プロローグ
――宇宙に浮かぶ船。決められた数値に合わせて変化する偽物の空。
造られた闘争、管理された肉体。
オラクル船団。この宇宙の全てを紐解くため、マザーシップを中心とする巨大な宇宙船団は数多の銀河を航行する。
そして、わたし達はアークスだ。
宇宙に跋扈する不倶戴天の敵、ダーカーを滅するために存在しているが、同時に、未知の惑星を探索する義務も存在している。
わたし達は、フォトンを当たり前に使えないといけない。いや、市民ですら、フォトンを受け入れて当然なのだ。
……だが、わたしは違う。
超弦理論に基づく高次元的物質。正の向きに進行する時間の動き。シナプス結合体。ユニゾン波による思考共有、グラニエルによる運命改変、別次元への断層、フォトンを拒むエストレラセレスの加護。
わたしの視界は大体、"見えてはいけないもの"が見えている。
否、この表現は間違っているだろうか。
それらは異物ではない。それらが見えるわたしこそがまさに、存在してはいけないものなのだろう。
オラクルにいると、そう思わされる。
窮屈だ。この世界もこの体も、みんな窮屈だ。
全て消えてなくなればいいと遙か昔に願った。
愛した物を守れない自分も、愛した物を消そうとする世界も、みんないらないと思った。
これは誰の記憶かわからない。いや、きっとおそらく自分のものなのだろうが、自分のものだとは思えない。
わたしは確かにここにいるはずなのに、みんながわたしを不気味な異物のように、排斥されなくてはならないもののように見てくる。
この世界には誰も自分を肯定してくれる人はいないんじゃないか。
わたしは誰からも愛されないまま、無駄に死んでいくしかないんじゃないか。
それでもここに居られたら。
それでもこの世界に少しでもしがみつけたら。
それでも、誰かがわたしを愛してくれるというのなら……
「――ヴィ、レヴィ」
声が聞こえる。脳の奥底まで響くような、低い声が。
「レヴィ」
瞳が見える。血よりも赤いその瞳が。
「レヴィ。僕と貴様は――」
彼の全てが見える。特徴的な二色の髪、涙のような赤いタトゥー、長い耳、長身の筋肉質な体格。
そして、はっきりとわたしを見つめて笑みを浮かべる、愛おしい貴方の表情……
「バディ、でしょ!」
――それは、太陽が隠れ、闇が空を覆う夜の物語。
夜空に輝き、流星となって燃え尽きるまで、星はその生を謳歌する。そして、この宇宙も破滅を待つ大きな星の一つなのだと、私達はいずれ理解する……
二章で大体どれくらいの話数になるかを計算していた所、それなりに長くなりそうなので三章もしくは四章以降を続編という形で作品を分けるか検討しています。話数が長すぎると管理が少々面倒なのと、読者からしても見にくいのでは?と思ったため。
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続編として作品を分ける
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分けないで一つの作品でまとめる