【グリザイアの楽園】楽園Another~雄二はみんなのもの!~ 作:千月華音
今まで彼女たちは避妊をしていたので積極的に迫ってきていた。要するに。
子供を産むリスクを避けていた。
JBに言わせると十代の少女に妊娠は身体の負担が大きいらしい。男にはわからないが身体の中に異物があるということはそれだけ変化が大きいということだ。体調も新陳代謝も精神的な不安も増していく。
みちるを見ればそれは一目瞭然だった。
食べるものも変わるし睡眠時間も増えるし、なにより自分の身体を見られたくないのかいつも俺を避けるようになった。
そんなの気にする必要はないと言っているが。
着替えのたびに部屋を追い出される。以前はそんなこともなかったのに。
「…………」
いつものことだが。
こうして自室の前で待ちぼうけをされる居心地の悪さ。
これが結婚というものだろうか。なにか違うような気がする。
腕を組んで着替え終わるのを待っていたときだった。
目の前を遠慮がちに通りすぎていく女の裾を引っ張った。
「……あの」
「言いたいことはわかる。わかるがこのままスルーするのはやめてくれ」
本を両手に抱えている由美子を引き留めた。
タイトルをチラリと見るが、妊娠中の過ごし方という本を見て、こいつなりにみちるのことを気遣っているらしい。
「また松嶋さんとケンカでもしたの?」
「そんなしょっちゅうケンカでもしてるような言い方はするな。言っておくがこの上なく円満だ」
「じゃあどうして自室にも入らせてもらえていないのかしら」
痛いところをつく。
そう、この部屋は本来は俺の部屋であり、今はみちるがほぼ占拠していた。
「着替えるときはいつもこうだ。……最近だが」
「……ああ。そうね。松嶋さん、体型を気にしだしているから」
「俺はちっとも気にしないが」
「あなたみたいな無神経な人にはわからないわよ。……ちょっと服の裾を離して欲しいのだけど」
「由美子。おまえはどうなんだ。仮におまえが妊娠したら、それは夫にも見せたくないと思うのか?」
真剣な眼差しで訊いてみる。
俺は知りたかった。女性にとってそれはどれほど重要なことなのか。
みちるの気持ちが少しでもわかるのであれば、藁にでも縋りたい。この際由美子でもいい。
しかし由美子は。
深いため息をついて、裾を掴んでいる俺の手を振り払った。
「それは人にもよるわよ。……ただまあ、松嶋さんの気持ちはわからなくもないわね。好きな人に嫌われたくはないもの」
「嫌う? どうして」
「嫌わなくても、見てがっかりした顔をされたら傷つくわ。女なら誰だって」
「……おまえでもか?」
「だから私を比較対象にするのはやめて。……私なら怒るけど」
なるほど。
俺はみちるの腹をじっくりと眺めてみたいと思っている。
自分の子供を育てている腹だ。愛おしく思わないわけがない。
だがみちるは自分の姿を見て幻滅するかもしれない俺を恐れているのか。
バカなヤツだ。そんなことあるわけがないのに。
まあそういうところがみちるらしいといえば、らしいのだが……。
「どうすればみちるの裸を見れるだろうか」
ポツリと呟いたが、呆れたような顔で由美子が言った。
「あなたそれを松嶋さんに言ったの?」
「言えるわけがないだろう。だからこうして相談している」
「……とてもそうは見えないけど」
「おまえだからこそ言えるんだ。教えてくれないか。あいつが恥ずかしがらずに腹部を曝け出す方法を」
今度こそ呆れられるか、最悪見捨てられるかもしれない。
そう思ったうえでの覚悟の質問だったが、――由美子は。
なぜか微笑ましそうな笑みを浮かべて俺を見つめた。
「風見君」
「なんだ」
「あなたのそういう素直なところ、嫌いじゃないわ。普通ならそんなこと恥ずかしくて訊けないもの」
「……悪かったな」
「教えてあげる。松嶋さんをうんと甘えさせてあげなさい。蕩けさせるの。あなたになら何をされてもいいと思わせるほどに」
「そんなことでいいのか?」
「言うほど簡単じゃないと思うわ。今の松嶋さんは気がたっているから、あなたでも懐柔するのは難しいのではないかしら」
「じゃあ……どうすればいい?」
「私を口説いてみせて。脱いでもいいと思わせるほどに、私をのぼせることができたらわかるかもしれないわ」
……なんだと?
こいつ、誘っているのか。
いや……教えようとしているのか、どっちだ。
以前なら、みちるが妊娠する前ならば間違いなく誘っている台詞だ。
だが今の由美子からそんな妖艶な気配は感じられない。穏やかな表情だ。本当にただ教えようとしているだけかもしれない。
「……わかった」
だがここではマズイ。
扉のすぐ向こうにはみちるがいる。そろそろ着替え終わる頃だが。
「おい、みちる。まだなのか?」
トントン、と扉をノックすると、中から「まだー!」という返事が聞こえた。
これは。
たぶん、あれだ。この間買った腹帯のサイズが合わないと言っていた。日々サイズが変わるらしい。それをなんとか合わせようと必死になっているのか。
まだしばらくかかるかもしれん。
「由美子、こっちへ」
隣の隣の部屋へと移動した。
空き部屋だが幸の清掃で埃のない部屋になっている。そこに入って扉を閉めた。
向き直って彼女を見る。
由美子は期待するような眼差しを向けていた。
口説き文句か……。
正直、思いつかない。小説などでよくある歯の浮いた台詞が頭をよぎるが。
そんなものでは通用しないだろう。なにせかつて散々抱いたことのある由美子だ。愛の言葉ひとつとっても白々しく聞こえてしまう。
――だが。
この前幸に奉仕されてから俺は考えを改めた。
この島にいる俺の周りにいるすべての女を俺のものにする。
もう決めたことだ。なんと言われようと構わない。一姫にでも言ったらもちろん反対されるだろう。だがその一姫すら俺のものにしたい。
すべて本気の想いだからこれは浮気じゃない。……屁理屈にしか聞こえないが。
由美子の側に近寄り、彼女の脚を持ち上げて抱き上げた。
突然の動きに持っていた本を落とすが、構わず、近くのベッドへとそっと下ろした。
何か文句を言いそうな由美子の唇を奪った。……結局、歯の浮いた言葉などより、俺には直接的な行動しか思い浮かばなかった。
「ん、んぅ……っ」
最初は暴れて背中をバンバンと叩いていたが、……やがて。
喉奥まで届く舌の動きに翻弄されていき、味わう吐息に艶が出る頃には目元が細かく震えるようになってきた。
由美子が感じるといつもこうやって瞼が震えてくる。前と変わらない感度の高さに懐かしく、隅々まで咥内を貪った。
「は、ぅ……ん」
「由美子、前みたいに俺の名前を言うんだ」
抱いているときだけ、由美子は名前を呼んでくれた。
それは彼女が俺に心を許してくれた証のようで嬉しくもあったが、俺から求めたことは一度もない。
名前などどう呼ばれようとどうでもいいが、由美子の心に触れることができるのはその瞬間だった。
「……っ、か、風見君、は……もう松嶋さんのもの、だもの」
顔を背ける彼女のこめかみに軽く唇で吸い上げる。
それだけで震える姿に、見えずとも股の間が滴るほど感じているのがわかった。
「違うだろう、由美子。……言えよ。俺の名前を」
「だ、……ダメ」
「俺が欲しいなら言うんだ。前みたいに、……甘い声で」
耳朶を舌で弄る。
あえて胸や秘所には触れず、首筋、鎖骨、股を割り開いて焦らしていく。
……ほら。
由美子は快感には素直だった。彼女の頬が赤みを増していき、喉から次第に熱い吐息がせりあがってきた。
いつだったかロッカーの中で身悶えていたときを思い出す。
あの時もその感度の良さに我慢できず、貫いてしまったが。
「ず、……ずるい。口説いているわけじゃなくて、これは身体で言うことをきかせているだけだもの」
身悶える由美子の首筋を愛撫しながら口づけようと顔を寄せたとき、真正面から正論を言われてしまった。
言い返すこともできないが、要するに。
「蕩けさせればいいんだろう?」
「……そうだけど。今の松嶋さんに通用すると思う?」
「……無理だな。近寄ることもできん」
「だから身体じゃなくて、女の子を甘えさせる方法よ。……私じゃ参考にならないけど」
なるほど。
おまえは参考にならないのか。
その言葉を覆してやる。
俺の本気を思い知らせてやるからな。
ズボンのポケットに手を伸ばす。
こんなこともあろうかと、人数分用意しておいた。少し金はかかったが問題ない。もともと使い道のない金だ。
みちるにはすでにもう渡しているが、二人目はおまえに決めたからな。
由美子の手を取り、剥き出しのそれを彼女の指に嵌めた。
驚く由美子にすかさず嵌めた指を掲げて口づけた。
「由美子。おまえを愛している。俺の妻になってくれ」
結婚指輪。
プラチナのシンプルなリングだが、ちゃんと指のサイズも調べておいた。見た目にもきつさもゆるさも感じられない。
由美子はまだ呆然とした顔で俺を見つめていた。
「返事は?」
「…………」
「了承ととらせてもらうぞ。さっそくだが子作りしよう。ピルはもう飲んでないよな」
足を広げた途端、ようやく気付いたのか、由美子が腕を突っ張らせて離れようとした。
その必死の抵抗に無駄な足搔きというかのように無理やり口づける。
おかしいな。
みちるに言ったときはこうも抵抗しなかったのだが。
「ちょ、……んぅぅっ、ちょっと、なに考えてっ」
「言った通りだ。おまえが欲しい。もう俺のものだ。いいから大人しく……!」
「ま、松嶋さんがいるでしょう!」
「いるが、それがなんだ」
「なんだ、ってことはないでしょ、あ、ちょっ……やめっ!」
「足を開くんだ、ほら、とっくに濡れてるくせに逆らうんじゃない」
「風見君……!」
「いいから聞け。……俺はな、みちるだけで満足したりしない。みちるだけじゃない、由美子、おまえも含めた全員が欲しいんだ」
「……な」
「こないだ幸が俺にフェラしてくれて思い知ったよ。幸がこのうえなく愛おしくなった。そして由美子、おまえを見ているだけで」
下半身を露出する。
ズボンから飛び出したそれを見て由美子の目が見開いた。
「わかるだろう。これを鎮められるのはおまえだけだ。いまは由美子のことしか考えられない。おまえが欲しい」
「かざみ……くん」
「悪いが俺には浮ついた台詞など思いつかない。口説くつもりもない。おまえを蕩けさせることができるのは俺だけだ」
由美子の両腕を頭の上で縛り、すでに濡れて蜜が溢れている下着を取り払った。
ムアッ――と漂う臭気にクラっとする。なんていう香りだ。男の本能を刺激する。
たまらず亀頭をあてがうと、グチュッと迎え入れるような音に苦笑した。
「由美子。レイプはしたくないんだ。俺が欲しいと言ってくれ」
こんな状態で聞くのは卑怯だと思う。だが構わない。
泣きそうな顔で由美子は唇を噛み締めた。
「泣くほど嫌か?」
「だ、……って……、ぐすっ、……み、みんなで、決めたこと、なのに……」
「俺が決めた」
「わ、私は……松嶋さんの、……代わりなの?」
「違う。誰も代わりになんかならない。俺はみちるも好きだし、おまえも好きなんだ」
「そんなの、わからない……」
「由美子、さあ……俺のナニが欲しいか言うんだ」
やっぱり、俺にはどうも女をときめかせる言葉というのは思いつかん。
はっきり直接的に言うのが性に合ってる。
由美子は観念したのか、膣入口が誘うように蠢き、震える唇でついに欲しいと言ってきた。
微笑んで、ゆっくりと……。
焦らすように潜りこむ。すると誘うように襞が押し寄せてきた。……久しぶりだ、この感覚。
女の膣などどれも同じだと昔は思っていた。正直、麻子もJBも大差ないとすら思っていた。
まるで違うのだと思い知らされた。それはこの美浜学園の女たちとまぐわってようやくわかったことだ。個性というよりほとんど相性のようなものだ。
俺の動きにどう反応するか、それが女によって全然違う。その最たる例が由美子だった。
この――引き込む動き。
おそらくは天音よりも淫乱だと思われる。天音も相当だが、由美子のほうが激しい。男の分身を貪り尽くすほどの勢いで飲み込んでくる。それでいて引き出そうと動くとその動きを助長するかのように追いすがる。
俺はこれでも女を泣かせるほどの自信はある。その俺が。
由美子のこの動きに抗う術を見いだせない。引きずりこまれていくのだ。どうすることもできないまま翻弄されていく。
由美子。
おまえほどの名器はいない。
余裕がなくなるのはおまえだけだ。
ほら、……もう。
耐えきれなくなってきた。硬度がどんどんせりあがってくる。久しぶりにしても強烈すぎる。
くそ……一度出すぞ。
前にやったときは一晩くらいじゃおさまらないくらい由美子に溺れた記憶があるが。
「あ、あぅ……っっ!」
連続して突き上げると耐え切れず由美子が達した。続いて間をおかず子宮口に潜りこむと。
そのまま遠慮なく噴出した。――瞬間。
子宮口が締め上げてきた。
「く、……っっぅっ!」
た、……ただの締め付けじゃない。これは。
絞り取る動きだった。初めてだ、こんなの。未知の感触に思わず再び射精感がこみあげてきた。
ドクドクと注がれる精液を、彼女の子宮口が飲み込んでいく。……なんだこの動きは。
喉を鳴らして由美子を見下ろす。意識は半分飛んでいるのか目が虚ろだった。そんな彼女に口づけながらいまなお吸い上げてくる子宮口の動きに身を任せていく。
こんな……。
こんな動きもできたのか。
俺がプロポーズしたからなのか?
由美子の貪欲なこの動き、子種を求める動きに思わず感動してしまった。
これを。
麻子がしてくれたら……。
俺は麻子と結婚したのに。
他の女にこれは無理なのだろうか。由美子だからできたのかもしれない。
どちらにしろ、麻子はもういない。
由美子を抱きしめ、残滓を求める動きに身を任せて腰を揺らしていた。
「う……ん」
「由美子、気が付いたか?」
満足気な吐息を漏らす彼女に再び口づけると、もう由美子は抵抗する素振りがなくなった。代わりに。
うっとりと恋する乙女の瞳を俺に向けて微笑んでいた。
「雄二……」
「やっと、俺の名前を言ってくれたな」
「私……赤ちゃん、……出来るかな」
「ああ。何人でも産ませてやるぞ」
「嬉しい……もっと、……もっと頂戴」
「ああ、今度はもっとたくさん注いでやる。さあ、……後ろを向いておねだりするんだ」
由美子の両股を大きく割り開いて背後を向けさせる。
そのふくよかな大きな尻を撫でながら、再び硬くなっている男根を突き挿した。
後半、誰だよって感じですが由美子です。
デレるとこうなるんです。
ちなみに雄二の中で誰が一番かを優劣つけるとするなら、やっぱり麻子しかないかと。
原作だと1回しかHシーンがないのが悔やまれます。