もしもファイナルファンタジー4のパロムがオーバーロードに登場したら 作:メチルレッド
「今日も自主ビルド、ご苦労であった」
新しく第八階層守護者になったパロムは、他の階層守護者と比べて、実力不足なので、強くなるために自主ビルドをしている。自主ビルドは大変であるため、アインズから労いの言葉をもらった。
「他の階層守護者様のように強くなれません」
パロムは第八階層守護者のヴィクティムよりは強い程度だが、階層守護者の平均的な能力をまだ有していないので、正直な気持ちを吐露する。
「焦る必要はない。他の階層守護者も強くなるまでに長時間を費やしている。パロムもマーレやシャルティアのように強くなれる日が来る」
アインズは味方に対しては優しい。
アインズに励まされ、また自主ビルドに励もうとパロムは思うのであった。
しかし、パロムは人間種。
マーレのように強くなれても、シャルティアのようには強くなれないのではないか。
「僕は人間種です。シャルティアのように強くなるのは難しいと思います」
元気のない表情でパロムは話す。
そんなパロムを見て、アインズは昔の自分を思い出す。
「私も昔は弱かった。魔力値は高かったが、体力値は人間種と大差なかった。それでも諦めずに自主ビルドを続ければ、無限に強くなれるだろう。パロムは外の世界でも魔法が使える。自分で限界を作らない方が良い。パロムには無限の時間があるのだから」
アインズは純粋にパロムを励ましてくれるので、パロムは嬉しかった。
「パロムの性格はマーレに似ている。本当は強いのに自信がないところがそっくりだ」
マーレは優秀な階層守護者なので、マーレに似ていると言われるのは嬉しい。
「現状では僕はルプスレギナより弱いです」
ルプスレギナはプレアデスで最強のメイドである。
「ルプスレギナか。魔力値ではパロムの方が上だと思うが、ルプスレギナの体力値は高すぎるからな。近接戦闘ではルプスレギナが勝つだろうが、遠距離戦闘ではパロムが勝つだろう」
アインズは冷静に戦闘力を分析してくれる。
アインズこそが最高知恵者だとパロムは思う。
「階層守護者としては、近接戦闘でも強くなりたいです」
パロムのその言葉から、アインズは向上心を読み取った。
「近接戦闘でも強くなるには、体力値の向上が基本だが、魔力値の向上も忘れてはいけない。マーレも最初は体力値が低かった。今のパロムのようにな。だからこそ、パロムもマーレのようになれる。私はそう確信している」
パロムは自信がないとはいえ、毎日少しずつ強くなっているのはパロム自身実感している。アインズ様にアドバイスをいただけるおかげで強くなってきているとパロムは思うのであった。
ビルドして一年後、パロムはルプスレギナに模擬戦闘を申し込んだ。近接戦闘の模擬戦闘である。
「積極性が出てきたな」
アインズは感心する。
場所は第八階層の荒野。
「手加減するっすよー」
ルプスレギナは味方には優しい。
「どっちから攻撃するっすか?」
「ルプスレギナからで良いよ」
ルプスレギナはパロムに接近する。
「トルネド」
パロムの風魔法がルプスレギナの左腕に直撃する。
ルプスレギナの左腕が痺れる。
人間ならば骨折してしまう威力だろう。
「近接戦闘もできるじゃないっすかー」
「得意ではない」
ルプスレギナは高速で動く。
ルプスレギナは右腕で軽くパンチする。
パンチはパロムの顔面に直撃し、パロムは倒れた。
「勝負ありだな」
ルプスレギナの勝利となった。
数分後、パロムは起き上がる。
「模擬戦闘の評価をしよう」
アインズが評価してくれた。
「最初のトルネドは良かった。ルプスレギナの動きを止めたからな。なぜ2回目を放たなかったんだ?」
「実はトルネドは近接戦闘において強力なのですが、消費MPが多くて疲れてしまいました」
「パロムは風魔法が得意ではないのか?」
「そうですね。風魔法はまだ成長段階にあります」
アインズは暫し考える。
「MPと魔法攻撃力を増やせ。そうすれば、ルプスレギナと善戦程度はできるようになるだろう」
アインズからのアドバイスを聞いて、パロムは笑顔になる。
「アドバイスありがとうございます」
「この程度のアドバイスは大したことではない。引き続き、ビルドに励んでくれ」
「畏まりました」
パロムは引き続きビルドに励むことになった。
このビルドはアインズ様に認められるまで続くだろうとパロムは思うのだった。
半年後、パロムはルプスレギナに再挑戦する。
場所は同じく第八階層の荒野。
「またルプスレギナからで良いよ」
ルプスレギナは踏み込む。
「トルネド」
ルプスレギナは風魔法を受けて一瞬動きが止まる。
ルプスレギナはパロムの背後に回り込む。
「トルネド」
ルプスレギナは尻餅をつく。
「前回よりは強くなったっすねー。でも、効いてないっすよー」
「トルネド」
「ブロウアップフレイム」
二つの魔法は互いに打ち消し合った。
「もうMPがない」
またルプスレギナの勝利となった。
アインズが評価をする。
「善戦できるようになっている。苦手な近接戦闘も克服しつつあるだろう。装備して強化すればパロムが勝つと思うぞ。なぜいつも軽装なんだ?」
「僕が装備してないときに敵が来る可能性もあるからです」
「そういうことか。パロムは向上心の塊だな」
マーレも今までの話を聞いて感想を述べる。
「ボクも装備しないで軽装だとルプスレギナさんに負けると思います。現在のパロムさんはボクと同じくらいの強さなのではないでしょうか?」
アインズはマーレの感想を聞いて、パロムに質問する。
「パロムは今の自分の強さに限界を感じるか?」
「感じません」
「パロムの才能はマーレ以上のようだ。これ以上ビルドを続ければ、近接戦闘でもルプスレギナに勝てるようになるだろう。そこでビルドを終了するべきだろうか」
アルベドが答える。
「終了するべきではありません。外の世界をも征服するには、ルプスレギナに勝つ程度の強さでは足りないと考えます」
「その根拠は何だ?」
「外の世界の生物は弱いですが、強力な武器が存在しています。武器を使われても負けない強さを考えると、階層守護者の異形種級の強さは最低でも欲しい状況です」
「パロムは人間種だ。そんなことが可能だろうか」
パンドラズアクターがその質問に答える。
「人間種であっても大魔女には完全なレベルに近い領域を展開できる者がいると聞きます」
「パロムが大魔女になるのは可能か?」
「外の世界で魔法を駆使できる時点で、それは可能であると考えます」
「面白い。では、パロムが大魔女級の魔力値を得た時点でビルドを終了しよう」
皆に目標を与えられたパロムは喜ぶ。
「畏まりました」
さらに半年が経過した。
「本当はもうパロちゃんと戦いたくないっすよ。私負けそうっすー」
ルプスレギナはパロムに向かって走る。
ルプスレギナはパロムにパンチしようとするが、
「トルネド」
逆にルプスレギナが吹き飛ばされた。
強風の威力でルプスレギナは鼻血を垂らす。
「勝負あり。パロムの勝利だ」
「私そんな強くないっすからねー」
「評価しよう。単純にトルネドの攻撃力が上がったことで勝利できた。だが、これからがパロムの本格的なビルドだ。大魔女級の魔力値を手に入れる必要がある。私もその方法は分からないのだが、見つけてあるのか?」
デミウルゴスが答える。
「パロムはその方法は分からないのですが、我々は見つけてあります」
ギルドのデミウルゴス級の知恵者は見つけているようである。
「期待しているぞ。次に覚える魔法は領域展開魔法ということで良いのか?」
「はい。より正確には、領域展開魔法等ですね」
「了解した。パロムの自主ビルドはあと少しだから、頑張ってほしい」
「畏まりました」
パロムは本格的なビルドに向けて返事をした。
一年後、パロムは領域展開魔法のデザートストームを覚えた。風魔法を強化する領域展開魔法である。
「アウラ、パロムと模擬戦闘をやってくれるか?」
「イヤです。アインズ様。私にパロムのエロチック魔法を掛けさせようとしてますよね」
「何のことだ」
「ルプスレギナが最近おかしいんです。ンフィーレアを性的な意味で誘惑してるという噂が立ってます」
「ただの噂だろ」
「それに、アインズ様は私の体に触ることが多いですよね。セクハラだと思います」
「…………」
アインズは何も返せなかった。
「そんなことがあったんだ」
「そうでしたか」
デミウルゴスが応える。
「アウラはアインズ様の下心を見抜いているようですね」
「そうなんだ。かなり手強い」
その話を聞いて、アルベドが興奮する。
「アインズ様。私という者がいるというのに、アウラのことがお好きなのですね」
「…………」
「何かおっしゃってください」
「私はロリコンだからな」
「アルベド、論点が逸れていますよ」
「そうだな。パロムの模擬戦闘の相手はアウラでなくとも良い」
「考えておきます」
デミウルゴスがパロムの模擬戦闘の相手を考えることになった。
三日後。
「パロムの模擬戦闘の相手ですが、マーレに致します」
「マーレも女になる予定だからな。良いだろう」
第八階層の荒野。
パロムは軽装だが、マーレはフル装備である。
「ボク装備しないと強くないので、よろしくお願いします」
「よろしく」
模擬戦闘開始。
「トルネド」
マーレにはダメージがない。
「本気出して、良いですよ」
「デザートストーム」
パロムは風魔法強化領域展開魔法を発動する。
「トルネド」
「ファイヤーストーム」
マーレは炎魔法で風魔法を打ち消した。
「ぷちカタストロフ」
パロムに小ダメージ。
「硬いですね」
「魔法防御力だけ無駄に高いんだ」
魔法体質を持って生まれたパロムは元々魔法防御力が高い。
マーレは植物魔法でパロムを拘束する。
「すごいな。これは動けない」
「殴打させていただきます」
「トルネド」
マーレは風魔法に吹き飛ばされる。
もう一度マーレはパロムに接近する。
「トルネド」
また吹き飛ばされた。
「勝負あり。パロムの勝利だ」
「パロムさん、強いです」
「たまたまだよ」
この勝利は偶然だとパロムは言う。
アインズが解説する。
「パロム、運ではなく実力がついたということだ。まあ、マーレの戦い方が下手なのもあるけどな」
「ごめんなさい」
「謝ることはない。マーレなりにちゃんと戦っていた」
「相性が合わないようにも見受けられました」
デミウルゴスも評価する。
「そうだな。戦い方が下手なのはNPCに良くあることだ」
「アインズ様ならばどう戦われますか」
デミウルゴスが質問する。
「私ならトルネドよりも強い風魔法を使って勝利する。デザートストームは相手の風魔法も強化してしまうからだ」
「さすがはアインズ様。一瞬でパロムの魔法の弱点を見抜いてしまわれますね」
デミウルゴスが賛嘆する。
「パロムに質問だが、現在使用できるトルネドのレベルを教えてくれ」
アインズがパロムに質問する。
「レベル2です」
「レベル2では少ないな。私が相手だと簡単に負けてしまうだろう」
「そうですね」
「また一年ビルドして、次はシャルティアと戦ってみるか?」
「…………」
パロムは迷う。
レベルが違うと言いたげな表情でマーレはパロムを見る。
「怖いか?」
「怖くもあり、楽しみでもあります」
「じゃあ次の相手はシャルティアに決定だな。手加減するから怖がらないでくれ」
アウラは今の話を聞いて心配する。
「シャルティアは手加減してもヤバいですよ」
「大丈夫だ、アウラ。シャルティアの弱点を私は良く知っている。ペロロンチーノ程ではないけどな。一年ビルドすれば大丈夫だろ」
パロムの次の相手はシャルティアになった。
一年後。
第八階層の荒野。
パロムは軽装。
シャルティアはドレス姿で武器は持っていない。
「この戦闘がやや危険なのは私にも分かるでありんす。パロム、領域展開をするでありんしょう」
パロムはデザートストームとシャインスパークを発動する。
複数の領域展開魔法を同時に駆使できるのがパロムの特殊である。
「では、私の手加減ということで、パロムに対処できる攻撃から始めるでありんす」
「よろしく」
模擬戦闘開始。
「清浄投擲槍」
パロムは小ダメージ。
「槍と言っても清浄投擲槍は魔法ダメージなので、パロムにはあまり通じないでありんしょう」
「少し痛いけどね」
「次はこれで行くでありんす。不浄衝撃盾」
「トルネド」
不浄衝撃盾が、レベル5のトルネドにより相殺される。
「不浄衝撃盾を防げる者は少ないでありんす。パロムは強くなったでありんしょう」
「今度はこちらから行くよ。ブリリアントレイディアンス」
「ウォールオブストーン」
シャルティアのウォールオブストーンがパロムのブリリアントレイディアンスを防いだ。
シャルティアは跳躍し、自らが生み出した石の上に立つ。
「グレーターリーサル」
グレーターリーサルでパロムは回復する。ペロロンチーノが育成したパロムは負のエネルギーで回復する特殊を持つからだ。
「アンデッドでありんすか?」
「違うよ」
普通はグレーターリーサルで回復するのはアンデッドである。
「一瞬パロムがアンデッドに見えんした」
シャルティアは余裕の表情だ。
「少し本気を出すよ。マジックフュージョン。ブリリアントレイディアンストルネド」
ブリリアントレイディアンスとトルネドの融合魔法が炸裂する。ちなみに、ブリリアントレイディアンスはシャインスパークにより強化されている。
「タイムアクセラレーター」
シャルティアは時間をゆっくりにし、パロムの融合魔法を回避する。
「両者とも互角ですね」
デミウルゴスが評価する。
「まだどちらも本気ではないな。シャルティアが負けることはないだろう」
アインズも評価する。
「ラジオ体操程度にはなったでありんす。ブレインよりは強いでありんしょう」
「本気を出すよ。タイムマジック」
「マナエッセンス」
シャルティアは驚愕する。
「MPが急激に増えてるでありんす。こんな魔法は見たことも聞いたこともないでありんせんと思いんす」
「グランドカタストロフ」
超級の爆裂魔法が炸裂する。
タイムマジックはMPを増やすだけではなく、魔法の詠唱時間を減らす効果もある。
シャルティアはHPが半分になる。
「なかなか痛かったでありんす。アインズ様の超位魔法くらい!」
「降参しても良いよ」
「パロムの魔力値は階層守護者最強と思いんす。でも、このシャルティアに降参という言葉はないでありんす!」
結構ダメージを受けてしまったことを悔しがるシャルティアを見て、アインズが一言。
「シャルティア、手加減することを忘れるな。パロムも軽装だから本気でも手加減みたいなもんだ」
「分かっていますでありんす。ミストフォーム」
シャルティアは霧の姿に変化する。
「グレーターテレポーテーション」
シャルティアはパロムの眼前に瞬間移動する。
シャルティアはミストフォームを解除する。
一瞬で距離を詰めたシャルティアにパロムは驚く。
その一瞬の隙をシャルティアは見逃さない。
シャルティアはパロムの頬にビンタする。
パロムは気絶した。
「勝負あり。シャルティアの勝利だ」
先程の模擬戦闘を見て、セバスも驚愕する。
「シャルティア様のビンタ、パロムの体力値では耐えられそうにないはずです。人間が今のビンタを受けてしまうと、即死または重傷のはずですよ」
セバスの疑問にアインズが答える。
「パロムの何らかの魔法で防御していたのだろう。それでも、防御しきれなかったけどな」
「シャルティアと善戦できた時点で、もうパロムを認めても良いと考えます」
デミウルゴスの言葉にアインズが賛同する。
「そうだな。今のパロムの総合力はマーレ以上はある。パロムのビルドはこれで完了だ。一応解説をすると、パロムの魔力値は階層守護者最強で間違いない。体力値もヴィクティムよりは遥かに強い。パロムの弱点は物理防御力といったところか」
アインズの言葉を聞いて、マーレが話す。
「体力値もいつかはボク以上になると思います」
「パロムの成長力を考えても、今のパロムは第八階層守護者の実力を備えている。シャルティアからも感想を聞かせてくれ」
「HPを増やした方が良いでありんす」
「それは若返り続ければ増えるだろう」
パロムは化楽天という種族であり、若返りスキルを持つ。
「私はパロムのビルドは完了して、世界征服を始めた方が良いと考えます」
デミウルゴスが意見を述べる。
「それは……今のパロムであれば世界征服をすることも可能だということか?」
「世界征服はまだ定かではありませんが、日本征服程度は可能だと考えます」
「ハーメルンで世界征服の話をして良いのかも私には分からないのだが、具体的に何の魔法で征服できるんだ?」
「クリエイトヘルです」
デミウルゴスが嬉々と答えた。