狩人はバッチをつけていた BAD END 作:muzineki
翌日、瞳は独房の中で身体を横たえていた。
両手両足は縛められたままで、身動きすることもできない。
身体にはまだ拷問と、そして凌辱の痛みが残っている。
それを感じる度に苦しそうな息が瞳から漏れた。
(あんな目に合うなら、俊夫にあげておくんだったな)
瞳の頭に昨晩の記憶が蘇る。
氷室への怒りもあったが、それ以上に自分が惨めだった。
鉄格子や監視カメラを意識するたびに、囚人という立場を嫌でも思い知らされる。
「うっ、うっ、うっ……」
瞳が嗚咽を漏らしていると、鉄格子の向こうで鉄の扉が軋むように開いた。
それに気が付いた瞳は、必死の思いで涙を止める。
監視カメラがあるのは解っているが、それでも氷室やその部下の目の前で、弱い所は見せたくなかった。
「4番、入るぞ」
屈強な刑事たちが、瞳の独房へと入る。
全裸同然の格好をした美女を前にしても、刑事たちの視線には油断がない。
「4番、姿勢はどうした?」
冷たく言う刑事の手には、首輪のリモコンがあった。
緊張で身体を強張らせた瞳は、直立不動の姿勢になる。
すると刑事たちは、瞳から手錠と足枷を外した。
「4番、取り調べの時間だ。着替えを渡すから、まず身に着けているものを脱ぐんだ」
命令する刑事たちの目は、瞳の動きを常に監視している。
鍛えられた体つきから、彼らが武道の達人であることは、すぐにわかった。
男勝りの身体能力を誇る瞳でも、電気ショック付きの首輪を嵌めたままでは戦えない。
抵抗を諦めた瞳は、おずおずと長手袋とニーハイソックスを脱いだ。
「裸になったら、次はこれを着るんだ」
刑事たちは瞳の前に、青いレオタードをポンと置いた。
それはキャッツの仕事着と同じデザインのレオタードだった。
その生地は極薄で、身体のあらゆるラインが浮き出てしまう。
(な、何よこれ……これじゃ裸と同じじゃない)
瞳が美貌を紅潮させ、手で乳房と股間を隠す。
女怪盗の身体を計測して作られたレオタードは、恐ろしいほどピッタリと身体に張り付いた。
何もかもが丸見えで、着ていることなど全く意味が無い。
男の目を愉ませるために作られた衣装としか思えなかった。
「続いて戒具を装着する。4番、動かないように」
抑揚のない声で言うと、男たちは手錠で瞳を戒めた。
後ろ手に拘束され、首輪にもリードとなる鎖が繋がれる。
「4番の戒具、全て異常なしです」
「身体検査も異常なし、4番の移送を開始する」
刑事たちは首輪の鎖を引いて、瞳を独房から連れ出した。
その動作は乱暴で、瞳は鎖を引かれる度に、喉に食い込む首輪に息を詰まらせた。
「くっ……がっ……がはっ!」
首輪を強く引っ張られた瞳は、バランスを崩してよろめいてしまう。
すかさず背後にいる刑事が、瞳の尻を警棒で思い切り叩いた。
「あぐっ!」
容赦のない打撃に、床に膝を付く瞳。
すると前を歩く男に首輪を引っ張られ、強引に立たされる。
「もたもたするな、歩け!」
バシッ!
瞳の尻が警棒で叩かれる。
何とか歩くと首輪を引かれ、よろめいて脚を止めて再び殴打。
そんな事が、数メートルごとに繰り返される。
瞳の気力と体力はみるみる失われ、早くも限界にきていた。
刑事達に連行された瞳が連れてこられたのは、30畳ぐらいの広い部屋であった。
壁の一面はガラス張りになっていて、その向こうでは身なりの良い男たちが、ソファーで飲み物を片手にくつろいでいた。
「な、何なの、この部屋は」
「取調室さ、ガラスの向こうにいらしゃるのは、我々の取り調べが適切か監査する方々だ。よく言われる取り調べの可視化というやつだよ」
瞳が声の方を振り向くと、右手に竹刀を持つ氷室の姿があった。
後ろには5人の刑事がいて、同じように竹刀を持っている。
「今日の取り調べは、この竹刀で行う。そろそろ本庁の剣道大会が近いのでな、君には我々の稽古を手伝ってもらおう」
そう言うと氷室は、瞳の足枷だけを外した。
そしてレオタードから露になった背中を、思い切り突き飛ばす。
瞳は後ろ手に拘束されたままよろめき、刑事たちの真ん中へと倒れた。
「では取り調べの開始だ、いい稽古をさせてくれよ、キャッツアイ」
ビシッと音を立てて、氷室の竹刀が床に叩きつけられる。
それを合図に5人の刑事たちが一斉に動き、竹刀を構えて瞳を囲んだ。
何をされるか察した瞳は、すぐに不自由な身体を起こして立ち上がる。
だがそれより早く、刑事の竹刀が振り下ろされた。
「ぐうっ!」
左肩に竹刀を受けた瞳は、思わず悲鳴を上げた。
次いで別の男が竹刀を振り下ろすが、かろうじて避ける。
(な、何とかして逃げないと)
後ろ手に拘束されたまま、瞳は走り出した。
だが広い部屋に窓は無く、入り口とおぼしき扉は1カ所しかない。
男たちの竹刀をかいくぐり、何とか扉に到達する瞳。
背中の後ろで戒められた手で、ノブをガチャガチャと回す。
(くっ……やはり開かない)
扉を開けようと足掻く瞳へ、刑事の竹刀が振り下ろされる。
寸前のところで避けた瞳は、長い脚で蹴りを放った。
ミドルキックを腹に受けた刑事が、息を詰まらせる。
だがその間に別の男が、瞳の背中へ竹刀を振り下ろした。
「あうっ!」
バランスを崩した瞳は、何とか踏みとどまって間合いを取った。
だがすぐに前後から囲まれてしまう。
逃げようとしてもすぐに追いつかれ、反撃すれば竹刀で撃たれる。
骨にズシンとくる竹刀の衝撃は、昨日の鞭よりも身体に響いた。
連行中の暴力で痛めつけられていた身体は、たちまち悲鳴を上げ、脚が思うように動かなくなる。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
ひっきりなしに動いていた瞳の息が荒くなる。
次第に避けるだけで精一杯になってきた。
息も絶え絶えのレオタード姿の美女を、ガラスの向こうにいる男たちは、ニヤニヤと眺めている。
好奇と期待に満ちたその視線に、瞳の背中がゾワリと冷たくなった。
(こいつら……私が痛めつけられるのを見て、楽しんでいる)
晒しものになっていることを悟った瞳は、羞恥で美貌を朱に染めた。
極薄レオタードが汗で濡れ、肌が透けている事に気が付いたからだ。
乳首も、陰毛も、全てが男たちの好色な視線に晒されている。
「さあキャッツアイ、取り調べを楽しんでいる方々のために、頑張って抵抗してくれ」
屈辱的なショーの主役である瞳へ、今度は氷室の竹刀が襲い掛かる。
上段からの一撃はかろうじて避けたが、バランスを崩した所へ、今度は横なぎの竹刀が襲う。
瞳はどんどん後ろに後退し、ガラスの壁へと追い詰められた。
間近に迫った形の良い桃尻に、観客の視線が集中する。
「い、いやぁ!」
淫らな視線を感じた瞳は、すぐに壁から離れた。
だがそれを待ち構えていた刑事たちに、すぐに囲まれてしまう。
「あうっ! ぐうっ! ああっ! きゃぁっ!」
青いレオタード姿に、竹刀の嵐が襲った。
打撃を受ける度に息が詰まるが、両手を背中で戒められているため、防御すらできない。
次第に脚が止まり、逃げる事さえできなくなる。
そこへ氷室が鋭い突きを放った。
「がふっ!」
鳩尾に竹刀を受けた瞳は、身体をくの字に曲げて突き飛ばされた。
青いレオタードに包まれた身体が、ゴロゴロと転がりガラスの壁へと戻される。
「がはっ……がっ……うぇ……おぅえ……」
鈍痛で息ができない瞳は、口から涎を垂らしてうずくまった。
レオタード姿の美女が悶える姿に、観客たちが歓声を上げる。
瞳は何とか逃げようとするが、もう脚が動かない。
そんなレオタード姿の女を、刑事たちは囲み、代わる代わる竹刀を振り下ろした。
「あうっ! くぅっ! きゃっ! ああっ!」
瞳の背中、脚、腕、尻、後頭部と、竹刀の嵐が降り注ぐ。
次第に瞳の意識は、遠のいていった。
だが氷室は失神を許さず、背中で戒められた腕を掴んで無理やり立たせる。
「どうしたキャッツアイ、まだ稽古の時間は終わっていないぞ」
「うぐぅっ!」
横なぎの一撃が、瞳の胴を払う。
苦痛に呻く瞳に、ガラスの向こうの観客が興奮する。
惨めに這って逃げる瞳だが、すぐに刑事たちに追い付かれてしまう。
残酷な狩人たちは、遊ぶように獲物を竹刀で打ちすえた。
「ひいっ! くうっ! きゃぁっ! がふっ!」
面打ち、胴なぎ、突きと、あらゆる打撃が瞳の身体に突き刺せる。
漫画の必殺技を真似て、ふざけて竹刀を振る者もいた。
そんな一撃すら、今の瞳は避けることができない。
終わらない苦痛に、精神の鎧が一枚ずつ剥がされる。
そして遂に弱音が漏れた。
「も……もうやめて……」
瞳は尻をぺたんと床につけた状態で、刑事たちに許しを乞う。
体力は限界を超え、竹刀で胸をグリグリと突かれても、立ち上がる事さえできない。
目からは険しさが消え、哀願の表情で男たちを見上げている。
もはや気力さえも尽きていた。
「やめて欲しいなら、共犯者2人の名前を素直に言え。そうすれば取り調べは終わりにしてやる」
氷室は冷たく言うと、竹刀の先で瞳の顎を持ち上げた。
口が裂けても言えない質問に、瞳は首を振る。
すると氷室は竹刀を上段に構え、思い切り面打ちを叩き込んだ。
「あぐっ!」
脳天を打たれた瞳が、頭を抱えて床をのたうち回る。
頭がクラクラして、目に映る全ての物が歪んで見えた。
軽い脳震盪くらいは起こしているかもしれない。
「フン、そうやって固く口を閉ざしている時点で、共犯者を自白しているも同然だぞ」
氷室の指示と同時に、刑事たちが竹刀で瞳を滅多打ちにする。
丸くうずくまったレオタード姿の女に、激しい竹刀の連打が叩き込まれる。
やがて動けなくなった瞳を、氷室は足で仰向けにした。
そして鋭い突きを鳩尾に叩き込んだ。
「ごふっ……ぐぇ……おぅぇ……」
カエルが潰されたような声と同時に、瞳の身体が痙攣する。
口を開いたまま、だらしなく涎を垂らした状態で、ようやく瞳は失神することを許された。