※この作品はR-18です。

エルデンリングって何だよ   作:ポチ&タマ

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第12話 円卓

 ザリガニの味が本当にエビだったという地味な衝撃を受けた後。

 円卓でまた逢おうと言い残し、去って行ったネフェリ・ルーを見送り、大ルーンとやらを手に入れた。

 

「これがエルデンリングとやらの破片?」

 

 ゴドリックが居たと思わしき場所に落ちていた、三つの輪が重なったマークのルーン。

 ふわふわと浮いていたそれに触れると、大ルーンは俺の中に入り込んだ。

 取り出すことも出来るみたいだが、特に変化は感じられない。

 褪せ人の使命はこれを集めてエルデンリングとやらを修復することにあるらしいが、いい加減エルデンリングって何なんだ?

 

「エルデンリング……この世界の法則を定める神の座、とでも言うべきかしら。今の世界はエルデンリングが砕けて可笑しくなっているけど、本来はもっとまともなのよ」

 

「ふーん。今いち想像できないけど、これを持ってるのがデミゴッドって奴なんだな」

 

「えぇ。全員が全員、という訳ではないけど。デミゴッドのうちの誰かが持っているわ。詳しい話は円卓で聞いて頂戴。私は行けないけど貴方たちを送ることは出来るから」

 

 そう言って俺とローデリカの手を触るメリナ。

 てっきりメリナも付いてくると思っていただけに驚きだ。

 

「メリナ様は円卓に所属しては?」

 

「いないわ。あそこは少し思うところがあってね、あまり行きたくないの。……じゃあ送るわね。帰ってくる時は私がビーコンになってあげるから、大祝福に触れながら念じてみて」

 

 そう言いメリナが目を閉じると視界が暗転し、気付けば薄暗い建物の中にいた。

 目の前には円卓の名に相応しい巨大な丸テーブルが置かれており、その中央に座す巨大な光の塊を取り囲むように数多の武器が突き刺さっている。

 この光が大祝福なんだろうが、なにこの布陣……メッチャ格好いいんだけど。

 

 部屋の中は如何にも洋館といった豪奢な内装をしており、暖炉の火と大祝福、小さな蝋燭が部屋を淡く照らしている。

 奥には巨大な両扉が見えるが今は閉ざされているようだ。

 

「ここが、円卓……」

 

 ローデリカと一緒に周囲を見回していると、不意に声を掛けられた。

 

「ほう、久しいな。褪せ人が此処にやって来るとは」

 

「あ、どうも」

 

 壁際に立つ杖をついた人だ。甲冑に身を包み、ヘルムもしているため様相は分からないが、声からして男の人っぽい。若干腰が曲がっているから高齢なのかな。

 杖も老人がつくようなものではなく、魔術師が使うようなステッキだ。甲冑を着てるから物理系の戦士かと思いきや、こう見えて魔術師なのかも。

 

「先達として歓迎しよう。ここは安全だから、ゆっくりしていきなさい」

 

「ありがとうございます!」

 

「お世話になります」

 

 元日本人として挨拶は大切。

 感謝の意を込めて勢いよくお辞儀をする俺に対し、恭しく頭を下げるローデリカ。

 

「だが、一つ忠告しておこう。君たちはまだ円卓に訪れたばかりの、云わば居候だ。分を弁えて行動したまえよ」

 

「あ、はい」

 

 全然歓迎してないじゃん。

 やはり新参者はそう簡単には認められないよな、ってことで戦果を持って参りました!

 ゴドリックが持っていた大ルーンを懐から取り出して見せると、ヘルムのお爺さんが勢いよく振り向く。というか今、二度見したよね。

 

「そ、それはまさか……!」

 

「ゴドリックって奴を倒して手に入れたんですけど、あと何個必要ですかね?」

 

『なんじゃとぉおおおおおーーッ!』

 

 わなわなしているヘルムのオッサンが何かを言おうとする前に、閉ざされた両扉から凄まじい絶叫が轟いた。

 重い音を響かせながら扉が開き、その向こうから杖をついた老婆が現れる。

 その人はフラフラとこちらに歩み寄ると、大ルーンを持つ俺の手をガシッと掴んで来た。っていうかこの人、目がないし!

 両目が暗い眼窩になっているお婆さんは俺の腕を掴みながら、震える声で喋る。

 

「おぉ、おぉ……! これぞ、まさしく大ルーン……! なんということじゃ、褪せ人がデミゴッドを倒したなんて何十年ぶりかのぅ……! 指様が喜んでおられるのも納得じゃて」

 

 そう言い手を離したお婆さんは、人好きのする笑みを見せてくれた。

 あらやだ、目が無いけど意外と可愛いお婆ちゃんじゃない。

 

「驚かせてすまんかったの。儂は指読みのエンヤ。大いなる意志の遣い、二本指様のお言伝を伝える婆さね。気軽に婆とお呼び」

 

「オッス! ゴドリックをぶっ飛ばした雷斗です! よろしくお願いしまーす!」

 

「私はローデリカと申します」

 

「うむうむ。雷斗坊にローデリカ嬢じゃな。二人も人が増えるなんて、ありがたやありがたや……。――それじゃと言うのに」

 

 それまで孫に会うお婆ちゃんのような朗らかな笑顔を浮かべていた老婆だが、ヘルムのオッサンに向き直った時には眉間に皺が寄り、声高に叱責する。

 

「また新入りを弄ってたんか百耳の坊! あれだけ止めるよう言ったのを忘れたんかお前さんはっ! これじゃから新入りが来てもすぐに出ていくんじゃ!」

 

「……坊呼びは止せ。もうそんな歳ではない」

 

「かぁー! 都合が悪くなったらすぐに話を逸らす! まったく坊の悪い癖じゃわい。儂から見れば坊などまだまだ木っ端よ」

 

 うんざりした様子で頭を振るうオッサン。なんだか親と子供のようなそれに見えて来たな。

 

「さあ雷斗坊や、こっちにおいで。指様のお言伝を伝えようじゃないか」

 

 指様とやらが用があるのは俺だけらしいので、一旦ローデリカと別れることに。

 そういえば、メリナも向こうに残してきてるからあまり長居出来ないんだよな。話を聞き終えたら、一度戻るか。

 

 

 

1

 

 

 

 案内された両扉の向こうには、巨大な二本の指が鎮座していた。って、二本指って何かの組織名だと思ってたけど、まんま二本の指やないかーい!

 えっ、メッチャデカイんだけど。エネミーじゃなくて? これが俺たちの親玉? マ?

 

「ほれ見てごらん。指様も喜んでおられる。大ルーンの主たるアンタを歓迎してるのさ」

 

「た、確かに喜んでますね……」

 

 お婆ちゃんの言葉にシャキーンと指を立たせる指様なのだが、フォルムが完全にVサインだ。これはメッチャ喜んでいるというか、浮かれてますわ。

 その後、頭を垂れるように力なく指を曲げると、全身をプルプルさせる。

 その姿を「うむうむ……」と神妙な顔で見上げるお婆ちゃん。

 

「指様のお言葉を聞くがよい。――偉大なるエルデンリングは黄金の律。それは世界を律し、生命に祝福と幸福を授ける。だが、それは砕かれてしまった……。律の砕けは赦されぬ大罪。それは当然の報いをもたらし、今や世界と生命はどうしようもなく壊れている」

 

 朗々と語り始めるお婆ちゃん。テレパシー的なやつでやり取りしてるのだろうか。

 

「大いなる意志は、呪いと不幸が蔓延っているこの世界と生命を、見捨てはしない。お主たち褪せ人に祝福の導きをもたらし使命を与えたのだ」

 

 大いなる意思ってなに? 神様的な奴ですか?

 

「褪せ人よ、お主の持つ大ルーンはエルデンリングの大破片。それをもう一つ手に入れよ。そしてエルデの王となり、黄金の律を修復するのだ」

 

 何だか話のスケールが壮大過ぎて半分も理解できなかった。

 結局、エルデンリングって何? 世界を律するってどういうこと? 知力もカンストしてる俺だけど謎が深まったぜ……!

 

「取りあえず、大ルーンを集めればいいんですね」

 

「うむ。大ルーンはマリカの実子であるデミゴッドが持っておる。お主が倒したゴドリックだけはマリカの子ではなく遠縁に当たるため、神の血も薄く、最も弱いと言われているデミゴッドじゃ。残るデミゴッドはゴドリックの比ではないから、気を付けることだね」

 

 やっぱそうか。正直、ゴドリックより忌み鬼のマルギットの方が強かったし。他のデミゴッドはもっと強いんだろうな。

 話を聞いた感じだとマリカっていう人が実質的神で、その子供だからデミゴッド。

 んで、マリカが所有していたエルデンリングが世界を律していた、けど何らかの理由で砕けてしまい世界の法則が乱れた。あぁ、ていうことはエルデンリングってのはメリナが言ってた言葉通り、世界の法則を定めるものなのか。正真正銘のチートアイテムじゃん。

 そして、砕けた破片がデミゴッドたちに宿ったから、それを集めて修復せよと。そういうことね。

 

 頭の中で情報を整理しつつ大祝福に戻ると、暖炉の前に立っていたローデリカが近付いてきた。

 

「皆さん独特な方ですね……」

 

 この調子だとローデリカの方は挨拶回りが終わった感じかな。

 

「ローデリカはこのまま円卓に?」

 

「はい。雷斗様に付いていきたいのは山々ですが、きっと足手まといになるでしょうし。鍛冶師のヒューグ様が仰っていたのです。私には調霊の才があると。ですので、この才能を伸ばし、雷斗様の手助けをしたいと思います」

 

 やるべきことが見つかったからか、いつになく目に力が宿っている。

 活力が出始めて良い方向に調子を戻しつつあるローデリカに、俺の相好も崩れるってものだ。

 そういえば、こんな綺麗で可愛らしい娘が俺のことを好いてくれているんだよな。

 正直、まだ実感が湧かないけど、どことなく照れくささを感じた。

 

「そっか。そのヒューグっていう人にお礼言わないとな……。メリナを残しているから今回はこれで帰るけど、俺もちょくちょく円卓に寄るから。俺に手伝えることがあれば遠慮なく言ってね」

 

 調霊っていうのが何なのか分からないけど、霊って言うんだから遺灰関係かな?

 取り合えず遺灰に纏わるアイテムということで、【はぐれ狼の遺灰】と【墓すずらん】を全種類渡しておく。これらで勉強してくれ。

 

「そんな、良いのですか? このような貴重なアイテムを」

 

「良いの良いの。すずらんは滅茶苦茶在庫があるし、狼たちもローデリカになら安心して預けられるから」

 

 彼らのこと頼んだよ、と言って肩をポンポンするとローデリカの目はキラキラ輝いた。

 

「はい、お任せください。一生懸命勉強して、この子たちを強くしてみせます」

 

 あ、調霊って遺灰強化なのね。

エルデンリングはどこまで知っている?

  • ストーリー考察含めて大体熟知している
  • 本編クリア済だが難しくてよく分からん
  • 本編未プレイだが、考察動画で大体履修済み
  • 大雑把な概要だけ知ってる
  • タイトルは聞いたことがある
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