで部外者が入り込んでないかどうかも要チェックだ。他人を守りながら戦うのは大変そうだし、それ以前に「能力」を使っているところは人に見せたくない。

 退魔師の免許証は持ってきているが、小娘1人が退去要請しても素直に従ってくれるとは思えないから、無人なのを確かめてから始める方が無難だろう。

 

「1人でやるのは初めてだし、慎重にしないとね」

 

 両親が仕事する時に同行したことは何度かあるが、1人で現場に来て、しかも自分でやるというのは本当に初めてだから緊張してしまう。零細の弱小の下請けだから勝ち目がないと判断したら無理せず撤退してキャンセルしてもいいのだが、それだって生きて脱出してこそである。

 なお私は「能力」の都合で基本的にソロで、同業者と一緒にというのは難しい。

 ちなみにこういうある意味わがままが許されているのは、元請けは人手不足で厳しいことは言えないからだそうだ。

 

「なりたがる人が少ない業界だからなあ」

 

 退魔師の社会的な位置づけは害獣を狩る猟師や害虫を駆除する業者に近いが、オカルトなのでうさんくさく思われているところはある。収入はそれなりにあるが、希少な技能や生命の危険に見合ったものとはいいがたい。

 ぶっちゃけて言えば、特に私のような身体強化系ならスポーツ選手になった方がずっと稼げる!

 ……私はなる気ないけれど。

 あと今話に出た「元請け」は「蘆屋家」というこの界隈ではメジャーな大手で、この近辺の零細退魔師の総元締めだ。詳しい内情までは知らないが、分かりやすく説明するならファンタジー系の創作によく出てくる「冒険者ギルド」のようなものだと思ってもらえばいい。

 

「あ、この際だから私たちが退治する対象の種別について述べておこうかな」

 

 まず「幽霊」は一般的な定義通り、この世に未練を残したまま亡くなった人間の精神や霊体が現世に残った存在だ。残った理由によってさらに細かく区分けされることもあって、怨霊とか色情霊とか地縛霊などと呼ばれている。

 次に「妖怪」だが、これもさらに細かく「怪異」と「異種」と「妖魔」に分けられる。

 怪異は大勢の人間の想念や観念がかたまってできた存在で、たとえば「トイレの〇子さん」などが有名だ。最近では「エロ触手」とか「セッ〇スしないと出られない部屋」とかいう、女性にとって危険すぎるモノもいる(ある)らしい。

 異種は鬼やカッパのような、昔話に登場する人外だ。怪異の一種という見方もある。

 妖魔は動物や昆虫などの霊や思念が妖気や邪気に染まって生まれた存在だ。たまにサイズが大きくなることがあり、特に昆虫類が人間大になるとかなりコワい。

 いずれも物質的な肉体を持っていないので物理攻撃はすり抜けてしまうが、強い者は彼らの方からの物理的干渉は可能という厄介な存在だ。

 ―――説明はこんなところか。

 

「さて。屋敷の外にも庭にも異常や人影はなし、自動車も自転車も置いてない、か。

 よし、入ろう」

 

 両手で頬をぱんっと叩いて気合いを入れると、私は塀を跳び越えて敷地に入り、さらに進んで玄関の扉を開けた。

 次の瞬間、その向こうから建物の外とはまるで異質な冷たい空気があふれ出てくる。

 

「これは……いるね。1人だけだとしたらなかなか手強そう。

 逆に人間はいなさそう。安心した」

 

 私は改めて覚悟を決めると、邸内に入って後ろ手で扉を閉めた。当然真っ暗になったが、退魔師たる者夜目は利くので支障はない。

 

「ここからが本番ね。気をつけていきましょう」

 

 その時ふと気配を感じて顔を上げると、土間の天井近くに拳大の鬼火がいくつか浮かんでいるのが見えた。

 この感じだとおそらく霊感を持たない一般人には見えず、物理的な干渉もできないレベル、つまり(退魔師にとっては)大したことない相手だ。

 私は鬼火たちをじっと見つめて、静かに声をかけた。

 

「……こんばんは」

 

 霊は自分を認識できる者がいることに気づくと近寄ってくるケースが多い。害意があるとは限らず救いや交流を求めているだけの場合もあるが、いずれにせよこちらには害しかないのでさっさと祓うことになる。

 

「……ごめんなさい。どうか安らかに」

 

 相手の意向を無視して暴力で退治することへの謝罪と、鎮魂の言葉。自己満足に過ぎないけれど、それでも私は彼らに聞こえるようにそう言ってから、両手にはめたグローブに霊気をこめた。

 

「……はっ!」

 

 私の右ストレート1発で、先頭の鬼火がトマトみたいに潰れて散った。2体目、3体目も同じ運命をたどる。

 1分と経たぬ内に、鬼火はあっさり全滅した。

 

「……おやすみなさい」

 

 今一度鎮魂の意を述べてから、私は腰に付けたホルダーから「邪気吸封」と書かれたお札を1枚取り出して前方にかざした。

 これは名前の通り近くにある邪気を吸い込んで封じ込めるというもので、悪霊や妖怪を祓った後その場を浄化するために使うのが一般的だ。ついでに報告書の添付品にもなり、元請けに持っていくと後始末もしてくれる。

 吸封が終わったら、何を封じたのかをお札の裏に記入して、別のホルダーにしまった。

 そういうことならウェアラブルカメラか何かで録画しておく方がよいのではないか?と思われる向きもあろうが、邪気や弱い霊はもちろん、一般人の眼にも見える強い霊や妖怪でも何故かカメラには映らないのだ。退魔業界がいまいちマイナーである理由の1つでもあるので、今後の技術革新に期待したい。

 それはともかくここでするべきことは終わったので、私は先に進むことにしたのだった。

 

 

 

 幽霊屋敷の類では基本的にラスボスがいるのは家主の部屋なので、ここの場合は2階の書斎と思われた。

 実際部屋の前に立っただけで、その向こうから強い気配を感じる。

 

「あー、これは素の私じゃキツそうね」

 

 つまり「能力」を使う、シリアスはおしまいで、お色気モノになったということだ。そう、お色気モノに!

 

「……魔法衣戦闘形態(マジックドレスバトルモード)!!」

 

 すると私が着ていた服がばらばらに破れて白い光になり、ついで別の形に再構成されていく。まるで魔法少女の変身シーンのように。

 といっても私の術ではなく、服の方が代々伝わる「服型式神」なのだ。見た目も肌触りも本物同然かつ形状を自由に変えられる、つまり普段着としても使える家計にやさしい一品である。

 ただし衣服や防具にしか変えられず武器の類にはできないので、武力面では刀剣型や生物型には及ばないが、私にとってはとても相性が良い存在だ。

 なお先ほどの台詞に術としての意味はなく、気分で言っているだけである。何なら無言でも着替えは可能だ。

 ……あ、そうそう。この式神はカメラに映るので、この服だけ着て写真を撮っても全裸で映るなんて事にはならないから安心してもらいたい。

 

「よし、いつも通り成功」

 

 1人で初仕事という緊張状態でも問題なくお召し替えできて私はひとまず安堵した。

 服のデザインはまずトップスは白地に赤いラインなどの模様が入ったトライアングルケープ……だけである。丈はみぞおちの辺りまでで、前面は首元のリボンで留める形だ。つまり素で胸の谷間と腹と腰を露出している上に、生地が柔らかくて軽いから派手に動いたらふわっふわにめくれ上がるだろう。

 ボトムスは紺色のフレアスカート……これも膝上(膝の皿の中心から測って)25センチの超ミニだ。

 両腕には銀色の金属製(に見える)手甲(ガントレット)、両脚にはこれも銀色の脛当て(グリーブ)を付けている。仮にも格闘系の戦闘形態なのだから当然の装備だ。

 

「……痴女だよね」

 

 なお私のスキルレベルでは、服の形状は学校の制服のような着慣れたものならそれとそっくりにできるが、そうでなければ大ざっぱなイメージしか指定できず、細部は潜在意識やら何やらにお任せになる。つまりケープとミニスカだけなのは私の意図によるものでは……いや露出が多いのは意図的なんだけど!

 というのも、それがわざわざ着替えをした理由なので。

 ついでまた(霊術的な意味はない気分だけの)呪文を唱える。こちらが「能力」だ。

 

 

秘力紋様(パワークレスト)開帳(オープン)

 

 

 私の下腹部にハートマークをモチーフにした柄の赤い紋様が浮かび上がる。呪文の通り、「秘密にしておきたい力」を励起させたのだ。

 私のスペック……運動能力・霊的出力・抵抗力・回復力・霊感といったものがいきなり跳ね上がる。普段とは扱い方が違ってくるはずのそれを適切に操れるセンスも含めて。

 中でも霊力を操作するスキルが桁違いに強化される。ただ一般的な留意点としてこの手のスキルであまり健康でない他者、まして幽霊や妖怪の霊力や妖力を体内に取り込むのは健康に悪いというものがあるが、これもよほど悪質なものでなければ消化できるようになる。

 

「もちろん制限やデメリットもあるんだけどね。紋様の位置と形状的に考えて」

 

 まずスペックの上昇度は「素肌を露出している面積」と「私の開放感や高揚感」に比例している。だから事前に露出が多い服に着替えたのだ。

 ここで私の性自認が男性なのが幸いする。もし女性だったらこの能力はとても使えないだろう。

 肉体に引っ張られてるのか()()()()()()()()()()()()から、まったく恥ずかしくないというわけではないけれど。

 で、次の問題は皆さまのご想像通り―――。

 

「くぅぅ……ンッ! はぁ、ぁ……あ、ぁぁぁ」

 

 ()()()()()身体が熱く火照ってきた。股間と子宮に甘い痺れが走り、だらしなく半開きになった唇から濡れた吐息がこぼれ出る。

 肌が上気して汗がにじみ、目はとろんと潤んで頬も紅潮してきた。何かこう、いろいろしたくなったり()()()()()()()()してくる。

 ―――要するに性的な意味で気持ち良くなる上に、発情までしてしまうのだ!

 あと性的興奮は先ほど述べた「高揚感」に含まれるから、私はHな気分になればなるほど強くなる変態さんというわけだね。あはは。

 

「それでなぜ私がこんなモノを持っているかというと……実は私も知らないんだ」

 

 ご先祖様の誰かが持っていたのが隔世遺伝したのか、何者かに知らない内に植え付けられたのか、まさかとは思うけど私は伝説の勇者的なサムシングだとか……?

 初めて発現したのは1人(ぴー)で初めて(ぴぴー)した時で、そりゃびっくりしたけど私も霊能者の端くれだからこの手のことには多少のカンが働くので、試行錯誤の末今述べた知見を得るに至ったというわけだ。

 除去しようと思ったこともあるが、自力では無理そうだし引っ込めておけば何の効果もないので今はそのつもりはない。

 え、変態さんだから自分で植え付けたんだと思ってたのに拍子抜けしたって? 私にそんな趣味は無い! 名誉棄損はカラダで賠償してもらうことになるから覚悟しておくように。

 

「……とにかく落ち着いて。人に見られたら通報されるか襲われるかどっちかな服と状態だけど、とにかく冷静に」

 

 まあやさしく襲ってくれるなら歓げ……って何考えてるかな私!

 でも紋様を出してる時なら、私のやる気と技量次第でめっちゃ気持ち良くしてあげながら退治することだってできるんだよね。つまり霊力操作の応用で、房中術やサキュバスの能力みたいに昇天させながら昇天させるというわけだ。うまいこと言った私!

 少なくとも自我がある男性の大半は殴る蹴るよりこちらを選ぶだろう。私も同じくらい気持ち良くなる上に、それこそ房中術っぽくレベルアップできるからWinWi……。

 

「だからホント何考えてるの私!? アイアム男! OK!?」

 

 かなり色ボケしている……しかも女性的感性で。早いとこ片づけよう。

 そして報酬をもらったら、初仕事成功祝いとして回らないお寿司屋さんでお腹いっぱい食べるんだ。

 

「……よし、落ち着いた」

 

 美味しいご飯を強くイメージすることでHな気分と快感が多少鎮まったので、私は準備完了ということで書斎の扉に手を伸ばすのだった。

 

 

 




 転生してチートスキルをもらったが、相応の制限やデメリットがある。うん、実にそれらしいですね!(ぐるぐる目)
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