狭い視界ですらそんなものなのだ。
彼女の金色の柔い髪と甘く不貞腐れた顔と、細い手足の首にだらしなく揺れる胸まで見たら、ここがメディカルセンターであろうが商業施設であろうが、【敗者】は性欲で満たされていたに違いない。
「アクセは抜きとしてさぁ……なんでその選択肢で靴下入らないの?いちばん効率的じゃん!」
「貴様の効率的が僕になんの益になるというんだ」
「あぁ、……その〜……、そうですね。異性の前だと恥ずかしいという気持ちは分かりますし家でも…」
「看護官!僕が恥ずかしいなど誰が言った!」
フィリアは【敗者】のような相手が特に珍しいとは感じることはなく、異性の医者に見られて異様に嬉しがる男もいれば、逆に嫌悪感を示す男も居て、それはたとえ医者が男で患者が女であっても同じことだと考えた。
が、……【敗者】はそれを許すような男ではない。
医者にお前は恥ずかしがっているんだ、と言われて素直に飲み込む程彼のプライドは安くなく、銀河3個分ほどの大きさを誇る彼のプライドは当然自分の責任となるフィリアの言葉を否定する以外に選択肢はなかった。
「えぇ……」
「いいかレヴィ。全部脱げ」
「なんでいつの間に三倍から全部になってるわけ?!」
「中途半端に脱ぐのが恥ずかしいんだろう?なら全裸にしてやる」
「いやいやいやいや?!何言ってるんですかねあなたは?!」
「貴様が脱がないというなら僕が剥いでやろう」
【敗者】はレヴィのジャケットに手をかけようとする。
レヴィは慌てて離れたあと、命乞いのように姿勢を低くして、とにかく【敗者】に向けて言葉を叫んだ。
「三倍!!せめて三倍!三倍で!本当に!」
「貴様の羞恥を煽るように脱がしてやろうじゃないか」
「なんでこうなるわけぇぇ〜?!なら別に家でも良かったじゃん?!」
がしかし、【敗者】にとってそれはレヴィを収めることのできる視界を広くするということであり、小さく座った彼女と目が合うと、【敗者】は心臓がきゅうと締まり、そして彼女の甘い肉体を見た瞬間全裸にする以外に選択肢はないと確信した。
「貴様の重いパニエも纏めてスカートに換算する」
「換算しないで?!てか選んだのあんたでしょ?!」
「ジャケットもシャツと同じ色をしているから纏めて一つだな」
「ちょっとこいつ全裸にしようとしてきてるんですけど真剣に!えっと、…フィ、フィリア?!」
レヴィの抵抗も虚しく【敗者】に服を掴まれている中、首だけをフィリアに向けて叫ぶと、彼女はレヴィから目を逸らした。
「あー……あのー、実は次の患者さんが居るので……」
「じゃあどうするわけ?!」
「その、ベッドはお貸しするので……二人で仲良く〜……」
「こっから仲良く出来ると思う?!無理なんだけど……ぎゃあああっ?!」
【敗者】はレヴィをベッドに投げると、淡々と呟きながら彼女の身ぐるみを剥がしていく。
「下着は上下セットのものを着ているな。ひとつに換算」
「ほんっとーーに無理なんだけどこいつ!別れる!別れる!」
「付き合ってすらいないだろう」
「あんたが始めた嘘でしょ?!」
意味不明な理論で【敗者】がレヴィの服をどんどん脱がしていく中、フィリアはひとつの通信を取った。
「……はい、えぇ……。……あぁー……やっぱり、……逃げちゃってますか?」
次の患者はフィリアにとって特別な相手だが、その患者の自己犠牲癖に対して"無理をするな"と何度も叱った結果メディカルセンターが嫌いになったようで、定期検査ですら苦労している始末だ。
「安心するといい。貴様の言う効率である靴下は残しておく」
「いや着てる方が逆に効率悪いんですけど?!」
「なんだ……そこも脱ぎたいのか?」
「いやいやいやいや!!靴下を脱がす代わりに下着を止めてくれるのならそれはもう有難いかも?!なんて?!」
「ないな」
「……そうですか、……え?連れてきてくださるんですか?遅れは……大丈夫ですよ!私がずっと見てきた、大切な人ですから!」
しかし、フィリアの落胆した声は通信の向こうのとある言葉で好転し、嬉しそうに声を上げながら、うんうんと首を上下に動かしてそれから笑った。
「良し」
「ひぃぃ〜〜ん……こんなのってないよぅ……」
「はい、わかりました。はい、失礼します」
フィリアは何度かの感謝の言葉を述べた後、通信を終了させる。
「あのー、次の患者さんはもう少し時間が掛かるそうなので……って本当に脱がされてる?!」
そして振り向くと、全裸になってしくしくと泣いて床にへたり込むレヴィと、微塵も脱がずに彼女を見下ろす図体のでかい男が涼しそうな様子でベッドに足を組んで座っていた。
「此奴本当に脱がした!ヘンタイ!ヘンタイ……ひゃあっ?!」
レヴィはどうにかベッドに上がろうと体を動かすと、彼女の内側から漏れた白濁がぽたりと零れる。
いやらしく割れた尻穴と処女膜のない膣口はアダルトビデオのものよりも淫猥で、そして不思議と可愛らしさも感じる。
「締まりの悪い穴だな。汚した分は貴様が舐めて取れ」
「あんたのもののせいでしょうが……ぎゃっ!」
レヴィが拭き取ろうと振り向くと、【敗者】の目前にレヴィの大きな尻が見せられ、そこから見えるいやらしい肉壺の口を丸出しにする姿に【敗者】は完全に勃起した。
彼はレヴィの腰を掴み己の元に無理やり引き寄せカーテンを閉める。
「ほら、……さっさとやれ」
レヴィの髪を引っ張り【敗者】の股間に押し付けると、レヴィはあからさまに嫌がって顔を歪めた。
それも【敗者】を滾らせるだけだ。
「ムカつくんだけどほんとに〜〜ッ……このっ、……このこのっ」
「ほら、僕の手に物はあるぞ。アークスなんだから少しくらい急いでみたらどうだ?いつもいつも無駄に生き急いでいるじゃないか」
レヴィが彼のズボンのチャックを下ろし、それから下着のシームをなぞって硬くなった逸物を手繰り寄せ露出させる。
「うるさっ!っふん!……うわっ…」
「今更何を驚いている…」
「はぁ?驚いてなんかないですけど?!」
【敗者】にあまり構っていると全裸の状態が一生終わらないと思ってレヴィは何とか切りかえ、【敗者】の逸物を包み込むように触れた。
「えーっと、太さ、……太さはっと…」
そしてそのまま、彼の逸物をまるで扱くように、上へ下へとゆっくり動かす。
「ッ!なんだその触り方は……」
「は?だって……場所によって太さ違うし……」
レヴィはとぼけた顔のまま、まだ彼の逸物に触れて、全ての場所の太さを1ミリずつ全て把握できるように太さを測っていたが、しかしそれは【敗者】からしてみれば手コキされているようにしか思えなかった。
「何をほざいている?」
レヴィの柔らかい手がそれを包み、レヴィの韓紅の瞳がそれをじっと眺め、レヴィの晒された白い肌と小さく丸い肩、そして彼の足に押し付けられる大きな胸が、とにかく【敗者】の劣情をひたすら煽る。
「えぇ?えーっと、……ここもピッタリじゃなきゃダメなのかなぁ……?」
このままでは目の前でレヴィを襲ってしまいそうだ。
しかし、【敗者】は幸運にもレヴィがなぜそんな行動をするのかを理解した。
「……そうか理解した。凡俗共には理解できないだろうがこの僕には理解出来た。流石僕だ……このような気の狂った痴呆症の考えすら理解出来るなど……僕にこそ全知は相応しい……!」
「はぁ?何言ってんの?」
【敗者】はカーテンの隙間から手を出し、フィリアを呼ぶ。
「……看護官。コイツはまともな性教育を受けていない。コンドームの形状も知らないようだ。適当なやつを寄越せ」
「え?あっ、……は、はい」
彼のゴツゴツとした大きな手にフィリアから手渡されたMサイズのコンドームが握られると、彼はすぐにカーテンの中に手を引っ込めて、それからコンドームの封を切って取り出した。
それをくるくると解き、先端の膨らみを摘むと【敗者】はレヴィに見せつける。
「……ほら、レヴィ。太さは先端以外一定だ。わざわざ全体を測らなくとも一番太い場所が分かるだけで良い」
「ほぉー……、うわ、なんか、……油っこい。機械油みたいな匂いはしないけど……変な良い匂い」
レヴィは【敗者】の持つコンドームに顔を近づけ、匂いをクンクンとかいだ。
不思議そうに顔を傾げ、視線を集中させるさまに【敗者】はもうどうしようもないくらいレヴィが可愛く感じて、コンドームを没収するようにクシャリと握って彼の背に置くと、レヴィに問う。
「それで……そいつの太さはどうなんだ?」
「えー?……5センチ、……で、こっちの太さは……太いところはここ、だよね?」
レヴィは鈍く真剣にコンドームの形状を思い出しながら【敗者】のカリ首をなぞり、一番太い場所の具体的な大きさを捉えようとする。何度も何度もカリ首を擦り、レヴィの親指が無意味に裏筋に触れて、そしてレヴィは顔を顰めながらさらに顔を近づけて、【敗者】の逸物に息を吹き掛けた。
「ッン、……」
「じゃあ、……合わない?いや、……でもこれゴム?じゃあ伸びるか……」
「……無理矢理嵌めるなど考えてるわけじゃないだろうな?」
「全然無理やりじゃないけど?こんくらいの差ならゴムくらい伸びるでしょ。でー……えーっと……どうやってつけるのこれ?」
レヴィはコンドームの包みを指で切り、中身を取り出すと裏へ表へと眺めながらMサイズのそれと比べた。
明らかにメガサイズの物の方が太さも全体的な厚みも違う。大きいから格納されている状態が厚く感じるのは当然で、開いたら厚みは同じなのだろうとレヴィは思っていたが、とにかくそれに対する性知識に欠けていた。
「……手を貸せ」
「え?あ……うん」
レヴィのもちもちとした柔い手に【敗者】は手を重ね、彼女の指を操作するように【敗者】はレヴィにコンドームを持たせて、亀頭に被せようとする。
「こうやって、……。おい、……貴様の指は何故そんなに小さいんだ」
しかし、レヴィの手が小さく操縦するにしても【敗者】の手が滑ってしまい、【敗者】は顔を顰めてレヴィに文句を言った。
「あんたのがでっかすぎるだけでしょ」
「指だけではなく手も……。……小さくて、柔らかい」
「あんた何言ってんの…?」
レヴィにそう言われてしまうほど【敗者】の発言はおかしく、彼は視界を明るくする為フードを少しずらすと目がいつもより充血して見開き、顔を赤らめて発情しきっているその表情がレヴィにも悟られた。
【敗者】はレヴィの手をもみもみと触ってからどうにかしてレヴィの手で【敗者】の逸物にコンドームを嵌めさせる。
多少窮屈さはあるが、まあ仕方ないの範囲で済むだろう。
「お、……おぉ……ちょっときついけど……入ってるの……これ?」
レヴィはコンドームの着いている逸物の様相が珍しく、感触を確かめようと逸物を握って動かすと、【敗者】は顔を歪め、快楽に体を震わせた。
「……っ、だから扱くな」
「あっ?あっ……」
そう言われてレヴィはぱっと手を離し、ごめん、と小さく声を呟く。
しかし【敗者】はそれで止まる男なわけが無い。
二章で大体どれくらいの話数になるかを計算していた所、それなりに長くなりそうなので三章もしくは四章以降を続編という形で作品を分けるか検討しています。話数が長すぎると管理が少々面倒なのと、読者からしても見にくいのでは?と思ったため。
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続編として作品を分ける
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分けないで一つの作品でまとめる