ミリセントとゴーリーに別れを告げて、隕石が落ちた場所を探しに歩くことしばらく。
ケイリッドには無いことが分かり、場所をリムグレイブに移したところで、そういえばラダーンを倒したことをエンヤお婆ちゃんに報告してなかったなと。
一度、円卓へ報告しに行くことにした。
「お婆ちゃーん! 大ルーンゲットしてきたで〜」
二本指が鎮座する部屋へ訪れた俺は、脇のベッドに腰掛けたエンヤ婆ちゃんにラダーンの大ルーンを見せた。
ゴドリックの大ルーンは三つ巴になった黄金の円なのに対し、ラダーンのそれは炎色の円の左側に棒のようなラインが入っている。
「おぉぉ……! この短期間で、大ルーンを二つも……! こんな快挙は数十年ぶりだよ! 大したものだよあんた!」
仄暗い眼窩をくわっと見開いたお婆ちゃんが、大ルーンを手にする俺の腕を掴み、しげしげと近距離から眺めてくる。
老人とは思えないほどの握力なんだけど。50kgはあるんじゃないかコレ。
「大ルーンが二つ。それを見たのは、今までたった一度だけさね。見てごらん。指様も、ひどく興奮していなさる」
ぶっとい二本の指をピンっと立たせた指様はまるでハサミのようにチョキチョキして存在をアピールしていた。
確かに、興奮してるのが一目で分かるネ。
「褪せ人よ、よくぞ為した。大いなる意志も、きっとお喜びだろう。これでお主は、エルデの王たる証を得た。褪せ人よ、黄金樹を目指したまえ。そして女王マリカに見えるがよい。エルデの王となり、黄金の律を修復するのだ」
例の如く指様の言葉をテレパシーで通訳してみせたお婆ちゃん。
水を飲んで一息つくと、その皺皺の顔をニコリとさせた。
「指様は、あんたに期待している。それこそ、ギデオン坊やと遜色ないほどにね。これを受け取っておくれ。せめてもの、婆の餞別さね」
そう言って渡してきたのは、手編みの小袋。
金色の毛糸で丁寧に編まれた手のひらサイズのそれを受け取ると、ゴツゴツとした感覚が袋越しに伝わってきた。
視てみると、小さな宝石のようなものが入っている。色的に水晶かな?
「その御守りが、あんたの助けになることを祈っておるよ。……さあ、もう行くがよい。あんた、エルデの王におなり」
お、お婆ちゃん……ッ!!
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「来ていたのか」
お婆ちゃんの気遣いに感動していると、声を掛けられた。この冷淡な声……。
振り返ると、予想通り。この円卓に集う褪せ人たちのリーダー格であるギデオンの姿が。
「……ギデオンの坊やか」
その手には一冊の本が握られており、しおりが挟んであるところを見るに、また部屋に籠って本を読み漁っていたらしい。
お前の母ちゃんは滅茶苦茶いい人なのに、このボンクラ息子は……!
何度か円卓に足を運んだから分かるが、メリナが言う通り、此処は二本指に与する褪せ人たちの集会所――というより、互助会に近い場所だ。
ローデリカやヒューグ爺さんのように、全員が全員エルデの王を目指している訳ではなく、それぞれ思惑があって行動しているようだが、それでもほとんどのメンバーが精力的に活動していて、頻繁に円卓を出入りしている様子が見受けられる。
唯一の例外は貴いお方の復活を望み、褪せ人たちと体を重ねているフィアくらいか。だが彼女も自身の目的のために邁進しているには違いない。
それなのに、この男は……! ただ知恵を身に付けるために部屋に籠り、ひたすら読書三昧!
知識欲を満たすことこそが目的と言って憚らない、引き籠りなのだッ!
「貴様は、年上を敬う心を持ち合わせていないようだな」
ギデオンからすれば当然の反応だが、良い歳した大人が堂々と胸を張って引き籠っている現状に、つい冷たい目で見てしまう。
前々からコイツとは肌が合わないと感じていたんだ。セルブスとは違う毛色だが、絶対に仲良く出来ないタイプ。
いい機会だから、煽っておくか。
「大ルーンを手にする実力は持ち合わせているけどね~」
これ見よがしにラダーンの大ルーンを取り出して見せびらかすと、読書に戻ろうとしていたギデオンの頭が勢いよく上がる。
恐ろしく速い二度見。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。
「そ、その大ルーンは……! まさか、勝ったのか……!? 最強のデミゴットである、将軍ラダーンに! 貴様が!?」
「そうですけど、なにか? ああ! そういえば此処に、ずぅぅぅぅっと部屋に籠りっぱなしで大ルーンの一つも手に入れていない褪せ人殿がいましたなァ。確か、ギデなんとかさん、でしたか?」
「き、貴様……ッ」
俺の煽りテクに翻弄され体をプルプルさせている円卓の指導者(笑)。
そのまま怒りに身を任せ、手にした杖で思い切り床を突き――。
「雷斗ぉ~! 聞いたぞ、彼の将軍ラダーンを倒したと! さすがは私の夫となる男だ!」
黄色い声を上げたネフェリ・ルーに横から抱き付かれた。
豊満な胸を押し当てながらグリグリと顔を擦り付けてくるネフェリ・ルー。お義父さんの前だというのになんと大胆な……。
そして、娘が目の前で男とイチャついたってのに「……戦いの空気ではないな」と殺気を収めるテメェもテメェだよ。その主張には全面的に賛同するけど、気にしなさ過ぎるだろ!
「フン……そうだ。君に1つ頼み事をしたい。そこのネフェリに同行し、しろがね村へ行きたまえ。そして、狼と共に過ごす女を探すのだ。彼女はきっと知っているはずだ。もう片方の、秘割符の在り処をな」
「はあ? なんで俺が」
何でコイツの頼み事を聞かなきゃならないんだ。
そう言葉を繋げようとした時、ヘルムに隠された奴の顔が嫌らしく歪んだのを感じた。
「そうかそうか。君はネフェリに協力するつもりがないと。恋仲であるにも関わらず。君のネフェリに向けた愛情はその程度のものだと、そういうことだね?」
「……あ゛?」
今コイツ、なんつった?
「大ルーンを二つも手に入れた君の実力を見込んでのことだったが……どうやら、私の見込み違いらしい」
無理を言ってすまなかったな。そう言って肩を竦めるギデオンに殺意が湧く。
俺のことを貶すのは構わねえ。元からこっちが売った喧嘩なんだ。
だけどよぉ、越えちゃならねえ一線ってのがあるだろうがよぉ……。
怒りに呼応して、内に秘めたる魔力が漏れ出る。
ラダーン戦で多少なりとも竜の力を扱えたお陰で、我を忘れて暴走なんて失態は犯さずに済んでいるが、きっと今の俺はバッキバキに竜眼を開眼しているに違いない。
「我が義父よ! 雷斗を貶める発言、我が義父とはいえ見過ごせんぞ!」
どう言い返そうかとボギャブラリー辞典を脳内で開いていると、ネフェリ・ルーからの擁護が。
娘から鋭い声を浴びせられたギデオンは一瞬フリーズすると、弁明しようと口を開くが。
「それと、雷斗は実力だけでなく器も広い男だ。戦うしか能のない私を放っておくなど、そんな小さな考え、微塵もないはずだ。そうだろう、雷斗!」
「お、おう」
「むっ、どうした雷斗、声が小さいぞ。……まさか、本当に私を放って――」
「んなわけないやろ~! んもー、ネフェリ・ルーは心配性やなぁー」
「……そうだな。うむ、私は分かっていたぞ! 雷斗ならきっと私の期待に応えてくれることを! それに、戦うことしか知らない私だけでは、秘割札の在りかなど到底聞き出せるとは思えないしな!」
そう言い、清々しいほどまでの笑顔でカラカラと笑うネフェリ・ルーだが、俺は引き攣った笑い声しか上げられなかった。
何故なら、最後にボソッと呟いた言葉がこれである。
「まさか、ローデリカにだけ甘い顔をするわけではあるまい……?」
ヤンデレなネフェリ・ルーは解釈不一致なんですけど!?
エルデンリングはどこまで知っている?
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ストーリー考察含めて大体熟知している
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本編クリア済だが難しくてよく分からん
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本編未プレイだが、考察動画で大体履修済み
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大雑把な概要だけ知ってる
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タイトルは聞いたことがある