貞操逆転世界の「感度上限突破」持ち探索者 〜ダンジョン探索して美少女たちとセックス漬けの日々を過ごしていたら、ぶっ壊れハーレムができていた〜 作:わんた
魔法は使えなくなったが、獣人奴隷の二人がココルを取り押さえている。俺が優位なのは変わらない。
「動けば殺すぞ」
「代表のココルが代理で命令します。奴隷は私を解放してミチオ様を捕らえなさい」
奴隷だとわかっていたので命令を下したが、ビオラとユナは動かない。二重主人システム対策はしっかりと機能していた。
「……どうして……? ああ、そいういうこと。別都市の首輪……メグリ……あの女が裏切ったんですよね?」
状況を理解したようで、俺を真っ直ぐ見る。
俺が答えるわけにはいかないので無言を貫く。
「どうやって彼女を攻略したのですか?」
「…………」
この状態からでも逆転できると思っているようで、俺の手札を聞き出そうとしている。
身内に裏切られたというのにタフな精神をしているな。都市国家の代表になるだけはあると思うが、その余裕が気に入らない。まだ何かしようと企んでいそうなのだ。
「お前が死ねば主人は俺だけになり、リサは都市から解放される。言うことを聞かなければ本気で殺すぞ」
ふっと笑われてしまった。
精鋭部隊は様子を見守っているだけで襲ってくる気配はない。
「私を殺しても無駄ですよ。リサは絶対に都市から解放されません」
「どういうことだ?」
もう一人の主人として設定されているのは、都市代表のココルのはず。それはビオラとユナへ命令したことからも証明されている。だからこそ代表さえ殺せば主人は俺だけになるはずなのだが……ココルの表情からして違うのだろう。
僅かだが決定的なズレ。それが何か分かるまで下手な手出しはできない。不気味なほど静かに様子を見ている精鋭部隊も気になるし、返事を大人しく待つことにする。
「無知なミチオ様に教えて差し上げましょう。もう一人の隠された主人は都市自身であって、私はあくまで都市の代理として命令しているだけ。この意味がわかりますか?」
主人が都市国家と言われても実際は代表に権限があると思い込んでいた。だってそうだろ。都市や国というのは人間か勝手に決めた境界線内にある名称であって生物じゃないのだから。奴隷への権限や命令を下すなんて不可能である。これが地球の常識だ。
しかし、ここは異世界。
都市というもものの存在について定義が異なっても不思議ではない。二重主人システム発覚時に俺が持つ常識との違いがあると知ったのに、どうして気づけなかったのだろうか。この場を無事に切り抜けたら反省が必要だな。
「都市国家が存続する限り奴隷への命令権は消えない」
「正解です」
生徒を褒めるように手を叩きながら言った。
「私を殺しても都市の意志がリサを許しません」
「それは都市国家そのものが生きている、ということか?」
「まあ、広義の意味で生きているかもしれませんね。奴隷になったら紹介してあげますよ」
「会わなくて良いからリサを奴隷から解放するか、命令権を無くすんだ」
「それは無理な話です。それよりもミチオ様が奴隷になってくれれば、リサとずっと一緒にいられるように手を回しますよ。子作りだって許しましょう。好きなだけ抱いても良いです。働かずとも衣食住が提供される理想的な生活を送れるんですから、悪い話ではないと思いますよ?」
「その代わり自由を捨てろか」
「ええ。当然ですよね」
守ってあげるんだから、という上からの立場で見下ろされている。
それを良しと思う人もいるだろう。その考えは否定しない。労働から解放されるというのは、それほど重い意味を持つのだから。
しかし俺は違った。
異常な性欲を持っていても、この世界では歓迎されるのだ。
性欲に振り回されるんじゃないかと不安になって、部屋に閉じこもる必要はない。好きなことをしていいのだ。生まれて初めて本気で今を生きてみたいと思ってしまった。
誰かの命令で生きるなんて断固拒否である。
俺の人生は俺が主人公なんだ。
そう胸を張って日々を過ごしたいからこそ、奴隷という道は選びたくなかった。
「だったら俺は奴隷になりたくない」
「交渉決裂ですね。私を殺します?」
「それはしない。ビオラ、ユナ、手を引け」
驚いた顔をしたが二人ともココルから離れてくれた。
「何を狙っているんですか?」
「奴隷にしたければ、すればいい。だが、必ず俺は自由になる」
ココルを殺したところでリサの安全は確保できない。それがわかったのは大きな収穫だ。一時的に奴隷になって都市国家の情報を集めてから抜け出そう。トリベリアがいうには、モンスター用だったとしても破壊できる可能性は高いみたいなので勝算はある。他にも『感度上限突破』を使う隙さえあれば、逆転も可能だ。絶望的にはならないだろう。
「あくまで自由になることを諦めないと?」
「それが俺の生きる目的だ」
「召喚した男のほとんどは、働かずに色んな女とセックスする日々に満足されているのに、変わった考えをお持ちなのですね……まあ、いいです。奴隷になれば私たちの命令は拒否できないのですから。結果は同じです」
精鋭部隊の人たちが近寄って俺の腕や足を押さえた。随分と警戒されているようだ。
奴隷の首輪が近づいてくる。
観念するか。
目を閉じようとすると足音が聞こえてきた。走っているようで、こちらに近づいている。
出口の方を見ると精兵の兵が数人吹き飛んで壁に衝突して意識を失った。俺に奴隷の首輪を付けようとしていた女性は、武器を構える前に顔面を殴られてしまう。ローテーブルに頭をぶつけると叩き割って、ピクリとも動かなくなった。
「大丈夫ですか!?」
侵入者はリサだった。俺の頬を触りながら泣き出しそうな目をしている。
「どうして来てしまったんだ」
「精霊様から、合図があったら急いでくるようにと言われてましたので……」
犯人はトリベリアか!
鎖に捕らわれている黒猫を見るとウィンクされてしまった。
これも計算の内ということなのか。
「首輪は大丈夫か?」
「はい。命令違反になっていないようです」
すると俺だけじゃなく都市国家の命令にも違反してないのか。今は、な。
「主人思いなのは結構ですが、私の前に姿を現したのは失態ですね」
嫌みったらしいことを言いながら、ココルは俺を見た。
「代表のココルが代理で命令します。ミチオを捕らえなさい」
当然ではあるがリサは俺の味方だ。命令を無視して動かないため、首が絞まる。血流と呼吸が止まって急速に顔色が悪くなっていく。苦しいはずなのに微笑んでいて、うめき声すらだしていない。
「他の者もみんな動きなさい!」
「俺を守れっ!」
精鋭部隊、威圧から立ち直った奴隷がビオラ、ユナが同時に動いて戦い始めた。実力は敵の方があるみたいで圧倒的な劣勢ではあるが、倒せとは命令していないので、身を守りながら時間を稼いでいる。すぐに倒される心配はしなくて良いだろう。
「リサは早く俺の体を押さえろ! 後は何とかするから!」
俺の命令すら拒否したリサは、締め付けている奴隷の首輪に手を当てる。
「何をする気? 無理やり外そうとしたら爆発しますよ!」
「…………こわ、す……だけ…………」
俺を安心させるために、かすれた声で教えてくれた。リサは自力で奴隷の首輪を破壊するようだ。
「そんなの不可能です! 壊されないように何重もの防御魔方陣を刻んでいるんです!」
「でも……魔力を…………逆流…………」
「精霊ならともかく妖精もどきのダークエルフじゃ無理です! 諦めなさいっ!」
言葉とは逆にココルは焦っているように見えた。
奴隷の首輪は魔力を逆流させることによって、トリベリアは破壊したのか。そして今、リサは人の身でありながら、それをやろうとしているみたいだ。普通に考えればココルが言う通り無謀なことなんだろう。
しかしリサは、俺と何度もセックスをして子宮に精霊の魔力がこもった精子を受け止めている。
一日に五回以上、それを一か月だ。
その実力は既に下位の精霊を越えている。トリベリアと肩を並べるまでには至ってないが、人に使う奴隷の首輪ぐらいは破壊できるだろう。
ピシッ。
奴隷の首輪にヒビが入る。すぐに亀裂は増えていき締める力が弱まると、リサは手で引きちぎった。
「そんな…………ありえない…………」
ようやくココルから余裕がなくなった。頭に手を当ててよろめいている。
「リサ、ビオラとユナを助けてくれ」
「かしこまりました」
奴隷の身分から自力で解放されたリサは、精鋭部隊と敵の奴隷を拳によって倒していく。ココルが頼る虎の子も彼女の前では、一階層に出現する雑魚モンスターと変わりないようだった。
敵を倒しきるとリサはココルの腕をひねって、床に顔を付けて取り押さえる。誰がどう見ても俺たちの勝ちであった。