毎度、誤字報告助かります!
カーリア城に蔓延る手の化け物のせいで、あそこは突破できないという結論に達した。
ならどうやってラニ様の元へ向かうのか。やはり崖を攻略するしかないということで、なんとかショートカット出来ないか色々と試してみた結果、とある魔術を使えばワンチャン行けるかも。
希望を見出したのは【引力弾】という魔術。その名の通り引力を発生させる弾を放ち、敵を引き寄せる効果がある。
それを使って自分の体を引き寄せ、上へ上へと登って行く、という作戦だ。
「……これでよし」
少しでも身軽になるため、装備をすべて外して褌一丁になった俺は【隕石の杖】を手に取り、トレントへ乗る。
傾斜のついた岩場まで走らせてジャンプ、そこから“引力弾”によるエレベーターだ。
失敗してもすぐ側の祝福に戻るだけだし、カーリア城を通るくらいならトライ&エラーに挑戦するぜ!
「頼んだぞトレント」
俺の言葉に駆け出すトレントは岩場の上を走り、頂上付近で跳躍。さらには空気を踏み締めて二段ジャンプで距離を稼ぐと、その体が霊体となる。
「そこ!」
トレントが霊体化すると同時に頭上に向けて“引力弾”を放った。
約三メートルの距離に出現した紫色の力場により、俺の体がぐんっと引っ張られる。
「よし、まずは成功――がはっ」
なんとか“引力弾”で登ることはできたが、力場が弾けると同時に俺の体にもダメージが通る。
そう、実は攻撃魔術に分類されるから自爆する羽目になるのだ!
だが、これしきの痛みで諦める俺ではない!
「ぐっ……引力弾! ぐはぁ!」
落下を始める前に次の“引力弾”で上へと登り、そして自爆する。
この行程を十回は繰り返した末、ボロボロになりながらも崖を突破したのだった。
「はぁ、はぁ……や、やったぞ……!」
満身創痍になりながらもショートカットに成功した俺に、メリナが拍手を送ってくれる。浮遊できる霊体はいいよなァ!
霊薬を飲んで傷を癒した俺は装備を身に付け、改めて周囲を見回す。
「おぉ……ここが、ラニ様の……」
周囲は霧で覆われているが起伏の激しい平原だ。
湖のリエーニエで見掛けた水晶が辺り一面に生えており、どこか幻想的な空気を醸し出している。
【魔術師塔】と思われる塔が三つそれぞれ離れた場所に建っているが、この内のどれかがラニ様の塔なのだろう。
ようやくラニ様のお顔を直に見ることが出来るのだと思うと感無量である。
「よーし、早速――!」
いざ行かん、と足取り軽くルンルン気分で手前の塔からお邪魔しようと思ったその時だ。
ふと地面に影が差したかと思うと、地響きを立てて巨大な何かが降りてきたのは。
「……」
それは美しい竜だった。
頭部から背びれにかけて輝石が生えており、月明かりを反射して美しい煌めきを放っている。
ゴドリック城で「ご照覧あれい!」の素材となった竜に比べて一回り――いや二回り以上大きく、何よりもその存在感が凄まじい。
視線を引き付けて止まない、圧倒的な存在感。生まれながらの強者、そして弱肉強食の世界で生存し続けてきた強さと誇り。
そんな背景までその凛とした佇まいから伝わって来るかのようだ。
「――あれ? なんで、俺……」
気づけば、普段していた目隠しを取っていた。
この美しい竜をこの眼で見たい。いや、見なければならない。
どこか心地よい高揚感、愛しいヒトと再会した嬉しさ、胸の奥が締め付けられる切なさ。
様々な感情が一気に押し寄せてきて、頬を濡らしていた。
「グルルルルルル……」
自分自身、困惑を隠せないでいると竜が顔を近づけてくる。
不思議と危機感は感じられない。竜から敵対意識のようなものが見られないからだろうか。
翡翠色の大きな目に俺の顔が映る。そういえば裸眼を晒すのは久しいのに、情報の洪水が起きないな。アデューラ、という名前だけは解ったけど……。
涙で濡れた俺の眼をジッと見つめて来た竜は、広げていた翼を折り畳み、その巨体を縮こませた。まるで伏せをするかのような姿勢だ。
ぬっと伸びた舌が俺の顔を舐める。あれ? もしかして懐かれてる?
「アデューラって言うんだな……。ラニ様の元に向かいたいんだけど、通してくれる?」
「グォオオオ……!」
俺の言葉に軽く頭を下げると、巨体を起こして背を向けてた。
そのまま足音を響かせて去っていく竜。見逃してくれるってことかな?
かと思いきや、足を止めて後ろを振り返り、「グォオオオ」と鳴く。ついて来いって言ってるみたいだ。
案内してくれるなんて親切な竜だな。と思いながら、その巨体の後を追うのだった。
1
塔の内部は魔術師塔という名に相応しい様相を呈しており、用途不明の器具や小難しそうな書物が散乱してあった。
ラニ様はお掃除が苦手のようだ。解釈一致!
何故か塔の中にもクリスタルが所々生えているんだけど、何だろうなコレ。
視たところ杖の輝石の素材らしいんだが、こんな感じで自然発生するんだろうか。詳しく識ろうと思えば出来るが、頭が痛くなるから止めておく。
道なりに進むと祝福を発見! これで祝福経由で直接ラニ様の元に向かえる。毎回“引力弾”でショートカットはしんどいからな。
「久しぶりだな、雷斗。トレントも息災のようで何よりだ」
昇降機を使って最上階へ向かい、手摺なしの外付け階段を上った先に我が主がいた。
書棚や実験道具が散らばる小部屋。一つしかない椅子に腰掛け優雅に二組の手を合わせている。
我らが麗しきラニ様。幻術によるラニ様も美しかったが、本物はやはり違う。
純粋に解像度が4Kから5Kに変わり、さらには女の子らしい良い香りまでするではないか。
フローラルな香りというのはこういう匂いを指す言葉なのだろう。つまりはフローラルはラニ様を意味するのだ!
こうして直接拝謁したからこそ分かるが、ラニ様の本体は人形に憑依している魂か。目や鼻筋は人形の造形に近しいが、細部は異なる。きっと人形にはモデルとなった人物がいるのだろう。
「改めてお前を我が臣下として歓迎する、が。イジーから面白い話を聞いてな。何でも私の宝剣を持っているらしいじゃないか」
薄っすら微笑みを浮かべるラニ様。怒ってはいないみたいだ。
その話題は絶対に出てくると思っていたので、すぐに該当の剣を取り出す。
「こちらで御座います」
「うむ。……ほぅ」
【暗月の大剣】は水晶のような薄い刀身が特徴の大剣で、冷気を纏っている。
【戦技・月光剣】は刀身を淡い光で包み、その状態で振るうと光波が発生する。離れた敵にダメージを与えることが出来る近・中距離武器だ。
様々な角度で大剣を眺め、月光剣を発動させるラニ様。
外に向かって実際に光波を飛ばしてみたりと、色々と試された結果。
「これは我が月光剣に他ならぬ、が。我が宝剣は未だ此処にある」
疑問は晴れぬが、お前の武器を勝手に没収する訳にもいかないだろう。
そう言葉を続けたラニ様は他にどんな物を持っているのか尋ねられた。
ラニ様のお目に掛かるか分からないが、希少価値のあるものを並べていこう。我が主を楽しませなければ!
二階の祝福がある部屋に移り、知識人のイジーさんも呼んで改めてお披露目する。
「ほう、【カーリアの騎士剣】に【星見の杖】か。随分と懐かしいものが出てきたな。む、これはラダーンの……。ラダーンとは戦ったのか? そうか……まあ私の剣があるのだから、ラダーンのがあっても可笑しくはない、か? おいちょっと待て……【黒き刃】に【神肌縫い】、【死王子の杖】、果てに【マリカの槌】だと? お前の持ち物の中はどうなっているんだ……!」
「さてはて、長く生きてきましたが、世界は摩訶不思議で満ち溢れてますな。私の鏡兜までお待ちとは……」
「他にも絶対何かあるだろう! えぇい、全部見せろ!」
御目汚しになるが、ラニ様の命に従いポーチの中にあるものを全て出した。
その結果、武器や防具に関してはちょっとした著名人から神が扱っていたものまで判明。
アイテムに至っては殆どがクラフト素材であり、クラフト内容が記載されていた製法書に関心を示していた。
イジーさんが言うには門外不出に相当するものなども含まれていたらしい。
クラフトか……。まだ一度も手をつけていない分野なんだが、今度試してみようかな。
「……お前に関して、深く考えないほうがいいらしい。初めてだよ、ここまで訳が分からないのは」
それが、俺の財産を全て確認したラニ様のお言葉である。大変遺憾ながらそれには俺も同意せざるを得ない。
いそいそとポーチに戻していると、表情を改めたラニ様から命令が下った。
「早速だがお前に仕事を頼みたい。ブライヴという半狼の戦士が私に仕えている。彼と組んで、見つけて欲しいのだ。永遠の都、ノクローンの秘宝を」
「おっ、ブライヴですか。それは俺のポーチには無かったんですか?」
「なんだ知り合いだったのか。そうであれば都合が良かったのだがな。
すでにブライヴを呼び寄せている。詳しい話は彼から聞くといい。ああ、それと魔術教授のセルブスもいるはずだ。癖のある者たちだが、気が向けば利用するがよい。…きっと彼らも、そうするだろう」
「承知致しました!」
「私は、もうすぐ眠りにつく。人形の体というのは存外儘ならないものでな」
次の目覚めに、吉報がもたらされていることを期待している。
そう言い、最上階のお部屋へ戻られるラニ様。
うぉおおおお! 初任務だ! やるぞぉおおおっ!
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エルデンリングはどこまで知っている?
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ストーリー考察含めて大体熟知している
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本編クリア済だが難しくてよく分からん
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本編未プレイだが、考察動画で大体履修済み
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大雑把な概要だけ知ってる
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タイトルは聞いたことがある