狩人はバッチをつけていた BAD END 作:muzineki
朝の躾を受けた後、瞳はシャワーを浴びるよう命じられた。
そして脱衣所で、青いレオタードに着替える。
身体を隅々まで計測されて作られた極薄レオタードは、身体のラインはもちろん、乳首や陰部割れ目までもがくっきりと浮き出ていた。
そして首には、氷室の犬であることを証明する青い首輪。
そんな屈辱的な姿で、瞳は来生家の地下へと続く階段を歩いていた。
(ああ……今日もきっと、辱められるのね)
うつむくように下を向く瞳、
地下で氷室と面談する時は、必ずこのキャッツアイの格好にされる。
己の野望を成就させ、今やこの国を闇からコントロールしつつある氷室にとって、瞳は刑事時代の栄光を証明するトロフィーであった。
そんな女怪盗に、時おり奴隷のように奉仕させることで、氷室はその歪んだ征服感を満たしていた。
(いったい、いつまでこんな事をされるのかしら……)
地下への階段を下りきった所で、瞳はクラっとよろめいた。
電気ショックのダメージが残っていることもあったが、それだけが理由では無い。
この地獄がいつまでも続くことに、気分が重くなって足が動かなくなったからだ。
(頑張っていればいつかは……と思っていたけど……ひょっとすると氷室様と警察は、私の罪を許す気など無いのかもしれないわね……)
そんな疑念を頭に浮かべつつ、瞳は地下室へと入る。
かつてキャッツアイの盗品を隠していたその部屋は、今はラブホテルを模したプレイルームに改造されていた。
キャッツアイを抱きたいという好色な政財界の要人や警察幹部を、氷室が接待するのが目的の部屋だ。
氷室の犬となった来生三姉妹は、キャッツアイの罪を反省するという名目で、この場所で男たちに様々な性的奉仕を行うことを強いられていた。
「来生瞳です、お待たせしました」
瞳は深々と座る氷室の前で起立すると、ガバッと大きく頭を下げた。
そしてビシッと背筋を伸ばして敬礼する。
非の打ちどころのない、犬の挨拶であった。
「ご苦労、姿勢は休めで良いぞ」
「はい、ありがとうございます」
瞳は両足を肩幅よりも開くと、両手を背中の後ろで組んだ。
そして背筋を伸ばしたまま、レオタードに浮き出る無防備な身体を氷室の前に晒す。
お気に入りのポーズをさせた氷室は、まずは身体のラインをじっくりと視姦する。
そして腰つきや尻を撫で回しつつ、犬への尋問を開めた。
「まずは一つ質問したい、今朝はどうして、懲罰を受けていたのだね?」
張りのある乳房を揉みながら、氷室が質問する。
最初は優しく撫で回し、それから少しずつ指に力が入る。
豊かな乳房を揉み込まれながら、瞳は身じろぎせず姿勢の維持に努める。
罪を反省する態度を少しでも疑われれば、どんな折檻を受けるかわからない。
「今朝の懲罰は、私に対する躾として行われたものです。原因は全て私の忍耐力不足にありますので、仕方がありません。今後はこのような事が無いよう反省し、一日も早くキャッツアイとしての罪を償えるよう努力します」
乳房をグニグニと揉まれながら。模範的な罪人としての回答をする瞳。
氷室の機嫌を損ねないよう、言葉を選んで必死に考えた口上だ。
俊夫との生活を守るためにも、従順な犬としての態度を崩すことは決して許されない。
「ふむ、なるほど」
氷室は左手で瞳の乳首をクイッと引っ張っると、輪を作ってピンと弾いた。
回答に満足したという合図であった。
そんな屈辱的な扱いを受けても、今の瞳は叱責が無かったことの方に、ホッとしてしまう。
躾により植え付けられた恐怖心、忠誠心は、もはや心の奥まで瞳を支配していた。
「それでは次の質問だ」
氷室はそう言いながら、今度は右手を脚の付け根を潜り込ませ、レオタードから露出する陰部を探り始めた。
「は、はい……あっ……あんっ!」
割れ目を指でなぞられ、バイブレーションを与えられた瞳の口から、甘い吐息が漏れる。
「今朝、君たち夫婦の会話を聞かせてもらった、その時のことだ」
さも当然のように、氷室は言った。
夫婦のプライベートまで盗聴されている事実に、瞳の眉が僅かに動く。
それに氷室も気が付いたが、かまわず瞳の秘部と太腿を愛撫する。
「会話の中で、彼との間に赤ちゃんが欲しいとの言葉があった。それは妊娠すれば、私の任務を受けずに済む、そのように思っての発言かね?」
「……!!」
氷室の言葉に、瞳がブルっと震える。
言葉は本心からのものではあるが、そんな意図はもちろんない。
犬としての忠誠心を疑われたと思った瞳は、とっさに弁明した。
「そ、そんな気は全くありません。失言でしたら、どんな罰でも受けます。今後は任務に支障が無いよう、氷室様の許可が無い限り、そのような事はしないと約束します」
「ほう、つまり君は、私の許しが無い限り、夫とセックスはしないと誓う訳だね」
意地悪く、ニヤリと口元を吊り上げる氷室。
それを見た瞳は、一瞬で美貌を蒼ざめさせた。
忠誠心を試すテストであることを、すぐに察したからだ。
ここで対応を間違えれば、再教育のため穴蔵に連れ戻されるかもしれない、そう考えた瞳は、忠誠を示す口上を必死に考えた。
「は、はい! 犬になると誓ったあの日から、私の身体と時間は、全て氷室様に尽くすためにあります! 氷室様の命令が無い限り、今後は夫とセックスしないと誓います!」
その言葉に満足した氷室は、瞳の顎を掴んで褒美のキスをした。
遠慮のない、まるで飽食するようなディープキスを、瞳は積極的に受け入れ、舌を絡ませていく。
やっと手に入れた俊夫との生活も、それを壊すのは氷室の胸三寸だ。
逆らえば自分は穴蔵で生涯性奴隷、俊夫も警察官としての未来を失うことになる。
そんな現実を骨の髄まで思い知らされている瞳は、夫でもない男に懸命に豊かな胸を擦り付けつつ、卑屈なキスを繰り返すのであった。
「ふむ、よろしい」
氷室はそう短く呟くと、ようやく瞳をキスから解放した。
そしてソファーに座って、今度は瞳に目配せする。
すぐに瞳は氷室の前で跪き、口でチャックを降ろした。
この程度のことを察することができなければ、氷室の信用を得ることはとてもできない。
「れろ……ちゅ……ぺろ……れろ……れろ……」
竿と玉袋を捧げるように持ちながら、器用に氷室のペニスへ舌を這わせる瞳。
玉袋から竿、裏筋に至るまで、丁寧に舐めていく。
時おり上目使いをして、氷室に媚びた視線を送り、征服感を刺激するのも忘れない。
「フフフ、あのキャッツアイも実に可愛いペットになったものだ、先ほどは意地悪な質問をして、すまなかったな」
氷室の手がフェラをする瞳の頭を優しく撫でる。
瞳は主人の機嫌が良いことに安堵すると、舌を大きく出して、裏筋を下から上へと舐め上げた。
「前にも言ったが、私は君を高く評価している。君はキャッツアイの罪を十分に反省して、立派な犬になった。朝のような厳しい躾はもう不要だ。佐藤君や平松君にはそう注意しておくから、これからは安心したまえ」
「れろ……ちゅっ……そ、それは……本当ですか! ……ちゅっ……ぺちゅっ……」
その言葉に、瞳は舌で奉仕しながら歓喜した。
朝の失態について、体罰どころか叱責すら与えられない。
それどころか、氷室が自分の肩すら持ってくれたのだ。
思いもよらぬ言葉に、瞳の心が波を打ち、報われた気分になる。
(つ、遂に……罪を許してもらえた……氷室様は私の努力を評価してくれたんだわ)
抑えがたい喜びを溢れさせつつ、氷室のペニスを深く咥える瞳。
舌を裏筋の付け根に当てて刺激しつつ、頭を上下に動かして、氷室をより楽しませようと懸命に努力する。
「ん……じゅぶ……ちゅっ……んむぅ……」
「おいおい、そんなに頑張ってサービスしなくても良いぞ。そうそうこの間、君の旦那に昇進の内示があった。妻である君の働きを加味してのものだから、後で祝ってあげなさい」
さらなるご褒美に、瞳は奉仕への熱を更に上げる。
唇と舌で肉棒を扱きながら、口を窄めて吸い上げる。
大きく張ったカリが口内を擦り、口を前後に揺らすごとに長い黒髪が波打った。
(犬として頑張ってきて良かった……このまま氷室様に忠誠を尽くしてれば……きっと彼との幸せな生活を守ることができるわ……)
深くまでペニスを呑み込んで、瞳はストロークを始めた。
頬や鼻先にチクチクと堅い陰毛が触れるが、さほど気にはしない。
人妻になったというのに、夫以外の男へ奉仕することに、後ろめたさはあまり感じてはいない。
むしろこれは俊夫のため、そのようにすら瞳は考えている。
彼女は氷室をもっと楽しませようと、積極的に頭と舌を動かした。
「よし、そろそろ出すぞ」
「ふぐっ……んぐっ!」
前髪を掴まれた瞳の口内に、氷室の生暖かい粘液が放出される。
苦みと生臭さが混じったその粘液を、瞳は何の抵抗も無くゴクリと飲み干す。
そして舌先を使って丁寧に、氷室のペニスの後始末を行った。
「ふむ、ご苦労だった、次は仕事の話をしたいのだが、少し時間をいいかね?」
「は、はい、もちろんです! 何なりとこの犬にお申し付けください、氷室様!」
氷室の前でガバッと土下座する瞳。
考えずとも自然と出たその行為に、屈辱感は全くない。
犬として扱われる中、僅かに与えられた優しさに、瞳はすっかり舞い上がっていた。
そんな元女怪盗の惨めな姿に、氷室は心の中で冷笑する。
(フン、完全に堕ちたな)
目の前にいる女怪盗が、心の底から自分の犬になったことを、氷室は確信した。
逆らえぬよう立場を分からせ、厳しく躾けて恐怖を与え、そしてたまに優しさを与える。
それが犬を手名付けるための、氷室のやり方であった。
僅かな餌のため、何でもいう事を聞くようになった忠犬に、氷室は一枚の写真を見せた。
「この女は……知っているな?」
「は、はい……」
眼鏡をかけた見覚えのあるその女性に、瞳の美貌がはっとする。
それはかつて自分を追い回した宿敵、浅谷刑事であった。
氷室の冷たい目つきを見て、瞳の表情が不安に変わる。
与えられる任務が残酷なものであることを、すぐに察したからだ。
「実は最近、彼女が私の周りを嗅ぎまわっていることがわかった。そこで上と相談した結果、穴蔵へ入れて刑事として再教育すると決定した。そこで君には、彼女を逮捕して穴蔵へと連れて行ってもらいたい」
「あ、穴蔵……!」
ビクッと瞳の身体が戦慄する。
あの場所へ連れて行かれた女がどんな目に合うのかは、そこで躾られたが瞳が一番よく知っている。
さすがにその任務については、すぐに返事をすることは躊躇われた。
(浅谷さんが……私と同じ目に……)
ライバルであり、友人でもあった女を地獄へ突き落すことに、瞳の中で葛藤が起きる。
ここで任務を断れば、自分や俊夫がどうなるかは、わかっている。
それでも引き受けることは、さすが良心の呵責があった。
「君の気持はわかる、知り合いを穴蔵に入れるのは後味悪いだろう、だがこれは私のためなのだ、引き受けはくれないかね?」
紳士的に、優しげな言葉で語りかける氷室。
だが瞳はなおも返事が出来ない。
それに業を煮やした氷室は、態度を威圧的なものに変える。
「なるほど、私の命令は聞けないわけだ。つまり君はもう一度キャッツアイとして、警察に逆らうつもりというわけだ。それなら私にも、考えがあるぞ」
その言葉に、瞳の全身がレオタードと同じ蒼に染まる。
今まで優しさを見せられていただけに、その叱責は心の芯まで響いた。
もはや警察から逃げることはできず、守るべきものもある瞳に、氷室から捨てられることは、全てを失うのと同義語だ。
心の底まで恐怖に支配された瞳は、覚悟を決めるしか無かった。
「は、はい! わかりました氷室様、必ずやこの女を拉致して、穴蔵へ叩き込んで見せます」
再び床に頭をこすりつけて土下座する瞳。
せっかく掴んだ俊夫との生活、そして氷室からの信頼を失わないためには、もはや選択肢はない。
任務を引き受ける決心をした瞬間、瞳の中で何かが砕けた。
同時に頭の中へ、身勝手な論理が浮かびあがる。
(そうよ……だって浅谷さんだって、自分が刑事であることを理由に、何度も私を捕まえようとしたじゃない……今度は立場が逆になっただけ……それだけの話よ……)
行為への正当化を終えた瞳は、ゆっくりと氷室の前で頭を上げた。
その眼には、愛するものを守るという正義のためなら喜んで良心を捨てる、そんな覚悟が宿っている。
それを見た氷室は、瞳の犬としての仕上がり具合に満足した。
「では頼んだぞ、瞳くん、いい報告を期待しているからな」
「はっ、お任せください、氷室様!」
ビシッと背筋を伸ばし、完璧な敬礼をする瞳。
そこに立っているのは、氷室のためならどんな命令でも実行できる二本足の忠犬だ。
女怪盗キャッツアイの存在は、瞳の心の中からすらも完全に消え去った。
特命課長時代に氷室が立てた作戦、『ホットドック』
怪盗と呼ばれた雌猫を、忠実な犬に躾けるその作戦は、完全な成功として終了した。