【グリザイアの楽園】楽園Another~雄二はみんなのもの!~ 作:千月華音
今日は野外バーベキューの日だ。
千鶴と天音が作った牛肉と野菜の串焼き、他にも松茸御飯やチーズダッカルビ、パエリアまである。メニューがバラバラだな。
洋食は千鶴で、和食が天音担当といった感じか。
子供を抱えたみちるが、料理の豪華な品揃えに目を輝かせていた。
「すごーい! いつもより腕を振るったじゃん、天音」
「私も作ったのよ、松嶋さん」
「あ、学園長もお料理できたんですね」
「失礼ね! できるわよ!」
「ほら、一縷を抱いていてやるから、おまえは先に食べていろ」
「うん!」
娘を受け取り、風の通る涼しいソファに座って食事をするみちるを眺めながら。
腕の中で眠る我が子を微笑んで見た。
額の前髪が伸びてきた。……日に日に大きくなるな。みんなに可愛がられているのは嬉しいが、そのせいでこうやって触れられる時間があまりない。
ほっぺにキスをして抱きしめた。早く大きくなれよ。頼むからみちるみたいにはなるなよ。バカで可愛いのはみちるだけでいい。
そうやってしばらく娘と二人きりでいると。
バーベキューの串を目の前に差し出された。蒔菜だった。
「はい、これ焼けてるのよ」
「ああ、サンキュ。……どうした? なんか顔色が悪いが」
隣に座った蒔菜は、いつもみたいな朗らかな笑みがなく、どことなくやつれて見えた。
ふう、と蒔菜が少し疲れた様子で隣に座った。
「なんか身体がだるくて……」
「おまえが?」
「どういう意味なのよさ」
「いや、頑丈なおまえらしくもないと思って。……そういえば何も食べてないじゃないか」
「食欲、ないのよさ……」
「……大丈夫か? ほら、一縷でも抱いてろ。眠ってるが」
「ごめん、そういう気分でもなくて……なんかくらくらする……寄りかかってもいい?」
「ああ。……本当に大丈夫か?」
肩に寄りかかった蒔菜を見下ろすと、本当に気分が悪そうな様子だった。……これは医者に見せたほうがいい。
それを見たのか、由美子がジュースを片手に近づいてきた。
「大丈夫、入巣さん?」
「由美子、悪いが一縷を抱いていてくれるか。俺が蒔菜を医者に見せてくる」
「え、……ええ」
保険医のJBに診てもらおう。とりあえず簡単な診察だけでもいい。容体を知りたい。
蒔菜を抱きかかえ、事情は由美子からみんなに話してもらうことにした。
背中におぶさった蒔菜が、歩いている途中で気づいたのか、申し訳なさそうに呟いた。
「バーベキュー、抜け出させちゃったね……ごめんなさいなのよ」
「気にするな。どっちにしろおまえを放っておけないからな。よいしょ。なんかおまえ、少し重くなったな」
「……レディに失礼なのよさ」
「褒めたんだ。前のおまえは痩せすぎだ。これくらいのほうがいい。抱き心地もいいしな」
「……パパ」
「なんだ? また俺はおまえのパパに昇格か」
「死んじゃったパパがね、こうやって私をおんぶしてくれたときがあったのよ。そのときも同じことゆってた。大きくなったな、蒔菜。だんだん重くなってきて、パパは嬉しいぞって」
「……そうか」
「パパの赤ちゃんも、だんだん重くなってきてるのよ。毎日みんなで体重計に載せてるのよ。今日は昨日より3グラムも重くなったのよさ。可愛いなぁ……あんな赤ちゃん、私も欲しい」
「おまえにだってそのうち出来る。なんなら今からでも子作りするか?」
「あ、はは……。冗談なのよさ。子供なんてできたら、JBの姉御に怒られる」
「なんでだ。俺は一向に構わん。……さ、着いたぞ。おい、JB、急患だ。入るぞ」
背中の蒔菜の吐息が熱く感じた。容体がどんどん悪化している。
保健室に入ると、JBが慌てて近寄ってきた。
「どうしたのよ?」
「わからん。由美子の話だと今朝から具合が悪そうだったらしいが……」
蒔菜をベッドに下すと。
JBが聴診器を持ってきて、蒔菜の服をめくった。――が。
「あなたは出てって」
「どうして。俺も気になるだろ」
「いいから出て! 診察が終わったら呼ぶわよ」
背中を押されて無理やり部屋から追い出された。
仕方ない、終わるのを待とう。
あの蒔菜が体調を崩すとはな……。
いや、……待てよ。
あの様子、確か前もどこかで見たような。
そうだ。みちるも同じ状態になったことがあった。やたら怠そうで、体温があがって、吐き気と眩暈で苦しんでいた。
――妊娠初期。
まさか。
まさか、……あいつ。
「……雄二。診察終わったわ。話があるから入って」
JBの深刻そうな顔つきで確信した。
ベッドを見ると、カーテンが閉められている。それをチラリと見てから、こっちから切り出した。
「妊娠したのか」
JBは驚いたように言葉を飲み込んだが、やがて険しい目つきで俺を睨みつけた。
「言わなくてもわかってるみたいね。……ええ、妊娠してるわ。2週目に入ったところよ」
「……そうか」
「驚いていないみたいね」
「してもおかしくない行為はしていたからな。……だが、そうか。蒔菜が身籠ったのか」
「わかってると思うけど、セックスは禁止よ。初期が一番流産しやすいの。安定するのは16週目から。安定期になったからといって性行為を容認するわけではないわ。あなたは……そうしないだろうけど」
「みちるとは4週目までセックスしてたが、なんの問題もなかったぞ」
「二人とも知らずにしてたわけだから、妊娠が発覚した後はすぐにやめたでしょ?」
「いや、やめなかった。あいつが錯乱してたから、大人しくさせるためには抱くしかなかった。それでも流産するような激しい行為はしていない」
「……前と同じだとは限らないわよ。入巣さんは体格が小さいから、出産だって危険かもしれない。そもそもあなたがこういうことをしなければ」
「いいか、JB。俺の性行為について、おまえにとやかく言われる筋合いはない。おまえには一番言われたくない。俺とするときは必ず避妊してたくせに」
「……あの仕事をしていて子供なんて作れるわけがないでしょう。私に退役しろとでも?」
「キアラに室長させろ。おまえは予備役につくんだ。いい加減、俺の子供を作れ。そうじゃないとおまえはいつまでたっても女の幸せが得られないぞ」
「余計なお世話よ! 誰があんたなんかの子供を……!」
「JB、……おまえを愛している」
「な、……なに?」
「俺の正直な気持ちを言葉にしただけだ。声に出して言うことで本当にその気持ちが正しいのかを確認したかった」
「そ……それで?」
「おまえを愛しているという気持ちは揺るがない。おそらく一生変わらないだろう。だから今度おまえを抱くときは、避妊しないでくれ。俺の射精を中で受け入れて欲しい」
「あ……う」
「JB、返事を聞かせてくれ」
「わ、……わかった、わよ。でもゴム無しで妊娠するとは限らないじゃない……?」
「もちろんわかっている。蒔菜も何度中出ししても妊娠しなかったしな。今回ようやく身籠ったわけだし、やはりタイミングというのはあるんだろう。……だからJB、おまえが妊娠するまで、何度もやるぞ。いいな」
「は、……はい」
ちょろい。
頬を染めて俺をうっとりと眺めるJBを見て、内心舌を出していた。
これで蒔菜とすることに文句を言えないはずだ。
しかし、……そうか。蒔菜が。
誰が妊娠してもおかしくはなかったわけだが、した回数で言うと千鶴が一番多かった。だが千鶴はピルを飲んでるみたいだし。
他の女たちも、いずれ身籠るとは思うが……。
蒔菜が妊娠したことは、しばらくは内密にしたほうがいい。
どこでどう情報が洩れるかわからない。病院もダメだ。みちるのいた病院はあの女――清香に情報を流す医者がいる。
せめて出産するまで、蒔菜をどこかに隔離できる場所があれば。
「JB、蒔菜だけどな。……おまえのマンションに匿ってもらえないか?」
「え?」
「あそこが一番セキュリティが高い。確か網膜照合でしかロックが解除できないんだよな」
「え、……ええ。でも待って。入巣さんを匿うって、私が?」
「いや、俺が行く。おまえはこの島にいて、たまに麻布のマンションに来てくれればいい。必要なものがあれば届けて欲しい」
「あなたが……入巣さんと同棲するってこと?」
「出産までの間だ。病院じゃなく、おまえの自宅で出産できるよう医師を手配して欲しい。できるか?」
「できるけど……。でもなんで、そんなことを?」
「蒔菜の母親に俺の居所がバレた。あの母親が蒔菜に子供が出来たと知れば、何をするかわかったものじゃない。利用するに決まっている。だから蒔菜の妊娠は秘密裡にしたいんだ」
「……なるほどね。入巣家の相続権は放棄されたけど、……孫なら手出しするかもしれないわね。いいわ。でも私のマンションだと調べられる可能性があるから、新たに別の場所を用意します。セキュリティは強化しておくわ」
「助かる。俺も一緒にいられるようにしてもらえるか」
「むしろ入巣さんのためにもあなたが一緒にいなさい。……まったく、あなたの責任なんですからね。しっかりと彼女を守ってあげなさいよ」
「もちろんだ。……ところでJB、いまからおまえを抱くが、いいか?」
「あ、……うん。い、いまから……?」
「おまえが欲しい。いやなら断ってくれ」
「い、……嫌じゃ、ないわ。でもここでは……その」
「蒔菜は眠ってるんだろう」
腕を引っ張り抱きしめると、口づけをねだってきた。
望み通り口づけながら、目の端でカーテンで閉じられたベッドをチラリと見る。
蒔菜。
しばらくは二人きりで過ごすことになるが、心配するな。
おまえは俺が守ってやる。だから。
無事に子供を産んでくれ。
「パパ……?」
目が覚めた蒔菜を見て、ホッとすると。
背中に手を回してベッドから抱きあげ、横抱きに持ち上げた。
「わわっ……! な、なに?」
「出かけるぞ、蒔菜」
「出かけるって、どこに?」
「前に話しただろ、おまえと二人きりで過ごしてやるって。ハネムーンだ」
「ほ……ほんと?!」
「ああ。ちょっと長い蜜月期間だけどな」
部屋を出ると。
蒔菜はここがどこかわかったのか、驚いて俺を見上げた。
「あれ……ここって、……潜水艦の中じゃね?」
「ああ」
「いつの間にここに来たのよさ」
「おまえが寝ている間に運んだ。ちょっと遠くまで行く必要があったからな」
「遠くって?」
「もうすぐ着く。ヘリがそろそろ到着した頃だ。乗り換えるぞ」
「ちょ……! 待って、みんなはどこよ? それにどこに行くのよさ」
「いっぺんに質問するな。いいか、蒔菜。おまえは妊娠したんだ」
「へ……?」
「俺の子を身籠ったんだ。これでおまえは本当に俺のものになった。おまえは俺の妻だ」
「……つま?! え……?! な、なんなん、これ? なんのドッキリなのよ?」
「ゆっくりと理解すればいい。おめでとう、蒔菜。やっとおまえも母親になったな」
キスをして唇を離すと。
蒔菜が信じられないといった顔で俺を見上げた。
まだわかっていないらしい。まあ子供が出来たといっても、何度やっても妊娠しなかったわけだから、簡単には信じられないかもしれない。
甲板に出ると。
すでにJBが必要なものを持ってヘリの前にいた。手配が早くて助かる。
「乗って。ここから1時間もかからないわ」
「ヘリポートはあるのか?」
「ダミーの格納庫もあるわ。外観ではヘリポートだとわからないようになっている。地下に車があるから、足はそれは使って。ナンバーから身元は割れないようにしてあるからとりあえず使う分には問題ないはずよ」
「あ、姉御? どういうことなのよさ、どこに行くっての?」
「入巣さん、あなたの身柄を保護します。保護証人プログラムで国が保護することになったから、しばらくは安全なはずよ。今から住む場所を変えます。当分の間、――この男と一緒に暮らしてもらうことになるわ」
「そんな苦虫をつぶしたような顔で言うな。蒔菜、心配するな。安全な場所に連れてってやるから」
「安全って……この島も安全でしょ?」
JBと二人で顔を見合わせ、苦笑した。
どこよりも安全なのがこの島のはずだが、蒔菜だけは家の事情が違う。
他のみんなを巻き込まないためにもこうするしかない。
追々、説得していくしかないか。
「さ、蒔菜。音がうるさいからこのヘッドホンをつけておけ」
「う……ん。……ねえ、これって、ハネムーンなんだよね?」
「ああ。俺とおまえの少し長めのハネムーンだ。しばらくはみんなと会えないが、我慢してくれ。おまえのためなんだ」
「……うん。わかったのよ」
「いい子だ。じゃあJB、あとは頼んだからな」
「着いたら連絡を頂戴。通信手段はこの荷物の中よ。それとわかってるでしょうけど」
「無茶なセックスはしないようにすればいいんだろう」
「わかってるなら言うな!」
「おまえこそ中に出した精液を掻きだすんじゃないぞ。あとでまた抱きに戻るからな」
耳元でこっそりと言うと、JBは顔を真っ赤にして俯いた。……たく、処女じゃあるまいし。あれしきの量でほだされるんだからな。
ヘリに乗って蒔菜を胸の中に抱きしめた。
ギュッと襟を掴むその小さな手を見て、不安なのが見てとれた。かわいそうだが、説明するのは後だ。
今はここを離れたほうがいい。
「出してくれ」
操縦士に言うと、バラバラ――とローターの回る音とともに、海面から飛び立った。
JBが手配したからたいしたマンションじゃないだろうと思っていたが。
明らかにタワマンだ。それも新宿の夜景が一望できる高層階。……いいのか、これ。血税でこんなもの建てたのか。
だがセキュリティはしっかりしていた。外部からの侵入は一切できない造りになっている。JBのマンションもそうだが、生体認証がロックになっているのは有難い。
逆に言うと、これだけのセキュリティにするにはそれなりの最新設備が必要だったということか。
蒔菜は部屋に着いても、自分がこんなところにいるのがまだ信じられないのか、落ち着きなさそうにあたりを見回していた。
「すまないな、閉じ込めるような真似をして。外出は制限されてしまうが、ここにいれば安全だ。不自由はないようにモノは揃えてやるから、必要なものがあれば言ってくれ。12部屋あるから好きなところを使っていいぞ」
「……まさか射撃部屋まであるとは思わなかったのよさ」
「俺もだ。レンジが長いが、あれは完全にJBの趣味だな。トレーニングジムまであるし、なんなんだこの家。こんなの建ててあいつは一人で住んでたらしいな。許せん」
「JBの姉御の家かぁ……。そいえばどことなく女の匂いが漂ってるのよさ」
「女の匂い? なんだそれは」
「なんか男と淫らな生活してたような、そんな匂いなのよ」
「あいつが? 俺以外のやつとか。……ありえんな」
「その自信はどっからくるのよ?」
「あいつは性欲はあるが、男を囲うほどの度胸はない。俺とは一時期暮らしてたけどな。淫らといえば、そのときくらいだ」
「パパと? 姉御が?」
「前にも言ったかもしれんが、麻子が死んでからあいつのマンションでヒモをしてた。朝起きたらあいつが朝食を作って、それを食べたらセックスして、あいつが仕事から帰ってきたらまたセックスして、朝早いからやめろといってもセックスした」
「……それ、毎日?」
「ほぼ毎日だ。しない日はあいつが生理のときくらいだ。そんな生活に嫌気がさしたんだろう、あいつのほうから別れて欲しいときりだしてきたから、別れたんだ」
「でも、……まだ姉御のこと、好きなんでしょ?」
もじもじと。
蒔菜が拗ねるような顔で俯いた。
そのあまりの可愛らしさに、思わずその身体を引っ張り寄せて抱きしめた。
「わっ…ぷ」
「おまえをここに連れてきたのは、ここでずっとおまえを愛したかったからだ。言っただろう、ハネムーンだって。……蒔菜。おまえに子供が出来て嬉しいぞ」
「あ、……姉御のこと、好きなんでしょ? 答えてなのよ」
「俺はあの島にいる女たち全員を愛している。JBもそうだし、おまえもだ。蒔菜、おまえを愛したい……このままベッドに行くぞ」
「あ、ちょ……そ、その前に!」
「ん?」
「まさか毎日、するつもりなんじゃ?」
「そのつもりだが」
「あのあの、妊娠! してるっつうの!」
「問題ない。みちるだって妊娠初期は何度もセックスしたが、まったく問題なかった。まあさすがに安定期に入るまでは控えたけどな」
「……安定期に入ったら?」
「臨月まで毎日してたが、ちゃんと中には出さずにゴムをつけた。陣痛前にしたあれは、我慢できずに中に出したが、それが産科医にバレた」
「……はじめてチルチルのこと同情するのよさ」
「何言ってるんだ。さあ、ベッドに行くぞ。4週までは問題ないことがわかってる。出しても子宮内には注がないから安心しろ」
「どこに安心できる要素があるのよさ! わかったから……せめて……ゴムつけて」
「いやだ。おまえに出すと決めたんだ。俺に出して欲しいと言うようになるまでするからな」
キスをしながら抱き上げた。
そのまま近くの部屋に入り、ベッドにおろすと。
カーテンもつけていない暗い部屋に突如、明るい光が差し込んだ。――花火だった。
「わあ……!」
「そういえば、今日は隅田川の花火大会だったな」
こうやって上から見る花火というのは初めてだった。
高層階なので空気が澄んでいてよく見える。蒔菜はベッドから身を起して花火に見入っていた。
カーテンがないのはそのためか。この場所が一番よく見えるからあえてつけなかったのかもしれない。
「すごい……! みんなにも見せてあげたいなぁ」
「まあ、それはまたの機会にな。おまえの子供が産まれるまでは、みんなに会えないんだ。悪いが我慢してくれ」
花火を眺める蒔菜を後ろから抱きしめながら、服の下に手を忍ばせていった。
胸を揉みしだくと、感じたように声をあげる。……大きくなった。みちるもそうだったが、本当に妊娠すると女ってのは変わるものなんだな。
乳房を揉みながら耳朶をくすぐるように舐めていく。蒔菜がついに花火から目を逸らして俺を見上げた。
「あ……う……き、気持ち、……いい……」
「蒔菜、ちゃんとブラをつけるようになったんだな。サイズは……C75か。前はAだったのにだいぶデカくなったな」
「あ、ちょ……っ! ブラいつのまに外したのよ?!」
「おまえが花火なんか見てるからだ。ほら、……俺のに触ってみろ。こんなに熱くなってるだろ」
蒔菜の手にズボンから取り出したペニスを触れさせた。
その固さと熱さに驚いたのか、硬直する手をギュッと上から重ねて掴ませた。
「おまえの手でイかせてくれ」
「あう……こんなにビクビクしてる」
「そこの縊れが一番感じる。爪を立ててもいいから、優しく揉むみたいに頼む」
触っていくうちに。
蒔菜の吐息が次第に熱っぽくなっていった。……そういえば吐き気を抑える薬を注射で打ったとかJBが言っていたが、具合は悪くなさそうだ。
「蒔菜、つわりはどうだ? もう気持ち悪くはないか?」
「あ……うん。そっか。あれってつわりだったのか。チルチルが辛そうだったの、わかるのよ。あれはキツいわ。眩暈とかしたし、なんか死にそうなくらい気持ち悪かったのよさ……」
「……そうなのか。身体に異物が常にあるわけだからな、無理もないが」
「でも赤ちゃん産むためなら我慢すゆ。……嬉しいのよ。パパの赤ちゃんができたなんて」
「……俺もだ。おまえに二人目が出来るとはな。幸が先じゃないかと思っていたが」
「サッちんかあ。なんか私もそんな気してたのよ。だって朝昼晩としてたじゃんか」
「……知ってたのか」
「いいの? 私と一緒にいたらサッちんとできないのよ?」
「言っただろう、おまえと一緒に過ごすって。……ここにいる間は、ずっと、俺の女はおまえだけだ」
蒔菜が目を見開いて、顔を真っ赤にした。
照れている。……初めてだ。こんな表情、今まで見たことがなかった。
我慢できなくなり、後ろから蒔菜の股を割り開いて膣入口に亀頭を押し当てた。
「あ……っ」
「蒔菜、入れるぞ……」
――グチュ……
入口はすでに湿っていた。蒔菜の指であふれた先走りを擦りつけるようにしながら潜りこませていく。
自然と股を広げて受け入れてくれる蒔菜が、いつも以上に淫らに見えた。……花火の明かりのせいかもしれない。音と光が明滅するたびにいやらしい穴が濡れて光っているのがよく見える。
「はう、……うん……しゅ、ごい……おっきい……」
「蒔菜、もっと腰を上げて入っているところを俺によく見せてくれ。根元までよく見えるようにだ」
「あ……なんで、……うぁう……あ、明るくて見えちゃうよぉ」
「おまえのまんこが光って綺麗すぎるんだ。特等席でセックスできるなんてな」
「はふ、ふあ……あ、全部、入ったぁ……のに……なんでまだ動くのよさ」
「待ってろ、いま子宮口の場所を確かめる。……ここか。あまり突かないようにするぞ。こら、子宮の口を伸ばすんじゃない」
「の、ばす……? にゃに言ってんのか、わかんね……きゃうんっ」
「とぼけるな。俺の精子が欲しいのはわかるが、出すのは膣内だけにするぞ。……ほら、ここはどう、だ……?」
「はぁうんっっ! そ、そこいい……っ! もっとぉ……っ!」
――ドォン……!
でかい花火が上がると同時に蒔菜の感じる尿道口の裏側を攻めた。途端にビリビリとした痺れるような感触が伝わる。蒔菜の膣内がペニスを本能で欲している動きだ。
いつもここを抉りまわすと、蒔菜は潮を噴いて簡単にイってしまう。感じやすい場所なのだろう。……そういえば。
あの女――清香もここが弱かった。
なんであんな女のことなんか思い出すんだ。
今は蒔菜を抱いているのに。……だが、あの女を抱いているとき、俺は蒔菜を重ねて見ていた。
蒔菜がどうやって感じるか、蒔菜ならどこで啼いたか、思い出しながらあの女を快楽で染めてやった。
――いい子だ、雄二。
どこからか。
あの男の言葉が蘇る。もう死んだはずなのに、それは呪いのように俺の心に刻まれていた。
――ほら、ここで感じるだろう? おまえのイイところだ。そこをずっと覚えているんだ。いつでも私をそこでイかせられれば、おまえをもっと気持ちよくさせてやろう。
……なんだ?
いつのことだ。あの男に抱かれた記憶が、いま怒涛のように押し寄せてきた。あいつのペニスの感触まで覚えている。
封印していたのか。……この記憶を。
わかる気もする。あの男に何度もイかされた。姉の手でイかされたことよりも屈辱で、記憶を封じこめていた。
あの男と同じことを知らずにしていたのか。
蒔菜の感じるところを、あの女にもして、……俺は。
あの男と同じ優越感に浸りたかったのか。
「……あうっっ!!」
……しまった。
思わず子宮口を突いてしまった。妊娠初期にこれはマズい。
吸いつこうとするその口から離れると、蒔菜の首筋を吸い上げながら膣内をゆっくりと掻き混ぜた。
「あ、う……んん……ぅ……」
「蒔菜、痛かったか?」
「ううん……ちょ、ちょっとだけ……驚いた……いきなりおっきくなったから」
「ああ、おまえの子宮の口がいやらしく降りてきたからな」
「いやらしい、ゆうな……」
「もっと足を開いて、俺に感じてる姿をよく見せろ。……花火は終わったが、夜景だけでもおまえの裸体がよく見えるぞ」
「あ、やぁん……なんでカーテン、ないのよさ。……丸見えじゃんか」
「何をいまさら。誰も見えやしない。いいから、もっといやらしく腰を振れ。おまえの淫らな姿をもっとたくさん見せてくれ」
でないと。
俺の性感帯を思い出してしまう。
あの男に腰を掴まされ、何度もケツを振ってねだっていたのを思い出してしまう。
俺が欲しいのはおまえだけなんだ。
蒔菜。――俺を掴まえて離さないでくれ。
「あっ、ひゃうん……っ! ぱ、パパ……っ! はげし……っ!」
「揺らすぞ、掴まれ……腰を持ち上げるから、おまえも動くんだ。……いくぞ」
「あう……! だ、ダメ、……そ、そこ、そんなに強く、抉っちゃあ……っ!」
蒔菜の感じるところをひたすら攻め続け。
ただ蒔菜を感じさせたくて、自分がイくのも忘れていた。
というわけで、蒔菜編スタートです。
完全に原作無視ですが、無視というより改変してますが、そこはご容赦ください。
一応雄二を主人公にして、蒔菜をヒロインみたいな感じにしていくつもりです。
前はみちるだったので、今度は蒔菜をいたぶ……ゴホン、いじめ……ゴホゴホ。
可愛がろうと思います。
どこまで続けるかわかりませんが、できるだけエロく……なるといいな。
頑張ります。