シュウは極力触りたくもないが、相手を男を倒さねば自分達の未来がないと思い、心を鬼にして何が何でも仕留めると決心した。
既に初撃の回し蹴りで仕留められるだけの攻撃を与えたつもりだったが、それが十分に効果を得られなかったことを踏まえ、複数の攻撃の組み合わせで仕掛けようと構想を練り込む。
「さぁ先輩。次はどんな快楽を与えてくれるのかな?」
ジードがニタァと笑っているのを見て背筋が凍るも、シュウは怯んでもいられない。触りたくないもないけど触らないと殺せない。
「快楽・・・だって?変態じゃん・・・」
「やっぱあれがセックスか」
「パンツ一丁の変態と、公共の場でフルチンの変態のホモセックスかよ」
「ふ~ん、エッチじゃん」
ギャラリー達は一部興奮しているのを除き、すっかりドン引きしている。
それだけジードは(シュウもだが)他人から見て、異質な何かに見えていた。
ジードはシュウの筋肉と、その筋肉が生み出すパワーを肌で感じることに興味がある状態なのだが、まぁ、紛れもなく誰が何と言おうと変態である。
「さぁ来い!先輩を受け止めてやる!」
ジードがそう言って両手を広げる。そのように言われて行きたくはなかったが、それでも行くしかなかったから行った。
ゴキャッ
何かが潰れるような音とともに、シュウのかぎ突きがジードに命中した。
人体に打撃を与えてするような音ではなかったが、シュウの手はそれに動揺することなく止まることはない。
顎、みぞおち、次々に急所と呼ばれるところへ打撃を打ち込んでいくシュウ。
ジードはシュウの攻撃を受けとめるぞとこう姿勢を取っていた。それだけ肉体に自身があったのだろうが、シュウはそこをついて徹底して急所に攻撃を打ち込んでいく。いかに肉体が優れていようと、攻撃が必ず通る鍛えようのない弱点・・・それが急所だ。
「ぐぅっ・・・!?」
人体破壊と言えるだけの攻撃をくわえられると、流石のジードも身を屈めて低く唸り、やがて動かなくなった。
再起不能にまで壊し尽くし、二度と立ち向かってくることのないように徹底してシュウは打ち込んだのだから当然である。
シュウは手を合わせ「悪く思わないでください」と言って頭を下げる。
もう戦うことは出来ないだろう。これで勝負がついた・・・そう思った。
「すげー・・・何をしているのか見えなかった・・・」
「あのフルチンのおっさんすげーな・・・あれはかなりの武の達人だぜ」
「フルチンじゃなければカッコよかったのにな」
ギャラリー達の絶賛の声を浴びながら、シュウはキマったか・・・とキリッと表情を引き締めてカッコつけてみた。フルチンで。
「おっ、おい・・・見てみろ・・・あいつ・・・」
ギャラリーが騒然とし、シュウが踵を返した体を戻すと、どんでもないものが目に映った。
「ファッ!?」
ジードが再び立ち上がっていたのだ。しかも股間も立ち上がっていた。
いろいろな意味で規格外。もういっぱいいっぱいな存在だ。
「なにあれデカイ」
「大人の腕くらいあるぞ」
「あんだけデカクてなんでパンツ破けないん?」
周囲から男も女も悲鳴も上げる。一部で黄色い悲鳴も上がる。
もちろん、シュウだって悲鳴を上げたい気持ちだった。見ているだけでもキツイのに、シュウはむしろ当事者として接しなければならないのだ。地獄である。
「素晴らしいぞ先輩・・・実に素晴らしい攻撃だった・・・私は今、昇天しそうなほどの悦びに打ち震えている!これほど完成された肉、技を極めし者と、これほど濃密でエッチな交わりが出来るなど、もはや死んでも良いほどの感激だ!」
そのまま昇天しろ!とシュウは叫びたかったが、次の言葉を聞いて逆にシュウが昇天しそうになった。
「今度は私の番である!シュウ先輩に私の肉をたっぷり味わわせてやるのである!手籠めである!」
舌なめずりをしながら怪しい目つきでシュウを見つめるジードを見て、誰もが「やっぱりホモじゃないか!」と叫んだ。