※この作品はR-18です。

MIDNIGHT   作:Libby博士

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幕間①(1)(R-18)

 ――狭い牢の中。

 

 レヴィは気だるげに倒れ込み、部屋を眺めた。

 

(いい趣味ですこと……)

 

 レヴィが最初に来た時と違い、ソファやテーブルが新しいものになっている。

しかも前よりもあからさまにいいものだ。

どう見ても高そうな生地とフレームのソファは、傲慢なあの男が座るには相応しいものなのだろう。

 それに比較して、レヴィが座る場所はいつもの通り硬く冷たい床。

カーペットもなく、フローリングの硬い床に薄い毛布だけ被って寝ていた時と何ら変わりない。

 

 しかし、レヴィにとって全てが最悪という訳では無い。

この牢の中で部屋を眺めているのに飽きたら、一応別のことも出来る。

 

「……んん……」

 

 レヴィは己が身にまとっている大きなサイズのシャツに顔を埋め、すーはーと呼吸した。

 【敗者】が着ていたものだ。素材はアークスの戦闘服や私服のどれとも一致せず、彼の筋肉の形をそのまま象ったかのような身衣は彼の体を思い出させる。

 

(あの変態男……わたしにこんなもの着せて発情させようったってそうはいかないんだから……!)

 

 そうはいっても、この孤独の部屋の中で暇を持て余していると思考はあの男一人に囚われていくもので。

 

 擽られた時の感触、肌を撫でられた時の重さ、あの大きな指がレヴィの体に触れて、優しく撫でる時の動き。

唇が震え、声を発する挙動、手も足も首も、どこが動いてもどこまでも端麗で、美しく、その全てが向かう先は一人で……

 

「〜〜ッ!!」

 

 レヴィは小っ恥ずかしくなってシャツに顔を埋めるが、それが尚更己の情欲を刺激する。

 

「ううぅ〜……いい匂い、……【敗者】……」

 

 【敗者】はこの部屋に居ない。どうせ何日も放置するに決まってる。来るはずなんてない。

レヴィはそんな思考で頭を埋めつくした。

 

 実際は毎日レヴィの元にやってきてはあれこれと話をして、ソファに座って本を読みながらレヴィの事を眺めているのだが、今のレヴィにとってそんな都合の悪い真実はいらなかった。

 

「はぁはぁ……るぅさー……」

 

 レヴィは足をバタバタさせ、すっかり【敗者】の着ていたシャツで顔を覆い、そして瞳を閉じる。

深呼吸しながら脱力し、体を和らげると、ふわふわと揺らぐ意識の中でレヴィの腹にゆっくりと硬い指の感触が這った。

 

「っんぅ……」

 

 レヴィは驚かない。

その指は本物の【敗者】ではないからだ。

 自分がイメージした、記憶の中の【敗者】の指の感触を自己催眠で味わっているだけであり、この場に【敗者】が居ないのは何も変わっていなかったからだ。

 

「そ、こ……そこ、……もっ、と」

 

 空想の指の感触が腹から胸へと動き、空気に触れる胸の頂をなぞる。

そこには何も無いはずだというのに、指の感触がなぞっただけで乳首が硬くなり、その指が首筋を通って頬に触れると、レヴィはだらしない声を出しながら足を震わせた。

 

「あぁぁ……こっち……」

 

 レヴィはゆっくりと足を開く。

己の手は胸を掴み、乳首を擦ってぐりぐりと動かし始めた。

 

「ぁっ、あ、……ぁっ、こっち、そぅ、……そこ、そこ……」

 

 彼の指がレヴィのクリトリスをなぞる。

掴むことはなく、すりすりと、空をなぞるように――実際そこにあるのは空気だけだが、レヴィの頭の中では【敗者】の指はそこにあった。

 

 【敗者】のシャツを被って顔を隠し、胸と足を広げて牢の中でビクビクと痙攣している姿はあまりに滑稽なものだが、幸い【敗者】はそこにはいない。

 

「あぁぁっ……♡はぁぁ、【敗者】、……るーさー、るーさーっ……」

 

 レヴィが嫌いな相手を聞かれれば、多分今一番最初に出るのは【敗者】だろう。

アレはレヴィを捨て駒として扱うと明言しており、厳しい言葉を使い、厳しい態度で接して、牢に閉じ込めてくる。

 しかしレヴィが好きな相手を聞かれても【敗者】が出てくる。そして好きな相手は【敗者】以外にいない。

食事も取らせてくれるし、風呂に入れてくれるし、レヴィに触れる手は大きくて硬いのに感触を味わうように柔らかく、紅い瞳は怒りを剥き出しにしても冷たく細まっても燃えたぎるような情熱を感じる。

その好意は今のところ性欲がほとんどだが、【敗者】の事を一人の人間として見て、そこに惹かれている部分もある。

 

「ここ、もっと……ここ、……っ、ここだけで、いいの、【敗者】、……るーさー……」

 

 レヴィはその指にしつこくクリトリスを撫でられながら、己の胸を刺激して、想像を膨らませると彼の手の感触がどんどん増えていく。

 身体中を触れ回る手。なぞる感触は全て彼のもの。

 彼がレヴィに触れる時と同じ、ありもしない呪いを恐れてつつく手でもなく、叩く手でもなく、手の全体を肌に乗せて、ほんの少しだけ肉に食い込ませながら、するすると撫でるその手。

 

「あぁぁっ……【敗者】……っ、……【敗者】……!!」

 

 レヴィはガクガクと体を震わせ、脳が快楽で埋め尽くされていく。

 

(あぁ、眠い……今なら……眠れそう……)

 

 

二章で大体どれくらいの話数になるかを計算していた所、それなりに長くなりそうなので三章もしくは四章以降を続編という形で作品を分けるか検討しています。話数が長すぎると管理が少々面倒なのと、読者からしても見にくいのでは?と思ったため。

  • 続編として作品を分ける
  • 分けないで一つの作品でまとめる
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