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もしも最初の勉強会失敗のあと櫛田の悪態を目撃したのが沖谷だったら。
世界線の変更
原作
勉強会失敗
櫛田激怒(目撃者綾小路)
綾小路、櫛田のおっぱいもみもみ
その夜、綾小路は眠れない(むらむら)から一階ロビーの自販機に
堀北と堀北兄の会話乱入
堀北説得
勉強会再開
沖谷ルート
勉強会失敗
櫛田激怒(目撃者沖谷)
沖谷個人指導懇願
以下
堀北イベントスキップ
勉強会は再開されず、須藤退学(過去問は入手したが、基礎学力が原作以下の須藤は赤点回避まで10点が必要だったため綾小路断念)
Ⅾクラスは夏休み無人島試験までクラスポイント0で過ごす
沖谷京介編ー1 ボーイミーツガール
部屋の電気を消して目を閉じる。最近は不安でなかなか寝付けないことが多くなった。赤点を取ったら退学……。僕は数学がとても苦手だ。国語や英語は得意…とは言えないけど数学に比べれば遥かにましだ。勉強しなきゃと少しだけやる気を出しても、どうしても苦手な数学以外の勉強をしてしまう。僕はどうしてこんなに……
TELLLLLLL
【電話着信 櫛田桔梗】
僕のほとんど鳴らない携帯が暗闇を照らしていた。入学式の日に席が近いという理由だけで連絡先を交換してくれたクラスみんなの人気者、櫛田さんからの初めての連絡だった。
「ど、どうしたの櫛田さん」
『ゴメンねこんな時間に電話しちゃって。ちょっといいかな』
「う、うんっ大丈夫」
緊張して上手く声が出せない。
『明日堀北さんが赤点になりそうな生徒を集めて勉強会を開くみたいなんだ。池君と山内君、須藤君と綾小路君も参加するみたい。それでどうかな。沖谷君も私と一緒に参加しない?』
「そうなんだ。参加したい……けど……えっと…僕も小テストは赤点ギリギリだったから心配で…でも僕、…堀北さんが苦手で…」
ああどうして僕は素直に言えないんだ。
『大丈夫だよ。私が教えてあげるから。中学の時もクラスの勉強会で教師役だったんだよ。任せて』
「うんっそれなら…お願いします」
言えた。櫛田さんに勉強見てもらえるなんて凄いよ。やったー。
『ふふっ、そんなに嬉しそうな声出しても優しくしてあげないよ。私はスパルタ教師だから堀北さんよりずっと厳しいよ。できるまで家に帰さないから』
「…えっ…嘘…」
『冗談だよ。私は褒めて伸ばすタイプだから心配しないで。中間テスト頑張ろうね。…じゃあもう遅いから切るね。夜更かししないでちゃんと睡眠をとること』
【手取り足取り教えてあげる……ね。おやすみ♡】
僕の不安は解消されたが、逆に勉強会が楽しみすぎてやはり寝付けなかった。
***
最初の勉強会は失敗した。いや失敗ではなく崩壊、壊滅だ。ここから再建することなど不可能だろう。
それでも俺はこの勉強会を開催するため尽力してくれた櫛田に、謝罪とお礼を言うため敷地内を探し回った。今回はもうダメだが、櫛田と仲良くしておいて損することはないだろう。……決して下心があるわけではない……はず……多分。
櫛田らしき人物が校舎の中に入っていくのを見つけた。もう時刻は6時近くだ。櫛田が誰かと合流してたら明日にしよう、そう思いながら追いかけようとした所に、逆に俺のほうに沖谷が走ってきた。
「綾小路君! ハァハァ……櫛田さん……どこにいるか知らないかな? ……ハァハァ……どうしても謝罪したくて!」
膝に手を付き、息を切らしながら頬を赤らめ、俺を見上げる沖谷。華奢な身体つきに、ふわっとしたショートボブの青い髪。そして薄暗くて見えづらいが、前かがみになったことで、Yシャツの開いた首元の隙間から沖谷の慎ましい胸が露わになっていた。
俺は心の中で、「沖谷は男、沖谷は男、沖谷は男」と生理現象を抑えることに必死だった。
「櫛田ならさっき校舎に入っていくのを見かけたぞ。今なら追いつけるはずだ。悪いが俺の分も櫛田に謝罪しておいてくれ」
「ありがとう綾小路君。ちゃんと櫛田さんに伝えるね。……中間テスト頑張ろうね」
両手を掴んでぐっと距離を縮めて、俺を上目づかいで見つめる笑顔の沖谷。華の香り? ものすごく心地よい香りが鼻孔をくすぐる。抱きしめたい。だが男だ。
「また明日ねバイバイ」
走りながら振り返って小さく手を振る沖谷。可愛い。だが男だ。
沖谷も校舎内に入り、姿が見えなくなる。
……さてどうするか。
これからの事について思索する。
沖谷恭介。しっかりと会話したのは今日が初めてだ。……多分……男のはず。何回かあったプールの授業は全て見学だった。……いや沖谷が男子更衣室で着替えていたら間違いが起こってしまうかもしれない。……ダメだ違うそうじゃない。沖谷が男か女かはどうでもいい。
問題はクラスメイト全員の連絡先を知っている――堀北を除く――櫛田が敢えて沖谷を選んで勉強会に一緒に参加したことだ。そして勉強会の間もほとんど櫛田が付きっきりで教えていた。勉強を教えている櫛田は大胆で挑発的で二人の距離感は恋人同士のように近かった。……沖谷から感じた華の香りのような、鼻孔をくすぐる心地よい香りを前に学校の廊下で感じたことがあったはずだ。教室でも何回かあった。そして昨日も……そう櫛田だ。櫛田が俺の手を取り笑顔を見せた時だ。…………あの二人は特別な関係なのかもしれない。
クラスで一番可愛い女の子とクラスで一番可愛い男の子か。
俺の出る幕はないな。櫛田には一応メールでも謝罪しておこう。
……やっぱり沖谷は女の子かも。いやシュレーディンガーの猫だ。あれが観測されるまで沖谷は男の子と女の子が重なり合って存在している。
***
足音をたよりに櫛田さんを追いかける。多分屋上に向かっていると思う。
屋上に通じる階段を駆け上がると屋上の扉の前に櫛田さんの姿があった。
『あーウザい、ムカつく、死ねば「櫛田さん!!」
僕が話しかける前になにか櫛田さんが言っていた気がする。でもここには僕と櫛田さんしかいないし、電話していたとかもないみたいだ。よかった櫛田さんと二人きりになれた。
『……沖谷君。……ここで……何してるの』
普段よりも冷たい印象の櫛田さんの声。当然だよね。あんなことがあったんだから。
「その……ごめんなさい。僕は……池君に……違う…僕が悪いんだ。……須藤君が怖くて……堀北さんも苦手で……何もできなった。……ウウウ」
櫛田さんが階段を降りてきた。そして階段の踊り場にいた僕の両肩を掴み壁に押し付けた。凄く怒っている。櫛田さんに壁ドンされている。
『どうして私を追いかけてきたの。何か聞いた?』
櫛田さんは普段とは違う形相で、冷たい感情の籠った言葉で聞いてきた。
「綾小路君から櫛田さんがこっちに向かったって聞いて……それでどうしても謝罪したくて」
『ふ~ん。まあいいや。許してあげる。何も知らないみたいだし』
櫛田さんが拘束を解いてくれた。
そして目の前にはいつもの優しい櫛田さんがいた。もしかしたらさっきの櫛田さんが、家に帰してくれないスパルタ教師なのかもしれない。すごく怖かった。
『沖谷君……勉強会は多分もうできないと思う。私から誘ったのに……ゴメンね』
「違うよ。櫛田さんは何も悪くないよ。短い時間だったけど凄く分かりやすかった!」
『ありがと。………用事あるからもう行くね』
櫛田さんが背を向けて階段を降りていく。だめだここで言わなきゃ一生後悔する。
「櫛田さん。僕にもう一度勉強を教えてください。お願いします」
頭を90度下げて懇願する。櫛田さんの足音が止まる。
そのまま暫く何の音もしない。沈黙が怖い。
『それは堀北さんの勉強会がまたしたいってこと?』
感情の籠っていない声で聞かれる。
「僕は…櫛田さんに二人きりで教えてもらいたい…です。…ダメ…ですか」
『……顔を上げて沖谷君』
いつの間にか櫛田さんは僕の目の前に立っていて、そして僕の顔をじっと見つめてくる。近いよ。
『このまま目を逸らさないでね』
「う、うんっ」
櫛田さんと僕の身長差は多分5㎝ぐらいだ。でも猫背ぎみの僕と、いつも胸を張って背筋が伸びていて健康的で魅力的な櫛田さんの目線はほとんど同じ高さだった。僕はその瞳に釘付けになった。
『昨日話したよね。私ね、小学校でも中学校でも皆に勉強を教えてきたんだ。女の子にも男の子にも。それこそ平田君がやってるような10人以上での大人数だったり、小さいグループだったり、それにマンツーマン、二人だけの勉強会もやったよ』
櫛田さんの小学中学時代……羨ましい……絶対可愛いよ……。
『それでね。勉強会は皆でやるとちゃんと成功してたんだ。だけど二人きり、ううん女の子との二人きりの勉強会は凄く上手くいくの。……男の子、男の子と私の二人だけの勉強会は全然駄目だったんだ……。私が二人っきりで教えていた男の子はどんどん成績が悪化していった』
【ねえどうしてかな? ……沖谷君はわかるよね?】
「……それは……その……」
櫛田さんの瞳が僕の邪な心を突き刺してくる。
『私の質問に素直に答えて。いわゆる適正テストです。問題がなければ勉強会してあげるね』
テストという言葉、目の前で僕を監視する櫛田さん、僕は人生で一番緊張しているかもしれない。少なくとも高育を受験してときより遥かにドキドキしている。喉が渇き、呼吸が辛い。
『結構みんなから言われるんだけど、私、人と人との距離感ってやつが凄く近いみたいなんだ。誰とでも仲良くなって、こういうキスできちゃうような距離に入っちゃうの。……嫌かな?』
「ううん櫛田さんと近くで話せるの嫌じゃないよ…………大好き……です」
『ありがと。私も大好きだよ………沖谷君と話すの』
僕の渾身の一球は見事にホームランにされてしまった。自分でもわかるぐらい恥ずかしさで耳が真っ赤になっていた。
『近づいちゃうのは理由があって、今みたいに、すぐ近くで視線が交わると相手の心が視えるんだ。大雑把な感情はもちろん、細かい思考まで、例えばお昼ごはんに何を食べたいか、なんて事もわかるよ』
「そう……なんだ……」
それは流石に思い込み、勘違いだよ櫛田さん、という言葉を飲み込んだ。
『そうだね私の思い込みかもしれないね』
えっ……でも今のは話の流れで
『でも私はこの直観を信じている……ううん縋っているの。勉強でも運動でも女としても堀北さんに劣る私が、唯一誰にも負けないもの、……一番だと思えるものだから』
そんなことない。櫛田さんは日本で一番の美少女だ。誰が何といっても堀北さんより櫛田さんのほうが可愛いよ。
櫛田さんが優しく微笑んでくれた。僕の心がすこしでも伝わってたら嬉しい。
『日本一は言い過ぎだよ。……私を選んでくれてありがと』
嘘っ⁉本当に僕の心が全部みえているの⁉
『話を戻すね。それでね、中学校のとき、その男の子は勉強会で私を……』
そういうと、櫛田さんは僕の両手の甲に手を添えて、優しくゆっくりと男子みんなの憧れの場所に誘導してくれた。
あまりの突然の出来事に頭が追いつかない。僕は櫛田さんのおっぱいを触っている。
そのままの状態で櫛田さんがゆっくりと後ろの壁まで下がっていく。僕は両手を離すことができず、櫛田さんの胸を触りながら、そのまま壁に押し付けるような体制になった。僕が櫛田さんを壁ドンしている。
【……京介君……】
その言葉のあと、櫛田さんは僕の手の甲に添えていた手を離して、その手で自分の両目を隠すように覆った。
櫛田さんの星空のように吸い込まれてしまいそうな瞳が隠され、僕はやっと自分の意思で動くことができるようになった。そうして初めて目線を櫛田さん胸に向けることができた。
本当に、本当に僕は櫛田さんの胸を触っていた。
柔らかな感触が両手の、手のひら全体を通じて伝わってくる。
押し込めばその分だけ指が沈みこんだ。
僕は人生で初めて触れた女性の胸に我を忘れて夢中になった。
静寂の校内に僕の荒い息遣いだけがこだまする。
いったいどれほどの時間がたっただろうか。
ふと僕のほんの僅かに残った理性が綾小路君に何か頼まれていた事を思い出し、何をすべきだったか思い出すべく今の状況を確認した。
放課後遅くの誰もいない校舎の、誰もこない場所で、僕はクラスで一番可愛い女の子を壁に押し付けて胸を触っている。僕がどれだけ強く押し付けても、女の子は無抵抗で、声を押し殺して、両手で顔を覆って…………泣いているようだった。
僕はなんてことをしてしまったんだ。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。…僕は、僕は、…違うよ…こんなことがしたくて櫛田さんにお願いしたんじゃないんだ……うう……ごめんなさい」
その場に膝から崩れ落ちた。そのまま頭を地面に擦り付け、櫛田さん足元で僕は泣きながら謝罪した。
『そのままで質問に正直に答えて。嘘ついたら許さない。それと顔上げたら蹴るから』
「…うんっ」
『沖谷君は私の事好きなの?』
「僕は櫛田さんと仲良くなりたくて、…勉強会を通してもっと親密になりたかった。昨日櫛田さんが誘ってくれて凄く嬉しかった。僕は…櫛田さんが大好きです」
『私とはそんなにお話したことないよね。私の何が好きなの? 顔かな、身体は大好きだよね、あんなに夢中だったしね。本当は可愛い女の子なら誰でもいいんだよね』
「違うよ…僕は…、僕がクラスの自己紹介でパニックになったとき、櫛田さんが助けてくれた。それから櫛田さんをずっと見てた。…櫛田さんはみんなに優しくて、…でもちゃんと影でみんなを助けるために頑張っていた。今日だってそうだよ。僕たち赤点男子が休み時間もお昼休みもグダグダおしゃべりしてる時に、櫛田さんは僕たちおしえるための勉強の復習をしてた。櫛田さんからしたら凄く簡単な問題を僕たちが理解できるような簡単な言葉にしてくれていた。優しい櫛田さんが僕は大好き…。だから嫌いにならないで……グス」
『沖谷君、勘違いだよ。私は誰も見ていない所でみんなの悪口いってるような女だよ。本当はさっき聞いたよね』
「違う違う違う。櫛田さんの優しさだよ。チャットでも人前でも決して悪口は言わない。そんなの優しさでしかないんだ。櫛田さんは何も悪くない。……もうチャットは堀北さんの悪口ばかり。でも櫛田さんは誰の悪口も言わない。チャットで書き込んだりもしない。ただ誰もみていない所で悪口いってそれでおしまい。また明日には優しい櫛田になってくれる。みんなのために頑張って、それで何か酷い事があっても我慢して、誰も見ていない所で発散して、そしてまたみんなのために頑張ってる。そんな縁の下からみんなを支えてくれる櫛田さんを僕が支えたいんだ」
『…私は…堀北さんに、……池君も山内君も須藤君にも、何もしてくれない綾小路君も、…もちろん沖谷君にも怒ってたよ』
「そんなの当たり前だよ。櫛田さんだけ…櫛田さんだけが勉強会のためにちゃんと動いてた。堀北さんは自分の勉強のついでに片手間でやってるだけ。堀北さんは絶対人に教えた事なんかない。「分からない事があったら聞きなさい」って、僕たちが何が分からないか分からない、って事を分かってないんだよ。男子みんなもただ櫛田さんと仲良くなれると思って参加した。勉強なんてみんなやる気なかった。裏技みたいなものを期待してた。櫛田さんだけが、…櫛田さんだけが、その勉強会を何とかしようとしてた。勉強会のためだけに事前に準備をしていたのは櫛田さんだけ。だから僕たちみんな櫛田さんに謝らないといけないんだ。…櫛田さんは当たり前の事をいってるだけで、悪口なんて言ってない」
長い長い沈黙。まるで裁判の判決を待っている罪人のようだった。
『もういいよ。こっちに座って』
櫛田さんが土下座している僕の手を取って、階段に誘導してくれた。
でもまだ尋問は続くみたいだ。僕は階段の端に座らされ、櫛田さんがその横にピッタリくっついて座る。
僕は壁と櫛田さんに挟まれて身動きが取れない。そして僕の右手は櫛田さんの左手に絡めとられている。櫛田さんの手やわらかい。
『まずおっぱいを触った事は許してあげます。私も沖谷君を壁ドンしたからね、沖谷君に壁ドンされた事許してあげます。おあいこだね』
『それに沖谷君は私が泣き出す前に放してくれたし、ちゃんと謝罪してくれた。うん、あの男の子とは違うね』
やっぱりさっきの櫛田さんは中学校時代にあった酷い事を再現して僕を試していたんだ。二人だけの勉強会。多分学校とかみんなの目につく場所じゃなくて、櫛田さんの部屋とか、その男の子の部屋とかそういう場所だったんだと思う。
櫛田さんは一生懸命教えた。でも男の子は櫛田さんと一緒にいて、肩が触れたり、手を握られたり、下着が見えたりして我慢できなくなった。そして櫛田さんを押し倒して乱暴に胸をさわったんだ。櫛田さんが泣き出すまでずっと。
僕は……その男の子と同じだ。綾小路君が謝罪しておいてくれって言ってたのを思い出して僕は冷静になれただけだ。それがなかったら僕は櫛田さんが泣き出すまで、……もしかしたら泣き出しても胸をさわり続けたかもしれない。僕は最低だ。
「ウウ…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
『もう泣かないで。大丈夫だから。私から沖谷君を試したんだから全然悪くないよ。それに凄く優しく触ってくれたから怖くなかったよ』
櫛田さんは僕の右手を両手で優しく包んでくれた。
僕が落ち着くまでそのままでいてくれた。
「櫛田さん。ありがとう」
『よしよし男の子は簡単に泣いたりしたらダメだよ。……ギリギリだけど適正テストは合格です。勉強会してあげるね』
「えっ……本当に。……櫛田さん、ご指導よろしくお願いします」
櫛田さんと繋いでいる手に力がはいってしまう。そのまま首を横に向けると櫛田さんも僕を見つめていた。
『沖谷君。告白の返事です。……私オドオドして自信ない人は嫌い。沖谷君とは付き合えない。ごめんなさい』
「……うん」
涙を堪えて、櫛田さんの返事を受け止める。
『私は結構モテるから告白された事多いけど、泣いて土下座しながら告白されたのは初めてだったよ。ふふっ。……今回は赤点だったけどいつでも再挑戦していいからね。次は堂々と告白して私の事キュンキュンさせてね』
「……また告白してもいいの」
『いいよ。でもそんなに多いと困るから学期毎に1回、年3回までだよ』
「うん、僕頑張るよ」
でも櫛田さんはクラスで一番人気だ。男子はみんな櫛田さんと付き合いたいと言ってる。池君も山内君も伊集院君も本堂君も櫛田さんの事が好きだっていってた。綾小路君だって「櫛田可愛い」って小声で言ってた。他のクラスの男子もみんな櫛田さんが好き。僕じゃあ……
『大丈夫。私そんなに簡単に付き合ったりしないから。中学のときも彼氏はいなかったよ。……私は最初に付き合った人と結婚して生涯を共にしたいの。だから彼氏は妥協したりしないよ。……沖谷君頑張ってね。待ってるから』
櫛田さんは言葉にできない僕の心の内を汲み取って、自然に会話を繋げてくれる。僕のように会話が苦手な人でも歩み寄って優しくリードしてくれる。大好きだよ櫛田さん。
「ありがとう櫛田さん。僕は必ず櫛田さんにふさわしい男になるから」
櫛田さんはこんな情けない僕を見捨てないで、そして僕の告白に真剣に答えてくれた。櫛田さんはやっぱり優しい人だ。
『うんうん、じゃあまずは退学にならないようにお勉強だね。沖谷君との勉強会に3つのルールを課します』
1 絶対に他人に知られてはいけない。
2 成績が落ちたら解散。
3 勉強中に余計な事を考えてはいけない。
櫛田さんがそれぞれルールの細かい説明をしてくれた。
1番は今日の事含めて、勉強会は誰にも言っちゃダメとの事。櫛田さんは人気者だから、みんな櫛田さんに勉強を教えてもらいたいはずだ。絶対に誰にも言えないよ。
2番は当然だ。櫛田さんの中学校のトラウマ。教えていた男の子が成績が悪くなっていって、最後は多分あんなことになったんだ。
3番は難しいよ。どうしよう。無理かも。
「櫛田さん。えっと3番の余計な事を考えてるって判定基準はどこまでOKなの? 僕櫛田さんとこうして肩が触れ合ったり、手を握られたりしたらドキドキして集中できないよ」
少し考え込む櫛田さん。
『じゃあ3番は外見で分かる禁止事項にしてあげる。私の目をしっかり見て、絶対逸らさないでね』
櫛田さんとの距離が今までで一番近いかも。鼻と鼻がぶつかりそうだ。可愛いよ櫛田さん。
『さっきのこと思い出して』
「えっと……」
『私を壁に押し付けておっぱい揉み揉みしたこと♡』
「それは……」
『ダメ、ちゃんと集中して。余計な事考えちゃダメ。私の胸だけ思い出して』
櫛田さんは手を繋いでいる僕の右腕に左腕を絡ませ自分の胸に押し付ける。
『今、沖谷君が触れているのはDカップだよ。そのⅮカップおっぱいを沖谷君はさっきずっと独り占めしてたんだよ。どうだった?』
「……凄くすごかったです……っああ」
『うんうん、沖谷君もちゃんと男の子だったんだね』
櫛田さんに僕の硬くなったオチンチンを鷲掴みされた。
「ごめんなさい。許して、っああやだやめて」
泣きそうな声で櫛田さんにお願いする。でも櫛田さんはさらにギュッとしてきた。
『もし勉強会中に勃起したら、あんたにレイプされそうになったって学校中にいいふらすから』
「ごめんなさい。オチンチン勃起してごめんなさい。ごめんなさい」
言葉とは裏腹に僕のオチンチンは益々硬く大きくなっていた。
『勉強会の前に、自分でシコシコして立たなくなるまで出してくること。いい、約束よ』
櫛田さんが言っている意味が僕には理解できなかった。勃起しちゃったら小さくなるまでただ待つしかない。
「わかんないよ、オチンチン大きくなったらどうしたらいいかわかんないよ」
「……沖谷君はオチンチンから白いおしっこしたことないの?」
「知らない。僕そんなの知らない。白いおしっこしたことないよ。オチンチン離して、お願い」
櫛田さんが妖艶な笑みを浮かべる。怖いよ捕食者の目だよ。
『沖谷君にはやっぱり個別指導が必要だね。私とHのお勉強をします』
「Hっ……それって」
『勘違いしないで。ただの保健体育のお勉強、それから実技演習』
櫛田さんは僕のオチンチンを強く握ったまま囁く。
【今日の10時に私の部屋にきて。事前にお風呂に入って、いつも着てるバジャマで来ること。誰かに相談したり、もし逃亡したら一生後悔……ううん、女の子にしてあげる】
櫛田さんがさらに強く握り締め、僕は痛みと恐怖と快感で意識を手放した。
各ルート、櫛田桔梗の胸をさわることから始まります。展開、台詞回しが類似してしまいますがご了承いただきますようお願い申し上げます。