「帆奈ちゃんっ、あ、ぁんっ」
雪白の服の上から豊かに張った少女の胸を揉みしだく。
みっしりと掴める隆起は、あたかも手を楽しませるためだけに育ったようで、片手にピッタリの大きさだった。
指と指の隙間から服越しに柔らかな肉が溢れ、先端の突起が快楽を主張する。
その出っ張りを力強くねじ上げ、押し潰し、左右に転がす。
「やっ、ぁん、ダメっ」
口先では制止しながら、少女の瞳はとろんと物欲しげにこちらを見つめている。
支配を、蹂躙を誘う無邪気な女の視線。
たまらず、その薄いミニスカートを持ち上げて、ピリリと乱暴に灰色のタイツを破った。
裂かれた繊維のほころびから、黒いレースのショーツが覗く。
布地の上からでも、ぷっくりと膨らんだ二つの山と、その間を走る細い凹みがはっきりと見て取れた。
そんな、あってもなくても変わらないような最後の境界線をくいと横にずらす。
すると、肉厚の大陰唇に挟まれた、お漏らししたようにぐっしょりと濡れた鮮紅の膣が見えた。
迷わず手を突き出す。親指で柔肉を押さえつけて薔薇のように赤い花弁を開き、蠢く中身を視姦する。
異物を受け入れる寸前の興奮で充血し切った、鮮烈な色。
「あ――――だ、ダメ、ダメ……! やめてっ」
少女は泣く。泣いているようでいて、本当は犯されるのを求めている。
その形だけの哀願を無視して、泡立つ愛液で満たされた膣の中に中指の先を入れた。表面が少女の体液にどっぷりと漬かる。
挨拶するように周囲の膣口を順序よくトントンと叩きながら、情欲からなる潤滑剤で皮膚を潤し、馴染ませる。
そっと取り出すと、だらしない白い涎を引きながら、指の腹に程よい厚さのコーディングが出来上がった。
今度こそ本格的に挿入しようと大陰唇の肉を掴んで膣口を左右に広げる。
「や、そんなっ、やだ――――やだっ、やめてよ……!」
涙を交えて繰り返される拒絶。
しかしそれには構わず、少女を壊すつもりで、力を込めて中指をぐっと中に押し込んだ。
ぷすっ、と。
膜が破れる。
破瓜による糸くずのような細かい鮮血が、溢れる愛液と混じり合って膣口から吐き出された。
そうして冷酷な指が少女の純潔を攫っていった。
しかし、これで終わり、ではない。
ずぷずぷ、幾重ものヒダを無理やり押しのけて熱い膣内に指を這わせる。淫らな水音がぐちゅぐちゅと暗い閨に響いた。
逃すまいとキツく締めつけてくるその小道をくねくねと蛇状に進み、第一関節まで入れる。
ここまで来たので、一旦奥を目指すのをやめ、壁上部のツボを押したり力を抜いたりして刺激してやった。
「ぁん、やっ……だめっ、ぁんッ、あん……っ」
規則的な快感と喪失感で咽び泣く少女の嬌声。そのスポットを押すたび少女は歓喜するように小さな肩を震わし、懊悩と悦楽の狭間で喘ぐ。
少女はその異物を迎え入れるように設計されていた。だから、自らの本能には、犯されたいと期望する雌性には抗えない。
より豪勢に吐き出された本気汁は、もっと奥まで侵入しろと促していた。
その願いに応え、第二関節へと、中指を深くくぐらせる。
到達しよう。少女の子宮まで。
待機していた左手を上げて、女性らしい曲線を描く少女の下腹部をスカート越しに揉みしだく。
中身を追い出すように容赦なくその丘を押し潰しては、それを慈しむように撫でて。肉をつねって。
少女の子宮を弄ぶ。
その向こうには、自分を植えつけるべき場所がある。
息が荒くなった。
侵入しよう。
我が物にしよう。
マーキングしよう。
ずっぷりと根本まで少女の膣に食われた指は、弾力のある子宮の入口までたどり着いた。
搾り取ってくる外壁に抵抗しつつ、指をくるくる回して愛おしく撫で回す。
少女の膣は、どんどん自分の形に生まれ変わっていく。
自分に適合するように目まぐるしく変わっていく。
さながら生物学的に、はじめから自分という番を当てはめて完成するかのように。
だから、その機能を持たないのに、思った。
そうして、初めて少女の名を呼ぶ。
「みこと――――」
◇ ◆ ◇
「――――っ!」
ガバッと飛び上がった。
バクバクいってる心臓とあり得ないくらい鮮明な印象。状況は一目瞭然だ。
全身が熱いし、痛い。
悪夢にうなされたせいだ。
毛布を横にずらし、ベッドから移動しようとして、足を動かす。
すると、股間に違和感を覚えた。
「…………」
濡れている。
深く息を吸って、毛布を掛け直した。
すっと、右手をズボンの中に入れる。
ショーツの中にそれを潜らせると、やはり粘り気のある液体が指についた。
「……はぁ」
昨晩の出来事で乱れた心に身体が追随してしまっている。
放置しても支障が出るので、左手も同様に添えて処理することにした。
仰向けになって、足だけあぐらをかいたようにする。
ギシギシ音を立てながら、指でクリトリスを刺激するように周囲の肉をマッサージしていく。
「ん……ぁ……はぁっ」
両側の大陰唇を力強く押して充血した股間を限界に追い立てる。
一瞬で果てそうになった。淫猥な夢で既に絶頂寸前にまで興奮が染み渡っていたから。
「あっ、ぅ、瀬奈……っ!」
この場にいない思い人の名を呼び上げると、夢の光景がチラついた。
「ぁ……っ」
決して赦されない夢。
その甘い果実を手にしてはいけないと知りながら、熟れた赤い実に噛みついてしまった。
焦がれていた瀬奈の柔らかさ、温かさ、花蜜のような香り。
その全てが、現実になってぶわっと広がって。
「――――ッ」
全身を電流が突き抜ける。
少女への執着からなる自律と、皮肉にも相反する欲望。その中を右往左往するように腰が震えていた。
しばらくすると、愛液をショーツに残して痙攣と熱が治まっていく。
同じ調子で、瀬奈に対する一面の本能的な欲求が、次第に理性と混じり合ってその色を変えた。
あたしたちなりの日常を……至上の幸福を手にして、心が欲張りになったのだと気づく。
あたしの願いは、少しだけ変質した。
ある意味、これも赦されてはいけない願いだ。
――――ずっと瀬奈と一緒にいたい。
ずっと瀬奈の細い肩を抱きしめていたい。守りたい。笑顔にしたい。笑顔を向けられたい。
……そう、あたしと瀬奈の願い事は微妙にズレていた。
あたしが瀬奈と約束したのはずっと一緒の生活を送ることだけど、あたし自身が願っていたのはあくまで瀬奈が笑顔で居続けられることだ。
そこにあたしがいる必要はない。だから自分の命を捧げようとしていた。
むしろ、あたしはいずれ終わるべきだ。今は瀬奈との約束があるから仕方なく生きているだけで、もしあたしがいなくても笑顔になれるのならさっさと死地に向かっていた。
だけど、
「……あっは。まずいなぁ」
ベッドで丸くなり、自覚する。
あたしはどこまでも凡庸な凡人だ。好きな人に、あたしのところにいてほしいと人並みには思ってしまう。
あたしまでが、この幸福に浸かっていたくなってしまった。瀬奈とずっと一緒にいたくなってしまった。
あたしがそれを望むのはダメなのに。
瀬奈とずっと一緒にいるのはいいけど、あたしは苦しみながらそれを成し遂げなければいけない。
幸せになればなるほど、瀬奈を苦しめていた者たちを肯定してしまうのだ。
それは許せない。
このどうしようもない怒りがあたしを崖下の一番深いところにまで落とした。それくらいに捨てられないもので、捨てるわけにはいかないものだ。
思い出す。
世界をモノクロにしたものを。
世界から心臓を奪い去ったものを。
……今やそれがあたしだ。
「…………」
頭を冷やしたところで今度こそ起き上がり、グリーフシードを取り出す。
ソウルジェムを手のひらの上に出すと――――
「うわっ……」
密やかに、魔女化の運命が眼前に迫っていた。
辛うじて元の色はピンクだったのだろうと推測できるが、これが何の色かと聞かれれば誰だって黒と答える。もはや大型グリーフシードになっていた。
昨夜少しの間だけ感覚を共有したからだろう。
意識体全体の約10分の1をあたしの魂に移しただけで、これほどの負荷が掛かる。仮に全てを受容した場合、あたしはたちまち魔女になってしまっていたはずだ。
ここから導かれる結論は一つ。
魂を移し替えることで魔女の束縛を回避するのは、現時点では無理だ。
つまり――――鏡の魔女を倒されたら瀬奈は真の終わりを迎える。
どれだけ強力な魔女でも、かのワルプルギスの夜ほど強くならないと、総力を挙げての討伐で倒される危険が付き纏う。特に、ある程度力のある魔女には白羽の矢が立ちやすい。
このままでは瀬奈と約束した永遠を果たせない。かといって、瀬奈が利用するハードウェアを差し替える以外の方法が思いつかない。
自然の摂理に反駁するためにはもっと犠牲を支払わないといけないと言うのか。
「……はぁ」
本日二度目のため息を吐く。
今は鏡の魔女を守ることで現状維持しつつ、打開策を探り続けるしかできない。
非常時にいち早く対応できるように情報収集にも注力しないと。
情報収集に魔女退治に宿探しに夜景計画。やることは増えていくばかりだ。
とにかくソウルジェムを浄化してから、出かけるための準備を始めた。