※この作品はR-18です。

狩人はバッチをつけていた BAD END   作:muzineki

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10:権力

「氷室課長、聞きたいことがあります!」

 

声の主は特命課の課室に入るなり、氷室へと詰め寄った。

そんな険しい表情の浅谷刑事を、氷室は涼しい顔で出迎える。

 

「どうした浅谷君、キャッツ逮捕に失敗した男の、惨めな顔でも見に来たのかね?」

 

(えっ……)

 

隣室で聞き耳を立てていた瞳が、氷室の言葉にピクリと反応する。

女刑事たちは瞳の腕を強く掴み、僅かでも物音を立てさせぬよう警戒した。

 

「嘘をつかないでください。私は昨日の朝、本庁のヘリポートに金庫が輸送されていたことを知っているんです。どうしてそれを隠しているのか、答えてください」

 

「それは作戦で使った道具を回収しただけだ。別に隠してはおらんよ」

 

声を張り上げて詰め寄る浅谷刑事に、氷室は面倒くさそうに答える。

メガネをかけた女刑事の詰問は、さらに続いた。

 

「だったらどうして、屋上に警備が敷かれていたのですか? それにあんな大掛かりな作戦が失敗して、貴方が責任を追及されないのは変じゃないですか。納得いく説明をしてください!」

 

ヒステリックな声で詰め寄る浅谷刑事。

その目には、絶対に引き下がらないという意思があった。

 

「さすが本庁でも知られた女エリート刑事、他の犬鳴署のボンクラとは大違いだ。しかし君はもう少し、組織というものを学ぶべきだな」

 

口先で追い払うのは無理と判断した氷室は、課長席の電話を手にした。

そして出てきた相手に状況を説明する。

 

「君に代わりたいそうだ、出たまえ」

 

突然のことに、浅谷刑事は訝しげに電話を受け取る。

しかし電話の声を聴いた瞬間、その表情が一変した。

 

「そ、総監!? は、はい!」

 

浅谷刑事はビシッと背筋を伸ばすと、電話の相手へ敬礼する。

それは警察組織にいる者が叩き込まれた本能であった。

 

「はっ……わ、わかりました……はい……申し訳ありません……」

 

先ほどとは打って変わり、消沈した表情で浅谷は電話を置いた。

そして氷室に向かい、深々と頭を下げる。

 

「業務の邪魔をして申し訳ありませんでした、氷室課長……」

 

謝罪する浅谷刑事の身体は、小刻みに震えていた。

眼鏡の下に見える表情には、悔しさが滲み出ている。

 

「頭の良い君には、もう説明の必要は無いだろう。この件について探るのはやめて、内示のとおりインターポールへ出向する準備を始めなさい」

 

「……はい、わかりました」

 

声を震わせて浅谷刑事が返事をする。

眉を寄せて皺を作り、眼鏡の下の美貌を乱すその姿は、自分の中の何かと葛藤しているように見えた。

それを察した氷室は、更に釘を刺す言葉を吐く。

 

「君もキャリア組なら、『穴蔵』の噂くらいは、聞いたことがあるだろう?」

 

その言葉を聞いた瞬間、浅谷刑事の背中をつららで撫でられたような悪寒が走った。

先ほどまで無念に満ちていた表情が、今度は悪魔に追われたように蒼ざめる。

 

「ま、まさか……キャッツを穴蔵へ」

 

「フフフ、さあな? そもそも穴蔵なんて物は、一部の警察官に広まっているただの噂だ。少なくとも公式上は、そのようになっている」

 

云い知れぬ戦慄が、浅谷刑事の全身を這い回る。

スーツのスカートから伸びた長い脚は、僅かに震えていた。

 

「だがこれ以上嗅ぎまわるなら、君をその場所へ案内することになる。もちろん彼女と同じ鉄格子の中の住民としてだ。私も有能な刑事を失いたくはないのだよ、わかってくれるね」

 

「は、はい……」

 

返事をした浅谷刑事は、再び頭を下げて氷室に謝罪する。

そして肩を落としながら、特命課の課室を出て行った。

脅しに屈した彼女は、歯の一枚一枚がカチカチと打ち合うのを、止める事ができなかった。

 

 

 

(ど、どういうこと……)

 

隣の部屋では、全身を枷と鎖で拘束された瞳が、頭を混乱させていた。

刑事たち話が終わり、しばらくすると氷室が中へと戻って来る。

 

「むっ……むぅん! うぅん!」

 

氷室に向かって必死に訴える瞳。

だが防声具のせいで、声を出すことができない。

 

「フン、何を言っているかわからんな。まあ言いたいことは想像つくがね」

 

「むぅん!」

 

防声具の中から瞳が呻き声を上げる。

氷室に乳房を掴まれたからだ。

程よい柔らかさで弾力もあるふくらみが、氷室の手の中で形を変える。

 

「そろそろ周りが煩くなってきたようだ。今晩、人気が無くなったころを見計らって、君の送致を開始する」

 

説明しながら、氷室は瞳の乳房を揉みしだく。

始めはゆっくりと、そして少しずつ指に力を入れていった。

 

「君には移送までこの格好でいてもらう。定期的な水分補給時のみ防声具を解除するが、声は絶対に出さないように。少しでも騒いだら、失神するまで痛めつけるからな」

 

すると氷室は、瞳の乳房を思い切り握った。

愛撫には程遠い、乱暴な扱いに瞳の顔が歪む。

 

「うぐぅ! んぐぅ! むぅぅん!」

 

「ふふふ、痛いかね? だが『穴蔵』に着いてからの扱いは、こんなものではないぞ」

 

氷室は両手で乳房を掴むと、更に力を込めた。

急所への苦痛に、瞳は苦しそうに呻く。

その表情を愉しみつつ、氷室はレオタード姿の女怪盗を嬲り続けた。

 

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