とてもじゃないが、子供のままごとでももうちょっとマシだ。これだったらアルテ自身がやった方がよっぽど早く終わりそうなものだったが、形だけでも掃除しているピッグを眺めて納得したのか、よしよしという表情でその部屋を後にする。
「あとは任せたからね」
「おそうじ……しなきゃ……」
四つん這いのピッグがズッズッと不器用に雑巾を床に押し当てる。
そうしてびちょびちょになった雑巾をバケツの上で絞り、また雑巾を床の上を這わせていく。掃除の概念を理解しているだけでも十分なのかもしれない。
「きれいに……しなきゃ……」
ふと、そんなとき、床にぴちょりと滴が垂れる。
それは、ピッグの秘所からしたたり落ちたものだった。それまで自覚していたのかどうかは定かではないが、さっきの今までしていたことがしていたことだけに、そうなっても当然ではあった。
アルテも急ぐあまり手を抜いてしまったのかもしれない。あるいはそれでも十分だと考えたのか、ピッグの下着を描かなかったようだ。
そのせいで、濡れそぼるピッグの秘所からはまたぴちょん、と垂れる。
「きれいに……しなきゃ……」
同じことを呟くピッグだったが、心なしかその頬はほんのりと赤く、何処か言い訳じみて聞こえた。そして、自分の体液でびしょびしょになっていた雑巾を手に、四つん這いのまま、自分の秘所を拭い始める。
「ん……ッ!」
感度は極限まで高まっていたままだったのだろうか。じっとりと濡れた秘所に触れただけだというのに、それだけでピッグはまた潮を吹く。
当然、床もまたびちょびちょになる。
「ぁっ……きれいに……、しなきゃ」
うわごとのようにそう繰り返し呟いて、ゴシゴシとこする。
そうしてまたビクンと身体を震わせ、簡単に潮を吹く。
掃除をすることに一生懸命のつもりでいるのか、それともそれがオナニーだと分かった上でやっているのか。
何にせよ、ピッグは簡単にイク身体を堪能するかのように秘所をゴシゴシと拭うようにして潮を吹いては、またゴシゴシと拭く。
次第に、雑巾越しにこするのも煩わしくなってきたのか、ピッグはびしょびしょの床に腰を落ち着かせ、両手で秘所を弄り始める。
「きれいに、しなきゃぁぁ! ぁんっ」
もはやその行動は掃除ですらなくなっていたが、思考能力もまともに機能していないピッグにそれを判別することはできなかった。
指を滑らせ、秘所の上、クリトリスをキュッキュと磨くようにしごき、もう片方の手は愛液をだらだらに垂れ流し続ける源泉から掻き出そうという勢いでにちゅぬちゅと膣内を引っかき回していた。
当然、そんなことをしたところで奥から愛液は途切れることもなく、効率良く潮を吹き出しやすくしているだけだ。
そうこうしているうちに、掃除していたはずの床はますますびっちょびちょに酷く汚れていくばかりで、一向にキレイになることはない。
掃除を命令したアルテなど、とうに自分の寝室でいびきをかいて寝ている始末だ。
コリンはといえば、残念なことに外出中で、この場にピッグを止められそうな人物はいなかった。
「あひぃぃ! きれいに! きれいに!」
何をどうしてきれいにすることができるというのか、傍から見たら誰も理解できようもない。ピッグはただただ快感に流されるままにオナニーしているだけだ。
何度目の潮吹きだっただろうか。ピッグにも体力の限界というものくらいある。
唐突にプッツンと糸が切れたように、両手の指を自分の秘所に挿入したまま、意識が飛んだ。白目も剥き出しに、びちょびちょの床に倒れ込む。
もう少し、一握りでも理性が残っていればマシだったのかもしれない。気絶するほどにオナニーするなんて、もはやピッグも中身までケダモノと変わらない。
※ ※ ※
床の上にずでーんと横たわり、腰をヒクヒクとさせたまま動きそうにもなかったピッグはどれくらいそうしていたのか定かではないが、自分に秘所に突き刺していたままだった指が、丁度いいところにズブリとハマり込み、その快感で目を覚ます。
「はぁ、はふぅ、お、お、おそうじ、キレイに、キレイに、しなきゃぁ……」
うわ言のように呟いて、のそのそとピッグが立ち上がる。
一応は命令を受けていることと、自分が魔女に仕えている従者であるという認識だけは崩れていない様子だ。
だからといって、まともに動けているかと言われれば怪しい。
フラフラとした足取り。何処を目指しているかも分からない虚ろな目。
体をポリポリと掻くような感覚で、自然と自分の秘所に指を突っ込んでぬちゅぬちゅと弄る。それはもうピッグにとって消えない癖なのかもしれない。
オナニーしたまま部屋の中を徘徊し、床中をポタポタと愛液で濡らしていく。しばらくの間そうしていたが、ふとハッと気が付いたように目をパチクリとさせる。
「お掃除しなきゃ。キレイにしなきゃ」
先ほどよりかは幾分マシな程度にしゃっきりとした顔をする。
まだ、少し正気であるかどうかは疑わしい目をしているが。
さしものピッグも一応は人間であり、知能はある。
アルテだって万能でこそないが、魔女としての実力は一国に認められるほどだ。
少し休んだことでピッグの疲労もそれなりにとれてきて、アルテの魔法の効力がいい具合に効いてきた頃合いなのだろう。頭がぶっ壊れるほどの性欲に流されなければ、ピッグだって使用人として申し分ない。
「お掃除、しなきゃ」
ただやはり、それは即ち正気であるとは限らない。
その部屋が、なんでもない部屋だったのなら支障はなかったことだろう。
しかし、あいにくなことにこの部屋は魔女のアトリエ。実に不穏なものがそこかしこに散らばっていた。
アルテ自身がどの程度の認識だったのかは今さら知りようもないが、少なくとも正気ではないものがフラフラと動き回っていいような部屋ではないことは確かだ。
「お掃除、いたします。お掃除、お掃除……キレイに、キレイに……」
テーブルに置かれた小瓶を持ち上げて、棚へと運ぶ。
そのとき、ピッグは気付いてしまった。
手に持った小瓶の中に何が入っているのかということに。
「ふひ、ふひひ?」
鼻がヒクヒクと動く。その途端、ピッグの僅かばかりに取り戻した理性らしき何かがブチブチに千切れていく。
ここは魔女のアトリエ。この部屋には魔女の画材が散らかっている。
そして、その中でも一番重要なものとは何か?
それは勿論、絵の具である。
さらに、その絵の具の材料は何かといえば、新鮮なコリンの精液である。
ひょっとしたら、催眠が強い状態だったのなら気付かなかったのかもしれない。
中途半端に理性を取り戻さなければ無感情に整理整頓できていたかもしれない。
小瓶の中に精液がたっぷり詰まっていると気付いてしまったからには、もはやピッグの理性が保つわけがなかった。
「ぶひぃぃぃ♡ じゅる、ずずず……」
顔をとろんとさせ、ピッグは目の前のそれをむさぼり始める。するとあっという間に小瓶は空っぽになる。それで終わりならよかっただろうが、既にピッグは小瓶の中には精液があるということを学習してしまった。
小瓶という小瓶はこの部屋にはいくらでもある。
暴走してタガの外れてしまったピッグにはもう止まるという選択肢はない。
「キレイにっ♡ キレイにっ♡ キレイにっ♡」
今のピッグの思考は一つ。
小瓶の中にあるものをキレイにたいらげるということだけ。
テーブルの上に置かれている小瓶も手あたり次第に手に取り、棚に整列していた小瓶までも根こそぎさらっていった。