貞操逆転世界の「感度上限突破」持ち探索者 〜ダンジョン探索して美少女たちとセックス漬けの日々を過ごしていたら、ぶっ壊れハーレムができていた〜 作:わんた
バドリベ都市国家代表のココルは焦っていた。
理由は上位の精霊と契約したミチオの奴隷化計画が進んでいないからである。
女性中心の社会に口出しをせず子作り以外の欲を持たせないため、一部例外はあるが都市の上層部は秘密裏に男を奴隷化すると決めており、今回の召喚においても全員に奴隷の首輪を付けた。これは一般的には知られてないことだ。
しかし上位の精霊と契約したミチオの物だけが壊れ、失敗してしまう。
そこからケチがつき始めた。
屋敷に滞在して他の精霊と手を組まれたら困るため、探索者になって欲しいと無理にお願いをして外に出すが、ミチオの手元に置いたリサから奴隷化の成功報告はきていない。
初期の計画が失敗して急遽方針を変更したこともあって熟考できなかったココルは、リサに「チャンスを見つけ次第、奴隷化しろ」としか命令できていない。そのため、いつ成功するか読めず待つしかなかった。二重主人システムは口外するなと伝えているので、情報漏洩の心配はないが時間は無駄に過ぎていく。
それでも本来であれば問題はなかったはずだった。
ここでまた想定外の事件が起こる。
奴隷化されていない精霊契約した男がいると、他の都市にも知られてしまったのだ。
都市間の行き来は少ないため情報が漏れるとしても半年は持つと思っていたのだが、なんと数日で近隣の都市にまで広がってしまった。ココルが想定していたよりも動きが早い。内部にスパイがいるのは間違いないが、誰なのか見当がついていないため手の打ちようがない。
都市に潜入したスパイが暗躍してミチオを手に入れてしまう前に、バドリベ都市所有の奴隷にしなければならず、後がなくなってきたココルは奴隷商人たちにもある程度の事情を説明して協力を要請する。多額の費用を要求されたが受け入れてくれた。
しかし、それでも心許ない。失敗する可能性は残っている。
静観していたココルも動き出すことにした。ミチオと再会するのは、そう遠くはないだろう。
* * * * * * * * * *
素振りを何度もやって腕が疲れたので休憩代わりに足の動かし方を学んでいるのだが、これがなかなか特殊だと感じた。ステップするように移動して攻撃するらしい。普段とはちがう動きであるため、コツを掴むまではぎこちなくなってしまう。これも要訓練だな。
そんな感じにリサの特訓を受けていたら、午前中なんてあっという間に終わってしまった。
帰り際にギルドの受付嬢に会って、また今度来ると伝えて宿に戻る。
ここからはリサと別行動だ。汗を流してからローブをまといフードをかぶる。これでぱっと見、男だとは見えない。道をすれ違う程度なら大丈夫だろう。剣を腰にぶら下げているが、襲われたときは抜くよりも前に魔法を使って身を守る予定だ。その時は契約している闇精霊の力を借りることになる。期待しているぞと言う意味を込めて、肩に乗っているるトリベリアの頭を撫でると、猫の目が閉じて気持ちよさそうにしていた。
夢では女性の姿だったが、本当にメスなのかな?
股を開いて確認したい欲に襲われるが、夢の中で反撃されるかもしれないので行動には移さない。良きタイミングがきたら聞いてみよう。
「行ってくる」
「お気を付けくださいませ」
普段着に戻ったリサが頭を深く下げて見送ってくれた。ドアを閉めて宿の外に出る。
そういえば、異世界に召喚されてから初めて一人になったな。正確にはトリベリアがいるけどペット枠だから除外して良いだろう。
メインストリートを歩きながら周囲を見ても、俺が男だと気づいている女性はいない。肩に猫を乗っけていても興味を持たれないのだが、これには異世界ならではの事情がある。鷹やスライムを肩や頭に乗せている人も結構いるのだ。他にも狼や虎っぽい動物まで引き連れている姿も見かけるので、猫ぐらいじゃ目立たなかった。
「奴隷商人の店って、どうやって見つければ良いんだろうな?」
「首輪の看板をかかげている店が奴隷を売っていると聞いたことがある。そこを探せば良いだろう」
ダメ元でトリベリアに聞いたら手がかりを知っていて驚いた。意外と物知りだな。
「さすが頼れる精霊様だ。ナイス情報」
「ふふふ。もっと頼って良いんだぞ」
機嫌良さそうに尻尾を振っている。
ふと夢の中で見た妖艶な顔を思い浮かべたが、すぐ忘れることにした。このままじゃ俺は猫に欲情する変態になってしまう。せっかく女性の多い世界に来たんだから、動物の道に走りたくはない。新たな性癖の扉を開かないよう注意しなければ。
「なんだ。もっと言ってくれないのか?」
無心になろうとしているのに、トリベリアは尻尾で頬を叩き、存在をアピールしてきた。
俺の気持ちを知らないで好き勝手しやがって。
「はいはい。トリベリアはすごい。お前がいなければ生きていけないよ」
「そうだろう。そうだろう。安心して寝られているのも私が夜警備しているからだ。感謝の気持ちは忘れるなよ」
「わかってるって。いつも、ありがとうな」
満足したのか尻尾の攻撃は止まって目を閉じた。肩の上でお昼寝しようとするなんて器用なヤツだな。
話し相手がいなくなったので黙って奴隷商人の店を探すが、首輪のマークが見つからない。どうしてだろうと思っていると、武器や鍛冶といった物騒な店もないことに気づく。逆に雑貨や食料、薬屋など日常的にお世話になるような店が多い。メインストリートに出せる店の種類が決まっているのか?
であれば、奴隷を売っている店は別の場所にあるだろう。
とりあえずダンジョン付近の通りに行ってみるか。
都市の中心に向かって歩き、大通りから外れて細い脇道に入る。
「すごい人だ……」
人は減ってないのに道幅が狭くなっているので密集度が高まっていた。思わず立ち止まってしまうほどだ。このまま進んで良いか悩むが、遠目から首輪の看板が見えてしまったので、引き下がるわけにはいかなくなった。
日本で身につけた他人と当たらないように歩くスキルを発揮し、縫うようにして進んで奴隷が売っている店の前に付く。
この世界にしては珍しく前面がガラス張りになっていて、奴隷の首輪を付けた女性が数人いる。顔は普通だが体格はよい。床に年齢や特技などが書かれていて優秀そうだと感じた。
彼女たちは客引き用の奴隷なのだろう。
ドアには革鎧を身につけてショートソードをぶら下げた警備の女性が二人立っている。威圧感があって少しだけ入るのをためらってしまった。
「奴隷に用があるのか?」
護衛をしている女性の一人が話しかけてくれた。見た目と違って少し高めで可愛い声である。
「ええ。戦闘用を探しているんですが……」
「………………もしかして男……です、か?」
「あ、はい」
フードをかぶったままじゃ失礼だと思い出して、素顔を露わにした。
警備している二人の女性は驚き、すぐさまドアを開けてくれる。
「え、奴隷じゃない……? 珍しい…………」
「どうする?」
「メグリ様に紹介しないと!」
「だよね。一緒に中へ入りましょう。さぁ! さぁ!」
両手を取られて無理やり入店させられてしまった。
店の受付部分は濃いブラウンのフローリングになっており、ワックスを掛けたのか光を反射するほど磨かれている。壁に照明が付いていて暖色系の淡い光を放ち、高級店っぽい雰囲気を出していた。
正面にある受付カウンターの奥には品の良さそうな艶がある長い黒髪の女性が座っていた。前髪はまっすぐに揃えられていて目はくりっとしている。色白で肌は陶器のようにつるりとしていて綺麗だ。毎日、入念な手入れをしているのだろう。胸は控えめだが、幼く見える顔立ちと相まって魅力を引き立てているように感じる。
俺の姿を見ると一瞬驚き、すぐ真顔になって頭を下げた。
「いらっしゃいませ。どのような奴隷をお捜しでしょうか?」
受付嬢に返事をする前に、両腕をがっしりと掴まれ、体を密着されている状態から脱したい。
「先ずは手を離してくれないか?」
素直に動いてくれるのであれば苦労しないと言ったところか。店を護衛していたはずの二人は俺の願いを無視している。
これはダメかと諦めかけて受付嬢を見ると、眉がつり上がって瞳は冷たい光を放っていた。静かに怒っているのだ。
「私に恥をかかせるつもり?」
感情が欠落したような声で魔力が含まれているように感じた。トリベリアの威圧より数段落ちるが恐怖を覚える。直接言われた二人は、俺以上の衝撃を受けただろう。
欲望よりも恐怖が上回ったみたいで、警備をしていた女性は手を離すとすぐさま外へ出てしまった。
「私の部下が失礼いたしました。申し訳ございません」
丁寧に頭を下げられてしまった。言動からして、ただの受付嬢って感じではない。立場ある女性だろう。
「謝罪は受け取りました。俺は気にしてないので大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
顔を上げてにっこりと微笑む姿は、威圧する声を出した人と同じだとは思えない。心が温まる優しさを感じた。
「私はこの店をまとめているメグリと申します。素敵な男性のお名前を頂戴してもよろしいでしょうか」
幸先が良い。まさか店長に会えるとは思わなかった。彼女なら奴隷の首輪に隠された秘密を知っている可能性が高い。奴隷を購入すると見せかけて関係を深めにいこう。
「ご丁寧にありがとうございます。俺はミチオ、探索者をしています」
手を出されたので握手する。
ひんやりとしていて気持ちが良かった。
「今日はどのようなご用件で、いらっしゃったのですか?」
「一緒にダンジョン探索する戦闘奴隷を探しています」
「わかりました。もう少し詳細を伺いたいので、別室でお話ししましょう」
手が離れるとメグリは背を向けてエントランスの奥に進んでいく。静かに付いていくと細い廊下の最奥にあるドアをくぐり抜け、応接室に入る。
革張りのソファが二つ。間にガラス製のローテーブルがあった。壁際には食器棚みたいなのがあってカップや酒瓶などが置かれている。別室につながるドアはあるが、窓はない。外から覗かれる心配はなさそうだ。
「どうぞお座りください」
素直に入り口に近い方のソファに座ると、メグリは正面の方に腰を下ろしてテーブルにある鈴を鳴らした。
チリンと心地よい音がする。
しばらくして室内に奴隷が入ってきた。驚くことに男である。顔はアジア系統、もっと詳細を言えば日本人っぽい見た目である。年齢は三十ぐらいか? 少なくとも俺より年上だろう。肌の艶は良く病気をしているようには見えない。表情も暗くはないので悪い扱いはされてなさそうだ。
「彼は異世界より召喚され、奴隷となったスグルです」
「男の奴隷ですか珍しいですね」
「実はそうでもないんですよ。召喚が行われると、ココル様から毎回数名ほど購入させてもらっているんです」
これって、都市国家代表のココルと深い仲であることのアピールだよな。偶然入った店ではあるが一発で当たりを引いたみたいだ。メグリを快楽堕ちさせる価値はあるだろう。
ちらりとスグルを見ると笑顔だった。奴隷になっていることを不満に思ってなさそうな顔をしていて、テーブルに紅茶の入ったカップを置いていく。
「彼は繁殖用に使っているので非売品ですが、尊いお方に貸し出すことはあるんです。意外とテクニックがあるみたいで……って、男性のミチオ様には不要な話でしたね」
日本とは人権意識が違うので、表現は気になっても表だって否定するつもりはない。
本人も不幸そうには見えないので無難にやり過ごすか。
「よい男奴隷を手に入れたんですね」
「ええ、本当に。奴隷商をやっていて良かったと思える特権です」
メグリが紅茶を飲んだので俺もカップを持って口に近づけるが、肩に乗っていたトリベリアが尻尾で邪魔をした。
契約のパスから危険といった感情が伝わってくる。変な匂いはしないが薬は入っているのか?
ここでようやく鈍い俺は、危険なことをしていると気づく。別にリサじゃなくメグリが奴隷の首輪を付けても目的は達成されるのだ。異世界の男を融通してもらえるほど都市上層部と近い関係であるメグリが、ココルの思惑を聞いてないとは思えない。事情を知った上で無知を装っていると考えるべきだ。
俺は甘かった。
ここはダンジョンと同じ、敵地である。
目の前に居る綺麗な女性は決して味方ではないのだ。
意識をカチッと切り替え、紅茶は飲まずにカップを置く。
「それだったら、俺のことも奴隷にしたいんじゃないか?」
相手から笑みが消えた。
逃げてばかりじゃ何も手に入れられない。あえて相手の狙いがわかっていると伝え、反応を伺う。
メグリはすぐに答えず、スグルを見る。
「戻りなさい」
「かしこまりました。お嬢様」
俺のことは一切見ず、応接室から出て行った。
「精霊契約者の男性なんて、ミチオ様以外は見たことがありません。正直に言えば欲しいと思います」
「定期的に異世界召喚していても精霊契約できる人は少ないのか?」
「そこまで知っているのですね……二回ぐらい召喚すれば精霊契約者は一人出てきます。そのぐらいの珍しさだと思ってください」
仮に異世界召喚が十年に一度だとしても、都市には数名の精霊契約した男はいるだろう。しかしトリベリアは契約した仲間の精霊は都市に残ってないと言っている。この点において矛盾があった。
「であれば都市に数名いそうだな。一度も会ったことないが、彼らはどこに?」
「どうしてミチオ様は、そんなことを知りたがるのでしょうか」
首をかしげて可愛らしく聞いてきているが、腹の中はどす黒そうだ。惑わされてはいけない。
「精霊と契約できた仲間として挨拶をしたくてね」
「そうですか。お気持ちはわかりますが、その願いは叶わないかと」
「どうしてだ?」
「この都市にいないからですよ」
秘密にしていると思っていたのだが、どうやら教えてくれるようだ。
静かにメグリの言葉を待つことにする。