時はシュウが追放された直後に巻き戻る。
「フフッ・・・これで、これでようやくシュウを追放出来たぞ!」
ライルは『光の戦士達』の拠点である屋敷の自室で、一人歓喜して悶えていた。
ライルは自身が率いるパーティー『光の戦士達』を、ずっと自分のハーレムパーティーにしたいと考えていたのだが、最大の障壁であるパーティー内の他の男・・・シュウの存在を排除出来たことが嬉しくて仕方がなかった。
『光の戦士達』は、当初はライルが純粋に魔王討伐を目指して立ち上げたパーティーだった。
だがライルや他メンバーの実力が付き、シュウがあまり活躍できなくなるにつれて、ライルの中でシュウの存在が「ハーレム形成の邪魔でしかない男」になってしまったのだ。
そして考えた。
魔王討伐の前に、まずはシュウを追い出してしまおうと。
魔王討伐においてシュウの存在が消えたところで支障はないと。
・・・と、まで考えていても、やや優柔不断なライルは中々それを実行できないでいた。
少なくともシュウは他のメンバー・・・女達に嫌われている様子がなかったからである。そのシュウを追放するのには、パーティークラッシュないし、自分が嫌われるリスクがあった。だから危ない橋を渡ることが出来なかったのだ。
ところが、あるときから流れが変わり始めた。
シュウと婚約内定していたはずのレーナが、ライルに気のある素振りを見せ始めたのだ。
ライルは当初周囲の予想として有象無象の勇者候補の一人だった。だが、旅を続けるうちに頭角を現し、今や世界一と言える実力派冒険者パーティーを率いるまでの高名な勇者となっている。
いち神官でしかないシュウよりも、ライルに乗り換えたほうが得だとレーナが考えるのは自然と言えば自然のことだったので、ライルはレーナもその口なのだろうなと考えた。
だが、ライルはずっと一緒に旅を続ける中でレーナのことが気になっていた。下心があるにしても、レーナが自分にすり寄ってきてくれたことを喜んだのだ。
あくまでシュウとは表向きは恋人同士・・・だから一線を越えることこそなかったが、いつしかライルとレーナは愛を囁きあう仲になっていた。
機を見てシュウとは婚約を破棄するとレーナは言い、ライルはその言葉を信じて一年ほど経過した頃・・・
レーナがある日切り出してきた。
「シュウをパーティーから追放しましょ。そうすれば、私とシュウとの婚約は自然と解消になるわ」
自分が考えていたことを、レーナから切り出してきた。
(よし!流れが僕にきてる!!)
ライルは居ても立っても居られず、シュウ追放のために動き出すことにしたのだった。