【グリザイアの楽園】楽園Another~雄二はみんなのもの!~ 作:千月華音
新生児室のガラス扉越しに産まれた子供を見ていたとき。
背後からツンツン、と背中を指で突かれた。
「ちょっと、お話いい?」
千鶴だ。
珍しい。いつになく険しい顔をしている。
お見舞いに来たというわけではないらしい。ガラス越しに見える赤ん坊には見向きもしなかった。
「……ああ。場所を移そうか」
病院の待合室にでも行くのかと思ったが。
千鶴は病院から出て、駐車場の自分の車まで歩き、扉を開けて俺を招いた。
「乗って」
どこに行くんだ。
そう聞こうとしたが、車に乗ったままエンジンはかけず、ステアリングに両手を乗せて深いため息をついた。
「話というのは?」
「……あのね。自分のしたこと、わかってる?」
なんのことやらわからんが。
思い当たることはないでもない。あれか、これか、と頭の中で思い返していると。
千鶴が怒ったような顔で睨みつけてきた。
「産科医に聞いたのよ。あなたたち、陣痛の直前までセックスしてたでしょ」
なんだ。
そのことか。
無事に産まれたんだし、問題はないだろう。
それともみちるに何か後遺症でもあったのか。
いや、赤ん坊を抱いているときは元気そうだった。
「松嶋さんは大丈夫よ。産後の経過も順調だってお医者様が言ってたわ」
「なら何も問題はないだろう。何をそんな目くじらをたて」
「あなたね! やっていい時と悪い時があるでしょ! もし流産でもしたらどうするつもりだったのよ」
……千鶴。
おまえの言うことはもっともだ。
その可能性を考えなかったわけじゃない。
だけどな。
俺はあの女が陣痛になれば出てくるだろうと踏んでいた。みちるのためならどんな痛みだって代わるつもりだとわかっていた。
それだけはさせたくなかった。自然分娩では痛みをすべて代替わりするだろう。だからみちるに陣痛の兆候が出るまえに俺が出産を促す必要があった。
それをどう言えばいい。
言えるか、そんなこと。
これはみちるの問題だ。墓場まで持っていくつもりだ。誰にも明かすつもりはない。
だから俺ひとりが汚名を受ければいい。
「夫婦で愛し合うことに何か問題でもあるのか」
「……っ」
「みちるには負担にならないように抱いたつもりだ。結果的に無事に出産もした。やったことは問題があるかもしれんが、俺は間違っていたとは思わない」
「風見くん!」
「千鶴。おまえが嫉妬しているのは俺が臨月のみちるに興奮したからだろう」
図星なのか。
千鶴は顔を真っ赤にして唇を噛み締めた。
そういえば、前に抱いたのはいつだったか。
あれから千鶴から声をかけてくることも、俺が声をかけることもなかった。
運転席の千鶴の身体を、腰に手をかけて引っ張り、膝の上に座らせると。
驚いて逃げようとする彼女の顎を持ち上げ、吸いつくように唇を重ねた。
「んん、っ……っ!」
嫌がって腕を突っぱねる。だが構わず強く抱きしめた。
感じる。咥内で千鶴の舌が震えていた。それを引きずりだし、絡めとり、喉奥まで深く犯していく。
おまえの嫉妬を感じるよ。
処女を奪っておいて、今さら何をするのかと怒っているのも、重ねた唇から伝わってくる。
いまその責任を取らせてもらう。
千鶴の顔越しに窓の外を見るが、もう夕刻からだいぶ過ぎた。暗くなりかけている駐車場には誰もいない。
このまま抱かせてもらうぞ。
俺はな。……前からこうやって、おまえを俺の思うがままにしたかった。
学園にいた頃から、おまえをからかっている振りをして、内心はおまえが欲しかった。
俺は年上の女に弱い。
それを欠片も感じさせない千鶴をからかうのは、正直、楽しかった。
「んぅぅっ……! は、……離し、てっ」
「嫉妬してる千鶴も可愛いな」
「……っっ」
「JBは嫉妬もしない可愛げのないやつだが、おまえは素直で可愛いよ。……千鶴。おまえを抱きたい」
「な……っ?! なに、考えてるのよ! あなた、父親になったのよ?!」
「浮気かってことか。問題ない。おまえが欲しいのは本気だ。俺はおまえも含めて島にいる女たち全員を孕ませるつもりだからな」
「……え?」
「一姫ともセックスした。……正直言うと、それで箍が外れた。実の姉とやったんだ。もう理性なんて消し飛んでいる。だから千鶴、おまえを抱かせてくれ」
「ほ、……本気なの?」
「ほら、これ。……なんだと思う?」
JBがわざわざビーチから拾ってきた。
俺がみちるに使ったコンドーム。まだ精液は入ったまま。さすがに透明なケースにしまっているが、それを見た千鶴がカッ――と顔を赤くした。
「見ての通り、膣内射精はしていないぞ」
「そ、そういうこと言ってるんじゃ……っ」
「これを見つけたのはJBだが、捨てずにこうしてケースに入れてまで持ってきたよ。俺に反省しろとでも言うつもりらしい。むしろ反省どころか、その場であいつを貫いてやったけどな」
「な……っ」
「千鶴、もっと嫉妬してくれ。いまのおまえは……ものすごくそそられる」
わなわなと震えだす千鶴を座席に押しつけて上から覆いかぶさった。
薄手のシャツから透けて見えるブラを手で揉みながら、スカートを捲り上げた。ガーターとレースのついた下着にほくそ笑む。
前に抱いたときも見た目のわりに大人っぽい下着をつけていることに興奮したものだ。年相応なのに、どうにもあいつらより若く見えるのだから困ったものだ。
ガーターを外そうとする手に、千鶴の手が抑えつけてきた。
「や、やめて……」
「手を離すんだ」
「風見くん、お願い……」
「千鶴。臨月のときのみちるはな、感度が凄まじく良くて、絶頂を何度も繰り返していた。そんなことできるのは蒔奈ぐらいだが、かなりいやらしくなってたぞ」
「う、……うぅっ」
「ほら、自分で下着をおろすんだ。俺のが欲しいのはわかっている。俺に入れて欲しいならいやらしくおねだりしてみろ」
千鶴の結い上げた髪を下ろしていく。
パサリ、――と落ちた髪を手で掬い、キスをすると、それ以上触らうとしない俺がわかったのか。
おずおずと。
ショーツの両脇の紐を外し始めた。
それだけで局部が曝け出され、むしろガーターを外さずとも繋がれる状態に、見た目以上にそそられた。
むあっと漂う女陰の匂い。狭い車内に充満する女の蜜の匂いに興奮が増していく。指でそっと陰唇に触れると、ビクビクッ――と大きく身体が痙攣した。
感じやすくなっている。
一人で慰めていたのだろうか。……放っておいて悪かった。
「千鶴。……おねだりしろ」
「う……」
「いいかげんにしないとこの姿を写真に撮るぞ」
ポケットから携帯を取り出すと、泣きそうな顔でやっと素直に言葉に出した。
「か、……風見、くんの……おちんちんを……入れて」
普段は絶対に言わない卑猥な言葉。
それを引き出せただけで満足した。千鶴。実を言うとな。
他のどの女よりも、おまえが卑猥な言葉を言うと興奮するんだ。
快楽に素直になればなるほど可愛くてたまらない。
両脚を持ち上げ、グググ、――と腹を押し潰すような恰好で一気に奥まで挿入した。
「あ、あ……う、ぁ……」
「かなり……濡れてるな。みちるとのセックスを言っただけでこうなったのか?」
「あう……う、……だ、って……ぐすっ」
「よしよし、泣くな。好きなだけ出してやるよ。前にしたときは避妊してたのか?」
「い、一応、飲んでたの……でも、もう」
「よし。なら遠慮なく中に出してやる。ほら、俺の背に掴まってろ」
千鶴が腕を伸ばし、両脚で腰をホールドしてきた。
その積極的に受け入れる姿に笑みを零し、むんっ、と容赦なく叩きつけていく。
途端にか細い悲鳴があがった。……なんて艶のある声だ。腰がとまらなくなる。
師匠の麻子は、女には優しくされたい時があると言っていた。
それがいま。男に身を委ねてあられない悲鳴をあげるときだ。どんなときよりも抱いている男に優しくされたいと女は思うものらしい。
ならば。
千鶴を俺のものにするために優しくしてやる。
ただし俺なりのやり方でだがな。
腰が動きだした千鶴に合わせ、ゆっくりとかき混ぜた。
激しく突くことはせず、膣内を蕩けさせるように回しながら捻りあげていく。そうしながらも彼女の中で粒状の部分にあたるのを感じ、前も知ってほくそ笑んだが、その卑猥な性器を撫でるように何度も擦りつけていった。
みちるにもあるが、まさか千鶴も持ってるとはな。
一千万人に一人とか言われている、カズノコ天井。膣壁の襞がそこだけ粒みたいにザラついている。ここを亀頭の敏感な部分で撫でるだけで男にはたまらない刺激だ。
みちるはここが弱く、あまり刺激することは避けていた。
なので千鶴にはここを重点的に感じさせてよがらせてやろう。
ほら……。
膣内がざわつきだした。引き攣るように締まってくる。やはり敏感な部分らしい。足の付け根も震えてきた。
「は、ぅん……」
「千鶴。気持ちいいか?」
こくこく、と素直に頷いた。縋りつくようにしがみついてくる。
みちるはいやいやと俺のペニスを遠ざけようとして、その動きもたまらないが、纏わりつこうとする千鶴の動きも淫らでたまらない。
ちゅ、とペニスの先端を膣襞が吸い上げてきた。本能的に俺の子種を求める動きに、息を呑んでグリグリと押し込めていく。
千鶴の感度のあがっている表情に煽られ、激しく唇を貪ると、もうなすがままに求めてきた。
「は、ぁああ、……っ、い、いいの……これ……いいの、ぉ……」
「おまえはいやらしいな……最高にエロい身体だよ」
「そう、……なの?」
「ここ、知ってるか? ほら……この部分っ」
「はぅんっっ」
「これがある女は滅多にいない。俺も師匠から教わったが、いればラッキーだと思えとまで言われた。みちるにもあるが、あいつのは敏感すぎて動けやしない。だけど……」
亀頭の先でその部分を抉りまわすと、千鶴は身悶えてより深く繋がろうと足を締めつけてきた。
「千鶴、もっと俺のをそこで求めるんだ。ほら、……ここでっ!」
「あうぅぅんっっ……! き、たぁああっっ!」
「すごいぞ……どんどん粒が膨らんで押し寄せてくる。く、ぅ……イ、イく……」
耐え切れず、最初の射精の波がやってきた。
襞に纏わりつかせたまま大量の精を叩きつける。その動きに反応するように子宮がおりてきた。
待ってろ、と笑みを浮かべて吸い上げようとするその口に残りの精液を注ぎこむ。
ちゅうちゅうと吸い込む動きに、卑猥すぎる千鶴の性器をただ全身で感じるしかなかった。
……ヤバい。
こんな名器だとは思わなかった。由美子以上だ。破瓜したときは気づかなかったが、こんなに卑猥だったのか。
ビクビクと痙攣して虚ろな表情を浮かべ、完全にアへっている千鶴を抱き寄せながら服を脱がせた。
全裸にしてから再び背後を向かせ、尻を高く持ち上げる。外から見たらどう見てもいい訳できない恰好だが、幸いというか辺りはもう真っ暗になっている。見えやしない。
指で膣口を広げ、中の精液が泡立っているのを見届けると。
再び勃起したままのペニスを鋭利な角度で挿入した。
やっぱり……。バックからのほうがさっきのカズノコによく当たる。それにだらしなく下りてもっと欲しがるかのような子宮口も、同時に突くことができる。
はあはあ、と止まらない腰に苦笑した。
立場上、俺は千鶴を避けていた。
別の男と結ばれる可能性も千鶴にはある。現に彼女は元CIRSのある男に惹かれているのは知っていた。
だから諦めようとしたのに。
……俺のものだ。
この俺を求めて蠢く性器は俺だけのものだ。他の誰にも渡すものか。
千鶴の想いがあの男に傾いていようと、今は俺を求めている。
背後から千鶴の顎をこちらに振り向かせ、口づけた。
苦しそうに喘ぎながらも舌を絡めてくる。そのキスが嬉しそうに快楽を受け入れていることを伝えていた。
「あ、はぁ……ん……か、ざみ……くん」
「……ん?」
「ま、松嶋さん……との……赤ちゃん……お、おめで、……とう」
……なんだ?
今さら出産祝いか。それもこんな状態で。
ありがとう、と言うべきか戸惑い、代わりに子宮の口を押し広げるように突き込んだ。
「はぁんっ!」
「どういたしまして。大切に育てるよ。俺よりもみんなのほうが嬉しそうだけどな」
「あ、はは……あの子、たち……すごく、喜んでるわ、ね……んんぅっ」
「千鶴、ほら、俺の膝の上に乗るんだ。姿勢を変えるぞ」
「あ、あ……動いちゃ、中から……出ちゃう」
「心配するな、もっと注いでやる。よいしょ……、ほら、真正面に抱きあった」
「雄二、くん……」
「ん?」
「パパに……なったのね。大人に……なっちゃった……のね」
「そうだな。……実感は、まだないけどな」
「こんなこと、しておいて……んっ、……実感、持ちなさい」
「千鶴、俺が下から突くから、おまえも腰を動かすんだ。……ふんっ! そら、もっと腰を、おっぱいを、揺らせ!」
「ああっ、はぁんっ、い、……いい! もっとぉ……っ!」
車が振動で動く。
それだけ激しく二人でまぐわっていた。警備員が不審に思うだろうか。構うものか。
二度目の射精を、千鶴の天井付近にまき散らした。
ビクビクと引き攣るのに構わず、続けざまに動かしていく。力なく寄りかかる千鶴の胸をむしゃぶりつき、手で揉みこみ、乳首を甘噛みしつつ、精液を出しながら膣内を耕していった。
優しく抱くつもりだったのに。
この女の、幼児体型にそぐわない淫乱な性器に煽られて、もう歯止めがきかなくなっていた。
「は、ぅぅ……」
「千鶴、ほら、飲め」
ようやくセックスが一区切りついて、近くの自販機からスポーツドリンクを買ってきた。
いまだ全裸の千鶴を抱きあげ、口移しで飲ませると、水を得た魚のように貪るように飲み干した。
「あ、はぁ……」
「落ち着いたか?」
千鶴が。
俺を見て微笑んだ。
思わずドキリ――と胸が高鳴る。
相変わらず少女にしか見えない可愛い顔だが。
その笑みは、不思議な大人っぽい艶を感じさせた。
「雄二くん……」
「なんだ?」
「責任、取りなさい。わたし、もうあなたなしでは生きていけなくなっちゃった」
くすっ、と笑うと、ムッとしたかのようにポカポカと腕で叩いてきた。
「なんで、笑うのよ!」
「俺がその言葉を一番聞きたかったんだ。千鶴を俺のものにしたかった」
「……え?」
「他のみんなと同じだ。千鶴、おまえが好きだ。俺の子供を産んで欲しい。妊娠するまで毎日セックスするからな」
ま、毎日……? と目を丸くする千鶴を抱きしめる。
避妊するなよ、と耳元で囁くと、千鶴は青ざめて腕の中から離れようともがいたが。
離さず、出した精液をなじませるように膣内を指でかき混ぜた。
思えば。
あのとき空港で、この女を銃弾で救ったときから、こうなることがわかっていた。
惹かれていたんだ、あのときから――ずっと。
狙った先にあったのは、千鶴の童顔でした。
一目惚れでしたが、それに雄二はずっと気づいてなかったというオチです。