【グリザイアの楽園】楽園Another~雄二はみんなのもの!~ 作:千月華音
同性愛(男×男)描写あります。
たいして激しくないですけど、苦手な方はご注意ください。
階段の下にある倉庫の中。
耳を塞いで膝を抱えていた。――ある男の足音が来るのを聞きたくなくて。
大丈夫だ、ここなら……今まで来なかったはずだ。南京錠がかかっていた倉庫なんて、誰も来やしない。
だからお願いだ、ずっとここにいてもいいから、あの男が来ませんように……。
――ガチャ
鍵が。
内側から閉めていた鍵が開いた。
え……なんでだ? ちゃんと俺、閉めてたよな。なんで開くんだ。どうしてここがわかった。
「……見ぃつけた」
――ゾワ……
背筋が凍る。興奮を露わにした声に、触られてもいない尻穴が窄んだ。違う、身体が覚えているからだ。
「雄二ぃ……君、かくれんぼ下手だっただろう。ダメじゃないか、隠れるならちゃんと痕跡を消さないと。取り外した南京錠はちゃんと拾わないといけないよ」
ガチャリ、と見せびらかすように南京錠を摘みながらこっちに来る。
グイッと腕を引っ張られ、泣きそうになって縋るように言った。
「い……いやだ。お願いだから、もういやなんだ」
「さあ、おいで。ベッドに戻るんだ。まだ途中だったろう?」
「ど、どうして、こんなことしなきゃいけないんだ。もうわかったから、俺が悪かったです、だから」
「悪い? ……ああ、廃人だった頃のことを言ってるんだね。私が君の正気を取り戻してあげたんだ。感謝して欲しいくらいだよ」
「おねがい……です……オスロ、さん……もう、……ぐすっ、……こんなこと、やめて」
「……ああ。なんてかわいそうなんだ。わかってないね、雄二。その泣き顔で余計に興奮させられたよ。もう戻る必要もない、ここでやらせてもらうよ」
腰を引き寄せられた。
まただ。――またアレをされる。もがくが、子供の力だ、どうすることもできない。
スカートの中を弄られた。
そう、着替えはこれしかなかった。姉と同じ服を着せられ、カツラまで被らされ、女と同じ下着を着せられている。
この男は幼女が好きなのか、それとも少年が好きなのか、それもよくわからない。
ただわかっているのは。
この長い指が掻き分けるように尻穴を拡げる力に、抗うことができなくなっていることだった。
「……あぁっっ」
男の舌が首筋を這う。
いつか見た、父親が母親を犯したときに見たときと同じ舌の動き。興奮を露わにしたザラついた舌の粘液が熱い。こうやって母は耐えていたのか。こんなふうに男の欲望に晒されて抵抗することもできなくされて。
指が引き抜かれたと同時に、熱い塊が一気に根元まで潜りこんできた。
もう、悲鳴すらあがらない……。慣らされて抵抗なく飲み込む自分の排泄する穴が、悦んで迎え入れているのがわかる。これだ、これがいやなんだ。この気持ちいいのか悪いのかよくわからない感覚が。
男の手が腰を両手で掴んで四つん這いにさせ、動きを早めるために高く掲げてきた。
必死に床に握り拳で耐える。何度も同じ格好で貫かれ、爪を立てすぎて割れてしまっていた。手は握るしかない。だがそんな痛みよりも快楽で麻痺して男の性器の形を感じるのがたまらなく嫌だった。
姉ちゃん……。
あんたがしたときもいやだったけど。
俺が泣いたらあんたはやめてくれてただろ。だけどこいつは違うんだ。
泣けば泣くほど行為が激しくなる。正直どうしていいかわからない。俺が出しても、こいつは出してくれないんだ。
「う……」
「雄二……もっと泣くんだ。そうすればいくらでも気持ちよくさせてやるぞ。……さあ、ここでっ、イくんだっ!」
「あう……っっ!!」
腸内を掻き分けていく動きが激しくなる。
いつの間にか床が白い精液で汚れていた。自分が出したものなのに、感じたという記憶すらない。
ただ男の膨張が早く鎮まることを、願うしかなかった。
「……くそ」
最悪な夢だった。
なんであんな昔のことを思い出すんだ。昨夜、蒔奈を抱いたときに蘇った記憶。それが夢を見るにまで及んでいた。
隣に眠る蒔奈の前髪を撫でる。……よかった。つわりはもうおさまったようだ。苦しそうな表情ではない。だがみちるはかなり長い間辛そうだった。蒔奈の具合が悪いようなら、セックスはやめたほうがいいだろう。
ふう、と息を吐いて裸のままベッドから降りると、キッチンへと向かい冷蔵庫の中から麦茶を取り出した。ひとつは氷を入れて蒔奈に、そしてもうひとつのグラスに自分のを注いだ。
……朝か。
麦茶を飲みながら、これからの計画を考える。……清香に会わねばならない。会いたくないが、あいつの注意を俺に向けさせておかないと。蒔奈のことを絶対に悟られてはならない。
一旦島に戻り、みんなに事情を話しておく。蒔奈が妊娠したことは伏せておいて、どう説得すれば……。
JBがとりあえず詳細は伏せて説明しておくと言っていたが、俺から話さないとあいつらは納得しないだろう。
一縷……すまない。しばらく会えない。だがみんなに任せておけば娘は大丈夫だ。――問題は。
みちるだな。
俺がいなくなるとあいつはきっと立ち直れない。己惚れでもなく事実だ。あんなメンタルが弱い女もいない。
仕方ない、みちるにだけは時々会ってやろう。抱いてやるだけで機嫌をなおすだろう。蒔奈と一緒にいるのは面白く思わないかもしれないが、そこをなんとかわかってもらうしかない。
一縷の泣き声が聞きたい。……アホか俺は。しばらく会えないだけで恋しくなってどうする。
蒔奈の赤ん坊だって産まれるんだ。そうだ。そのためにも俺が蒔奈を支えてやらないと。
とりあえず朝食でも作るか。
その前にこれを飲ませてやろう。昨夜はいきなりハードすぎた。……あんなのを思い出したせいだ。
――ヒース・オスロ。
消えろ。おまえはもう死んだ。今さら思い出したところで痛くも痒くもない。どころか心は冷え切っている。いや、何も感じなくなっているといったほうが正確か。
蒔奈が前にふざけてなのか冗談なのか、俺にからかうように言ったことがある。
――お兄ちゃんとヒース・オスロって、デキてたの?
内心ギクリとしたが、おくびにも出さなかった。バカなことを言うんじゃないと窘めたが、正直、当たっていたから何も言えなかっただけだ。
部屋に戻ると。
すでに起きていたのか、蒔奈がシーツで身体を覆いながら窓の外を眺めていた。
「おはよう、蒔奈」
振り返った蒔奈を見て、――ドキリとした。
まるで麻子みたいな儚い表情。あいつが死ぬ前に見せたときと同じ表情に見えた。
「麦茶だ。飲むか?」
「……うん」
受け取った蒔奈は、どこかぼうっとしたように窓の外をまた眺めていた。
「どうした? 何か見えるのか」
「……あそこ。ほら、光ってるの、見えるのよさ」
蒔奈が指さすビルの一室。
目を凝らしてみるが……いや、一瞬光った。あの光――間違いない、あの人工的な点滅。
距離にしておよそ2キロ以上。
射程外の距離だ。だが感度のいいスコープなら見える。
「……いつから気づいた?」
「瞼にあの光が届いたのに気づいて、目が覚めたのよさ」
「……調べてみる。ただの覗きだと思うが……こんなタワマンの上層を覗くやつなんて、ただの変態かプロの仕業だ。蒔奈、この部屋にはいないほうがいい。一応ここは外部からの侵入はできないマンションだから、下手に動かないほうが安全だ」
「うん……」
「ほら、飲め。喉が渇いただろ」
氷入りのグラスを眺めた蒔奈が、それを俺に差し出してきた。
「飲ませて」
「おい」
「口移しで飲みたい。ね……パパ」
仕方ないな、と微笑んで口に含むと、そのまま腕を伸ばしてくる蒔奈を抱きしめながら口づけた。
……そうか。
さっきの覗いていたやつがこれを見ているかもしれない。
気づいてないアピールか。相変わらずやることに無駄がない。……おまえはいい女になるだろうな。
「ん……ふぁ……」
「蒔奈、このまま抱いていいか?」
「あ、……ダメ、ここじゃ……」
「場所を移すぞ。一緒に風呂に入ろう。昨夜おまえにかなり出したからな、それも洗い流してやるぞ」
「やらぁ……パパの精液、まだあったかいのに……」
抱き上げた蒔奈からシーツが床に落ちる。
お互い裸のまま、口づけながら歩いた。
まだ膨らんでいない腹部を見つめる。……おまえが無事に出産するまで、大切に守ってやる。
――コト……
ワイングラスを窓際に置き、小型照準器をテーブルの上に投げ出した。
気づいたか。
なかなか勘のいい女じゃないか。おまえにしては役に立つ女を拾ったな。
さて……。
この場所はあいつならばすぐに割り出すだろう。少しでも手がかりを得ようとここに来るはずだ。今の段階ではまだそれほど警戒はしていないだろう。
それを一瞬で凍りつかせてみるのも悪くない。
リン――と手持ちの鈴を鳴らすと、すぐに控えていた部下が現れた。
「お呼びですか」
「もうすぐ客が来る。おそらく宅配業者の姿で来るはずだ。直接受取人に渡してサインを、と言ってきたら」
「追い返しますか?」
「いや、丁重にここまで連れて来い。大切な客だ。くれぐれも丁重にな」
「……? わかりました」
来るんだ、雄二。
おまえが大切にしているその女を、壊されたくなければな。
「はぅ……あ、んぁぁ……」
まるでプールみたいな広い浴槽に呆れたが、ジャグジーで泡風呂にして楽しそうに泡で遊ぶ蒔菜を見ているうちに、自然とこうなった。
浴槽の中の段差に蒔菜の身体を押しつけ、尻を高く持ち上げた状態で後ろから貫いている。
蒔菜が両手で浴槽の縁を掴んでいたが、もう掴む段階を越えてしがみついている。さっきからゆっくりと円を描くように動かしているが、そのもどかしい微弱な動きが逆に辛いのか、とうとう蒔菜が涙顔で後ろを振り向いた。
「パ……パぁ……な、んで……イってくんないのよさ……」
「蒔菜、……昨夜何回イったか覚えてるか?」
「え……? えと……はち、きゅう……10回?」
「俺じゃなくて、おまえだ」
「そんなん数えてないのよ」
「俺が出したら、おまえ途中でイくのやめてただろう」
「……そだっけ?」
「あれ地味に傷ついたぞ。なんでイこうとしなかった?」
「えと……その……つわりかな? 気分がね、悪くてね」
「嘘つけ。気持ちよさそうにしてたくせに。……昨夜の続きをするぞ。泡をもっとすりつけてやる」
「ひゃんっ……! く、くすぐったぁい……っ!」
ふわりと漂う石鹸の匂い。泡まみれの蒔菜の身体を撫でつけ、結合部にも潤滑油のように塗り込んでいった。
動かすのにもっとも適した滑り。――これなら思うがままに突ける。
蒔菜の子宮の口を亀頭の先でツンツンと押し上げると。
物欲しげに吸い寄せてきた。さっきからの愛撫みたいな挿入ですっかり中が男を欲して淫らな動きになっている。
それにほくそ笑むと。
膣内をグリュン――! と一回りしてから感じる部分を突き上げた。
「ひゃぁああんっっ……!」
高く上がる嬌声――明らかに昨夜より感じている。
やっと二人で高みへと昇れる。
そう思うとさらに興奮した。パクパクと相変わらず金魚の口のように開いては閉じる子宮口を押し上げ、そして離れてからまた降りてくるそれを勢いよく潜りこませる。まるで獲物を捕らえるかのように食らいついて離そうとしない蒔菜の貪欲な子宮口に、夢中になって動きが加速した。
……みちる以上だ。
妊娠初期のみちるも、こんなふうに子宮の口が動いたが、蒔菜の動きはそれ以上に貪欲なものだった。感じやすくなっているのか、それとも女の身体が妊娠で変化してより卑猥になったのか、よくわからないが。
昨夜はこの動きに耐えきれず射精がとまらなかった。
今は少し落ち着いたとはいえ、やはり気持ちいい……。頭の芯が蕩けそうだ。
蒔菜を見ると。
動きに応えているが、絶頂らしき兆候が見られない。なら――これはどうだ。
「んにゃああああぁぁんっっ!!」
蒔菜が快感を捉えたときの奇声。今回は猫か。前は牛だった。確か逃亡先の簡易宿泊所で蒔菜が身体で俺を慰めようとしてくれて、二人で傷を舐めあうように抱き合った。そのときの蒔菜の声が牛そっくりで、思わず笑いがこみあげたが、こいつは感じると動物の鳴き声を真似する自分に気づいていない。
いま乳首を引っ張りながら尿道口を指で摘み、その状態で子宮の口をねじりあげた。
尿道からシャワーのように尿が噴出した。……これイったんだよな? 潮じゃないが、女は失禁にもアクメを感じると前に麻子から聞いたことがある。
どれ、潮は出ているだろうか……。
ズニュズニュと愛液で満ち溢れた膣内をあちこち動かしてみる。潮吹きは……していない。だがまだ尿がとまる気配がない。これは相当感じてるとみていいだろう。
「は、にゃ……うぁ……んみゅぅ……」
出しながら蒔菜が腰を揺らしてきた。応えて腰を鷲掴み、深く抉るように穿つ。背後からだと表情は見えないが、反りあがった綺麗な背と縊れのある腰が、あまりにも色っぽい……蒔菜のくせに。
この俺が蒔菜ごときに見惚れるなんて。
もう我慢できるか、思いきり出してやる。待ってろ、いま……昇ってきてるからな。
「あ、う……や、やっと……イってくれるのよ?」
「ああ……いま、出すぞ」
「ご、めんなさ……あの、ね……み、見られてたの……」
「……え?」
「ひ、光が……昨夜も……見えたの。……だから、イけなかったのよさ……」
……なんだと?
あの部屋でのセックスを――ずっと。
見ていたやつがいたのか。
「おまえ、……なんでそれを言わなかった」
「か、確信が、なくて……わかったの、今朝、だから」
「…………。俺が確かめに行く。場合によっては場所を移動するかもしれない。蒔菜、少し待っててくれるか」
「い、いまから……?」
「おまえがイったらな。……ほら、我慢せずに遠慮なくイくんだ」
その途端。
蒔菜の膣内が絞りあげるように締めつけてきた。雑巾のように絞りとるような動き。いつもの蒔菜の、素直で乱暴なイくときの動きだった。
それに促されるように射精すると。
蒔菜が満足そうに甘い吐息を漏らした。その唇を背後から奪いながらも、まだとまらない射精を中に擦りつけていた。
この謎の男の正体は次回で。
BLも嫌いじゃないです。ですがこの話のヒロインは蒔菜ですので。
でも蒔菜の口調が毎回悩みます。好きなんですけどね、あの言葉遣い。