※この作品はR-18です。

追放の破戒僧は女難から逃げられない   作:ミステリードール

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残された者達  完

時はシュウ達が帝都を離れた直後のこと・・・

 

 

帝都郊外にあるスラム街のとある空き家に、三人の少女の姿があった。

元『光の戦士達』メンバーである、サーラ、アリエス、レーナである。

 

彼女達はすっかり帝都のお尋ね者だが、うまく逃げおおせて今は一息ついていた。もっとも勇者パーティーである彼女達が逃走に徹すれば、捕まえることなど出来はしないが。

 

三人は空き家にあったテーブルを囲み、一言も発することなく睨み合っていたが、やがてレーナが口を開いた。

 

 

「さて、このような状況になったわけだけど」

 

 

そう言葉を発した瞬間に、空き家の外から騎士達がガシャガチャと鎧を鳴らして走り回る音がした。

今、帝都はレーナ達がどこかに潜んでいないかひっきりなしに捜索している最中であるが、今彼女達がいる空き家は、レーナが認識阻害の魔法で「ここにはいない」と錯覚させているので安全地帯となっていた。

 

 

「で、これからどうしようかしら。私達の勝負はついていないけれど、決着つける?」

 

 

レーナの言葉に、一瞬だけ空気が重くなった。

彼女達は一度殺し合いをしている。というか、実際にレーナはサーラ達を消し炭にしてしまっている。

キモいと言えるほどに驚異的な効果の回復魔法でサーラ達はすっかり完全復活しているが、互いに殺したいほどにヘイトが溜まっている事実は変わらなかった。

 

 

「ここは一度協力し合いしましょう」

 

 

仏頂面で腕組みしながら、アリエスが言った。

サーラも仏頂面したまま小さくため息をつきながらも、それでもアリエスの言葉に異を唱えることはしない。

 

 

「・・・ま、現状ではそれしかないかもね」

 

 

レーナもはぁ、とため息をつきながらアリエスの言葉に同意した。

 

三人は帝都でこれ以上ないくらい暴れ、彼女らは追われる身となった。しかし、ただ逃げるだけではなく、シュウのことを追わなければならない。

 

それには団結が必要だと皆考えていた。

国を上げての大捕り物として扱われ、昼夜を問わずやってくるだろう騎士達を躱すには、サーラの剣術、アリエスの法術、そしてレーナの魔法・・・特に認識阻害が必要なのだ。

 

 

「それじゃ、とりあえず今のところは共同戦線を張るってことで。どうにか帝国の追っ手を振り切って、シュウを捕まえるために協力し合う。いいな?」

 

 

サーラの言葉に、アリエスとレーナが頷く。

考えてみればサーラ達は(一応)レーナとシュウが婚約者同士だった頃から出し抜いてこっそり関係を持っていたのだから、レーナからすれば糾弾できる立場であるはずなのだが、そこはとりあえず気にしないでおくことにした。「なによサーラ偉そうに」と言いたいのをグッと堪えてはいるが、納得は行かない。本来の正妻ポジションであるはずの自分だけがメンヘラ処女なのも。

 

 

こうしてサーラ達は淑女協定(淑女であるとは言ってない)を結び、新『光の戦士達』としてパーティーを組んで行動することになった。

暫定の取り決めとして、シュウを捕まえたその時はシュウの身を24時間8時間ずつの三交代制(シュウに休みはない)でそれぞれ好きにするということも(勝手に)決まる。

ちなみにフローラについては「シュウを確保したとき、彼女が生きていたらその時に考える」という物騒なことになっていた。

 

しかし、彼女達はシュウを捕まえた後はどうやって他の女を出し抜いて彼を自分だけのものにするかを今から考えているので、結局最後は頂上決戦が繰り広げられる物騒な運命になっていた。

 

 

そんな恐ろしいことになっているのも知らず、シュウはフローラとの逃避行を始めたのだった。

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