誤字報告、いつもありがとうございます。
絶景スポットを背景に抜かずの三連発でメリナを満足させて、真っ赤な顔で実体化したラティナに詰問された後。
「今後も彼らの交わりを見せつけられるのだろうか。一体どんな顔をすれば……どうしようロボ……」と頭を抱えるラティナをそのままに、一旦円卓へ立ち寄ることにした。
大祝福が置かれた広間には基本的に人の姿はないのだが、暖炉の前で所在なさげに佇むローデリカを発見。
俺を見るや駆け寄ってきた彼女は心配気な表情を浮かべている。
「雷斗様、ネフェリ様の様子が……」
「ああ、分かってる。少しセンシティブな問題が発生してな……。ローデリカは今まで通り接してあげて」
「それはもちろんです。ネフェリ様は一階にいらっしゃいます」
「ありがとう」
彼女のメンタルケアを優先したいが、まずは状況を確認しなければならない。
ギデオンの部屋に行くと、奴はいつも通り本を漁っていた。
普段通りの姿で、なんの問題もなかったとでも言うように。
「――君か。しろがね村の件ご苦労だった。しろがね人の女は見つからなかったようだな」
「そんなことより、お前があの惨劇を招いたんだな」
まずはその件について問い質すと、ギデオンの口から溜め息が漏れた。
殺意が湧く……。
「あぁ、そのことかね。ネフェリにも問い詰められたよ。まったく、斧を振るうしか能がない蛮人だから拾ったというのに。もう少し長く使う予定だったのだがね」
「……どういう意味だ」
不穏な言葉に思わず眉を顰めた。
そんな俺など目もくれず、机の上に本を積み上げながら何でもないように話す。
「あれは疑念を抱いた。もう用済みという訳だ。まったく、困ったものだよ。凡愚の意志など、忌み角にも劣る害悪というのに……だが女王は、それをこそお望みかもしれぬ。我ら褪せ人にな――ぐぁっ! き、貴様、何を……っ!」
「死ねッ!」
ヘルムが歪むほどの張り手を見舞った俺は、そう吐き捨てるとネフェリ・ルーの元へ急ぐ。
一階に続く階段の前はヒューグ爺の職場だ。
いつも通り熱心に剣を打っているヒューグ爺は俺を見ると、険しい声で話し掛けてきた。
「先ほど、ネフェリの小娘が下に向かったが……小僧、何かあったな?」
「ああ、それも厄介な問題がな……! 文句ならギデオンのクソ野郎に言ってくれ!」
「フン、百耳案件か」
ギデオンが絡んでると分かると、さらに不機嫌になる。ヒューグ爺も嫌ってるのか。
「普段通りを装っているが、あれは心が折れているぞ。そういう目だ」
「……」
状況は思った以上に険しいようだ。
階段を降りた先の廊下にネフェリ・ルーは居た。
普段の凛とした姿はそこになく、顔を伏せたまま廊下に座り込んでいる。
彼女の隣に腰を掛けた俺は少しばかり静寂を共にしていると、やがて震える声で呟き始めた。
「義父と、話してきたよ……。私は、私は義父に捨てられた。感傷に溺れ、恩を忘れ……彼の手駒を損なった。その罰としてな」
両膝を抱えて顔を埋めるネフェリ・ルー。
どこか楽観的だが勇猛で、戦士としての自分に誇りを持ち、自信に溢れていた彼女が小さく見える。
貝のように縮こまりながら、独白する彼女の肩に手を回した。
「義父は、ギデオン卿は、ずっと私の導きだった……。
彼がエルデの王になるために、何でもするつもりだった。それなのに、私は……彼を裏切ってしまった」
「最初に裏切ったのは奴の方だ。ネフェリ・ルーは期待に応えようとしていただけじゃないか」
「裏切った……裏切ったというのかな……。私は、私の心情など関係なく、義父の手足として動くべきなんだ。義父のための私であるべきなんだ。なのに、私はもう……義父を信じきれずにいる」
顔を上げたネフェリ・ルーの目には、涙が浮かんでいた。
頬を伝った涙は大粒の雫となって顎先から滴り落ちる。
「あの者たちが、義父の命であの惨劇を起こしたのなら、彼の正義はどこにある? 義父は言っていた。彼がエルデの王になれば、もう二度と、弱き者が奪われぬ治世を敷くと……あの言葉は偽りだったのか?」
嗚咽を漏らすことすらせず、静かに泣きながら胸の内に生じた疑問を口にするネフェリ・ルーだが、我に返ったかのように頭を振ると弱々しい声で呟いた。
「ああ、違う、違うんだ。忘れてくれ……義父は、私の導きだった。そして私は、それを失ったのだ……」
ネフェリ・ルーにとって義父は道標であり、拠り所だったんだな。
ゴーリーとミリセントちゃんも父娘ですれ違いが起きていたが、今回は違う。
ネフェリ・ルーは依存に近い形で義父に頼っていて、ギデオンは端から便利な手駒としか見ていない。もしかしたら親としての自覚すらない可能性もある。
ヒューグ爺の言っていた通り、心が折れてしまっているのかもしれない。
「……取り合えず、俺の部屋に行こう。此処だと風邪をひく」
今の彼女には休息が必要だ。
部屋に案内した俺は彼女をベッドに寝かせた。心が疲れた時には寝るに限るからな。
弱々しく俺の手を握るネフェリ・ルーの姿に、胸が締め付けられる思いだ。
一時的でも良いから、心の拠り所になるものがあれば……。動物系の遺灰でも渡すか? 現代ではアニマルセラピーがあったし。
そういえば、ネフェリ・ルーはよく風という言葉を口にするよな。
風を感じる動物か。
風……突風……暴風……嵐……ストーム……ストームウィル城――って違う…………隼や狼とかか?
「なあネフェリ・ルー。鳥と犬ならどっちが好き?」
「……なんだ、藪から棒に……。だが、そうだな……」
昔、鷹を飼っていたから、鳥だな。少し穏やかになった表情でそう呟くネフェリ・ルー。なるほど、鷹か。
よし、良さげな鷹を見つけたら、確保してくるとしよう。
「今は休め。何も考えず、心を癒すんだ。大丈夫、お前は独りじゃない」
「雷斗……」
今のネフェリ・ルーは鬱病のそれに近い。生前、鬱病に悩まされた俺には、彼女に必要なのは心の休息なのだと理解出来る。
鬱病にも色々とステージがあるが、今のネフェリ・ルーはかなり深刻な鬱状態。こういう時は何も考えないで寝ることが大事だ。
リラックス出来るお香も焚いておこう。
調香師の製法書を見ながら【安らぎの香り】を調香した俺は、それを香炉に入れて焚いた。
素材に眠気を誘うトリーナの花も使用してあるため、心身が落ち着く香りが漂う。
「雷斗……すまない……」
香の匂いに誘われて眠りにつくネフェリ・ルーの頭を優しく撫でるのだった。
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後ろ髪を引かれる思いがあるが、いつまでもネフェリ・ルーにつきっきりという訳にはいかない。
ネフェリ・ルーの事情をローデリカに話し、俺が居ない間の世話などを頼むと、彼女は快く引き受けてくれた。
ローデリカにも感謝の形として何かプレゼントしよう、と頭の片隅にメモしながらメリナたちの元へ帰還。
色々と寄り道してしまったが、改めて隕石探しの旅を続けることに。
「セレン師匠なら何か知ってるかな?」
でも、あの人って地下に籠りっぱなしだから場所まで分からないか。
しかし折角近くに寄ったのだから顔の一つでも見せようと、師匠の元を訪れると。
「ふむ、隕石か。そういえば、リムグレイブ方面に巨大な隕石が落ちるのを見たと、ジャックが言っていたな」
「マジっすか」
いつもの考える人のポーズを取る師匠からまさかのヒントが。
ちなみにジャックというのは門番をしているカボチャ頭の名前である。
早速、ジャックに話を聞いてみると、カボチャ頭越しにもごもごと教えてくれた。
どうやら師匠からお使いを頼まれて、丁度リムグレイブに訪れていた際に隕石が落下したらしい。
「サンキュー、ジャック!」
その場所を地図にマーキングしてもらった俺は、お礼に【勇者の肉塊】をプレゼント。
早速、トレントに乗ってリムグレイブへ向かうことにした。
マーキングされた場所はリムグレイブの東に位置する森の中。
道中、出現する熊たちを置き去りにしながらトレントを走らせていると、
「おおおぉぉ……! なんだこりゃ……!」
唐突に視界が開けると、そこには巨大な穴が開いていた。
水脈が滝のような勢いで穴の中へと降り注いでいる。底が見えないほどの穴だが、よく目を凝らしてみると水面が見えた。距離にして数キロはあると思う。
ここが隕石が落下した場所だと理解するが、それとは別の摩訶不思議な光景が広がっている。
瓦礫の山が宙に浮いているのだ。
穴の中心に、まるで空から降ってきた瓦礫が空間ごと静止したかのように宙に留まっている。
一体、どんな原理なのかと目隠し越しに目を凝らしてみると、空間断層が生じているのが解った。が、それ以上は情報の渦に呑まれてしまうため、一旦視線を切る。
「あ、ご主人さま! あれ! あそこに穴がありますよ!」
「おっ、ホントだ。でかしたボック!」
ボックが指差した場所には横穴らしきものが見えた。
もしかしたら、あそこからノクローンへ行けるのかもしれない。
「頼んだぞトレント」
崩れた足場を辿れば何とか辿り着くことが出来るだろう。
トレントは俺の期待を裏切ることなく、見事に陥没した足場を辿り入り口に到着してみせた。
例のように結界によって霊体化するトレント。
【黄金樹の誓い】でメリナを実体化させた俺は、いよいよラニ様から託された使命をまっとうするために、ノクローンへ足を踏み入れるのだった。
唐突に一時小説を書きたくなったので、一旦更新をストップします。
楽しみにしていた方々、申し訳ございません!
エルデンリングはどこまで知っている?
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ストーリー考察含めて大体熟知している
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本編クリア済だが難しくてよく分からん
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本編未プレイだが、考察動画で大体履修済み
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大雑把な概要だけ知ってる
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タイトルは聞いたことがある