30話(1)(軽くR-18)
――12月も中旬頃。
暗く物が多い部屋の中に可愛らしい服を着て髪がふわりと巻き固められたツインテールの女がいる。
レヴィは頭痛薬を流し込むと工房の中で作業を続けた。
懲りというものを知らないこの女は、【敗者】に注意されたり強制休暇を命令されたのを完全に過去のものとし、仕事中毒に成り下がっていた。
午前二時。
本来なら家に帰って寝ていなければいけない時間なのだが、レヴィは作業を続けている。
彼女は気付いたのだ。
挨拶はタイムカードと同等のものであるということを。
決められた時間におはようを言えば作業時間が始まり、決められた時間にまた明日と言えば作業時間が終わる。
しかし、ジグの工房にさえ立ち入らなければ後の時間で作業しても文句を言われないという事を発見した。
勿論休みの日は帰り、ひたすら寝るだけで過ごす。
平日は夜中に裏表関係なく任務も行い、週に決まった回数早帰りすると戦闘訓練も行い、それ以外の時間は工房の中で武器制作の他にも手に馴染ませるため素振りをしたり簡単に出来る身分の偽造のような裏任務に励み、オマケに移動時間中は楽器やダンス、芝居などの稽古だ。
レヴィにとって移動時間中の稽古は休憩の判定だが、カジノを断ちゲームを放置し仕事に向き合う姿はよく言えば偉く、悪く言えば盲目だった。
「……うぅむ」
何より一番重篤なのは、【敗者】と殆ど交流していないことである。
軽い挨拶のみ、休日も20時間以上寝ており、ほぼ二ヶ月セックスレス、メッセージなどの連絡も無視。
寂しがり屋と思われていたレヴィからしたらありえないほどの離れようだが、彼女の心にいつも【敗者】は居た。
だからレヴィは別に平気だったのだ。
武器制作もパフォーマーとしての実力も【敗者】が求めた物。
VR投影装置は再設置を行ってはいるものの時間が合わないためまだお披露目はしていないが、それもまた【敗者】のために作った。
金遣いの荒すぎる暴君のような男が家計を傾けないように金を稼ぐのも当然だし、アークスとして存在しているために任務に行くのも当然である。
つまり、レヴィにとってそれは全てやって当然のことなのだ。
――孤独は苦しいのは否定しない。肌の触れ合いが要らないとは思わない。彼とのセックスに不満があるから避けているということは無い。
しかし、半年ほど前の生活に戻ったのだと思えばそれらは容易に耐えることが出来るものだった。
「"菌"を再現出来れば……アイゼンハートの代わりになれる……」
レヴィはまだ菌についての正体が分からなかった。
彼女は様々な文献を探し分析した上でもう少し菌について情報を得る事が出来たが、核心的な部分が欠落している。
現状、レヴィが知る限り菌とは感染力が高く、致死性が高い粒子の事だ。
その性質から感染病のように見えることから菌と呼ばれたが、その恐ろしいようにも見えるものにはありとあらゆる物体や生物を取り込んでデータとして再構築し、それを分解することも出来る。
その技術を利用して作られたのがC.A.R.D.技術。
そして、その菌は人を媒体し技術として蔓延させることで様々な物質のデータや、「それそのもの」を得る事が出来る。
核心的な部分は、この「得たもの」を誰が所有しているか、だ。
致死性などの悪い部分を除けばフォトンに似ているようにも感じるこの菌はフォトンでいう全知存在と同じように母体が存在するはずだ。
その母体が判明すれば菌の生成にはさほど時間がかからないはず。
菌さえ作れれば解毒に関しては後回しでいい。
とにかくその母体を知りたいのだがレヴィには分からない。
本来、オラクルの人間は菌などを考える意味はなくフォトンを使えばいいだけだが、レヴィにそれは不可能だ。
彼女のフォトンアレルギーはやりたい事全てを困難な領域へと持っていく。
「はぁあ……」
結局、小作業をしながら悩みに悩んでいると勝手に夜が明けていた。
今日はブラックローズを慣らすために作業着ではなくきちんと服を着込み、体を重くして素振りしていたのだ。
一応服は着替えないとジグに怪しまれると工房の倉庫に向かい、念の為と何着か用意しておいた新品の服に着替える。
相変わらず高そうな服だ。箱を見れば当たり前のように宝飾も入っており、髪飾りを付け替えてブローチやアンクレットも付けていく。
そこで。
「痛ッ、……もおぉ……」
薬品に触れていたからかカサカサで割れた肌に金属の細かい装飾が引っかかったらしく、指先から痛みが走る。
レヴィは仕方なく荷物をまさぐり使ってもいなかったハンドクリームを取り出すと塗り始めた。
使わないと言って放置していたものもこうやって機会が巡ってくることもある。
だからレヴィの荷物はいつも異様に多い。
「はぁあ……」
そういえば、前に首輪を使ってから補充していなかったというのをレヴィは思い出す。
あの首輪は拷問用でも何でもなく、付けたい特定個人に向けて常時用意している物だ。
罵詈雑言を浴びせ殺意の籠った瞳で見つめながらも太い首への拘束を受け入れる。そのあと油断をすれば直ぐに姿勢を返され、跡が着くまで首を絞められ、体重を掛けられて手酷く抱かれるというその妄想だけで"抜ける"。
それにしても、とレヴィは湧き上がりそうな性欲を抑え込んで鏡を見つめた。
ツインテールはレヴィ自身で結んだからか随分と淡白で、昨日からひたすら体を動かしていたからか流石に髪の巻きが取れている。
これで風呂に入れば尚更ストレートになってしまうのは目に見えていた。
しかし、レヴィはいつもされているような凝った巻き方を一人で出来るような気はしない。
「髪巻いてって言ったら怒るかなぁ……」
髪をくるくると動かしながら見つめ、ジグに作業開始の定型文を言いに行こうとしたが、扉の手前で足を止めて端末を取り出した。
「……怒る……よねぇ……?」
もう二日帰っていないとか、日中も通話出来るような状態にしてても全然会話していないとか、最近セックスしていないしまともに出かけていないという自覚もあるし、連絡は当然のように無視放題。
ついでにそんなことくらい自分でしろと言われるのは想定済みだ。
レヴィは文字を何度も打ち込んでは消し、じっとメッセージ欄を眺める。
【敗者】から怒涛の着信通知に一方的なメッセージ。
端末を開いて今初めて既読をつけた。
レヴィは顔を顰めたまま自分の感情を形として紡ぐ前にメッセージを送った。
"髪巻いてっていったら怒る?"なんていう至極単純なメッセージだった。
数秒で既読が着くと、レヴィは彼からの返事が来る前に"ごめん"と返して胸を抑えた。
不思議と心臓が痛い。
どうせ罵倒されることもわかっているし、その怒りは前の任務に失敗した時のような本気のものでは無いと分かっている。
分かっていても、約立たずだと【敗者】に思われるようなそのホコリのひとつですらレヴィのような矮小な人物からしたら大きな山なのだ。
「約立たず、出来損ない、無価値……」
レヴィが人間から幾度となく言われた言葉だ。
最近は何故かその言葉に【敗者】の声がついて何度も蘇る。
割れるような頭痛に頭を抑えながら薬をジャラジャラと出して乱暴に掴む。
冷たい水でそれを喉の奥に流し込んで、レヴィは何度も深呼吸をした。
VR投影装置だって作ったし、ブラックローズの試作品第一号だって出来た、アイゼンハートだって修繕が終わったのだ。進捗は悪くないはず。
データで見れば悪くないはずなのに、何がレヴィを掻き立てているのか……
「レヴィ」
「ッ!!」
レヴィは背後からの声に驚き、思わず手を払うようにして振り返る。錠剤がバラバラと落ちていく中、【敗者】の顔は不思議と強ばっているようで、レヴィの体は硬直した。
彼女は無配慮なのに繊細だ。
「なぜ僕が怒る前提で話す」
【敗者】の最初の言葉は許可でも叱責でもなく疑問だった。
レヴィは彼の言葉の意味を直ぐに察し、目を逸らしてボソボソと呟く。
「だって……わたしが出来ないことを、頼んでるわけだし……」
「それの何が悪い?自分が出来ることを頼んでいるならともかく、出来ないことなんだろう?だったら人に頼るという発想が出るのは当然だ」
「でも、……まあ、うん……」
レヴィは自分の中で言語化しきれないなにかの恐怖のような感情がまだ渦巻いていた。
【敗者】はいつも通りの顔付きでレヴィの全身を眺めた後、声をかけた。
「風呂には入ったのか?」
「冬だし一日くらい……」
「言い訳が先か。本当に呆れるな」
【敗者】はため息を着くとレヴィの腰に手を回し、迷わず風呂へと連れていく。
「呆れる、かぁ……」
着方が間違っているだとかアクセサリーの場所が違うだとかレヴィは【敗者】に逐一指摘されながら脱がされ、風呂の中に入れられた。
彼女は一人で軽く体を流して終わろうとしたが、それを察していたのか【敗者】も中に入ってきて、最初の時のようにまた洗われる。
「随分と疲れているようだな」
「あは、顔に出てた?」
「あぁ、見ても触れても嗅いでも分かる」
レヴィの髪を白い泡で埋めながら【敗者】はそんな冗談めいたことを言っている。
風呂まで要求に入れたつもりはなかったが、【敗者】は文句を言わずレヴィの体に触れていた。
「時間ないからやめてよ」
背中への硬い感触にレヴィは不機嫌な声で口にするが、【敗者】からしたら些細な事のようで寧ろ積極的に股間を押し付けていた。
「髪巻いてって言ったのは髪巻くだけにしてっていう意味と同じなんだけどわかんなかった?」
「だったら髪を巻く以外何もするな、と書くべきだったな」
【敗者】は後ろからレヴィの胸を揉みしだき、肌をなぞる。
「もうっ!そんなに溜まってるなら抜いてあげるから辞めて!わたしはホントに忙しいんだってば!」
【敗者】は当然のようにレヴィとセックスしようとしていたが、彼女の幾度となく繰り返される説得の言葉に溜息をつき仕方なく手を離した。
温水が降り注ぎ、髪にまとわりつく泡を流すとレヴィは【敗者】の方に向き合って勃起しきった逸物を見つめる。
「はぁ……裸見るだけで勃つとか童貞のつもり?」
「人の顔見るだけで濡らしていた女に言われたくないな」
「あー言えばこう言う」
「そっくりそのまま返そう」
レヴィは胸を掴むと【敗者】の逸物を包み込み、ローション代わりに唾液を胸に注いで動かし始める。
彼の大きな逸物はレヴィの豊満な胸でも包みきれずはみ出し、亀頭から垂れる我慢汁もまた潤滑剤の助けをしている。
「全くもう……」
「……」
【敗者】は胸で奉仕されながら彼女の顔を見つめる。
目の下には濃い隈が出来ており、表情はどんよりと暗い。
「レヴィ……もっとよく顔を見せてくれ」
「顔をって……まあいいけどさ」
【敗者】の要求にレヴィはすぐに答え上目遣いでじっと見つめた。
死人のような顔色だがいちごのような甘い瞳にぷっくりと膨れた頬はいつも通りで可愛らしい。胸を必死に挟んで動かす小さな手の挙動も愛らしく、【敗者】にとってはたまらない愛おしさだ。
「……笑ってくれないか?」
「笑う?……はぁ、……、んふっ、あは、ふふっ、……うふ。こんな感じぃ?」
レヴィは卑しく楽しげな笑顔を貼りつけニヨニヨと笑いながら胸で扱く。
【敗者】は下半身に意識を集中させ腰をゆるゆると動かしながらも手を出し、レヴィの頬に触れた。
「あぁ。そのままの表情で居ろ。今から叩く」
「笑ってないと叩いても面白くないっていいたいワケ?ホント……ッぐッ……どすけべなんだから……ッ」
【敗者】は彼女の喋りを遮るように平手打ちすると表情が歪み、笑みが崩れる。
苦痛に歪んだ表情と呻き声は美しく、体が強ばって胸の肉圧が強くなると逸物は更に硬く太くなる。
右から左からと往復ビンタを繰り返し、レヴィの青白い顔が真っ赤に腫れて、頬が赤く染まる。
風呂内部に効かせた暖房と湯気の蒸気でレヴィの汗の蒸れた匂いが【敗者】の鼻腔をくすぐると、白濁がどんどんと昇ってきた。
「いいぞ……射精そうだ……全部飲め、レヴィ」
レヴィは【敗者】の逸物を咥えぢゅう、と大きな音を立てて吸い付きながら根元から竿を扱きあげる。
その瞬間白濁がレヴィの口の中を覆い、何度も脈打ちながらどくどくと注がれていく。
「んむっ、……んぅー……」
「っはぁあ……、……ック、……」
粘着質な白濁が喉の奥に絡み付き、レヴィは無理やりそれを飲み込むと大きな飴玉を飲み込んだかのような窮屈さを感じた。
「……濃すぎ、多すぎ……どんだけ溜めてたワケ?抜いてないの?」
「あぁ」
「あのねぇ、オナニーの制限してる訳じゃないんだから自己処理しなよ」
「ダーカーは繁殖行為を必要としない。性欲処理など元々存在しない生物だ」
「いつものね。その癖こんなことさせる癖に……性欲が強過ぎてすぐ勃起するってギリギリ障害者なんじゃないの?」
鼻の奥に残る甘く蕩ける雄の匂いと萎えていても大きな逸物。荒い言葉を吐いても雌の本能が無くなる訳では無い。
レヴィは自分の股ぐらから明らかに液がじゅわりと染み出ていた。
「勃つのは貴様限定だが?」
「そっ、それはそれで……困るけど……、……」
胸の上に乗り一時の満足を訴えたように感じられた【敗者】の逸物は、レヴィの照れた顔でまたゆるゆると硬さを取り戻していく。
レヴィは自分の置かれた状況とありとあらゆる手で抑え込んできた【敗者】への性欲がまだ沸き立つ事に密かに苛立った。
セックスと環境保護活動は暇人のする事だ。監禁されていた頃とは真逆の忙しない日々の中で毎日セックス最低1時間を取れるかと言われたら無理だろう。睡眠すらままならないのだから。
「……」
排泄に問題が出ることになるが貞操帯を買った方がいいのかもしれない、とまで思い始めた頃、【敗者】が顔を寄せてレヴィの耳元で呟く。
「……足りないんじゃないのか?」
【敗者】がそんな事を言って触れる場所は下腹部で、押されるだけでレヴィの雌の部分が期待に声を上げる。
こうなることが分かっていたから軽い交流ですら絶とうとしていたのに、たった風呂一つのミスで大きな過ちになる。
「……ぅ」
レヴィは自責の念と我欲とストレスと使命に挟まれて思わず涙が目を覆った。
【敗者】はそんな様子を見て彼女をゆっくりと抱きしめ甘く囁く。
「大丈夫だ。少しくらい良い思いをしたって誰も怒らない」
「でも……」
「毎日過剰な程よく励んでいるじゃないか。大丈夫だ、ほんの一時間……その程度はお前の想像しているよりもずっとずっと少ない……」
「本当に……?」
「本当だ」
レヴィは【敗者】の触れ回る手に麻薬のような強い快感を覚えながら、どうにかして抑え込もうとするが、そうすると尚更涙が零れる。
「……だけ……」
「?」
「ちゅ、……ちゅーだけ、なら……怒らないよね?」
「そうだな……もう僕を殺しても怒らないだろう」
「ぅ……ん?……」
レヴィは【敗者】の腕に触れると頷くように俯き、そのまま頭の中でグルグルと自分に対する罵詈雑言を並べ立てる。
弱いのは努力不足。どれだけ頑張ろうが無駄。何の成果も得られない、無価値な存在であると。
レヴィは自己中心的なのに自分の身を案じない。
愛着に問題を持つもの特有の歪んだ自尊心だが、レヴィはまたひと味違うような物だった。
「……わ、わた、わたし、試作品は出来たの、でも、ライデンシャフトの方が全然進まなくて……こ、こぉまま出来なかったらどうしようって、その、……えっと、戦闘訓練だってぜんぜん成長してる感じない、作ったものも【敗者】やジグに頼ってばかりで、全部他人任せで、わたし自分で何も作ってな……」
「レヴィ」
【敗者】はレヴィの言葉を唇で塞ぐ。
レヴィが口を開けたと思えば舌を侵入させ、甘い唾液を絡めながら体をくっつけて尻を撫でる。
とくんとくんとレヴィの心音が触れた肌から感じられて、温もりが互いの奥深くに広がっていく。
「るぅ……んっ……」
「何も作っていない?そんな言葉が似合う女じゃないだろう?もっと堂々と胸を張れ。貴様は天才だ」
レヴィはこんなつまらないことを延々と引きずるような女じゃ無いはずだ、と【敗者】は思った。
しかし、人間は心も体も弱く脆いもの。
特に家族に対しての彼女の感情は悪い意味でかなり大きい。
その苦しみから逃げるために【敗者】に奉仕しようとし、その結果肉体を蔑ろにして精神的な負担がかかるという悪循環な状態に陥っているのだろう。
「才能があったらこんな風にはなってな……んっ、もっ、……いい、んんんっ……」
しつこく舐られ、口の中を丸ごと搾り取られるかと思うくらいしつこいディープキスの後、【敗者】はしばらくしてから唇を離す。
「はぁはぁっ……し、しぬかとおもった……」
「そう簡単に死なせてやるつもりはないぞ」
「あんたがこううこ…らう……?……呼吸困難で死ねばいいのに……」
「舌が疲れたか?」
「あんたのせいでね」
【敗者】は何事も無かったかのように洗うのを再開し、レヴィに容赦なく泡を掛ける。
「先程言っただろう?もう僕を殺しても怒らないと。そんな言葉で僕が傷付くと思ったら大間違いだ」
「はっ、あんたを言葉で傷付けるなんて太陽に触るより難しいでしょ」
「おや、随分と自信があるようだな。僕を甘やかしている自覚が貴様にもあったのか」
「甘やかしてる?勘違いしないで。あんたが狂人すぎるだけでしょ」
「レヴィはどんなに支離滅裂で苛立ちそうな事を言おうが最終的には僕の気分が良くなっている。さながら魔法や言霊のようだ」
「わざとやってる?」
「あぁ」
二人をシャワーが覆っても、互いの声はよく聞こえる。身長差が50センチ以上程あっても意識すること無く会話が成り立つのだ。
とにかく互いと会話をしようという意欲が他の相手より何倍も高い。
「褒め上手だね、【敗者】は……欠点を意地でもいい所に変える、みたいな事が出来るんだ」
「明確な欠点は欠点として認識している。僕がしていることは一般的に欠点と認識されるような物に利用価値があるのか探しているだけだ」
「そういう考え方が出来るやつはそう多くないんだよ?特に、……、……えー、……あ、……そうそう、道端に生えてるだけの煩わしい雑草にどんな価値があるかなんかってのはさ、考えるだけ時間や金の無駄……、から」
「科学者ならばその草の一つも手に取るものだ。塵だろうが闇だろうがそこにあるものには存在する意味がある。この世は不必要な物ならば淘汰される造りになっている」
肌に心地よい湯を掛けられ洗浄が終わると、レヴィは風呂を後にしバスタオルを被せられる。
足先から頭頂まで御丁寧に拭われる感覚は悪くないがやはり恥ずかしい。
「これくらい自分で出来るけど?」
「僕は自分のやりたいことをしているだけだ」
「むぅ……」
レヴィは抵抗しても無駄だと察し、されるがままに受け入れる。
これほど平然かつ濃厚な肉体の触れ合いは新婚夫婦か何かだ。
レヴィに甘やかされているなどという冗談を吐いた【敗者】という男はその数倍以上レヴィのことを甘やかしており、知識欲という本能の次にレヴィが大事と言わんばかりの態度を取っている。
二章で大体どれくらいの話数になるかを計算していた所、それなりに長くなりそうなので三章もしくは四章以降を続編という形で作品を分けるか検討しています。話数が長すぎると管理が少々面倒なのと、読者からしても見にくいのでは?と思ったため。
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続編として作品を分ける
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分けないで一つの作品でまとめる