「……大丈夫です。暇なので」
嘘をごまかすためにも、あたしは承諾した。
「なら、決まりだね。
当日のスケジュールはチャットで送るから。更紗さんはこの間クラスチャットに入れてもらえたようだし」
「…………」
事実なので怒る必要もない。口をつぐむ。
ひとまず落ち着いたところで、チャットアプリを開く。
送られてきたびっしりのスケジュールを眺めながら、残りのおかずを口に運んでいった。
「……あ、そういえば」
まだ瀬奈に返信していない。
危うくあれを……そう、「既読無視」ってやつをしてしまうところだった。
すぐに瀬奈とのトークルームに切り替えて、太陽の絵柄のスタンプを押す。すると、いつも通り送信と同時に既読がついた。
「ふっ……」
ずっと画面とにらめっこしてあたしの返信を待っていたのだろう。思わず口元が緩んでしまった。
(それにしても……)
瀬奈は友だちが多そうだし、昼ご飯はキラキラ女子のグループで食べていそうだけど、ずっとスマホを見ている暇はあるのかな?
……まあ、瀬奈がどんな生活を送っているかなんて、あたしには関係がないことだ。
あたしだって瀬奈にクラスでの自分を見せたくなくて、こうしてシフトを入れたんじゃないか。
そう考えると今さら罪悪感が出てきて、あたしはそっとスマホの画面を消した。
◇
学園祭当日。
「…………」
あたしはサイズの合わない浴衣を着せられていた。
縁日と言うからてっきり私服の上に法被を羽織るだけだと思い込んでいたが、水名のお嬢様方的には浴衣の方がかわいくていいらしい。
出店する側なのに、お客さんみたいな浴衣。変なの。
「サイズがちょっと大きくなってしまったけど、よく似合っているよ」
仕事を押しつけられたあたしが不憫だからか、クラス委員は申し訳なさそうに思ってもいないことを口にした。
結局あたしはこの衣装を着て輪投げ部門を担当することになった。
朝9時を過ぎると、客がぞろぞろと入ってくる。
水名の生徒、家族、近隣住民、水名志望の受験生から遊びに来た他校生まで。幅広い年齢層の人が名高き水名女学園の学園祭を見逃すまいとやってきた。
教室の中はすぐにいっぱいになり、瀬奈はいつ来るんだろうと心ここにあらずだったあたしも目先の対応に追われるようになった。
仕事内容は、ルールを説明してから輪っかを3つ渡し、終わったら景品を贈呈するってだけ。
単純な作業だが、人数が多いとこれだけでも大変である。
「更紗さん! この子まだ小さいから、一緒にやってもらってもいい?」
接客に勤しむクラス委員が園児らしき女の子を連れてくると、そいつはまだ案内されてもいないのに、いきなり手に持った輪っかを明後日の方向へ飛ばしやがった。
「っ!
――――っ」
床を踏みしめ、魔法少女の身体能力でさっとそれをキャッチする。
危なかった……窓の外に飛んでいくところだった。
窓をガラリと閉めて、輪っかをその子の前まで持っていく。
「…………」
……どうしよう、受け取ってくれない。
子どもと碌に会話したこともないのに、どう接しろって言うんだ。
「…………」
沈黙が流れる。
このままじゃ仕事にならない。が、だからといってなんて話せばいいのか分からない。
――――ええいっ、とにかく何か喋らないと。
「……輪っか。一緒に投げよう」
「いっしょ?」
「う、うん」
受け取ってくれないならと、女の子の小さな手を取って輪っかを持たせる。そうしてから、輪投げ台の方に体の向きを調整してあげた。
「……3つ数えるから、『せーの』で投げよう」
「せーのっ!」
――――ヒュッ!
「ちょ、ちょっと!」
3つ数える前に、勝手に輪っかを投げられてしまった。
しかし、
「あ……」
輪投げ台の方に体を向けさせた甲斐があって、今度は窓側ではなく正確な方向へ飛んでくれた。
がらん、と、端っこの棒に入る。
「やった! おねえちゃんありがとう!」
ワイワイ喜ぶ女の子。そのまま興奮に任せて勢いよくドアの方へ走り去っていく。
「ま、待って! 景品……」
言い終わるより早く、その姿は廊下の向こう側へと消え失せてしまった。
「失敗した……」
手に持った景品の飴を見下ろしてつぶやく。押しつけられた仕事ではあるが、引き受けたからにはきちんとこなしたかった。
しかし、これしきのことでくよくよしていられない。
「更紗さん、お願い」
そう、次の客がやってきたのだ。
膝を曲げてさっきの輪っかを棒から取り上げ、クラス委員の声がした上方を見ると――――
瀬奈がいた。
白いワンピースを着ていた。
これだけの事実で息が詰まりそうになった。
「帆奈ちゃん、来たよ!」
瀬奈はぱぁっと笑顔を輝かせる。
純白の布地を身に纏った少女は、あと翼だけで西洋絵画に出てくる天使になっていた。そう評するくらいには、清らかで愛らしくて、穢れを知らない姿をしていた。
「…………」
「帆奈ちゃん?」
「……あ」
見惚れてしまって、返事するのを忘れていた。
(ほぼ毎日会っているのに……!)
白ワンピを着た美少女の破壊力に戦慄しつつ、慌てて立ち上がって服装を整える。そうしてから、
「お、おはようっ」
動揺が隠し切れていない挨拶をした。
「うん、おはよ!」
明るく声を響かせ、瀬奈はこのままあたしに近づいてくる。
一歩距離が縮むたび、慣れない姿に胸が悲鳴を上げる。血液の流れがありえないくらい速くなっているのを感じる。しかし、体が固まってしまったせいで逃げることもできなくて、あたしはただ瀬奈がこっちに来るのを待っていた。
(あ、あれ。近くない……?)
ようやく疑問に感じ始めた次の瞬間――――
瀬奈は突然、ぎゅっとあたしに抱きついた。
「帆奈ちゃんかわいい~! 浴衣~!」
「せ、せせせせせ、瀬奈!?」
「ふふ……実はさっきから見てたの! 子どもと遊んでる帆奈ちゃん!」
言い終わってから、瀬奈はあたしを抱きしめる手を離した。
しかし柔らかな瀬奈の身体に包まれていた体はバグを起こしたようにふらつくし、教室の照明がチカチカしている……。
グラっと来て、とっさに机に手をついた。
上に置かれていたいくつかの輪っかが震動でパラパラと床に落ちていく。
「は、帆奈ちゃんっ! 体調悪いの?」
悪くした張本人があたふたして、あたしの様子をうかがってくる。
「わ、悪くないから……悪くないから1メートルくらいは離れて……」
この狂った距離感を恨みながら、熱を出したような体を無理やり動かして姿勢を改めた。
平静を装い、落ち着いたトーンになるよう努め、聞く。
「それで、輪投げするの? しないの?」
「する!」
「だったら……」
腰を曲げて床に落ちた輪っかを拾い集め、
「はい」
瀬奈に3個渡す。
渡してから気づいたが、魔法少女であれば簡単に大当たりがとれてしまいそうだ。
ちょっとずるい気もするけど、まあいいか。あたしは仕事を全うするだけだし。
「真ん中が当たりだからね」
瀬奈に声を掛ける。
「…………」
しかし、瀬奈はねだるように上目遣いでじーっと見つめてくるだけで、手を動かさない。
「何してんの。さっさと投げて」
「だって~」
「何?」
「……むぅ」
わけも分からず拗ねて、頬を膨らませながらいい加減に腕を振る瀬奈。
すると、猛スピードで空を切る輪っかの残像が辛うじて見えて――――
ドカンッ!
輪投げ台が蹴りを入れられたように盛大に揺れた。
……なんか、細い棒からしちゃいけない音がしなかった?
「ちょ、ちょっと……っ!」
急いで棒が壊れていないかを確認する。
幸い思っていたより頑丈だったようで、瀬奈の八つ当たりで粉砕されるようなことはなかった。
「入れるの難しい」
「…………」
「すごく難しい」
残り2つの輪っかを腕に掛けた瀬奈は念を押すようにあたしに言ってくる。
魔女との戦いを見てきたこっちからすれば、白々しいにもほどがあるとしか思わないが……一体何がしたいんだ。
「真面目に投げて」
学園祭の出し物を真面目にやれというのも変な話だが、ここで器物損壊されては困る。
「真面目にやってダメだったの」
「そんなわけ……」
「ある」
またチラチラ見てくる瀬奈。やはり何か言いたいことがあるのだろう。
それが全く分からないので、
「……どうしてほしいわけ?」
直接聞くことにした。
「私、真面目にやってダメだったでしょ」
「……で?」
「だから次もダメで……」
「…………」
「でも帆奈ちゃんなら入れれるかも! って」
瀬奈は両手をぶんぶんさせて訴えてきた。
あたしの名前が出たことで、やっと言いたいことが見えた。
中学生のやることとは思えないが……瀬奈みことならやるから不思議だ。
「……一緒に投げたいの?」
「う、うん。指導して帆奈ちゃん!」
指導というか。ごっこ遊びの付き添いというか。
あたしが子どもにやってあげたのを見て、自分も一緒に投げたくなったのだろう。
本当に手の掛かる……。
でも、いつまでもここで瀬奈の世話をしているわけにはいかないし、ここはさっさと要望に応えてあげるのが一番だろう。
「……はぁ。ほら、輪っか持って」
瀬奈に近づいて、その手に手を重ねた。
ひんやりとした、柔らかな肌の感触。
(……あ)
それを知った瞬間、モード切り替えに成功していたはずの脳が、否応なしに全身を抱きしめられたことを思い出させられた。
心臓が勝手にバクバク慌て出す。
少し意識してしまっただけで、次から次へと要らない情報が頭の中に流れ込んできた。
艶やかな曲線を描く鎖骨。すらりとした腕。
初めてお披露目になった部分の、あまりにリアルな瀬奈の素肌。
優しく甘い、花蜜のような女の子の香り。
至近距離でしか分からない、ワンピースの微かな透け。
脳がパンクしそうになる。
たぶん真っ赤になっているであろう顔を背けて、あたしは瀬奈を催促した。
「ね、ねえ、さっさとやろう」
「うん! 3つ数えて『せーの』だよね?」
「ほらいくよ1、2、3――――」
当たりとかどうでもいいから早くおしまいになってくれと念じながら、震える声で数え出した。
「「せーのっ」」
――――ヒュン!
投げる直前、瀬奈が耳元で大声を出したことにビックリして、手が滑ってしまった。
その結果――――
ガタンッ!
二人で飛ばした輪っかは明後日の方向に飛んでいき、窓ガラスにぶち当たる。
豪快な音に、室内の全員が振り返ってあたしらを注目した。
中学生2人で……というかほぼあたしのせいでさっきの園児に敗北し、輪っかは呆れたように床に転がり落ちる。
「は、帆奈ちゃん! 大丈夫だよ! もう一度やろう、ね!」
肩を落としたあたしを瀬奈は慌ててフォローする。幼女と同じことをやろうと誘ってきた瀬奈が、だ。
あまりに情けなくて、
「……もう絶対にやらない。絶対に」
端っこの壁で丸くなって瀬奈を睨んだ。
その後、瀬奈は困った顔をしながら最後の輪っかで大当たりを当てて、あたしに景品をプレゼントするなんて言い出した。
◇
遊び終わっても、瀬奈はずっと廊下に立ってあたしを眺めていた。
すぐに帰ってくれるだろうと思って放置していたが、1時間くらい何するわけでもなくただニコニコしながら見てくるので、さすがに構ってあげることにした。
幸い朝のピークを乗り越えると客の数も減り、比較的に少ない人数でも十分対応できるようになった。
そこであたしはクラス委員と掛け合って、昼だけ瀬奈に付き合ってあげることにしたのだ。
屋台で焼きそばやたこ焼きなんかを買って、階段の踊り場に座って食べる。
「ん~~~、めっちゃくちゃおいし~!」
幸せそうな顔をしながら、瀬奈はもぐもぐとたこ焼きを頬張った。
こんなにおいしそうに食べてくれるなら、おごってあげた甲斐があった。
というのも、瀬奈は両親が厳しくてお小遣いがあまりもらえていないらしいから、あたしが屋台料理の代金を出すことにしたのだ。
本当は暇だったのに嘘をついてしまったことに対するお詫びの意味も、密かに込めて。
「なんでこんなにおいしく作れるんだろう……本当においしすぎる。おいしい!」
語彙が飛んだのかあまり語彙が身についていないのか、瀬奈は繰り返し料理をおいしいと褒めた。
「水名は家政科があるからね。女ならお淑やかに、みたいな風潮がある地域だしさ」
「そっか……」
「ま、こうして美味いもん食べられるんだからどーでもいーけど」
あたしも瀬奈の持った舟皿からたこ焼きを1個取って、がぶっとかじりついた。
そんなあたしを横から見つめる瀬奈。なんでこんな釘づけになっているんだろう、と不審に思いつつも、あたしは構わず残りを食べ進める。
そのうち、瀬奈はしどろもどろに言葉を紡ぎ出した。
「あ、あのね、帆奈ちゃんっ」
「……何?」
「ちょっと、自信なくしたけど……その……」
不安そうに俯きながら、瀬奈は持ってきたトートバッグの中から何かを取り出す。
それは、ハート模様のかわいらしいランチクロスできゅっと包んだ弁当箱だった。
「え……」
目の前に差し出されたので、受け取る。
「水名は料理がすごいって、分かってはいたけど……でも、一緒に食べたくて……」
それで、作ってきたのか。
「……開けてもいい?」
「う、うん」
包みを解いて蓋を取ると、中にはサンドイッチが2つ入っていた。挟んでいる具が何かは判別つかないが、弁当箱から漂うスパイシーな香りだけでおいしそうだ。
「その……嫌ならいいからねっ、そしたら私が食べるからっ」
水名クオリティに圧倒されたのか、瀬奈はわざわざ作ってきたのに及び腰になっている。見た目こそ地味だが、あたしみたいに焦がしたりはしていないし、もっと自信を持っていいと思うけど……。
「……食べる」
「ほ、ほんと……?」
「おいしそうだし」
とりあえず片方取り上げて、口の中に入れてみる。
すると――――
「う、うまっ……!」
想像を絶するおいしさだった。
食パン自体は市販のものだが、具材が神がかり的だ。サクサクした食感かと思ったら、舌に触れると旨味を残してトロトロに溶けていく。さくふわとろ。程よく効いたスパイスが蠱惑的に次の一口を誘い、まろやかなクリームが刺激された舌をふんわり包んでいく。
気づけば試食のつもりだったのに一気に半分くらい食べてしまっていた。
……しかし何より恐ろしいのは、半分くらい食べたのに未だに中身が分からないことだ。
「瀬奈、これ何が入っているの?」
人生初の味覚の正体を、じっと見つめてくる瀬奈に聞く。
瀬奈は不思議そうに返した。
「え? もやしだよ?」
?
「……ごめん、もう一度」
「もやし!」
??
「もやしとあと……あっ、アレはその……んふふ、秘密っ」
…………。
手に持ったサンドイッチを見下ろす。
もやしらしき正体不明の白い具が妖しい香りを放っていた。
あたしは瀬奈の秘密を知る前に、瀬奈の秘密を食べてしまったのかもしれない……。
◇
持ち場に戻ると、人手は足りるとのことだったので、エキストラだったあたしは午後瀬奈と一緒に校内を回った。
各クラスの出し物や屋台、それから合同展示会場のイベントを一通り見終わった頃、西日が名残惜しげに空をオレンジ色に染めていた。
校門を出て、瀬奈はトートバッグの持ち手に力を込めながらあたしに笑顔を作る。
「今日はありがとう、帆奈ちゃん」
「……うん。あたしはまだ後夜祭があるから駅まで行かないけど、自分で帰れる?」
「大丈夫だよ! 道順、覚えてるから!」
瀬奈はニッコリした表情のまま大きく頷いた。
何事もなさそうに振る舞っているが……一緒にいてしばらく経つからだろうか、瀬奈が離れたくなさそうにしているのはなんとなく分かる。
でも、それはあたしも同じかもしれない。
離れたくないわけではないけど、ここで別れるのは少し、その……。少しだけ退屈だ。丸1日一緒にいたのにこれでも足りないと感じるなんて、人間の脳はどうかしている。
心の中でそんなわけの分からない毒を吐きながら、遠ざかっていく瀬奈の背中を眺めていた。
「……あのね、帆奈ちゃん」
しかしふと、瀬奈は立ち止まって、くるりとこちらに振り向いた。
「私、すごく嬉しかった。帆奈ちゃんのこと、もっと知れた気がして……」
瀬奈はトートバッグを両腕で抱きかかえて、照れくさそうに微笑んだ。
瞬間、風が吹いた。無造作に揺れる長い髪の向こう側、残照が一段と強まる。水面のように不安定な逆光に、目が眩んだ。
「――――」
あたしはなぜか、初対面のときに受けた印象を思い出した。
――――うまくできた罠は獲物を誘い入れるものだ。
たとえその光が自分を殺すのだと理解していても、それに惹かれる以上、バカみたいに飛んでいくしかない。
きっと近づけば近づくほど、熱を感じれば感じるほど、その身を焼かれてしまうだろう。だが一度光源を見つけてしまったが最後。全ては不可逆的に進行していくだけだ。
「……知りたいの?」
暴力的に眩しい光景の中、あたしは瀬奈に聞いた。
「うん。だって……そうすれば、もっと近くなるから」
瀬奈はそう言うと、またくるりとあたしに背を向ける。
顔だけこちらに向けてバイバイと手を振ったあと、トートバッグを揺らしながら消失点へと去っていった。
熱を出したようにぼうとした頭で階段を上る。
数分前まで二人で歩いた校舎なのに、世界がひっくり返ったような感覚。
日常と非日常の間を歩いている。
踏み外しそうだから、手すりを掴む。
瀬奈が帰ったってだけ。それだけで一気に本来の世界に引き戻されたような感じがした。
この脱力感は何だろう……?
ドアが開いたままの教室に入る。
「黒板の風船、取っちゃっていいですか?」
後夜祭の前は簡単な後片づけを済ませることになっているので、手伝うために担当者に聞く。
「うん、お願いできる?」
頷いて、足場にするため椅子を1つ持ってきた。
靴を脱いで椅子の上に立ち、高いところの装飾を回収していく。
無心になって作業しているうちに、窓の外からポタリポタリと雨音が聞こえ始めた。
「えー、マジー?」
「最悪。天気予報は晴れだって言ってたのに……」
校舎内がざわめき立つ。わらわらと、お嬢様たちが窓の方に集まって空模様を確認する。
この様子じゃ、校庭で後夜祭を開催するのは無理だろう。
体育館が使えるし、実行委員が少し苦労するだけの話だと思うけど、楽しみにしていた生徒たちからすれば大違いのようだ。
不満が飛び交う。
そんな中、あたしは黙々と喋っている人たちの分まで後片づけをしていた。