※この作品はR-18です。

MIDNIGHT   作:Libby博士

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幕間⑨(2)(R18G)

「これ、ちょっと見て?」

 

 レヴィはナイフに触れていない方の手から丸い玉のような物を取り出す。

虚空機関謹製痺れ玉だ。

これの面白いところは球体に描かれたマークを見るだけで確実に体が数分間麻痺するのだ。

 所有者はそのマークを見ないようにして相手に向け、相手の痺れを確認したらそれを隠しながらしまうだけ。

 曰く、我々の体内に内蔵されたエネルギー変換機構に反応するようになっているため、人間にしか効かないらしい。

 

「……ッ?!」

 

 痺れると喋ることも出来なくなる。

 レヴィはその姿を見てクスクスと笑いながら流れるように手枷足枷を付けて路地裏に連れ込むと、それぞれを壁に拘束してからハッキングして市街地防衛用の隔離領域を作動させ路地裏を塞ぐ。

 

「ふふん、びっくりしたでしょう?どうして自分たちがこんな目にあってるのか全然わかんなーいってねぇ」

 

 当然だ。向こうの視点から見れば女が突然話しかけて来たと思ったら家族全員縛られて路地裏に拘束されているのだから。

 しかし、レヴィの視点から見ればまるで積年の恨みを晴らすかの如く爽快な気分だった。

 

「この世界において人間が虐げられる理由は二つしかないの。虐げられる地位の人間だからか……運が悪いか」

 

 レヴィはまるで講義をするように腕を後ろで組みゆらゆらと歩くと、少女の前で足を止める。パッと見た感じ、6歳程度だろうか。

 

「わたしはヒトの事をよく理解してる。男を虐げるにはどうすればいいか、女を虐げるにはどうすればいいか、子供を虐げるにはどうすればいいか」

 

 レヴィは静かにかがみ込むと少女の服に手をかける。

 

「殺人の裁定は大人より子供の方が残虐とされる。また、男より女の方が悲惨とされ、性暴力は罪がさらに重くなる」

 

 麻痺して叫びをあげることもできない環境下、レヴィはわざとらしく服をナイフで切ったり下着をずらして脱がしたりして、至極大事に育てられて来たであろう少女の服を剥がしていく。

 

「罪の重さとはつまり、快楽の量なんだよ。罪とやらが重いほど、快楽がずっと重い。男を犯すより女を犯す方が気持ちいいから、大人を犯すより子供を犯す方が気持ちいいからもっと罪が重くなるんだよ」

 

 彼女の意図を探るため、親はレヴィの話に耳を傾けていたが至極理解出来なかった。

どんな環境で、どんな教育を受けたらこのような思考になるのか。

貧富や能力でも有り得ないだろうこの思考回路は、まさに狂っているとしか言いようがなかった。

 レヴィが近くに落ちていた廃材のパイプを手に取り、くすくすと笑っているとついに麻痺が解除され拘束から逃れる度に足掻き始める。

 

「嫌ァァァアアッ!!!」

 

 寒い冬に脱がされ、凍えながら恐怖に泣き叫ぶ少女と、レヴィにありとあらゆる罵倒を投げかけながら必死に逃げようとする少女の家族たち。

 レヴィはパイプを持ったまままるで指揮するように体を動かす。

 

「わたしね、最近ギターとかバイオリンとかピアノとか、色々楽器を始めたの。楽器ってさ、自分が上手なアプローチを掛けることで素敵な音色を奏でることが出来る。これって人間と同じじゃない?」

 

 そしてパイプを振ると、少女の頭を強く叩く。

 

「う゛ッ、あ、ひぎゃああああああッ!!」

 

 打たれた部分が赤く腫れ上がると共に泣き声はさらに強くなり、金切り声のような甲高い叫び声が辺りを悲惨に埋め尽くす。

 しかし防衛用の隔離領域は一時的なシェルターの代わりでもあり、ダーカーの侵入を防ぐための対策がされている他防音性能も高い。

 ここはレヴィにとっての劇場だ。

 

「打楽器みたいに叩けば骨が折れるし、弦楽器みたいに神経を刺激すれば障害を与えられる。音が出るだけじゃないってところが、美しい所だよねぇ」

 

 レヴィは少女の毛も生えていないいたいけな性器にパイプで触れ、柔らかく叩く。

 

「そうでしょ?そうだよね……あ、ふふっ、マンコはね、小さい内にちゃんと拡げておいた方がいいよ。スラムとかで強姦されてる女なんて何人も見たけど、膜着いてると拷問かってくらい痛いらしいから」

 

 レヴィはまるで誰かと会話しているかのようにニコニコ笑っているが、誰もそんなことは言っていない。

 

「早く離せッ!つう、通報するぞ!」

 

「あっわたし?わたしはねー、そういうの誘われたりしたらありえないくらい高い金額提示するの。そうすると正当に殴っていいって許可が出るからね?」

 

 レヴィは上着を広げる。

 可愛らしいロリィタコートの裏地には無数のポケットが縫い付けられており、中は小さなオセロ盤から爆弾まで多種多様に入っており、歪に膨らんでいた。

 10kg近くあるコートを難なく動かし、ローションやアルコールがある中でわざわざマシンオイルを取り出すと少女の股に掛ける。

 

 そしてレヴィはパイプを少女の小さな穴に這わせると無理やり押し込み、ブチブチと引きちぎって中へ押し込む。

 

「いやぁあああッ!!いだいいいッ!!」

 

「私が代わりになりますからっ!わた、私が代わりにやりますからどうかおやめ下さい!!」

 

 レヴィにとっては周りの声も少女の悲鳴も動物の鳴き声のようにしか感じない。

 いや、レヴィは小動物の類を嬲ったことは無いから虫以下だろうか。

 

「ステキ、……ステキ……♪」

 

 レヴィはパイプから手を離すと足でパイプを蹴り、無理やり押し込んではガンガンと踏んで中で暴れさせる。

 

「あ、たっぷりあっためといたほうがいいな。おしり虐める時にもっと楽しくなるし」

 

 と言いつつも、レヴィは雨で出来た冷たい水溜まりに目を向ける。

 小さな陰部の中を擦れて尖ったパイプが殴るように暴れ回り、子宮が破壊され、パイプを伝って血が零れていく。

 

「残念だなぁー、氷のテクニックが使えればあの水を冷やしてぶっかけられるのに……あ、そうだそうだ、本には色々面白い事が書いてあるの……」

 

 レヴィは首の上では柔らかく微笑みながら雑談のような軽い与太話を繰り広げ、首から下では少女の体を嬲る。

 近くにあった汚いボロ布を雨水で濡らし、少女の顔に被せてぴったり口に合わせると、少女は案の定顔を振ってそれを剥がそうとする。

 それに苛立つ様子もなく、声をかけることも無く、レヴィは笑顔のまま少女の顔を何度か殴り首を絞めて落ち着かせると、改めて顔に布を被せてしっかりと顔と濡れた布を接着させた。

 

 それから、バケツに溜まった雨水を手に取るとゆるりゆるりとかけ始める。

 

「〜〜〜ッ?!!んう゛ぅ゛ぅ゛ーーっ?!」

 

「ホントは傷口に熱い油掛けられるのが一番イヤなんだけどさぁ、ないんだよねぇ。ほら、家で揚げ物した時油の処理に困るでしょ?そんな時、倉庫に一人奴隷を置いておけばそいつの体にぶっかけるだけで油の処理が完了するワケ」

 

 呼吸を塞がれた上無理やり不潔な水を注がれ、体がビクビクと跳ねて激しく抵抗を始めるとレヴィは少女を踏みつけながらさらに続ける。

 水責めと言うやつの中でもかなり苦痛を与えられる上持ち運びも楽な方だろう。

 

「ふんふん……ふふふん、ふふっ……」

 

 レヴィは周りの罵詈雑言を愉快に聴きながらコツコツ拷問に勤しんでいたが、流石に四人いて一人に集中するのは退屈なようで段々手つきが雑になっていく。

 

「時間が欲しいな……こういうのって、寝かせた方がおいしいんだよね……」

 

 レヴィはゆらゆらと歩くと突然標的を父親に変えたのか思い切り男の顔を蹴り上げ、足を銃で一発撃つ。

 

「ごめんちょっと考えさせて?どこに置くか迷ってるの。わたしの船は清潔だから置いても意味ないんだよね。環境って結構大事でさ」

 

「うぅうううッ?!!」

 

 レヴィは男の足から血が流れ落ちていく様を見て、その傷口を抉るように砂のついた靴で先を踏みつけるとわざどらしく顔を顰めて考え込む。

 

「むぅう……この辺詳しくないんだよなぁ。監視つけたらちょっと放置してもいいかな?」

 

 レヴィのきゅるきゅるとしたぶりっ子な様子に耐えられなくなったのか、ついに男は頭を振ってレヴィの足に叩き付けると荒く叫び声を上げる。

 

「このクソアマ!!豚以下の産業廃棄物がッ!殺してやるッ!!」

 

「……」

 

 レヴィは目をぱちくりと動かして男の方を見た後、突然顔を歪ませた。

 

「黙れッ!!」

 

 怒鳴り声の後、レヴィは何度も何度も乱暴に男の股間に足を落とし怒りのまま痛みを与える為だけに暴力を与える。

 

「どうせ死ぬだけの癖にッ!ごちゃごちゃ喚いてんじゃねぇよこの貧タマ粗チンクソ野郎ッ!!」

 

 レヴィは手を出すと直ぐに全力で男の顔を殴り付け、徹底的に虐め抜く。

 鼻を砕き、歯を折り、目を潰し、顔を出来の悪い珊瑚のようにボコボコに膨らませるとため息をついた。

 

 正体見たり、と言わんばかりの余裕のなさそうな豹変ぶりだ。目の前に居る者は背の小ささや幼げな顔つきとは掛け離れた凶暴な獣を内側に内包させている。

 

 しかし、レヴィは突然ニッコリと笑顔になり血が垂れる手を気にすることも無くふわふわと男の顔を覗き込んで笑った。

 

「なーんちゃって?えへ、キミのモノマネ〜」

 

 垂れた血は黒いコートに僅かな色の変化だけを残し、彼女の丸く柔らかい手は顔を潰す程殴ったとは思えないほどその愛らしさを残している。

 

 レヴィは拳を振るっている間に妙案が浮かんだようで、楽しそうににこにこと微笑むと空いた手で端末を取り出し画面を眺める。

 

「人の出入りが調査出来るし、適性があるか確かめられる……」

 

 マップで行く予定だったドームの場所を確かめると、レヴィはメッセージを送り少し待った。

 

「……ん」

 

 レヴィは先程までの過剰な怒りも過剰な喜びもなく、卑しく口をニヤつかせてゆらゆらと忙しなく足を揺らす素の様子で辺りを見渡していた。

 すると、レヴィの横に空間侵食が発生すると共に小型の有翼型ダーカーが現れる。

 

「っひ?!」

 

「ダーカーッ!!」

 

 レヴィにとってはそんな声も全て子供だましの玩具のようにしか聞こえない。

 欲しいのはもっと心の底から恐怖し、もしくは怒り狂い、感情を高ぶらせる姿だ。

 

「ねぇねぇ、市民用の学校ってダーカーについてどんくらい習うワケ?」

 

「……」

 

 レヴィは母親の方に近付いて見下ろし、声を掛ける。

 現れた有翼型ダーカーのシュトゥラーダは地面に足を着け、甘えるようにレヴィの脛に擦り付いていた。

 

「ダーカーを操ってる……?」

 

 少年の出した声にレヴィはうんうんと頷き、微笑む。

 

「ウン、そうそう。じゃあ、少年少女、それから世間知らずの大人のためにこの"僕"が指導してあげよう」

 

 レヴィは明らかに声が変わり、意図的に低く落ち着いた、文学を朗読する時のような淡々とした声で紡ぐ。

そして片目を閉じ、血の着いた方の手で特有の歪曲した曲線を入れると壁に寄りかかった。

 反抗した父親の殴られる様子を見た後からか、母親と少年は反抗することなく震えた体に怯えた目でレヴィに頷いた。

 

「まず、人にヒューマン、ニューマン、キャストがいるように、ダーカーにも種類がある」

 

 レヴィはそこまで言ったところで、頭の中に何故か当たり前のように消えていた第四の種族を思い出しつつ、口に出さなかった。

 デューマンはレヴィ自身の種族でもあるが、彼女はよくヒューマンと勘違いされる。

オッドアイもなく、角も幼少期へし折られてから生えてこなくなったせいだ。

 そもそも、レヴィの記憶の中では自分が角を持っていたという感覚すら薄い……

 

「蟲系、魚介系、有翼系、それと最近は玩具系という種類も見つかった」

 

 レヴィは父親の足の傷口を踏みつけて荒い砂を擦り込みながら教授ぶった様子で話す。

 

「アークスの教育下では、人という種族に上回る物は同じ人の形をした上でより高いフォトン操作能力を持った旧人類、フォトナーだと言われている。それに対してダーカーはまるで家族のように同一種内で力や大きさに差のある個体が数多く存在する。これ以上大きいのだっていくらでもいるが、ここは少し狭すぎるか……」

 

 レヴィはダーカーを持ち上げて抱き寄せると、そのまま優しく撫で始めた。

 

「なら、ダーカーにとっての親とは?って話になる。それこそがダークファルス。40年前にアークスを壊滅に追い込み、最近復活して討伐作戦が行われた【巨躯】が一番有名だろうか?」

 

 顎に手を置き、少し考えこんだような素振りを見せる。

 

「そして、【巨躯】は魚介系のダーカーに類似した見た目を持ち、魚介系のダーカーを生み出して使役出来る。これはつまり、ダークファルス【巨躯】が魚介系ダーカーの親であり、その種の頂点であるという事だ」

 

 レヴィは意図的に他者の真似をしている。

だが会って数十分の他人にはそれが他者の真似なのか、それとも本来の姿なのか判別がつかない。

 最低限分かるのは、今のレヴィはまるで別人のようだ、ということだけだ。

 

「そして、同様に蟲系ダーカーは【若人】、玩具系ダーカーは【双子】、この有翼系ダーカーは……【敗者】とされる。そして【敗者】と言えば……市民諸君も聞いたことがあるんじゃないかな?」

 

 レヴィは端末を取り出し、【敗者】の指名手配書を出した。指名手配されている姿は虚空機関総長であるルーサーの顔が映っていたが、レヴィは彼らの戸惑いにすぐに答えを出してやる。

 

「ダーカーは万物を侵食して顕現する。ダークファルスはより多くのフォトンを求め、兵器や小動物という域を超えアークスやフォトナーの身を選ぶ。そして何より、ダークファルス【巨躯】はそれに相応しき力の依代を見つけてそこに乗り移り、完全な復活を遂げたんだ。【敗者】も同じことが言えると思わないだろうか」

 

「ばっ、……化け物……」

 

 その声にレヴィは目を向け、目を細めてにっこりと笑った。

 

「ふふ、"わたし"は化け物じゃないよ?化け物はなるのが難しいの。でも、人を殺すのはとっても簡単だから」

 

 レヴィはわざとらしくナイフを手に取りからからと動かすとそれを落とし、それは女の前に転がり落ちる。

 

「キミ達の手でもできるし、子供でも出来る。ただナイフを持って、それを何度も刺すだけ。だろう?お嬢さん」

 

 レヴィはわざわざ女の拘束を解いてやり、にやにやと笑う。

 本来ならこの場からすぐにでも逃げ出して助けを呼ぶのが正解に近いが、女は足元にあったナイフの艶めきに囚われ、衝動にも近い殺意を燃やしてそれを掴む。

 

「う、……ぅ、うぁぁああッ!!」

 

 そして女はレヴィに向かって思い切り降りかかり、彼女の胴を切り裂こうとするが。

 

「あ、少年。ひとつ言い忘れていたが、簡単に殺す為にはナイフを握るだけじゃ足りない。何かしらの"エッセンス"が必要になる」

 

 レヴィははらりと避けて後ろに回り込むとまるで決められた工程をなぞるかのように女の腕を抑えナイフを落として抱え込み、地面に押し付ける。

 

「例えば、体を鍛えて相手を凌駕する制圧力を得るとか…」

 

 そして腕を曲げてはいけない方向に押し付け、レヴィは全身を使ってパズルを嵌めるように女を制圧する。

 

「がっ、ぁ、あっ!!」

 

「例えば、相手の不意をつくとか……」

 

 護身術の部類は制圧後にすることは周りに助けを呼び通報したりだとか、拘束したりだとかという話になるが、レヴィがそんな日和った真似をするわけはなく、当然のように女の指を掴むとへし折り、爪を掴んで思い切り剥がす。

 

「あぁあああッ!!」

 

 絶叫が響く中レヴィは女の拘束を解放するとすぐに腹に向かって踵を落とす。

 視線も話題も女に向けることも無く、ひたすら少年に向けて得意げに話しながら、レヴィは耐えず女の腹を踏みつけて足で内臓を潰していた。

 

「何より、運が自分に味方することを祈るんだよ。信心深いことは、自分の望みを叶えるのに必須だ」

 

 そして、女の下着には染みが出来、血液が床に広がっていく。

 その姿を見るとレヴィは思わずくすりと笑い、嘲笑した。

 

「あははっ、……一人殺しちゃった!」

 

「あっ、……ぅあ、ぁああああっ、ああああぁぁあッ!!」

 

 女は第三子を妊娠していたのだ。レヴィはそれを分かっていたのか、それとも分かっていなかったのか、どちらにも取れるような素振りで泣き叫ぶ女の顔を蹴り上げてケラケラと嘲笑を繰り返す。

 

「さて少年。大人の世界を生き抜く為には必要不可欠な事がある。それはなんだと思う?」

 

 女の口に無理やり鉄棒を入れ、胃の中の物や傷ついた喉から溢れる血を吐かせながらレヴィは少年に向けて振り返る。

 

「……ち、……力?」

 

「うんうん、悪くない回答だ。しかし力というのはあまりにも漠然とし過ぎているからね。適切な回答ではないかな」

 

 レヴィはゆらゆらと揺れてにっこりと笑い、静かに言葉を紡いだ。

 

「答えは"嘘"だよ」

 

 レヴィの背後からダーカーが現れ目を赤く光らせる。

 瞬間、目の前が眩んだかと思うと全員が暗く所々が破損した建物の中にいた。

壁からの拘束は剥がれているが、抵抗しても無意味というのは皆が既に察している。

 

「……あはっ!そういえばわたし見学に来てたんだった、こんなとこでモタモタしてられないねー」

 

 レヴィはまた最初のような様子に戻るとわざとらしく笑い、可愛らしく体を揺らして血まみれの手を水で流す。

 

「じゃ、キミ達はここに寝かせておくね。またすぐに戻ってくるから、それまで楽しみにしといてね?」

 

 レヴィは女を再び拘束すると少年を除く家族を天井から鎖で吊るし、シェルター用の防護壁の準備をする。

 

「少年はわたしと一緒におさんぽしよっかぁ」

 

 そしてレヴィは少年を一度殴ると拘束を外し、彼の服に手をかけた。

 

「家畜に服は要らないから脱がそうね」

 

 レヴィは少女の時とは違い破ったり切ったりすることはなく丁寧に脱がし、小さな生殖器を見てケラケラと笑いながらつつき、裸体にしていく。

 

「それから、逃げられないようにリードも付けるの」

 

 大人用の黒い首輪を取り出すと少年の首にグルグルと巻き付けてテープで拘束して、リードを結んで引っ張った。

 

「それから……」

 

 レヴィは少年を四つん這いにさせ歩かせようと考えていたが、両親がひそひそと小声で何かを話していることに気づく。

 

「きっと、きっとアークスが助けに来てくれるわ……」

 

 どうやら移動した事で人目に着くかもしれないという可能性を考えたのか、希望をまだ抱いているようだった。

 

「んー?ムダムダ。わたしにはアークスを撹乱するだけの力があるんだから。あんだけ叫んでダーカー出しても誰も寄り付かない時点で分かるでしょ?」

 

「……」

 

 確かに、普通ならダーカー一匹でも侵入すれば直ぐに警報が鳴り響き避難になる。

それなのにダーカーやダークファルスのような強大な存在が居るというのに騒ぎの声の一つも聞かないのは異常だった。

管制が操作して黙認していると考えるのが普通だ。

 両親はそれを聞いて黙ったが、少年はまだ希望を捨ててなかった。

レヴィがダークファルスであると名乗りながらも、まだ自分達のような罪なき存在がこのような辱めを受けるに値しない存在だと信じていた。

 

 少年は身ぐるみを剥がされながらも諦めず、絞るように声を出す。

 

「怖いダークファルスだって……ルビィのようなアークスが居れば……」

 

 しかし、それがレヴィの踏んではいけない地雷を踏むことになった。

 

「……」

 

 レヴィは瞬間少年の方に近付き、彼の首を掴んで持ち上げる。

 

「う゛ッ?!」

 

 レヴィには心の底から沸き立つようなおぞましい憎悪と殺意に満ちた歪んだ表情を浮かべていた。それは先程までの父親との攻防で向けていたような分かりやすい怒りの顔ではない。

 本気で心の底から怒り狂っている時の、猛獣という言葉では足りない程のまさに怪物のような殺意が少年に突き刺さる。

 

 視線のナイフが心臓を貫いたかと思えば頭から全身に衝撃が広がり、少年はレヴィに思い切り叩きつけられた。

 

「ッう゛ぁああ?!!」

 

「黙れッ!!」

 

 最早音色でも鳴き声でもない。不愉快な雑音だ。

 "あの女"を崇拝するやつなど醜い。

レヴィは足を振り上げ少年を踏む度にルビィから向けられた冷たい視線や侮辱の言葉を思い出し頭を生理的な嫌悪で沸き立たせていた。

 

「そのクソ女の名前を口にするなッ!!愚図でゴミの無能未満がッ!!むかつくむかつくむかつくッ!!」

 

 少年の小さな生殖器もルビィを崇拝しているからだ、筋肉のないみっともない胴体もルビィを崇拝しているからだ、この小さな醜い背丈もルビィのせいだと視界に入れる度に全てをルビィに繋げレヴィは吐きそうな程の憎しみに包まれると、それを晴らすためにひたすらに蹴って、殴って、髪を引きちぎる。

 

「お前らの大事なルビィ様はッ!!無能で無力な奴なんか相手にしないんだよッ!!フォトンがなければッ!どんだけ頑張って勉強しても鍛えてもッ!成功して金が手に入ってもッ!全部無意味で無価値で邪魔なだけだッ!」

 

 滾る憎悪を姉ではなく崇拝する人間へぶつける。無意味だと分かっているのにレヴィは少年の一言が今までこの家族からされてきた全ての罵詈雑言よりもよっぽど侮辱に値すると感じた。

 

「あのクソ女をこうやって踏み潰してッ、目も潰して、内臓もグチャグチャにしてッ!燃やしてッ、砂食わせてッ、全身切り落としてからぶっ殺してやるッ!!」

 

 内臓が潰れるまで踏み潰し、ナイフを取り出すと腹を開いて腸をちぎって投げ、性器を切り落として肉の塊になるまで潰す。

 

「はぁッはぁッ……、……クソガキが……煩わせやがって……」

 

 レヴィは加減が効かず全力で暴行していたゆえに少年は完全に死亡しており、血溜まりを眺めるようにダーカーが近付いてくるとレヴィは正気を取り戻した。

 先程までの歪んだ怪物のような顔は直ぐに愛らしい少女のように戻り、ダーカーに振り向いて笑みを浮かべる。

 

「え?それ食べたいの?あー……ダメ。腐ったの食べさせたくないからね?メッ!家で待ってくれてたら別に餌(ヒト)あげるから待っててね」

 

 レヴィは足から全身にかけて返り血に染まった体でダーカーを抱きしめ、撫で回すと端末を操作し始める。

 

「こういうのはねぇ、長ーく放置しておくとオススメなの。あとは……そうだなぁ、全員脱がすのも面倒だし暖める方で行こうかな」

 

 部屋の暖房を起動させ、温度を28度と高めに設定するとダーカーを見ながら子供と接するようにフレンドリーに声をかけた。

 

「眷属ちゃん、もし全員全裸にしてたら寒い方が衰弱していいんだけど、服着てたらそんなに意味ないから死体がある時は温めた方がいいんだよ。死体の腐敗が加速して物凄い臭いになるからね」

 

 次に近くにあった倉庫から適当なコンテナを取り出し、水道でぬるま湯を貯める。

 

「あとは、こうやって水に入れておくのもオススメ。完全に浸からせてもいいんだけど、そうすると顔の形が分からなくなっちゃうくらいに膨らむから拷問に使うなら半身くらいがいいの。この水は物凄く不衛生になるから絶対飲んじゃダメだからね?まあ、飲まなきゃやってけないってなったら飲むだろうけど……ダーカーは大丈夫か」

 

 子供が丁度フィットするようなサイズのコンテナにぬるま湯を貯めて少し浸からせると家族の近くに置き、その中に少年の死体を入れて後頭部から踵までしっかり水に浸からせる。

その位置は家族からしっかり少年の腐敗の様子と臭いがわかる位置だ。

 レヴィは苦痛を与える為に容赦することは無く、あまつさえその水を撒くためなのか近くに空のボウルを放り投げると立ち止まって彼らを見下ろした。

 

「それにね、今の場合だとわざわざ冷やして衰弱させなくても体が損傷しているからそのまま放置しておけば平気だよ。人は水さえあれば生きていけるから。こんなに肥えてたら五日くらい放置してもいいくらいだけど」

 

 それからレヴィは眷属をこれでもかというくらい撫で回すと合図を出し、帰還の命令を出してから爆弾を仕掛けその場から歩き出した。

 

「うん、案外悪くないね……」

 

 防護壁を起動させ閉じ込めながら血まみれの体を見渡すと靴を脱いで手で持ち、シャワールームを探してマップを眺める。

 

「もっと精度を上げて、ダーカー因子を纏って、市民レベルではなくアークスを騙せるようになれば使えそうかな」

 

 自分が【敗者】であると匂わせる、という作戦を死の確定している市民相手に試してみたが、案外気分は悪くなかった。

 しかし発見された時に【敗者】がアークスシップに潜伏しているという話をされるのは非常にリスクが高いため、万が一のことを考えて直ぐにその場を爆破出来るようにしておいたのだ。

 ドーム内の監視カメラは元々フォトンのセンサーには引っかかるようにしている。

レヴィが簡単に侵入出来るのは彼女の体にフォトンがないからだ。

 

「見学したら事後処理かなぁ」

 

 レヴィはそんなことを呟きながら楽しそうにこのドームの中を歩き回っていた。

 

 

 





 それから数日間、レヴィは工房帰りに足をちょこちょこ踏み入れては無理やり沸き立つ熱湯を飲ませ、死体の腐乱して行く様子を嘲笑い、鞭を打ち、虐待を重ね、罪なき家族を玩具のようにボロボロにしていく。
 久しぶりの大掛かりな拷問だからかレヴィは常に機嫌が良く、聞こえる陰口も笑顔のまま路地裏に引きずり込んで殴り倒し、セックスはここしばらくしていない代わりに暴力で満たされていた。

 そして、結果的に一世帯を拷問していた299番艦のドームに決めたのだった。

二章で大体どれくらいの話数になるかを計算していた所、それなりに長くなりそうなので三章もしくは四章以降を続編という形で作品を分けるか検討しています。話数が長すぎると管理が少々面倒なのと、読者からしても見にくいのでは?と思ったため。

  • 続編として作品を分ける
  • 分けないで一つの作品でまとめる
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