※この作品はR-18です。

狩人はバッチをつけていた BAD END   作:muzineki

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29:躾けられた子猫たち

海の匂いというより、無機質なさびた鉄の匂いがする、深夜のコンテナ港。

そこに停泊する大型の貨物船へ、時枝たちの乗るトレーラーが乗り込んでいく。

この貨物船こそが、彼らのアジトだ。

船艙でコンテナを切り離した時枝は、すぐに船を出航させた。

そして運び込んだ金庫の中を、もう一度、部下たちに調べさせた。

 

「ボス、何もありませんぜ」

 

「こっちもです」

 

時枝の部下たちは、うんざりした表情で金庫の中を調べていた。

外では時枝が腕を組み、厳しい視線で部下たちを見張っている。

異常なしと報告されても、時枝は信用せず、何度も調べなおしを命じた。

神経質なボスにため息をつきながら、部下たちは中にある絵をどかしたり、壁を調べたりして、金庫の中を探っている。

 

(まったく使えん奴らだ、これだから仕事を任せることができんのだ)

 

散漫な態度で仕事をする部下たちに、時枝は苛立ちを隠せな。

一寸先は闇のこの世界では、しくじりは即破滅だ。

まして今回は、あのキャッツアイが絡んでいる。

どれほど用心を重ねても、安心するわけにはいかなかった。

 

「もういい、そこまでだ」

 

時枝はため息をつくと、部下に金庫から出るよう命じた。

これ以上やらせても、時間の無駄だと思ったからだ。

代わりに金庫の中に、赤外線カメラを仕掛けておく。

万が一の保険のためであった。

 

(念には念を入れておく、か)

 

金庫の周りをぐるりと回った時枝は、換気用のスイッチを切った。

これで空気の循環が無くなり、金庫の中は15分もすれば酸素が無くなる。

闇の世界を生き抜いてきた、時枝の直感がさせる行動であった。

そして慎重すぎる男の勘は、すぐに実を結ぶことになる。

 

「ボ、ボス、大変です!」

 

仕掛けたカメラの映像を見ていた部下が、狼狽しつつ時枝に報告する。

時枝がモニターを見ると、金庫の中にある壁の一部が、ガタガタと音を立てて揺れていた。

部下が急いでマイクの感度を上げる。

すると金庫の中から、女の呻き声が聞こえてきた。

 

「うぅっ……がっ……がはっ! がはっ!」

 

「フッ……やはりネズミ……いや、泥棒猫がいたようだな」

 

己の勘が当たっていたことに、口元を吊り上げる時枝。

女の呻き声は次第に大きくなり、そしてバタンと隠し扉が開かれた。

中から出てきたのは、首を抑えて悶えるレオタード姿の女であった。

 

「こ、これは……まさかキャッツアイ!?」

 

「畜生、取り引きをするフリをして、俺たちをハメやがったのか!」

 

激昂し、金庫の中に入ろうとする時枝の部下たち。

だがそれは、時枝の落ち着いた声に止められた。

 

「まあ待て、どうせ中から開けることはできんのだ、間抜けなメスネコが悶える様を、もう少し楽しもうでないか」

 

ビクビクと痙攣するレオタード姿の女を見ながら、時枝は蔑むような笑みを浮かべる。

彼の目的は、キャッツアイを仮死状態にして生け捕りにすることだ。

世間を騒がし続けた女怪盗は、金持ちたちの間でも好奇の眼差しを向けられている。

奴隷として売り出せば、きっと次の闇オークションの目玉商品になるに違いない。

そのように時枝は計算していた。

 

「がっ……ぐぇ……ぁぁ……ぁ……」

 

呻き声さえ上げられなくなった瞳は、やがて金庫の床にうつ伏せで倒れた。

相当に苦しんだのだろう、長い髪は乱れ、半開きの口から涎が流れている。

時枝はさらに時を置き、レオタード姿の女が仮死状態になるまで待った。

そして痙攣が終わり、完全に動かなくなったところで、金庫の扉を開けるよう命じた。

 

「よし、キャッツアイを捕まえろ!」

 

鈍い音を立てて、分厚い金庫の扉が開く。

バタバタと金庫の中へ突入した男たちは、レオタード姿の女を囲んで拳銃を突き付けた。

その瞬間、女の身体から煙が吹きあがった。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ

 

「なっ、何だっ、これは!」

 

突然の出来事に、男たちは狼狽する。

それでもいち早く冷静さを取り戻した時枝は、すぐに銃をレオタード姿の女に向けて構えた。

だが発砲する前に、目にも止まらぬ早さで瞳の右拳が、時枝の鳩尾に叩き込まれた。

 

「ぐおぉっ!」

 

長くしなやかな腕から叩きだされる拳は、一撃で時枝の動きを止めた。

続いてグルリと回転し首筋に叩き込まれた蹴りが、時枝の意識を断つ。

煙幕に狼狽する部下たちは、ボスの失神にすら気が付かつかず、アッという間に瞳に叩きのめされていく。

煙幕が晴れる頃には、時枝と部下たちは、金庫の中で伸びていた。

 

「ふぅ……何とかなったわね」

 

金庫の中で一人立っている瞳は、額に流れる汗を右手でぬぐって息を付いた。

すると突然、膣内のローターが振動を始めた。

 

「はうっ!」

 

「見事なお手並みだな、さすがはキャッツアイだ」

 

イヤリングから、冷ややかな氷室の声が聞こえてくる。

刺激に耐えながら、瞳は反射的にビシッと背筋を伸ばす。

特命課の躾で叩き込まれた、犬としての習性であった。

 

「は、はい……ありがとうございます、氷室様」

 

「あの用心深い時枝を、よくぞ騙せたものだ、窒息したフリは、なかなか迫真だったぞ、やはり経験者は違うな」

 

氷室の嘲笑が瞳の耳を打つ。

同じ状況で逮捕された屈辱を思い出し、瞳は眼を暗くした。

 

「今の君なら、あの罠も切り抜けたかもしれんな。どうだね、もう一度キャッツアイとして、我々に逆らってみるかね?」

 

冗談の下に冷たさを込めて、氷室は言った。

そんな事はもうできない、そう確信した上で言葉であった。

特命課の恐ろしさ、そして自分の立場を思い知らされている瞳に、もはや反抗心など欠片すら残されていない。

 

「そ、そんなことは……しません……私はもうキャッツアイでは無く、罪を償うために氷室様に忠誠を誓った、特命課の犬ですので……」

 

「フン、それで良い」

 

「あうっ!」

 

氷室の言葉と同時に、瞳の膣内でローターがさらに動きを強める。

腰がビクビクと動き、脚が震えるが、それでも瞳は直立不動の姿勢を維持する。

 

「いいかね、君の周りには常に、特命課の眼が光っている。どこに逃げようが、何をしようが逃れる事は出来ない。我々がその気になれば、いつでも逮捕して穴蔵に戻せるのだ、そのことを決して忘れるな」

 

脅しの言葉を最後に、通信は終了した。

瞳はフウッとため息を付く。

体内に埋め込まれたGPSにより、特命課は常に瞳の居場所を把握している。

内海刑事という人質も取られているし、忌まわしい戒具も膣内に装着させられている。

抵抗することも、逃げることも考えるだけ無駄、瞳はそう思うようになっていた。

 

(今の私は特命課の犬……もう生きる道はこれしか無いのよ)

 

決意を改めた瞳は、貨物室から駆け出した。

瞳の身体に埋め込まれたGPSにより、この船の場所は既に特定されている。

地元の県警に囲まれるのは、時間の問題だ。

 

(警察に見つかる前に船から脱出しなくては……でも、間に合うかしら)

 

客室へ向かって走る瞳の額に、つうっと汗が流れる。

瞳にはもう一つ、氷室から与えられた任務があった。

それは時枝が主宰する闇オークションの顧客リストを盗み出すことだ。

任務に失敗すれば、姉妹そろって穴倉に連れ戻されることになる。

その後に待っているのは、死ぬまでサディストの玩具にされる運命だ。

失敗するわけにはいかなかった。

 

「ここ、か……」

 

時枝の私室に辿りついた瞳が呟く。

扉に耳を当て、人の気配が無いのを確認すると、30秒もかからず鍵を開錠する。

そして部屋の中に入り、本棚や机を片っ端から調べた。

 

「あった!」

 

引き出しから目当ての顧客リストを手にした瞳は、すぐにそれを手にした。

だがそこで動きが止まる。

 

(これを持って帰れば、氷室の野望がいよいよ叶ってしまうのね)

 

本当にそんな事をして良いのか。

瞳の中にある良心が、それを頭に訴える。

顧客リストを眺めながら、自問自答を繰り返す瞳。

だがそれは、外から聞こえる声により遮られた。

 

「包囲しろ、マフィアを捕まえるんだ! 一人も逃すな!」

 

(と、俊!?)

 

それは瞳の恋人、内海俊夫刑事の声であった。

マフィア逮捕の指揮をする彼は、貨物船の包囲を縮め一気に乗り込もうとしていた。

 

(い、いけない、早く逃げなくては!)

 

判断を迫られた瞳は、急いで顧客リストを防水ケースの中に入れると、甲板へと走った。

もし氷室に叛逆すれば、報復の手は内海刑事の身にまで及んでしまう。

瞳に選択肢など有りはしないのだ。

 

「はっ!」

 

柵を乗り越えた瞳は、闇の海へと飛び込んだ。

音に気付いた警備艇が、すぐに海面を光で照らす。

それを避けて瞳が泳いでいると、いきなりローターが動き始めた。

 

「あうっ!」

 

快楽により瞳の下半身をビクリと震える。

そのせいで水を飲み、瞳は一瞬だけ溺れかかってしまった。

 

「こちら氷室だ、青猫、応答しろ」

 

「は、はい……こちら、青猫です……あんっ! も、目的の物は盗んできました、次のご命令をお願いします……ひっ!」

 

ローターに腰をビクつかせながら、瞳は海面で息をつく。

呼吸の度に甘い声が漏れ、泳いだままイってしまいそうであった。

 

「青猫、そのまま真っすぐ泳げ。そしてその先に6番の警備艇に入るんだ、くれぐれも間違えるなよ」

 

「は、はい……ひっ!」

 

快楽に耐えながら、命令どおり真っすぐ泳ぐ瞳。

すると6番と書かれた警備艇が瞳に近づき、船からロープを投げる。

それを掴んだ瞳は、体格の良い男に引き上げられた。

甲板では、特命課の刑事と氷室が待っていた。

「はぁ……はぁ……ご命令通り盗ってきました、氷室様」

 

甲板に上った瞳は、すぐに氷室に顧客リストを手渡した。

そしてビシッと敬礼し、直立不動の姿勢になる。

ずぶ濡れのレオタードはピタリと肌に張り付き、そのボディラインを余すところなく浮かび上がらせている。

ローターの刺激のせいで乳首は布地を突き破らんばかりにしこり、股間には卑猥なスジが浮かび出ていた。

 

「さすがだなキャッツアイ、君は実に優秀な犬だ」

 

そういうと氷室は、右手で瞳の乳房を揉み始めた。

左手は股間へと潜り込み、スジをなぞるように弄ぶ。

背筋をまっすぐに伸ばして立つ瞳は、敬礼したまま屈辱に耐える。

ハグをされキスを迫られても、逆らうことなく行為に従った。

 

「はふっ……れろ……れろ……ちゅっ……ちゅっ……」

 

氷室との濃厚なディープキスを繰り返す瞳。

舌と舌を激しく絡ませ、こくこくと送り込まれる唾液を嚥下し、キスという行為に集中する。

全ては氷室を楽しませるためだ。

自分と家族、そして恋人の生殺与奪を握る絶対的存在に、瞳は必死に忠誠を尽くす。

 

「れろ……ちゅっ……ぷはぁ……はぁ……はぁ……」

 

ようやくキスから解放され、荒い呼吸を繰り返す瞳。

行為の途中に何度も愛撫されたり、中のローターを動かされたため、身体はすっかり火照っている。

それを見た氷室は、瞳にレオタードを脱ぐよう命じた。

周りの刑事たちの視線が集中する中、瞳はためらう事なくレオタードを脱ぎ、生まれたままの姿を晒した。

 

「おやおや、こんなに乳首が勃っているぞ。内海刑事に少しは申し訳ないと思わないのかね?」

 

言いながら氷室が指でピンピンと瞳の乳首を弾く。

それを見た特命課の刑事たちが嘲笑する。

直立不動の姿勢で耐える瞳の背後では、内海刑事に指揮された警官たちが貨物船へと乗り込み、マフィアを次々と逮捕していた。

恋人への後ろめたさ、そして屈辱に身体を震わせる瞳だが、それでも従順な態度は崩さない。

かつての女怪盗は、今や主人に絶対的忠誠を尽くす犬へと生まれ変わっていた。

 

「ふふふ……だいぶ使える犬になったようですね、来生瞳さん」

 

「あなた達も少しは見習いなさい、ねえ泪、愛」

 

瞳の鼓膜を嘲るような声が打つ。

佐藤刑事と平松刑事の二人であった。

女刑事たちの足元には、犬のように四つん這いになる泪と愛がいる。

二人とも全裸で、リードの付いた首輪だけを嵌められ、死んだような目をしていた。

 

(姉さん……愛……)

 

文字通り犬として扱われる姉と妹に暗い目を向ける瞳。

自分が貨物船に潜入していた間、二人がどんな目に合っていたのかは容易に想像がついた。

だがそれでも瞳に反抗心は沸いてこない。

氷室から首輪を渡されると、ためらうことなく自らの首に嵌めていく。

そして全裸のまま床に手を付き、姉や妹と同じように犬の姿勢になった。

 

「さあ奉仕の時間だ、今日も頼むぞキャッツアイ」

 

氷室にクイッと首輪を引かれた瞳は、船室に向かって四つん這いで歩いていく。

海の夜風は容赦なく素肌に突き刺さり、まるで身が切られるようだ。

歩く度に甲板の冷たさを感じ、自分が本当に犬になったようで、心が死んでいくのが解る。

 

「……あっ……はぁん!」

 

声と同時にビクッと腰を震わせる瞳。

中に埋められたままのローターが動いたからだ。

後ろを歩く泪と愛も、同じように四つん這いのまま腰をビクつかせて悶えている。

犬のような姿でローターに悶える三姉妹を、特命課の刑事たちは再び嘲笑した。

 

「ほら、何をしているのですか、キャッツアイ」

 

「犬である貴女達に休んでいる暇は無いのよ、しっかり歩きなさい」

 

ビシッ、バシッと乾いた音が鳴り、鞭が来生三姉妹の尻を打つ。

尻に赤い鞭痕を付けた彼女たちは、ローターの快楽に耐えながら四つん這いで歩き続ける。

その先で待っているのは、特命課の刑事たちによる奉仕という名の凌辱だ。

何もかも氷室に奪われ、自尊心すらも砕かれた彼女たちは、死んだ目のまま黙って歩き続ける。

惨めな犬の姿で船室へと消えていく彼女たちに、かつての凛々しい女怪盗の面影はもはやない。

日本中を騒がし、警察を翻弄しつづけた華麗な怪盗団キャッツアイ。

その存在は、この日を境に完全に姿を消した。

 

 

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