シュウの苦悶が続いたが、それでも晴れない雨が無いように、いつかは報われるときが来るものである。
「今日はここで宿を取ろう」
しばらく野宿の続いた『光の戦士達』は、あるとき少し大きな町で久しぶりに宿屋で泊まることになった。
部屋は生憎全員分個室で取ることは出来ず、男女に分かれて一部屋ずつという形になったが、それでも町で宿伯となったからには、溜まっていた性欲を解消する大きなチャンスである。
もちろん一人で済ませることも出来るが、その町にはありがたいことに娼館があった。
「よしっ!今日は奮発してガツンと楽しんじゃうぞ~ ここまで溜めちゃったんだし、今日はもう粉が出るまでやってやるぞ~~!」
シュウは娼館があると聞き、その日の夜は何とかこっそり宿を抜け出して、がっつり娼館で楽しむつもりでいた。
気持ちは浮つき、腰に手を当てルンルンとスキップなんかしてすっかり不審者である。
だが、そんなシュウの気持ちに水を差す者がいた。
「シュウ先輩。話に聞いたんですけど、この辺に美味しいお酒を出してくれるお店があるみたいですよ。ですから夜行きましょうね~~^^」
満面の笑みでそう語り描けてきたのはアリエス。
「お、そうですね」と同意しかけて、シュウの口が停止する。
ん?アリエスと飲みに行ったら、娼館行くの難しくないか?と考えてしまったのだ。
娼館の閉店前に飲みを切り上げればいいのだが、多分そのまま一緒に宿屋に戻る流れになるだろう。それからでは抜け出すのが難しくなるかもしれない。
「シュウ先輩、前にその…例の件でお詫びに奢ってくれると言ってくれたじゃないですか」
やんわり断りの言葉を言おうとしたが、体をモジモジさせ、頬を赤らめながらアリエスが言ったことで、シュウは再び口を閉ざした。
例の件とはラッキースケベのことなのはすぐにわかる。
アリエスが原因でもらい事故のようなものが多々あるが、裸体を拝み、触り、下着越しとはいえ陰部に顔を突っ込んでおいて「ちょっとお詫びはまた今度で」なんてシュウには言えなかった。
「ですから夜行きましょうね~^^」
再度同じように笑みを浮かべて言うアリエスからは、その可愛い笑顔とは裏腹に、非情に強い圧のようなものをシュウは感じた。あり得ないはずだが、断れば刺されるような・・・そのような不穏な予感をした。
もう逆らえるはずもない。シュウは泣く泣くその日の娼館行きを諦めることになった。
「わかりました・・・行きましょう・・・」
心で泣くシュウの腕に、アリエスが嬉しそうにしがみつく。
いつもならば、溜まっているところに意識した女性に密着されているので、どうしたって少なからず興奮するだろうその状況でも、このときばかりはシュウは落胆の激しさ故に無反応であった。