※この作品はR-18です。

MIDNIGHT   作:Libby博士

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  ――【敗者】がソファで寝たフリをした後、レヴィは牢に座り込んでぼんやりと天井を眺めていた。
 この距離感だと、【敗者】と出会う前の……彼が人形であった頃を思い出す。

 ちょうどあういう感じで目を閉じて、口は噤んでいた。
 体は力が抜けて垂れており、その大きな手足もよく見える状態だが……それが、どうも「手に入れた」ような感覚に陥る。

「……う…」

 レヴィは手を伸ばすと、カシャンと音を立てて手のひらが鉄棒に触れた。
 この鉄棒が邪魔だ。
 でも分かっている。これを曲げて出たらどうなるか、……前のようにまたおしおきされて、擽られると。

 しかし、その柔い手のひらには不思議と力が入って、レヴィは鉄棒を掴んでしまう。

「あー……」

 案の定ひしゃげて潰れた鉄棒を見ると、レヴィは破壊衝動を止められなかった自分に反省しつつ、逆に諦めて牢の外に出ることにした。

 当然、【敗者】はそれを全て聞いている。知っている。
 ダークファルスは寝る必要などない……
【敗者】のその行動は器を消耗しないために体を休めているだけであり、そして、レヴィを寝かしつけるための行為でもあった。
 だから【敗者】は今すぐにでも目を開けて、レヴィを叱責しようとしたが……

「るーさー……」

 レヴィの声が独り言のような小ささで、しかし甘ったるく、湿った声で彼の名前を放つと【敗者】は動かしかけていた体をピクリと止めてみた。
 レヴィの体は【敗者】の方にどんどん近づいて、彼の前で立ち止まったかと思えば座り込んだ。

 小さく柔らかい掌がゆっくりと【敗者】の硬い頬に触れる。
耳がピコ、と小さく動くが、それ以外の反応を【敗者】は見せなかった。
 そのままレヴィはゆっくりと顔を近付けたかと思えば……じぃっと【敗者】の閉じた瞼を見つめていた。
 長い睫毛。レヴィの指は涙のタトゥーをなぞり、瞼を撫でる。

「【敗者】、……るーさー……」

 レヴィは何度も何度も繰り返し、ゆっくりと【敗者】の名前を呼んではその手で優しく触れる。
 前髪を撫で、さらさらと動かすとレヴィは静かに言葉を紡いだ。

「かっこいい……」

 レヴィは【敗者】の太い首をなぞり、シャツに手を付けると恐る恐るボタンを開く。
浮き立つ鎖骨から大きな胸筋の筋が見えると、レヴィはそこに頬を寄せて胸を撫でた。
ガラスの感触では無い、人間の肉と骨の感触。
 皮があって、内側に脂肪と筋肉があり、そして骨や臓器……血液で埋め尽くされている、レヴィがよく知る肉体。
人の体がそこにある。【敗者】の体を触れる度に、それが幻でないことを理解する。

「るぅさー……、るーさ……」

 レヴィは自然とソファに腰を押し付け、発情した体をヘコヘコと震わせていた。
ソファはキシキシと音を立てて、黄白く傷のない肌を見ると思わずそこに噛み付く。

「っん、……あむ、……、あぅ、……お、起きちゃう?」

 何度も繰り返すが、【敗者】は狸寝入りだ。自分のタイミングで起床と睡眠の境界を変えることが出来る。
 レヴィに噛み付かれた時は少しくらい驚いたが、【敗者】はまだ寝たふりを選択した。
これより先に進めばもっと面白いものが見れそうだったからだ。

 レヴィはそんな【敗者】には気付かず、噛み跡をぺろぺろと舐めるとシャツのボタンをさらに外し、大きく開く。

「いーじーわーるーしーてーやーるー……」

 レヴィは【敗者】の乳首に目をつけると、かぷりと噛み付いた。
 【敗者】は無反応。

 レヴィはそれに少し苛立ちながらも、硬い腹筋を撫でながらぺろぺろと飴を舐めるかのように乳首を舐め続けてみる。
 しかし無反応。なぜなら【敗者】にちょっと触られるだけでイキそうになる雑魚乳首のレヴィと違って【敗者】は未開発だからだ。

「うー……?なんれなんもないろ?」

 しつこく乳首を舐め回しながらもう片方を指でひっかき、レヴィは【敗者】からされた事の仕返しをしているが彼には一切効かなかった。

「むぅ……もういいもん!毎日こうしてやってちょっとずつ仕返ししてやるもん!」

(馬鹿か此奴……?)

 と言いつつ、【敗者】は組んだ足の根元が明らかにはち切れそうなくらい膨らみを持っており、とにかくそれをレヴィにバレないようにと願いながら彼女の声をうっすら聞いていた。

「もういいし、寝てやるし!ふて寝ふて寝!」

 レヴィは床に転がったまま目を閉じ、暫くすると寝息を立てて眠り始める。



幕間③(1)(R-18)

 レヴィが寝た後、ちょうどいいタイミングで【敗者】は起き上がり……顔を歪めて赤くし、レヴィを半ば睨みつけるように見下ろした。

 

「ふざけるなよ此奴……僕のコレをどう責任取るつもりだ……」

 

 【敗者】は床に降りる。

 取らせる責任などひとつしかない。分かりきったことで決まりきったこと。

 【敗者】も興奮しているのだからやる事は殴ることでも怒鳴ることでもなく、当然"そういうこと"だ。

 【敗者】はレヴィの股ぐらに顔を寄せ、じっとりと湿った下着をずらし、クリトリスにしゃぶりつく。

 

「あぁ……ックソ、……」

 

 甘しょっぱくとろけるような美味が広がる。

こりこりと硬い陰核を舐め、レヴィのサーモンピンク色の小さく可愛らしい女性器に舌を立てるとゆっくりと舐めて、【敗者】の手はズボンをまさぐり始めた。

 

「……、クッ、……エル……はぁはぁ……」

 

 【敗者】はズボンを下ろし、下着の穴を探り当てそこから逸物を露出させるとしっかりと握りしめ扱き始めた。

 未知の情報と未知の感情が沸き立つ目の前の小さくいやらしい女の股間を舐め、我慢汁が垂れるのも躊躇わず手に力が入る。

 

「知性の欠けらも無い……、こんな物……ッ」

 

 【敗者】の中で沸き立つ"ある感情"が、さらに彼の脳を刺激させ血肉に等しいダーカー因子を促進させる。

 むわりと香る雄の匂いと共に【敗者】の瞳は赤く赤く光り、口の周りを愛液まみれにしたまま拭きもせず顔を離すと、レヴィの上に跨り彼女の口元に亀頭を押し付け、さらに片手でレヴィの大きな胸をぐいぐいと寄せた。

 警戒心の欠けらも無い寝顔と、だらしなく空いた口。

皮に包まれない敏感な亀頭に、柔らかくぽってりとした唇の繊細な感触が当たり、暖かく白い歯の硬さすら蠱惑的だ。

彼女の唾液で少し濡れると、こんな恥部にさえ喜んで優しく口付けられているかのようで、【敗者】の昂りは止まらなかった。

彼は顔を歪め熱の篭った瞳でレヴィを見下ろし、ラストスパートを掛ける。

 

「ハァッハァッ……ふざけるなッ、ふざけるな……この僕が、こんな女に、……こんな女如きに負けるなどッ……!!」

 

「ッ?!」

 

 【敗者】がその言葉を発した瞬間、レヴィの目がパッチリと開いたと共に彼女の顔に白濁が零れていく。

 信じられないくらい濃厚で粘着質な精子がレヴィの顔に飛び、【敗者】は荒く息を吐きながら部屋のどこでもない壁紙を見つめ、ため息をついた。

 

「あ、……あのぅ」

 

 【敗者】が余韻に浸っているなか、レヴィは恐る恐る声をかけた。

 単純に寝たばかりだから……【敗者】が激しく動いて声を上げていたのを見て、起きてしまったのだ。

 

「っ、……ん……?……ん?!」

 

「る、るぅ……さ?お、おっきすぎ……じゃない?これ、これって、あれ、だよね?お、おちんちんなんだよね……?」

 

 レヴィは萎えた逸物をつつき、口元に着いた白濁を舐めるとちょっと美味しい、などと小さく呟きながら……甘く【敗者】を見上げた。

 

「エ、エル、……、いや、これは貴様が悪いんだ、僕は悪くない……」

 

 【敗者】はレヴィから責められると思い、完全に他責思考に逃げたが、彼女も不満足のままふて寝した身……怒るどころか寧ろ眼前にある逸物に興味津々だった。

 

「ね、……【敗者】、……もっと見せて……?」

 

「は……?」

 

「あっ、その……あれだよね、利害一致!しないといけないよね……?えっと…」

 

 レヴィは先程まで白濁が通っていた彼の鈴口をクルクルと撫で、指でくいくいと押すと、困ったような顔で呟く……

 

「えっと、……じゃあ、……み、見せ合い、とか?」

 

「は……?貴様、何、言って」

 

「だ、だからぁー、わたしその……【敗者】の、それ、見るの初めてで、おっきくて、太くて、なんだか凄くて、……でも、目がぼやけててよく見えなかったの、だから……気になるから……見たい、とか、……ダメ?」

 

 レヴィの内心は全く違う感情で埋め尽くされていた。

 全然普通に【敗者】とセックスしたかった。

しかし、目の前にいる男は知識を求め全てのアークスを見下し、恋愛感情など下らないと嘲笑っている。

 だから当然セックスなんてことは出来ないと思い、レヴィの性欲をどうにか晴らし、かつ【敗者】に納得される方法はそれしか思いつかなかったのだ……

 

「つまり、……僕は僕で自慰行為をして?貴様は貴様で自慰行為すると……?」

 

「う、うん……あっ!その、ダメだったら……見せるだけでいいよ?あの……」

 

 実の所【敗者】も全然セックスしたかったが、レヴィの発言を飲み込めず、それどころか大いに勘違いして……「セックスはしないけど見抜きなら許してあげるよ?ぷぷぷっ!」などというレヴィからの挑発のように感じていたのだ。

 それゆえ返事には迷っていたが、レヴィの目は必死で本気で、【敗者】の目をしっかりと見つめていた。

 

「わ、分かった!じゃあ、あんたの中でわたしが変態女だってこと……認めてあげるから、ダメ?ワガママなのはわかってるけど……」

 

 ウジウジとしながらあるのかもしれないプライドを脱ぎ捨ててまで懇願するレヴィの姿に【敗者】は面白くなって、ズボンを履きつつもとりあえず縦に頷いてみた。

 

「ほ、ほんと……?!」

 

「勘違いするな。貴様のようなド変態女が強請るから仕方なく、だ。

この……、最初から僕の体目当てだったんだろう。その無礼、万死に値するぞ」

 

「ち、ちがっ!違う!体目当てじゃない!あの時は本当に、チームの奴らに渡すつもりで、でも、その」

 

「その?」

 

「……顔とか首とか、その、指とか、ちょっといいって思ってた……かも……?」

 

 レヴィは目の前の男に意思がなかった時のことを思い出す。顔を見て発情し痴態を晒した複数回の恥ずかしい思い出……その全てを【敗者】に言いたいとは全く思わないが、一応嘘ではないこの言葉だけはギリギリセーフかと思った。

 

「……、はぁ」

 

「はぁ、じゃなくて、本当に、体目当てとかじゃないし!その、わたしが今あんたのソレを見るのは……そう!知的好奇心!分かるよね?!科学者なら!知的好奇心ってやつがあるって……」

 

「科学者?知的好奇心?笑わせてくれる。

貴様のそれは単なるその場しのぎの出任せだ」

 

「ち、違うし、……でも、でも仕方ないじゃん?!あんたの体がそれなのが悪いんでしょ?!わたし悪くないもんっ!わたしは全然っ、あんたの体使ってひとりでえっちなことなんかしたことないし?!わたしはアークスを殺して自分が死ねばそれだけで……」

 

「まずは言いたいことをまとめてから喋った方がいいんじゃないか。その知能の低さでは僕以外誰も貴様の話を聞かないと思うが?」

 

「はぁっ?!あっ、べつにわたしの体に価値がないって言うなら見なくてもいいですけど?!どうせこんな贅肉だらけのおデブでブサイクな体じゃダメって言うんでしょ?これは一応健康体としての出力のために……」

 

「良いが」

 

「え?」

 

 レヴィの感情が爆発し口論がエスカレートする前に、【敗者】は一言呟いた。

その一言だけでレヴィの動きは完全に止まる。

 

「あの、……いま、なんて……」

 

「可愛い体じゃないか。小さくて、いやらしくて……僕は悪くないと思うが?」

 

「ッ、〜〜〜ッ!!」

 

 レヴィの顔は真っ赤になり、【敗者】から離れようとするが彼があまりにも重く腰の上に乗っているためうんともすんとも動かなかった。

 

「るぅーさー!どいて、どっ、うっ、……か、可愛いとか言っても無駄なんだからね?!わたしがそんな言葉であんたに従うと思ったら大間違いだから!はやくわたしは、わたしの代わりの駒を探してこんな所からさっさと……」

 

「さっさと。なんだ?」

 

「お、おさら、ば……」

 

「……」

 

 レヴィは【敗者】が真顔だというのにその雰囲気に本気で殺意が混じったのを感じ、慌てて首を横に振りながらそれを撤回する。

 

「と……とにかくどいて!その、なんも出来ないでしょ?!」

 

「御託だな。なぜ貴様のワガママで貴様から一々命令されなければならない?土下座して乞うのが普通だろう」

 

「あんたがどかないと土下座も出来ないでしょ?!」

 

「あぁ……つまりどいたら土下座するという取引だと?」

 

「〜〜っ、な、ならあんたには何もメリットないし?わたしはここにいさせてもら……うわっ!」

 

 【敗者】は体を動かし、膝を立ててレヴィの髪を掴んで持ち上げ、そのまま立ち上がる。

 

「痛ッ、痛い!【敗者】っ……う゛ッ!」

 

 彼の手がバッと離され、レヴィの体が地面に落ちるとさらに上から【敗者】の足が降り掛かってきて彼女の顔面が地面にぶつかった。

 

「よし、土下座完了」

 

 【敗者】が足を離し、満足げに座り込むとレヴィは頭を起こして【敗者】の方を見上げた。

その瞳は潤み頬にはとめどなく雫が零れ落ち、レヴィは縋るように声を上げた。

 

「かんりょーじゃない!いたい、いたいよぉ……」

 

「……」

 

「うぅう……」

 

 こんなのまるであの時と――そうレヴィの頭によぎった瞬間、レヴィの頭にぽんと優しく【敗者】の手が乗り、右へ左へと不器用に動かされた。

 

「るぅ……?」

 

「……、己の嘘の責任もまともに取れないで泣き始める貴様が完全に悪いという自覚はあるか?僕でさえ少しくらい貴様に対して横暴が過ぎたかもしれないという思考はあるのだが」

 

 こんな信じられない謝罪の言葉があるだろうか?

 レヴィは【敗者】の言葉がよく分からず彼の顔を見つめてみると、【敗者】は何故か顔を赤らめて……同時に気まずそうな顔でレヴィから目を逸らしていた。

 

「う……」

 

 ――まるであの時と?バカらしい。あの場にいる奴らの一人でも【敗者】と同じ顔をした?【敗者】のように不器用にでも謝って、【敗者】のように頭を撫でてくれた?そんなわけないし、ニンゲンはみんな最初からわたしのことを忌み子扱い。それに対して【敗者】は今までこんなに良くしてくれたのに……

 こんな程度で【敗者】のこと嫌いになるわけないに決まってんじゃん。

 

「……えへ」

 

 レヴィは思わずくすりと笑い、彼に顔を向けた。

 

「もうへいきだよ、【敗者】」

 

「……」

 

 レヴィは【敗者】が尚も彼女から目を逸らし、手だけぐしゃぐしゃと動かしているのを見るといたたまれなくなり、彼の手の下から抜けてスッと近づいた。

 

「だから、そんなに悲しい顔しないで?」

 

 レヴィは【敗者】の頬に手を当てて、へにゃりと微笑む。

 【敗者】はレヴィに対する暴力も暴言も全て衝動のままに放ち、いくらでも加害するというのに、レヴィはその全てを受け止めて、そして許す。

 【敗者】は今この時、目の前にいるレヴィという女が己の為に生まれ、己を成功に導くため嫁いできたように見えた。

 

「……あぁ」

 

「ね、【敗者】……」

 

 レヴィが手を離そうとした瞬間、【敗者】は彼女の手を掴んで指に噛みつく。何を狙ってか一番そういう意味を持つ場所を。

 

「……良いか?」

 

「な、なにが?」

 

「貴様が誘ったことだろう。やらないのか、エル」

 

 【敗者】はレヴィの可愛らしい涙と甘い声に体が反応し、完全に勃起しきっていた。

 だからこのまま乳繰り合っていたら本気でレヴィのことをぶち犯してしまいそうで、それを抑えるには彼女の決めたボーダーラインである見せ合いと言うやつに早く固定して、精を吐き出してしまいたかったのだ。

 

「あ、や、やる……」

 

「いいだろう。ならば、この僕に見せるといい……貴様のその猥りがわしい肉体を」

 

二章で大体どれくらいの話数になるかを計算していた所、それなりに長くなりそうなので三章もしくは四章以降を続編という形で作品を分けるか検討しています。話数が長すぎると管理が少々面倒なのと、読者からしても見にくいのでは?と思ったため。

  • 続編として作品を分ける
  • 分けないで一つの作品でまとめる
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