「ぁんっ、その調子よ」
まるで呑み込まれていくようだった。
思えば、ルビーに色々とされることは多かったけれど、こうやってボクが自分からルビーにおちんちんを挿入れたのは初めてだったかもしれない。
初めてじゃないにしても、めったになかったことだけは確かだ。そう思った途端、気恥ずかしさが何処からか沸いてくる。でも自分の中の欲求には勝てなかった。
おちんちんの先が丸ごと包まれて、手の平の温かさの比じゃない。ぬぷぬぷとしたこの感触も、それだけで絞られてしまいそうな心地。
ずっとオナニーばかりしていたから、ルビーと、女と交わる快感がこんなにも気持ちいいものだったなんて今更知った。
こんなことを知ってしまうと、自分の手なんかがただのお遊び程度にしか思えなくなってしまった。どうして、どうして今までルビーとするのを拒んでいたのか。そんな自分に腹立ってくるほどだ。
ぐちゅ、にちゅ、ぬちゅ。ボクはルビーに挿入れたソレを一心不乱に、無我夢中で、ただただピストンさせた。
そうしなきゃいけない、そうしないとおかしくなってしまうから。自分の奥底、何処かに潜んでいるあのスライムから滲み出てくる、あの快楽の波に押し流され、そして急かされるかのように。
ただ、こんなこと、自分からなんてめったにしないものだったから恐ろしく不器用な動きだ。まず腰使いもだらしなくて遅い。動かしているのはオナニーみたいに手だけじゃない。腰も身体も動かさないといけない。
そもそもボクとルビーとでは体格さもあるのだからやりづらくて当然だ。必死に必死に動かして、ようやく速さが乗ってくる。
「ぁぁ……、ご主人様……、ご主人様……っ」
ボクはルビーのおっぱいに身体を預け、よりかかるようにして、腰だけをうまく動かすようにする。
ああ、こうすればやりやすいかもしれない。少しずつ、少しずつ分かってくる。
にちゅ、にちゅ、ずっぽ、ぐっちゅ。やり方を覚えてきて、ピストンの速度が上がっていく。それとともに、おちんちんから快感が上り詰めてくる。これなら……。
そう思ったが、やはり寸でのところで射精はできなかった。
「はぁ……、はふぅ……、で、射精ない……、射精ないよぉ……」
もどかしさに堪えられず、ボクは涙でぐちゃぐちゃの顔で、ずっとケダモノみたいに腰を振り続けていた。じゅっぽ、じゅっぽ。まるでいつものルビーみたいに。
情けないとも思ってるし、恥ずかしいとも思っているのに、そこまで来ている出ることのない射精感に背中を押されるように、止めることができなかった。
ずっぽ、ぬっぽ、ぐっちゅぅ。
いくらやっても、いくら突いても、一向に射精はできない。
「そりゃ無理かもね」
「そ、そんなぁ……、ウソだったんですか……?」
「だって、フェル、射精することしか考えてないんだもの。スライムに本来の使い方を教えなきゃいつまで経っても精液はおいしいエサになるだけよ」
本来の使い方。おちんちんの、精液の本来の使い方。なんだったっけ。射精したい。射精したい。本当はどうすればいいんだっけ。
ああ、射精できない。どうすればいいんだったっけ。精液って何のためにあるんだったっけ。射精ない、射精ない、射精したい。
頭の中がぐちゃぐちゃで、もう何がなんだか分からない。
「どうすれば、どうすれば……、射精できるんですか?」
「ちゃんとフェル自身が認識することよ」
「認識……?」
「そ。子供を孕ませる気がないなら、ダメってことよ」
ルビーは、またなんと言った? コドモヲハラマセル? 子供を産むってこと? ああ、そうだった。ボクのおちんちんはそのためにあるんだった。
でも、子供なんて、子供なんて、ボクがそんなこと。でも、射精したい。射精しなくちゃ、ボクはおかしくなってしまう。
「ぁ……、ご、ご主人様、ご主人様ぁ……」
射精したい。でも子供を産ませるなんて、ボクには考えられない。
でも射精したい。でも子供なんて。ああ、どうすればいい。どうすればいい。ああ、そうだ。孕ませなきゃいけないんだ。
ルビーを、ボクの精液で孕ませるんだ。そう強く願わなければ射精できないんだから。そうだ、ルビーを、孕ませなきゃ。
「そうよ。フェルはオスで、あたしはメスなの。メスを孕ませるのはオスの役目、でしょ?」
ずっぽ、ぬっぽ、ぐちゅ、ぬっぽ。
ああ、射精そうなのに、射精ない。違う、違う。射精のことを考えちゃダメなんだった。ルビーを、ルビーを孕ませなきゃ。
そうしなきゃ射精できない。いや、違う。孕ませるんだ。ルビーを。射精なんて考えちゃダメなんだ。ルビーを孕ませて、孕ませて。
「はぁ……ひぅ……、ぁ……、はらま……しぇ……、だして、……ごしゅじんしゃまぁ……ぁぁ、だしたぃから、はらましぇて……、だしゃなきゃぁ……ひいぃ……ひゅうぅぅ……」
「あらあら、おかしくなっちゃったかしら? ま、フェルにはまだ子供を作るなんて理解できないでしょうしね。ふふ。せいぜい、めいっぱい悩みなさい。悩んだ分だけ射精できなくなるだけなんだから」
射精したい。にちゅ、ぐちゅ。ああ、おちんちんきもちいい。ぬっぽ、にっちゅ。射精ないよぉ。ぬちゅぅ、ぐっちゅ。ルビーの膣内に吸い込まれそう。
ぬぷぅ、ぐぽぅ。ああ、いつになったら、いつになったら射精できるんだろう。このままじゃ、おかしくなっちゃう。どうしよう、このままじゃ、ルビーにおちんちん出し入れするだけの人形になっちゃう。ああ、射精したい、射精したい。
※ ※ ※
今日もまたスライムの甘い快感にボクは身体を震わせた。
ただ、もうオナニーをすることはなくなった。その必要はなくなったから。そしてまたボクの中で射精したいという欲求は膨れ上がる。
「ご主人様、よろしいでしょうか……?」
堪えきれなくなって、掃除を途中でほっぽりだし、ボクはルビーの部屋に来ていた。ルビーは待ちわびたようにボクの顔を見るなり、服を脱ぎ始める。
そしてボクは急かされるようにルビーに抱きついた。
「またガマンできなくなったの?」
「はぃ……、ご主人様、……射精、させてください」
あれからまだ、ボクは射精できていない。
毎日、毎日、ルビーにおねだりしては、おちんちんを出し入れするだけで終わってしまう。オナニーのかわりにルビーとすることが増えた。
前まではボクからルビーにこんなことをお願いするなんて考えられなかったけれど、今ではもうボクはこうしないではいられない。
きっとルビーの思い通りになったことだろう。
ボクは自分からルビーを求めていく。
「あたしを気持ちよくできたら、射精できるようにしてあげてもいいわよ」
またルビーが甘い誘惑の言葉をつぶやく。
たとえそれがウソだったとしてもボクはそれにしがみつくしかない。
その言葉にすがるしかない。そのためならボクは、ルビー専用のおちんちん人形にされたっていい。射精したいから。いっぱいどぴゅ、どぴゅって射精したいから、そのためならボクはもう、なんでもする。
それに、射精できなくたって、ルビーの膣内はとっても気持ちいいって知ってしまったから。だからボクは途方もなく絶頂を迎えられないという苦痛の中で、少しでも、少しでも気持ちよくなれる方を選んでしまっていた。
気休めにもならないし、むしろ絶頂したいという欲求をいたずらに膨らませてしまうだけの悪循環だと分かっていながらも。
「ご主人様、お願いします……」
ボクはまた、この抜け出せない泥沼に、自分から沈んでいった。