ライル「なっ・・・なんだよ!どうして僕に近づいて来るんだ!口でしてやたらもうそれで終わりだって言ったじゃないか!」
チンキン「ワタシはよく約束を破るアル」
ジード「お前もしかしてまだ 自分は掘られないと思ってるんじゃないかね」
ライル「アッーーーー!」
~中略~
ライル「」←ケツから血を出して死亡
チンキン「ケツが破れたか。意気地のない男アル」
ジード「期待はずれだねぇ」
チンキン「やっぱり男といったらジードしかいないアル。これからもワタシの男はあなただけネ」
ライル「」
チンキンとジード、二人は幸せなキスをして終了。
~fin~
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「な、なななななな・・・なんじゃあこりゃあ!?」
ライルはチヨメが書き残していったと思われる小説を読んでいて、ついつい大声を漏らしていた。
「どうして僕がチンキン達に掘られて死んでいるのさ!しかもなんだよこの内容・・・山がない、オチがない、総じて読む意味がない!これは一体・・・」
ライルがそこまで口にしたときだった。
「ハッ!?」
ライルは自分の首筋に、何か冷たいものがツッ・・・と、触れたのを感じた。
いつの間にか、ライルの背後にはチヨメが立っており、そして手に短刀を持って切っ先をライルの首筋に向けていたのだ。
「乙女を秘密に勝手に触れるとは・・・殺す!お主を惨たらしく殺す!」
いつも感情の起伏の少ないはずのチヨメが、静かに、それでいて凄まじく怒りの感情を膨らませていた。
部屋に勝手に入り、くっそ恥ずかしい自作小説を読まれたのだから無理もない。
その圧たるや、百戦錬磨の勇者であるはずのライルが失禁しそうなほどのものである。
(まずい!死ぬ!)
ライルは死を直感する。
ごめんなさいと言ったところで、チヨメは「地獄に落ちろ!」と短刀を突き刺してくるだろうことが予測できた。
駄目元で抵抗して逃げるか、そう思ったライルだったが、彼はいつの間にか口を開いていた。
「素晴らしい作品だったよ!」
総じて読む意味がないとまでこき下ろしていた小説を、ライルは褒めた。
「今までにない傑作だった!思わず読む手に力が入っちゃったよ!君が書いたんだね!凄いじゃないか!!」
もうとりあえず適当にライルは褒めた。褒めちぎった。
褒めて相手のご機嫌を取る、あまりにも情けないが、ライルが咄嗟に取った行動がこれだった。
「えっ・・・」
が、怒りを感情を霧散させ、まんざらでもないリアクションを見せたチヨメ。
短刀を引っ込め、「面白い!」「実際凄い!」と壊れた人形のように似たような誉め言葉を繰り返すライルに押されていた。
「ほ・・・本当ですか・・・?」
照れたようにそう問い返してくるチヨメを見て、ライルはイケると思った。
「本当だとも!いやぁ、机の上にあった本も僕の趣味と同じだし、チヨメの小説もまた別の作品が読んでみたいなぁ!」
命のためとはいえ、ホモ本が好きだと心にもないことを涙目で言いながら、どうにかチヨメの怒りを鎮めようと必死なライル。
だがその甲斐あってか、チヨメは怒りを鎮め、今度は違う意味で興奮状態になっていた。
「あの小説の良さがわかりますか!まさか勇者様が同士だとは思いませんでしたぞ!!」
ライルと距離を詰め、早口にいろいろとホモ本のことについてまくし立てるチヨメ。ライルは必死で話を合わせる。
そういうしているうちに、何だかすっかりとライルとチヨメは(表向きは)打ち解けていた。ライルの仮初のホモ本好きという設定があってこそであるが。
命の危険に晒されたとはいえ、当初の目的通りチヨメとの距離と縮めることが出来たライル。
勇者特有と言うべきか、脅威の運の良さである。
だが、そういうしているうちに、チヨメはとんでもないことを言いだした。
「拙者が書いたこの小説ですが、実は登場人物の名前以外の設定を小まめに変えていくつも出されておりまして、それが実はひっそりとバズっております。出版社を通して世界中に出版されているのです・・・デュフフ・・・お恥ずかしい」
「・・・え、なんだって?」
「別の意味でも有名人ですな勇者様」
このこのっ、と肘でライルを小突くチヨメ。
すっかり打ち解けたどころか調子乗ってるまであるが、ライルはそれどころではなかった。
「は・・・?僕の名前で出てるホモ本が・・・世界中でバズってる・・・だと・・・?」
ライルの名が勇者としてではなく、ホモの総受けとして有名になりつつあると知ったのは、それから数日後のことであった。
その勢いたるや、一時期冒険者ギルドで広まっていた『光の戦士達』の狂暴説の噂など比にならないほどである。
ライルは自身が理想としていた勇者像から、凄まじい勢いでどんどん遠ざかりつつあった。