すかさず、アルテは手前に置かれた瓶を寄せて、どぷどぷと白濁が溢れるコリンの先端を力任せに瓶の口に合わせる。
無論、そんな強引にもほどがある乱暴な扱いをされてコリンも平然としていられるわけもなく、思わず身体も仰け反る。
「くっは……」
まるでそういうおもちゃのようだ。
「あんまちんぽ動かさないでよ。溢れた分が勿体ないでしょ」
無茶を言うな、の一言が発したかったのだろう。コリンの口が言葉にもならずもがもがと唸る。例え発せられたとしても中断される選択肢などなかっただろうが。
コリンのソレからドピュドピュに溢れ出る白濁の液体は瓶の口に入りきらないほど量があった。
狙いもよろしくなく、ドロドロとベッドのシーツとコリン自身の下腹部を汚すばかり。
「よし、満タンになった」
そういってコリンの白濁のソレでいっぱいになった瓶をどかし、ご満悦のアルテ。瓶はすっかりたぷんたぷんだ。
「じゃあ、次ね」
と、空の瓶を持ってきて同じようにコリンの下腹部の下辺りに配置する。
そして、またしても絵筆を構えて、コリンの巨大なソレに立ち向かう。
それは魔法によるものなのか、感度が狂っているとしか思えない。精道も壊れてしまっているようにしか思えない。
絵筆が触れればビクンビクンとコリンの身体ごと跳ねて、絵筆が筋に沿ってツーっと這えば、ビュルビュルビュルと白く濁ったソレを吐き出す。
さっきよりもまたあっさりだ。一度負けて観念したともとれる。あまりにも簡単すぎる。絵筆でつついて、毛先を這わせるだけでコリンはまた瓶をいっぱいにしてくれる。
「はーっ、はーっ、はぁー」
顔を真っ赤にして、抵抗するような態度も見せず、コリンは何とも情けない顔で、身体を震わせる。
呼吸をする度に白い液体を出すおもちゃだ。さっきまでイヤイヤだった態度が嘘のよう。
「コリンくん、息を整えて。すーはー。そうそう。ほらっ、つんつん。もっと射精して? あははソーロー、ソーロー」
アルテは愉快、痛快、超爽快といった上機嫌っぷり。
絵札を動かすだけで面白いようにコリンの巨大なソレはぐちょぐちょになるほど白い液体をびゅるびゅるに出してくれるのだから。
「こっちはどう?」
絵筆が下を這う。ぴゅっ、ぴゅっ。
「あは。こんなのはどうかな?」
絵筆が渦を描く。びゅるっ、どぷぷ。
「気持ち良さそうだねぇ、コリンくん。おかげて瓶も五本目だよ。おつかれソーロー、きゃはっ」
途中から出させる方に夢中になりすぎて、瓶からこぼれた量の方が圧倒的に多かった。おそらくは一滴もこぼさなかったらあと三本くらいはあったかもしれない。
「はぁー、はぁー、おひひょーしゃまぁ……」
だらんと口を開け、よだれを垂らした阿呆面で、心なしか恍惚とした笑みを浮かべるコリンが瞳で訴える。
言葉も言葉にならないが、何を言いたいのかはコリンのソレが代弁する。
ドピュリ。残り物を出すかのように、また身体を震わせて、ベッドのシーツを汚した。
「なぁに? コリンくん、まだ絞られたいの? おもらししちゃあダメだよ」
ペシっと、絵筆でそそりたつソレが弾かれる。コリンの先がピックンと動くが、さしもの巨大なソレもすっかり枯れてしまったようで、それ以上は何も出そうになかった。
「おひひょーしゃまぁ……はひ、はひぃ……、おひんほしゅきぃ」
おそらく本人も無意識で何を言っているのかも自覚していなかっただろうが、最後の最後にアルテに向けた言葉を放つと、そのまま落ちた。
「うふふ……かわいい弟子だこと」
そういってアルテは、コリンの頭をやさしく撫で、淫靡な笑みで見下ろす。
これ以上眺めているとニヤケ顔が堪えられなくなってきたのか、劣情を催してしまいそうだったのか、瓶を抱え作業部屋へと消えていった。
※
※ ※
※ ※ ※
コリンがベッドから目覚めたときにはとうに朝日が昇っており、カーテンの隙間から差し込む明かりに照らされていた。
気を失う直前まで巨大だったはずのコリンのソレは元の大きさに戻っており、朝勃ちしているというのに可愛らしさすら感じられることに悲観的になれるほどだ。
コリンがすやすやしている間に拘束も解かれていたらしく、無事にベッドから起き上がることができた。
ふと、よれよれ立ち上がったコリンが作業部屋の方を覗き見てみると、イーゼルの前に腰かけて眠りこけているアルテの姿があった。
アルテの羽織るローブはすっかり絵の具の汚れだらけ。よくこんな状態で寝られるものだと感心するくらい。
イーゼルに掛けられたキャンパスの中には、おそらく牧場らしき風景と、家畜らしき数匹の豚が描かれていた。
どうやら、コリンから搾り取るものを搾り取った後、すぐに作業にとりかかったらしい。
作業部屋の片隅には色のついた瓶が何本か並んでおり、それを見るだけでコリンは昨夜の記憶が思い起こされてしまう。
振り払うように首を振ると、コリンはアルテの肩を叩く。
「師匠、師匠。お師匠さま! またこんなところで寝ててはダメでしょう!」
「ふぁ? ああ、こりんきゅんおはよ……ふにゅにゅ」
寝ぼけ眼をこすりながらもアルテが目を覚ます。すくりと立ち上がり、目の前の絵画を眺めると出来映えを確認する。
「これ、もう完成してるから王都に持ってって。ふわわぁぁ……」
とぼとぼと歩き始めたかと思うと、寝室の方へと向かい、絵の具まみれのローブを脱ぎ捨てて、そのままベッドに倒れるように落ちた。
「まったく、しょうがない人だなぁ……」
寝息の聞こえてくるベッドを横目に、コリンは完成した絵画を今一度眺めて、実の師匠の腕前を再認識した。
※ ※ ※
都会の昼下がり、屋根のない馬車に揺られて門をくぐってきたのは、丁寧に梱包されたキャンパスを背負うコリンだった。ガタゴトと積み荷のように運ばれて、ようやくして石畳を踏んだ。
「ありがとうございました」
ペコリと御者に向けてお礼し、目的地の方へと向き直る。
王都の名に恥じぬ程度に喧騒にまみれた雑踏の中へ、コリンはその小さな身体をねじ込むようにして消えていった。
多分、コリンの身長がやや高ければ見上げたときに既に見えたであろう。この街の中央に鎮座する、荘厳なる城が。それがコリンの向かう先だった。
人混みを押しのけて通るには、コリンは小さすぎた。そうでなくとも、背中には大きなキャンパスを背負っている。ただでさえ、今もその幅広いソレが何度かぶつかっては背中向きに倒されそうになっている。
なんとかえっちらおっちらとかいくぐり、到達したのは噴水の立つ広場だった。開けていることもあって、人混みもそこそこマシになった。
ふひー、と溜め息をつくと、コリンはキャンパスを背から下ろし、近場にあったベンチに腰掛けた。見上げてみれば城は目と鼻の先。また溜め息が出る。
昨夜の疲れもまだ残る中、汗ばむ体をベンチに預けていると、王都を巡回していたのであろう兵士の一人がコリンに気付き、近寄ってきた。
重そうな鉄の鎧を身に纏う、屈強な肉体を持った大男が、のしのし、ずしずし、何とも威圧的な足運びで現れる。
「コリン殿ではござらぬか!」
そこらで石ころをついばんでいたハトたちが一斉に飛び立つほどの大声量で大男が吼える。ついでに、遊んでいた子供も驚いてすっ転んだ。
さすがにうとうととしかけていたコリンもハッと飛び上がる。
一体どういう取り合わせになるのか、王都の噴水広場には小人と巨人ほどの図体の差がある二人が対峙していた。
傍目から見れば、なんと不釣り合いなことか。