メリナが居る場所にファストトラベルする。
感じ取れた場所や数からして、恐らく祝福を経由してファストトラベルしているのだろうが、そうなるとあれか? 俺もメリナみたいに無意識のうちに粒子化しているのだろうか。
そうなると死ぬ度に祝福で甦るのも、粒子化して祝福で再構築されるから?
死に戻り的なアレだと思っていたけど、普通にメリナは記憶があるからその可能性は薄いし。
まあ考えてもキリがないため思考を切るけどさ。
「んで、それはそれとしてメリナいねぇし」
メリナの気配が感じ取れた場所へ跳ぶと、そこはゴドリックを倒した広場だった。
周囲を見回す限りあれから変わった様子はない。まさかとは思うけど、まだ城主が討たれたこと知らない訳じゃないよな……?
一切話が通用しない兵士たちの姿を思い出すと、その可能性も無きにしもあらずで、さらにそれを告げても問答無用で襲って来そうなのが怖い。
「あら、もう帰ってきたの。随分と早かったわね」
祝福の光に当てられたメリナが姿を現した。
メリナを待たせてるから二本指の話を聞いて即切り上げて来たと言うと、彼女は「……そう」とそっぽを向く。
ここからでもその耳が赤くなってるのが分かるけど、言わんでおこう。絶対ペチペチされる。
「二本指に会ったのね。驚いた?」
「メッチャ。何かの比喩かと思ったけど、そのまんまだったからマジ驚いたわ」
今でもあのインパクトは忘れられない。というか、忘れることが出来ない。
そのくらい衝撃的だったわ。あと目が無いお婆ちゃんも。
「円卓は二本指勢の本拠点。色々な情報が集まるところでもあるから、頻繁に顔を出した方がいいわ」
「でも、その間メリナ独りでしょ。寂しくない?」
「……子供扱いしないで。これでもトレントとずっと旅をしていたのよ」
基本的に霊体だから襲われる心配もなかったし、と言葉を続ける。
確かに、トレントも居るなら寂しくないか。
次の大ルーンを手に入れろと指示された旨を伝えた俺は、このまま先に進もうと思ったのだが、その前にやり残しがあるのを思い出した。
再度ファストトラベルで正門前の祝福に跳び、脇にある詰め所に顔を出す。
「……! あんたらか!」
手持ち無沙汰な様子で壊れ掛けの椅子に座っていた門衝のゴストークは勢い良く立ち上がると、俺の手を両手で握ってきた。
「話は聞いてるよ! あのゴドリックを倒したんだってな! ありがとう、本当にありがとう!」
握った手をぶんぶんと大きく手振るゴストーク。
その目には涙が浮かんでおり、心の底から喜んでいるのが伝わってくる。
そう、やり残したことはゴストークの件だった。ちゃんと知らせておかないとね。
しかし、兵士たちも噂してるってことは、サーチアンドデストロイに全CPUを割いた殺戮兵じゃなかったんだな。
「これでアイツの圧政から解放されると思うと、心が踊るようだ。遺体がなかったのは残念だがな」
「ん? 埋葬したりするの?」
憎き敵だから、てっきり適当な場所で放棄するのかと思っていたけど。
俺の言葉にゴストークは、ニチャァとした笑みを浮かべる。
「ハハッ、まさか。これまでこき使ってくれた礼をたっぷりするだけさ」
「お、おう」
彼の恨み辛みの根は深いようだった。
1
ストームヴィル城を抜けると美しい景色が一望できる。
断崖絶壁に建てられた孤城のため眺めは良い。戦略的には何故ここに城を建てたのか謎だが。
ゴドリックの接ぎ木になった人の墓だろう。近くには墓地がある。
奴は俺が倒したから安心して成仏してくれ、と手を合わせると、土の中からゾンビが現れた。ホラー耐性がついてなかったら絶叫ものだろう。
ボロボロの布切れを纏ったゾンビ――いや、スケルトンは鎌を手に、俺の周りを彷徨いている。
まさか、ゴドリックを倒した俺に感謝のお礼を……。と感動したのも束の間。
「やっぱり敵かよ!」
手にした鎌で思いっきり斬りかかってきた。
骸骨風情が誰に歯向かってやがる。俺はゴドリックを倒した褪せ人様だぞ!
紙一重で回避した俺は、期待を裏切られた憤りを刃に乗せて骨を砕き、その場を後にした。
まったく、とんだ道草を食ったもんだぜ。
そのままトレントを走らせると祝福が見えたため、一旦セーブ。
立地が悪いな……。すぐ近くが水場となっており、視る限りかなりの広さだ。水かさは脛くらいの高さだが、これって湖って言うんだろうか。
一休みするには適していないため、そのまま先に進むことに。
一応陸路もあるが、湖の方に廃墟のようなものが遠目に視えたからそっちに向かうとする。後でフローズン・レーズンあげるから我慢してトレント。
「おっ、商人のおっちゃんだ」
しばらくトレントの背中に揺られていると、焚き火が見えた。その手前には祝福もある。
焚き火の前にはカーレと同じ放浪の民である旅商人の姿が。以前カーレから紹介してもらった商人の一人だ。
「あぁ、あの時の……」
焚き火を囲っていたおっちゃんが顔を上げる。トレントから降りて祝福を起動させると、早速メリナが姿を現した。
突然現れたメリナを軽く一瞥するだけのおっちゃん。相変わらず肝が据わってるぜ。
「こっちに移動してたんだ」
「商品の仕入れでな」
「ふーん」
綺麗な満月が見える。今日はこの辺で一夜を明かすか。
そういえば、ラニ様と出会ったのもこんな月の出ている夜だったな。
あの時のラニ様は幻術だったから、このまま本人に逢いに行くか。ラニ様もデミゴッドだし、大ルーンを所有してる他のデミゴッドのことを知ってるかもしれない。
それに一臣下として、そして一人の男として愛する主君のご尊顔を拝見したいと思うことは当然のこと! オセアニアじゃ常識だよ!
「えーと、カーレが居る『エレ教会』がここで、今居る場所がここ。で、こっからさらに北となると……この辺か?」
ストームヴィル城の前で野営をしていた兵士たちの元からパクってきたマップの一部。
丁度、俺たちがいる地域、リムグレイブの詳細が描かれた地図にマークを付けていく。
うーん、建物や遺跡と思わしき絵が書かれているが、何の建物なのか分かんないんだよな。メリナに聞いてもダメだったし。
ここは、ワンチャン商人のおっちゃんに聞いてみるか?
「おっちゃんおっちゃん。この地図の詳細を知りたいんだけど、おっちゃん知らない?」
「ん? リムグレイブの地図か」
しばらく地図を眺めていたおっちゃんだが、「悪いが知らねぇな」と突き返してくる。
「またまたー、おっちゃんも人が悪いんだから~。――言い値で買おう」
ざっと十万ルーンほど取り出す俺にギョッとするおっちゃん。
フッフッフッ。カンストしている上に装備やアイテムも大体揃っている俺にとって、ルーンなど貯まるだけの無用なもの。
一回言ってみたかったセリフに、何ともいえない快感を覚える。札束でぶん殴るのってこんな感じなのかな。
「へっ、お前さんみたいな奴、嫌いじゃないぜ」
どうやらおっちゃんは商人をする前は冒険家で、その界隈では有名な人だったとのこと。
胡散臭さが半端なかったが、その頃に書いた地図が他でもない俺の持っている地図の断片で、リムグレイブの他にも【ケイリッド】や【リエーニエ】など、広大な地図を描いたらしい。
狭間の地で知らない場所はない、と断言しながら実際に二十数枚の地図の断片を取り出した時にゃ、俺の方がギョッとしたわ。
このおっちゃん、何者なんだ……。
「写しの地図ならまだあるからな。お前さんには特別だ。すべての地図の断片に詳細を書いてやる。計二十三枚から成る、狭間の地完全攻略地図! 今ならなんと、五十万ルーンだ!」
「百万出そう」
情報は金より勝る。各地の詳細な地図は今、俺が一番欲しいものだった。
しかも、おっちゃんが自分で足を運び描いたもの。複製とはいえ、その価値は五十万なんて額では収まらないはず。
俺にルーンは必要ないし、百万で狭間の地の詳細マップが手に入るなら安い買い物だ。
「おいおいマジかよ……。へっ! そうまでされちゃあ、俺も一商人として引き下がれねぇ」
鼻の下を擦ったおっちゃんは、カバンから新たな地図の断片を五枚ほど取り出した。
他の地図の断片と違い上質な紙に描かれたそれは、明らかに扱いが違う。
「本当はコイツを売るつもりはなかったんだが、オマケだ。持っていきな!」
そう言って押し付けるように渡してきた地図の断片には、【影の地】という文字が書かれていた――。
エルデンリングはどこまで知っている?
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ストーリー考察含めて大体熟知している
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本編クリア済だが難しくてよく分からん
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本編未プレイだが、考察動画で大体履修済み
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大雑把な概要だけ知ってる
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タイトルは聞いたことがある