TS転生してHな退魔少女になったのでメ〇堕ち……しないよ!? 作:H・I
私はレスリング場のカギを受け取ると、例によって日が暮れてから現場に赴いた。
今は安全のため武道場全体が閉鎖されているそうで生身の人はいないけど、レスリング場の扉の向こうには霊の気配を複数感じる。
「ん~~~~、この感じだと4人か5人くらいかな。
しかもおとなしくしてなくて動いてる感じだから、幽霊になっても部活動続けてるのかな?
でも1人1人はそこまで強くなさそうだし不意打ちもないだろうから、紋様なしで入っても大丈夫そう」
気配探知の結果そんな判断をした私は、扉のカギを開けてレスリング場の中に入った。
外がもう暗いから電灯がついている……のは普通に考えれば当たり前の光景だけど、これは霊たちが電灯の効用を覚えていて点け消しもできるだけの知性が残っていることを意味している。
実際彼らは普通に言葉で会話しながらトレーニングしており、そして私が室内に入ったことに気づくと一斉に目を向けてきた。
人数はさっき探知した通り5人。みんな輪郭は少しぼやけてるけど、一般人の眼でも十分視認できるレベルのはっきりした姿を持っている。幽霊としてはそこそこ霊力多い方ってことだね。
そういえば明確な自我が残ってそうな「幽霊」と1人で相対するのは初めてだけど、私はとりあえず自己紹介から始めることにした。
「こんばんは、退魔師の双和真希といいます。
用件はもうお分かりかも知れませんが、みなさんに成仏していただきに来ました」
ただ退魔師業界に詳しくない人にとっては、素手の女の子1人が同年代の格闘技をやっている男子5人を成仏させる=ブチのめすというのはかなり非現実な発言だ。私は見た目はそんなにゴツくなくて、普通の女の子とあまり変わらないしね。
せめて
いや1人だけ、自制心が少々(?)薄れてるっぽい反応をした者がいた。
「確かに俺たちは死んで幽霊になったけど、でもレスリング場に居座ってるだけで他に何も悪いことしてないのに
つまり俺たちには正当防衛する権利がある! うおおおおーーっ!!」
要するに私を(ぴー)したいってことだね。それでも自己正当化の詭弁を吐く程度の倫理観念は残ってるみたいだけど。
彼は床の上を走って私に向かって来てる。一見何の変哲もない情景だけど実はこれは特筆すべきことで、というのも幽霊は肉体がないから体重も
なのに床の上を走って来るのは、意図的なのか無意識なのかは分からないけど霊力で体に重みをつけているからでね。それなりの霊力量と操作力がなければできない芸当だ。
走る速さは一般人よりやや速いかも、という程度。おそらくは生前とほぼ同じだろう。つまり運動能力は生前並みということになる。
「んー、これは確かに普通の女の子だったらなす術もなく(ぴー)されちゃいそうだねぇ……」
もちろん私はそうではないのだが。
ところでここに来る前に私が調べた限りではレスリングウェアは普通「つりパン」とも言われる肩から太腿までを覆うワンピース形なのに、彼は男子プロレスラーのように水着みたいなボトムス(と膝当てとシューズ)という出で立ちである。鍛えてるみたいでなかなか逞しいから、それを見せつけたいのだろうか。
「とりあえず、正当防衛しておこうかな」
彼がある間合いまで到達したところで、無造作に1歩踏み出して彼の胸板に掌打をぶつける。その一見ただ手のひらを当てただけにしか見えない動作で、彼はコンクリートの壁にぶつけられた野球のボールのように跳ね返されて背中から後ろに倒れ込んだ。
「がふっ!? げほごほがはぐほ」
そして起き上がることもできず、苦しげに手で胸を押さえて呻く。その胸板は数センチほどへこんでいた。
私にとっては当然の結果だけど彼らにとっては信じがたい光景だったようで、さすがに顔色が変わり驚愕と畏怖の声を上げ始める。
「な、何だこの
「でも退魔師ってあれだろ、破魔札とかお経とかそういうのでお祓いするんだろ? 何で手のひら当てただけで吹っ飛ばせるんだ。それともそういう術か何かなのか!?」
むう、我が業界はやはり世間一般への広報が足りないようだ……。
いや私みたいに素手で前衛やってる若い娘は実際かなり少ないんだけどね。
まあこれで彼らが私をナメてかかることはなくなっただろうから良しとしておこう。
「説明はするけど、その前に部屋の中に入ってもいいかな?
あと靴は脱いだ方がいい?」
同年代で先方がタメ口なので私も敬語はやめてそう訊ねると彼らはこくこくと首を縦に振ったので、私は靴を脱いで室内に入ってから予告した通り説明……の前にやることがあった。
「じゃあお話……の前に」
まだ痛むのか転げ回っている彼のそばに行って、床に膝をつく。
すると彼はとどめを刺しに来たと思ったのか露骨にビビり出したが、そういうつもりではない。
「落ち着いて。まだ話すこといろいろ残ってるから、それまで痛み止めしてあげるだけだから。暴れるのやめて、胸から手を離して」
「……え!? あ、ああ」
幸い彼はちょっとびっくりした様子ながら言う通りにしてくれたので、私は彼の胸のヘコみに手のひらをかざして「癒しの念」をこめた霊力を送り始めた。
いわゆる手かざし療法だけど、この世界では霊力が強い人なら実用レベルで使えるし、特に霊体に対しては効き目が強いのだ。
その霊験はあらたかで、胸のヘコみは治らなかったけど痛みは引いたらしく彼の表情から苦悶の色が消える。
「ん、良くなったかな?」
「あ、ああ……ありがと。
でも俺あんたを襲おうとしたのに、なんでこんなことしてくれるんだ?」
「今言ったでしょ。人の言うことはちゃんと聞くように」
私がちょっと悪戯っぽい笑顔でそう言いながら軽くデコピンなどしてやると、彼は幽霊の身でありながら器用にも頬をぼっと赤く染めた。
いきなり人を襲おうとしたくせに初心よのぉ。モテる女はツラいぜ!
……なーんてしょうもないノリは内心だけにしておいて。
「それじゃあちらに戻ってくれるかな? 1人だけ別の場所にいられると話しにくいから」
続けてそう言うと彼は「あ、ああ」と頷いてそうしてくれたけど、その時他の4人から彼に嫉妬の視線が突き刺さってたことは気づかなかったことにしておいた。
でも4人がそんな反応するあたり、襲って来た彼を治療したからか私への畏怖はあっても好意も抱いたみたいだ。いい傾向だね。
次に全員が1ヶ所に集まったところで「立って聞くのがわずらわしかったら座ってもいいよ」と言ったら全員すぐに座ってあぐらをかいたけど、そこで彼らの視線の大部分が胸と太腿に集中してきたのもスルーしてあげることにする。
いちいちツッコミ入れるのも面倒だしね。
「それじゃまず、あなたたちが驚いてた私のことから話すね。
確かに世間一般での退魔師のイメージはあなたたちが思ってたように、創作でもよくある陰陽師や法力僧や巫女みたいな後衛術者系が主流だけど、昔は文字通り武闘派である武士も妖怪退治してたでしょ? たとえば
「おお、知ってるぞ。ムカデ退治とかヌエ退治とかだろ」
私が武闘系の実例を挙げると、真ん中に座ってる男子がそう答えてくれた。
良かった、知っててくれると話が早い。
「うん、そういうこと。
まあ武士は明治時代に刀取り上げられちゃったから退魔業やめた人も多いけど、それでも続けた人たちは私みたいに素手とか、もしくは木の杖みたいな法に触れない道具に変えたんだよ。
つまり先祖代々の家業だから、一般人とは遺伝子と鍛え方が違うってことだね。威張るつもりはないけど」
「―――」
5人は私の説明で理解できたみたいで、とりあえず腑に落ちたような顔をしている。
だからといって女の子が自分たちより強いことに納得したかどうかまでは分からないけど、そこまで気にしても仕方ないので次の話題に移ることにした。
「―――じゃあ次の話、あなたたちのことね。
さっきそこの彼も言ったけど、不法占拠してるだけでそれ以上の悪事は働いてないのにとどめ刺されるのは納得できないっていうのは分かるよ。私も同じ立場だったらそう思うかも知れない。
でもね。幽霊は最初はあなたたちみたいに生前並みの自我が残ってても、時間が経つとだんだん薄れていって夢遊病者みたいに徘徊し始めたり、悪ければ無関係の人に暴力振るったり性的暴行したりし始めるんだよ。浮遊霊とか悪霊とか色情霊とかそういうのね。
もちろん地縛霊みたいにその場にとどまって何もしないケースや、悪霊化する前に霊力がなくなって消えちゃうケースもあるけれど」
前置きが長くなったので彼らに理解してもらう時間を取るためそこで一息ついてから、いよいよ本題に突入する。
「そもそも幽霊にすぐそばに居座られると、それだけで生きてる人は怖いしね。
……だから、あなたたちの事情や気持ちがどうであれ、祓わなきゃいけないんだ。あなたたちにとっては理不尽な話なのは分かってるけど―――ごめんね」
私がそう言って小さく頭を下げると、5人はどう答えていいか分からない様子でいたたまれなさそうな顔をした。
実際理不尽だと思ってはいるだろうけど、「悪いこと」をしてるわけでもないのに謝ってる女の子を責め立てるわけにもいかず困ってるって感じね。
私としてはこの話題をあまり長引かせたくないので、彼らが口を開かないのに便乗して次の話に移った。
「それじゃ、次いこうか。
あなたたちは自分がもう死んじゃってることは分かってるみたいだけど、ご家族や親しい人への遺言はある? もしあるのなら伝えるよ。
もちろん無理に言わなくてもいい。その場合は『喋れる状態じゃなかった』ってことにしておくから」
これは自我が残っている幽霊に対する標準的なアプローチの1つだ。
もちろん善意ではあるけど、霊に自分がすでに死んでいることをより強く自覚させて成仏させやすくするとか、遺言を伝えてもらうためには退魔師に無事帰ってもらわねばならない、つまりこちらへの害意を弱める効果も期待している。なにぶん命張ってるから、お人好しなだけじゃ務まらないんだ。
「…………!!」
案の定、5人はひどく困惑した表情を見せた。
自我や思考力が残ってはいても、やはりいくらかは薄れててそこに思いが至らなかったのだろう。
私が口を閉じて彼らの反応を待っていると、5人は考え込んだり顔を見合わせたりしていたが、やがて順番に全員が遺言を語ってくれた。
ただ自分の死を「より強く自覚」したからか雰囲気がちょっと重苦しくなってるけど、それはまあ仕方がない。明るくしてあげられる材料はあるけど、それは今言うことじゃないし。
―――私は彼らの名前と遺言を書いたメモ帳をホルダーにしまうと、また次の話題に移った。
「ところでこれは余談だけど、あなたたちは何が未練でこの世に居残ってるの?
いや責めてるんじゃなくて、本当にただの余談なんだけど」
とはいえ目的はあって、1つめはちょっとでも雰囲気をやわらげること、もう1つは話をしている時間を引き延ばすためだ。
というのも、実は私は今こっそり
いくら除霊対象とはいえ人の心をいじくるのは褒められたことじゃないとは思うけど、もし5人にそれぞれ別方向に逃げられたら捕まえ切れないからね。私への害意も弱められるし。
もっとも技能レベルがまだ低い上に対象が多いから、大した効果は見込めないけれど。
ちなみにこの手の術は、術者が対象を嫌っていたり、逆に対象が術者を嫌っていたりするとその分効き目が弱まる。でも今回は私は彼らを特に好いてはいないけど嫌ってはいないし、彼らは私に(理由は何であれ)かなり好意的だから支障はない。
……で、彼らは自宅や自校に帰らずあえて対戦校のレスリング場に居残ってるくらいだから、未練は試合できなかったことだと見るのが普通だろう。
「……やっぱり試合をおじゃんにされたのが悔しい?」
なのでそう水を向けてみると、5人はちょっと微妙な様子で言葉を濁した。
「んー、それがないとは言わないけど、それがメインかと言うと違うなあ」
「ここにいるくらいだからそう思われても仕方ないけど、そこは単に家は遠いから歩いて帰るのめんどいってだけだしな」
「じゃあどうして?」
そこでさらに突っ込んで聞いてみると、彼らはやはり自制心は薄れていたようであっさり本音を明かしてくれた。
まずはその前振りね。
「あー、実はさ。ちょっと前に地下プロレスだか地下闘技場だかの噂を聞いて、それがすごく気になってたんだよ」
「地下プロレス……?
うーん。創作でたまに見るけど、そういうのってすごく強い人同士で対戦するものでしょ?
言っちゃ悪いけど、学生が部活でやってる程度じゃ瞬殺されるんじゃないかな」
で、ここからが本題である。
「いやそっちじゃなくてあれ。男と女が対戦してエロエロ展開に!ってやつ」
「つーか俺たちみんな童帝だからな。かわいい娘と
そして急にエキサイトしだした5人が一斉に私を凝視したけど、私にその対戦を挑んでもまさに瞬殺されるだけと分かっているのか口に出しはしなかった。
私はいろいろ脱力してかくーんと肩を落としたけど、彼らの気持ちは大いに分かるから全否定はしない……肯定も難しいけど。
「あー、そっちかあ。まあお年頃の男子だもんねえ。
でもそれの場所とかは知ってるの? そういうのってすぐ警察に捕まりそうだけど」
「いや、それはまったく。
でもこうして現世に居座ってればいつかはチャンスがあるんじゃないかと思って。男はロマンに生きる哀しくも気高い生き物だからさ。
俺がつりパンじゃなくてプロレス風のコスチュームなのもその表れなんだよ」
「うん、まあ、そうだね……」
やはり合理的判断力が薄れているようだ……。
しかしここで現実の厳しさを説いてロマンを壊しても仕方ない。私は気を引き締めて、最後の話題に行くことにした。
「……さて。長話になっちゃったけどそろそろ締めだよ。
私の除霊はさっき見せた通りステゴロだけど、他の方法もできないわけじゃなくてね。
抵抗せずにおとなしくしててくれるなら、比較的苦痛が少ない
どっちがいいかな? 1人1人好きな方選んでいいよ。勝ち目は少なくても無抵抗で果てるのは嫌だって意地張ってもいいし、そんなことより痛くない方を選んでもいい」
私はそこで1度言葉を切ると、ちょっと考え込むかのように唇に人差し指を当てた。
ついで意味深にウインクなどしながら次の言葉を紡ぐ。さっき考えてた「明るくしてあげられる材料」を。
「んー、でもね。もし5人全員が同調圧力とかなしで自分の意志で吸収の方を選んでくれたなら、それは乱暴にもアポなしでとどめを刺しに来た私をみんなが受け入れてくれたってことだから……お礼にサービスがいいやり方にしようかなって思ってる」
「吸収! 吸収!! 吸収ーー!!!」
「!?」
すると5人は一切ためらわず、鏡に映したような同じ動作で片手をずばっと挙げながら気迫たっぷりで答えてきたのでびっくりしてしまった。
そこまで迷いなし? 細かい説明も聞かずに? 夢やロマンはいいの? いや嬉しくはあるんだけど。
なのでサービスを増量してあげることにする。うーむ、我ながらチョロい……。
「お、おーけー。あなたたちの気持ち、私のハートにずどんと響いたよ。
それじゃ準備があるから、ちょっと後ろ向いててくれるかな」
といってもお着替えシーンまでは見せないよ。私は5人がちゃんと回れ右したのを確かめてから、まずやはり効き目は薄めだったぽい、というか必要なかった精神干渉を取りやめて、それから式神の機能を行使した。
「
今回はお相手がレスリングしてる人ということで女子プロレスラーっぽく……でも本職じゃないのにあまり華美なデザインにするのも何かなと思ったので、蛸さんの時と(だいたい)同じにすることにした。
つまり黒一色のホルターネックのワンピース水着と膝当てとシューズで、ヘアバンドと尻尾はなし。胸元にひし形のくり抜きがあるのと背中はほぼ丸出しなのは同じ……いや「サービス」にしたからか布面積がいくらか減ってて、特にお尻周りはTバックとまではいかないけどかなりきわどくてちょっと恥ずかしい……。
でもなっちゃったものは仕方がない。私はこのまま次に進むことにした。
「
今の素の私は房中術はまだまだ未熟だし、浴びたり飲んだりする精液を消化するのも速い方がいい。紋様を励起させるのは必然の選択だった。
え、精液なんて吸収せずに吐き捨てればいいんじゃないかって? そんなひどいことしないよ。
「……っふぅ。はぁ……ぁぁ」
ただいつも通りの代償として、全身に強い性的快感が走り性欲も昂ってくる。熱い吐息が勝手にこぼれた。
目の前で鍛えた筋肉を見せつけ汗ばんだ体臭を振りまいて雄性をアピールしているこの男たちに心ゆくまで犯されたい、そんな欲求がふつふつと湧き上がる。
実際5人とも結構逞しい……輪姦してもらえたらスゴいんだろうな♡
(……って、いきなり突っ走りすぎでしょ私。とにかく自制、自制しないと)
明確な自我が残ってる(怪異じゃない人間の霊の)男性複数がお相手だからか、今回の発情ぶりはいつにもまして激しい。さすがに最後までするつもりはないんだけど。
そして私は深呼吸して気を鎮めてから、5人に声をかけてこちらを向くよう促したのだった。
うーむ、前置きなのに予想以上に長くなってしまった……。
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